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もし原潜を撃沈したとして、環境面でどのような被害があり得るのでしょうか? 原潜長州 |
- どうもならんでしょう。撃沈ということになれば原子炉は自動的に緊急停止します。過去にロシア海軍の原子力潜水艦「クルクス」が事故により沈没していますが、原子炉は緊急停止し、環境にはなにも影響はありませんでした。
世ー具瑠戸
- 原子炉が稼動しているかどうかが問題なのではなくて、艦が搭載している核燃料そのものや稼動している間に循環していた冷却水の漏出なんかのほうが問題になるんじゃないでしょうか。人体に影響があったかどうかはともかく、「環境になにも影響なかった」ことはないんじゃないかと思います。
ちなみに沈没したのは「クルスク」ですね。
かめ
- 過去の原潜事故では原子炉が暴走しかけて、炉心のメルトダウン・水蒸気爆発が危惧されたことがあります。 そうなれば結果は核爆発とさして変わりありません。
撃沈されてそのまま沈没しただけでは大した問題はないでしょうが、原子炉の制御に問題が生じる可能性が0だとは言い切れません。 フェールセーフがすべてうまく働くのならロシアの原潜はあれだけ原子炉事故を起こしたりしません。
カッタ
- 定量的に示すデーターを持ち合わせておりませんゆえ、参考にしていただければですが・・・
現代の核動力潜水艦の原子炉はPWR(加圧水形)が主流です。この形式は炉心容器と一次冷却系が加圧されています。したがって、潜水艦が沈没しても、炉心容器の内圧+炉心容器の圧壊強度までの水深なら炉心容器と一次冷却系の破壊は発生しない事になります。どの程度の水深なのかというデーターは残念ですが持ち合わせておりません。
原子炉そのものの破壊:
原子炉区画は放射線遮蔽物で厚く覆われるのが一般的です。材質は定かではありませんが、鋼鉄や蛇紋岩コンクリートは優れた遮蔽材として知られています。
武器による原子炉破壊は船体外殻と遮蔽材を貫通した上で、さらに内部からの圧力に耐える強度を持つ炉心容器を破壊することで発生します。無いとはいえませんが、簡単では無い事は容易に想像できると思います。
原子炉制御の問題:
メルトダウン(炉心溶融)は非常に限られた条件でしか発生しません。PWRでの絶対条件は一次冷却水の喪失です。したがって武器で破壊された場合は冷却水が海水に置換されるだけですので、起こりえません。
水蒸気爆発はPWRでは多分発生し得ないと思われます。一次冷却水の喪失を伴わないで、炉心容器内の水が炉心容器を破壊する圧力を持つほどの水蒸気になるというケースがあるのかどうか??
それと、炉心容器内部での爆発は水蒸気ではなく水素爆発かと思われます。過熱した炉心に触れた水が熱分解され、発生した水素が炉心容器上部に蓄積して、爆発を起こした例はチェルノーブリの事故があります。
elebras