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3145 現代に於ける潜水艦の、対水上艦戦闘はどの様な物なのでしょうか?
出来ればその手順もお聞かせ下さい。
yellow1

  1.  先に謝辞を。
     このサイトによって得た知識や、いろいろな考え方を得られたことは私にとっての財産となっていますが、今まで「見る」専門でした。活発な議論を繰り返し該博な知識を披露されている皆様に、限りない感謝を。

     さて標記の件ですが詳しく書き出すときりがなさそうな案件ですね。ただ私の職業柄、私が答えるべきものだと考えられますのでなるべく詳しく説明してみたいと思います。
     ただし各国の海軍によりかなりの相違があることをまず念頭に置いていただきたいと思います。これを極端に定型化すると以下の通りです(これは私の「私見」と理解してください)。
     消極防御(防衛)
     積極防御(防衛)
     攻勢防御(防衛)
     積極攻勢
     ただし、最後の「積極攻勢」を潜水艦の役割として明文化していた海軍は(私が知る限り)過去から現在にかけて知りません。

     さて、当然の事ながら現在の海軍の戦術がいったいどのようなものかはまったくといっていいほどわからず、推測に頼るしかないですが、実は潜水艦のスペック、構造からある程度推測できます。そう言った観点から、潜水艦による「対水上艦戦闘」にスポットを当ててみましょう。

    (魚雷の使用に関してはかなり後で別項を持ってお答えします)

     旧ソ連の場合。
     これは攻勢防御から消極防御までを網羅しています。先の部分で書き忘れましたが、原子力艦はすべからず積極防御以上で、可潜艦すべからず消極防御だと思ってしまって過言ではありません(詳細は後述)。そこを突き破りそうな艦も登場しそうですが、本論とは関係ないので省略します。またここからの文章は推測や推計がほとんどであることを先に言っておきます。
     攻勢防御
     オスカー級が攻勢防御の具現化といえます。と、いうか現用型潜水艦では唯一のものですか?
     構造や艦形、乗員数、物資の搭載量(推測値)から考えると積極的に遠洋に出向き敵艦船を自艦のセンサー以外の方法も含めた手段で発見、補足し、その搭載する3M-45「グラニト」(SS-N-19シップレック)24発を一気に発射して命中を見届けることなく一目散に逃げることが基本的な戦闘方法だと考えられます。
     なぜ、そういう推測がなされるかというと、例の「クルスク」の引き上げられた船体から引き出された「グラニト」が予想以上に巨大で(私が見た場面の上からは)ミサイルの発射方法が「ホットローンチ」に見える点です。
     つまり発射時に大きな騒音を発生するわけで、どちらにしてもあんなに巨大なものが空中に飛び出せば直ちにレーダーに発見されます(但しAEW機がいた場合)。
     レーダー覆域下から発射すればと言われるかもしれませんが、例えば例えば550キロという破格のその射程ぎりぎりから発射するとなると潜水艦側からも敵が「見え」無いわけで。
     24発の同時発射が許容されるのはよほどな「高価目標」でなければ危険は許容されないと考えられますが、それは疑いもなく「米空母」であり、おそらく発射と同時に「敵」が殺到することになるでしょう。そう考えるとある程度の「狼群」戦法を前提にするでしょうし、他の部隊との共同をはかるでしょう。
     そう、つまり「オケアン演習」の再現であり、それこそが「オスカー級」潜水艦にいたる旧ソ連の「巡航ミサイル潜水艦」の存在意義といえるでしょう。
     しかし、この手の「攻勢防御潜水艦」の系譜はこれで途絶えるでしょう。見ての通り、「反撃されることを前提とした」戦法であり、潜水艦最大の武器である「隠密性」を最後の段階で放棄しているに他ならないからです。初手必殺の手段で、反復攻撃をいっさい考えない戦法でありこの戦法で潜水艦が必要であるのは「ミサイル発射機の多様化」の一手段に他ならず、攻撃後の生還を保証する可能状況が「敵の全滅」であるというのはある種の「特攻兵器」としか言いようがありません(むろん「成算が高い」が)。潜水艦である必然性はあっても「絶対」ではないのです。
     だからこそ「550キロ」の射程で「24発」なのでしょうが、たとえば単艦から発射される1発のグラニトはたいした脅威ではないですし発射と同時に対潜水艦部隊が殺到しあっという間に撃破されるでしょう。24発同時発射でも、あれほどの巨体のミサイルです。それが一直線に飛んでくる。ちゃんとした「米」艦隊相手ならよほど迂闊でもない限り一発残らず撃墜できるでしょう。これがイージス系のレーダーシステムを持たない艦隊ですと死活問題ですが。
     オスカー級は攻勢防御戦闘に特化した潜水艦であるので一般的な議論に持って行きようがないですが、他の潜水艦をこの任務に使用した場合の末路も悲惨なものになるでしょう(実は搭載武器とその使用方法によっては違う結果になりますが)。
     つまるところオスカー級の場合は潜水艦というより対米空母攻撃システムの一環であり、質問の趣旨とは微妙にずれそうです。
     ここで一つ疑問が出るかもしれません。これは積極攻勢ではないか?ということです。
     もちろん違います。これはあくまでも「防御(防衛)戦闘」の一形態です。
     この戦闘方法は各部隊が有機的に連携し敵艦隊を補足、追跡、その目的地あるいは目標を推測、その予測経路に展開、命令一過、攻撃、と言うプロセスが必要で、つまるところ受動的にならざるを得ないのです。また、いくら通常の潜水艦と性格が違うと言っても、潜水艦である以上、展開予定海域に達する前に敵に発見されては元も子もないですし、また発見されないようにある程度以上に慎重にならざるを得ません。結局のところオスカー級はその存在自体に潜水艦としての致命的欠陥があるように思えてなりません(私見ですが)。
     
     では、それ以外の潜水艦による対水上艦戦闘は?
     長くなったので、区切りましょう。
    SM-12PMS

  2.  予想以上に長文になりそうですが、これ以上書き込んで良いかどうか迷います。迷惑になるようなら、回答手段は別の方法を考えるべきですか?
    SM-12PMS

  3.  質問に対するレスの形を借りた論文を発表するのはご遠慮願います。
    SUDO

  4. 回答が多岐にわたると予想される場合、まず案件を質問者の方に絞っていただくべきではないかと考えます。
    まなかじ

  5. >・・例えば550キロという破格のその射程ぎりぎりから発射するとなると潜水艦側からも敵が「見え」無いわけで。

    下のサイト、SS-N-19の誘導方式に関する記載部分をご参照願います。この情報からすると、搭載艦は衛星からの情報を受信するアンテナを装備し、ミサイル発射後も衛星からのリンクで目標に関するデータがミサイルに送られ、中間誘導を行うとされています。最終誘導はアクティブレーダー(赤外線ホーミングを備えているという情報もあり)だそうですが。どうして潜水艦側から敵の位置が判明できないと受け取れるような記載をされるのか、理解に苦しみます。
    http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/ss-n-19-sai-axx.htm
    そもそも、ここは議論の場所ではないので、これだけに留めておきますが、ここの掲示板の趣旨を理解していただくよう、私からもお願いいたします。
    アリエフ

  6. >私の職業柄、私が答えるべきもの...文章は推測や推計がほとんどである・・・???   私は的を得て的確な回答であれば「多少」は長くなる時があってもいいかなとは思うのですが...。
    トロッター

  7. この場合、まず魚雷とSSMに大別されます。
    魚雷は無誘導と誘導に分ける必要があり、誘導魚雷は有線及び航跡追尾型について分けて書くことができます。
    SSMは便宜的に長射程の巡航ミサイル、中距離射程の対艦ミサイル、(比較的)短射程の対艦ミサイルに分ける必要があるでしょう。
    細かく言い出せば、それぞれのミサイルの誘導方式による運用の違いに触れることもできます。
    これをそれぞれ述べていけば膨大な字数になることは当然です。
    薄い本なら1冊になりますし、雑誌の特集記事をこの話題だけで埋めることだってできるでしょう。
    ですから、これは実はかなり漠然とした質問なのであって、BBSという形式で回答を寄せきれるものではないと個人的には考えますが。
    まなかじ

  8. >6
     的を射ていない回答だから「質問へのレスの形を借りた論文」はやめろと言ったのです。
    >7
     別にそんなに長く書く必要も無いかと。
    A;何等かの形で概略位置を掴む
    B;射程内に入り込むか、目標が入ってくるのを待つ
    C:射撃諸元を得て発射。装備によっては誘導を行う。
     たったの3項で済むことです。
     戦前のそれから何も変らないかと。
     それぞれの項で、判断基準や用法、また装備の特性や相手の防衛処置等による可変するファクターはありますが。書き出すほどのことでもないですね。
    SUDO

  9. >SUDO様と同意見を柔らかく言ったつもりだったのですが「?」が3個程度ではご理解いただけなかったでしょうか?
    トロッター

  10. >9
     ええ、私の読解能力は非常に低いので、理解できませんでした。
    SUDO


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