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ものすごく基本的なことですいません。 モスボール保管とはどのような状態のことなのですか? オルシナス |
- ボではなく、ポです。モスポールで検索すれば判りますよ。
キック
- >1
「ボ」です。(mothball)
Ranchan
- 正しくはMothball(モスボール)です。防虫剤に使うナフタリン等の『防虫玉』が語源です。衣服を長期保存するように、航空機や艦船を再利用前提で長期保存することを指します。航空機の場合はデビスモンサン基地の真っ白くコーティングされた機体の群れが有名です。樹脂などでゴミが入らないようにして保管します。
また、Mothballは予備役に入れること、退役させることを指す場合もあるようです。
ネコ丸
- 失礼しました。(ずっと思い違いしていました。)
キック
- 「mothball」ですよ。
防虫剤のこと、つまり衣服をタンスにしまいこんでおくのにたとえているわけです。
「in mothballs」で、(使うかどうかわからないけど、あとで使うかもしれないから、というニュアンスで)「保管しておく」というスラングになります。
つまり、状況としてぴったしなわけですね。
従って、モスボール保管という決まった状態や用語があるわけではなく、通称です。米海軍の正式な呼び方は単にリザーブです。
外せるものは外し、開口部はできるだけ密閉し、繋留しておくわけですが、クラスにより、また同じクラスでも艦により、その度合や処理要領はさまざまです。
写真を見るほうが早いかもしれません。
http://www.warships1.com/US/USbb64-pic-94-reserve1.jpg
ウィスコンシン
http://www.warships1.com/US/USbb62-pic-93-reserve-Mo1
ミズーリ、ニュージャージー
http://www.navsource.org/archives/04/0403604.jpg
ミネアポリス
http://www.navsource.org/archives/04/0413403.jpg
デモイン
http://sjkids.scottsburg.com/Mothballs74.jpg
フレッチャー級
まなかじ
- レーガン時代のニュージャージーの記事でその用語を見てからずっと気になってましたが、それだけの事だったんですか。艦船は錆とか防ぐのに特に何もしないんですか? (上の写真リンク2個"403 forbidden"でした)
Yp
- リザーブ状態で長期保管される米艦は、艦を塩害や錆から保護するために表面に保護剤を吹き付けた状態で保管されます。下のデモインの写真を見ると艦が白っぽい塗料で塗られている用に見えますが、これはその保護材によるものです。
http://ussdesmoines.com/movement.html
またこの他にも錆の発生を減らすため出来れば淡水部で係留する(係留場所の水域に弱い電流を流して、海水の塩分を減少させる場合がある、とも聞いたことがあります)・浮かべておくために排水ポンプを動かす等の定期的な整備作業が行なわれるなど、状態を維持して保管するための各種手段が講じられており、ただ単に浮かべておくわけではありません。
なお、艦を完全にほったらかして浮かべておくと、ソ連の廃棄潜水艦の様に赤錆だらけになって海底に沈む場合もありえます。
大塚好古
- 世界の艦船記事で覚えてる写真だと、この号がそうですね。
http://www.ships-net.co.jp/detl/199811/indexj.html
この号の「600隻艦隊構想の名残り・・・ パール・ハーバーの米退役艦隊」です、カラー写真なんでわかりが良いかと思います。
ooi
- すいません。便乗です。
そのモスボール状態から復帰した船ってあるんですか?
#ニュージャージー級の戦艦以外で。
wittmann
- >9
第二次大戦時であればWWI時の駆逐艦及び潜水艦多数が予備役保管状態から復帰しています。また第二次大戦後の場合でも、戦後モスボールされたエセックス級空母やバルチモア・クリーブランド級に属する巡洋艦、加えて駆逐艦や潜水艦各級に属する艦が冷戦下の緊張の中、モスボールを解いて近代化改装工事を実施の上、現役に復帰した例は多数あります。
大塚好古
- あー、あと1978年に除籍された後も保管状態にあったタング級潜水艦のトラウト(旧SS-566)が1997年に可動状態に復帰しており、対潜訓練目標として現在稼動中、というのもモスボールからの復帰例としてあげることが出来ますね。
大塚好古
- >9
日本関連だと、海上自衛隊が創設初期に装備した米フレッチャー級駆逐艦2隻(海自名DD183『ありあけ』/DD184『ゆうぐれ』)があります。両艦は昭和34年にモスボール状態で日本側に引き渡されて横須賀まで回航され、翌年にモスボール解除および改装工事を受けて就役しています。
ブラック・タロン
- >10,11,12
ありがとうございました。
wittmann
- 重巡洋艦「デ・モイン」(CA-134)って、現存していたんですね。どう考えても再就役はありえないだろうに、アメリカって物持ちの良い国だなあ・・・。
Ranchan
- >14
http://www.hazegray.org/navhist/gun_ship.htm
現存する砲装備の艦のリストです。
デ・モインの姉妹艦セイラムも残っていますね(記念艦ですが)。
ただデ・モインの保存状況はあまり良い様ではなく
http://www.navsource.org/archives/04/04134.htm
の下の方の写真を見ると悲惨なものがあります。
モス・ボールと言うより残っていると言う程度でしょう。
hush
- デモインとセイレムは既に米海軍の艦籍からは除籍されており、当然モスボール保管指定からは外されています。デモインは実際2000年ごろには解体される予定でしたが、数少ない第二次大戦型巡洋艦として記念艦とする構想が出てきたため、現在も辛うじて保管状態で残されています。ただし、現在でも余り将来に希望は無いと言う説が多いです。
大塚好古
- ↑追記しておくと、現在のデモインに対する米海軍のスタンスは「記念艦にするなら一応それまで沈まない程度に適当に保管しておきますが、話が潰れたらそのままスクラップにします」というところです。
大塚好古
- >16,17
ううむ、そういうことでしたか・・・。「なぜ再使用するあてもない『デ・モイン』をいつまでも金を掛けて保存しているのだろう?」と疑問に思っておりました。ご教示有難うございます。
ところで15.でhush様のお示しになられているリストの中では、現存する戦艦のほとんどが「ミュージアム」状態に置かれているなかで、ただ一隻戦艦「アイオワ」(BB-61)がリザーブ状態になっているのが目を引きます。
1797年竣工で未だ現役、時々帆船パレードに出演している「コンスティテューション」のように、将来何かの観艦式パレードで「最後を飾るのは戦艦『アイオワ』です!」「おお〜っ!」とでもなればなあ・・・と夢想してみたり。
Ranchan
- >18
数年前に曳航してとはいえ「セイレム」を洋上展示に引っ張り出した例がありますから、来年の対日戦勝60周年を記念して意外と似たようなことはやるかも知れませんね。淡く期待をしておきませう(笑)。
大塚好古