3485 「一九二一年(大正十年)に開催されたワシントン軍縮会議の開催前に米国情報部は日本と英国の戦艦建造予定の図面を入手し、日英両国の設計図の戦艦が完成した場合、米国がその当時自信を持って建造中だった戦艦一六隻の全てが、大砲の口径、装甲の厚さ、速力のどれをとっても、とうてい太刀打ちできない時代遅れの二流艦程度のものでしかないことが判明した。そのため、この一六隻の建造を中止して日英両国の建造予定のものと同程度の性能の戦艦を米国が建造するにしても、莫大な費用がかかるだけでなく、その高性能艦が出来上がったとしても、パナマ運河の匣門を通過することが不可能となるという問題も判明した。」と日米情報戦記 実松謙 著にありましたが、このことについてなんでもいいので教えてください。本当にあった事なのでしょうか。
ハイネッケ001

  1.  「丸」でちらっと出てただけですし、運河の航行が可能かどうかも分かりませんが、サウス・ダコダ級の3連装16インチ砲塔を連装18インチ砲塔に載せ替えて、副砲も砲塔タイプにする案があったそうです。できたとしても低速戦艦のままでしょうけど。
    tomo

  2. 1912年頃から当時の海軍事務委員のメンバーだったB・R・ティルマン上院議員の肝いりで(計画だけ)検討されていたMaximum Battleships計画の最終案IV-4のことではないでしょうか?
     計画では457.2mm/L50砲13〜15門、舷側/水平装甲407mm/203mm、砲塔前面457mm/533mmと日英の計画戦艦を攻防ともに上回り、速力も25ノット以上を発揮する怪物となる予定だったようです。
     因みに建造予算は1隻約5,000万$超と本艦1隻で年度海軍予算の半分を必要とするため、当時の貧乏海軍ではそんなものを建造できるわけもなく、結局机上の空論のままに終わったようですが・・・。
    ヴェトミン

  3. tomoさま、ヴェトミンさま、
    ご回答ありがとうございました。IU-3計画が質問中の「日英が建造予定の・・・」に該当する計画だったのですね。実松氏の記述によると「既に建造中の十六隻」となっているので、それ以前の建艦計画で作られていたという可能性がありますね。この時代の米国戦艦の変遷について、以前「丸」に連載されていたと思うのですが、これがtomoさまのいわれているものですよね、また、なにか参考書となるような本ありましたら、書籍名お教えください。よろしくお願いします。
    ハイネッケ001

  4. >ハイネッケ001様
     米海軍では、1916年にイギリス海軍が次期主力戦艦へ18〜19インチ砲の採用を考慮している事と、日本海軍もまたQ・E級高速戦艦類似でより大口径砲を搭載した高速戦艦の建造計画を推進しているという情報を入手していたようですので、この情報と当時推進中だった三年計画艦との性能比較について述べていたのではないでしょうか。
     因みに、ティルマンプロジェクトは日英の新戦艦計画にはあまり影響されていなかったようで、どちらかといえば軍拡競争に巻き込まれる事を嫌う国民感情に配慮した少数精鋭主義の発露というべき物だったようです。

    PS 以下はTillman Battleships計画の要目一覧についてまとめられたHPです。少しでも参考にでもなれば幸いです。

    ttp://home.att.net/~wellsbrothers/Battleships/TillmanBB.html
    ヴェトミン


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