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3105  船が沈む際は離れないと渦に巻き込まれる、といいますよね?
 戦艦武蔵が沈むときも、武蔵乗組員が付近の駆逐艦に救助を求めたにもかかわらず、渦に巻き込まれることを恐れて近づいてくれなかった。という話を聴いたことがあります。
 この渦についての質問ですが

 渦の大きさは船の大きさや沈降速度によって変わるとは思いますが、仮に大和級の艦船が沈没する際はどれくらいの規模の渦が発生するものでしょうか?
 その渦は最大でどれくらい大きさの艦船を巻き込む威力があるのでしょうか?
 何tぐらいの艦船が沈む際は何mくらい離れろ・・・というような安全規定は存在しますか?
おうる

  1.  誰もレスを付けそうに無いので、呼び水としまして…
     
     個人的な感想に近いのですが、本文内の「〜渦に巻き込まれることを恐れて」は、「爆発に巻き込まれる」ではないかと考えています。
     この辺は、舷側を並べての救援中に誘爆に巻き込まれる事例(ex.レイテ戦での米空母プリンストン)が多々ありますので、駆逐艦をツレナイと責められないでしょう。
    (大和での総員退艦時にも「近寄れ」と信号を送り、駆逐艦が「了解」と返信し、なお近寄らなかった例もありますね)

     で、本題の沈没時に発生する渦ですが、特に何メートル離れろといった規定があるとは寡聞にして知りません。
     ただ、退艦した乗員・船員へは「艦が見えなくなる距離まで逃げろ」といった表現もありますので、渦への吸引を避けるには1km程度が目安になるのではないかと思いますが、これは流出した燃料油への引火や、水中爆発による被害を避ける意味を込めてのことでしょうから、緩用できる程度の証言でしかないと思います。
    能登

  2. 個人的な経験上の話とお断りした上でですが・・・

    船が沈む時、「渦」ってできるものなのでしょうか?2度ほど漁礁にするために船(大きい方で3000tくらい)を沈める作業に立ち会った事がありますが、かなり大きな岩を船倉からデッキ一杯に積んで、船底を爆発物で破って沈めるという、沈下速度としてはかなり早い方にはいる沈め方でも「渦」を見た覚えがありません。それよりも大量の気泡の方が印象としてははるかに強いのですが・・・

     漁礁にするためには、横転すると困りますので、事前に空気の滞留しそうなところは穴をあけたりするのですが、それでも抜けきれない空気が沈下が進むとともにそこここから大きな音をたてて噴出します。上部構造が海面に達するころには、海面は気泡で真っ白な状態になります。それでも「渦」を見た覚えはありません。
     海難で沈没する船の映像でも「渦」というのがはっきり見えた覚えは無いように思います。なにより、船の沈没でいきなりずぶっと沈んでしまうような沈み方は見た事がありません。相当に早い沈下でも、最後に船体の一部が海面に残り、それがすーっと沈んでいくようなケースが大半かと思えます。

     気泡の中では浮力が失われると思いますが、上記の3000tの船でも気泡の範囲は舷側から10m前後が最大だったように思います。その外なら普通に泳いでいても大丈夫と思えます。(試した事はありませんが・・・)

    軍艦の場合は攻撃による損傷がある分、違うのでしょうか??
    elebras

  3. >2.
    >船が沈む時、「渦」ってできるものなのでしょうか?
    >
     この辺も想像になるのですが、
    1)軍艦は、水密構造がしっかりしている分だけ未浸水区域が残り、全没水時に吸引される。
    2)船体が沈み込む際の伴流に巻き込まれる事を「渦」と称する。
     などが考えられる所です。
     伝え聞く「渦」というものも、風呂の水抜きのように目に見える現象を示すのではなく、退艦時に沈船から離れないと逃げ切れない事を指すために「渦が出来る」と称している雰囲気があります。
    (これは、外海で泳ぐと、目に見え難い潮に流されたりするようなものですかね?)

     また、蛇足に近いのですが、海難での沈船の写真で渦が見えないともおっしゃられていますが、船のサイズを基準にしてしまい見えなくなっているだけではないでしょうか?
     多分、1m程度の海面の凹みができていたら、(泳ぐ人間からすれば)相当に大きな引き込みがあると思います。
    能登

  4.  非常に大ざっぱな計算をしてみました。
     大型艦船の断面積を1000平方メートル(高さ30メートル強、幅も30メートル強というところでしょうか)とします。船を全長200メートル以上で断面積が1000メートルの角柱と見て(このあたりますますいい加減ですが)、これが毎秒1メートルで垂直に沈んでいくものとします。
     すると、毎秒1000トンの水を、沈んだ艦船があった場所に補充する事が必要になります。実際には船尾は三角錐に近い形をしていますから、水の補充のかなりの部分は水面下深い部分でおこなわれる事や、沈没時に船が斜めなら断面積が増えるなど、様々な補正が必要でしょうが、水面近くで補充される水は少なくとも毎秒数百トンはあるでしょう。
     駆逐艦が引き込まれることはないでしょうが、沈没船の近くを泳いでいる人間ならば引き込まれる可能性は十分あるでしょう。また、少し離れたボートが沈没船の方に引き寄せられるのを防ごうとすれば必死にオールを漕ぐ必要があるのではないでしょうか。
    カンタニャック

  5. . 2年位前にNHK-BSで放送された、ビキニの原爆実験の実艦標的となって沈んだ軍艦のドキュメント番組の中で、空母サラトガの沈没シーン(二回目の水中爆発後)の映像があり、その中で左舷艦尾寄りに大きな渦(艦幅の半分位の直径だったと記憶してます)が生じて、海水が艦内に吸い込まれていくのがはっきり見えました。多分該当部分の水線下(多分機械室あたりの区画)に亀裂が生じていて海水が奔入していると思われ、サラトガの喫水は見る見る内に深くなっていきました。そして画面が切り替わると、艦首側をわずかに残して全没寸前の状態になっていました。こちらに集う皆様のなかにも御覧になった方がいらっしゃるのではないでしょうか?

    . また、確か「世界の艦船」の別冊で、第一次世界大戦のユトランド沖海戦で英巡戦「インディファティカブル」は独巡戦「フォン・デア・タン」の砲撃で、艦尾第四砲塔に被弾して弾薬庫が誘爆、艦尾に大きな渦巻きを形成しながら轟沈した、と書かれていたのを読んだ記憶があります。
    NG151/20

  6. >5
    船内に流入する海水についてならおっしゃる通りです。亀裂などへの流入ではなくても、コーニングを水が越える時には、船に向かう強い水流が発生します。ですから、退船した後に、船から離れなければ、破口などへ流入する水流でもう一度船内に戻される事は大いに有り得ますし、確か実例などもあったような記憶があります。

    >4
    船内に浸水して沈む場合、船内へ流れ込む事で排水されていた分は補充されます。ですから、船が完全に沈没したときに、一旦排水され、その後補充されるのは、船内に残留した空気の分と船体を構成している部材の体積になると思います。ただし、これは相当に早い速度で沈下する必要があるように思えます。普通の船で浮力が一気に大きなマイナスになるような状況を思いつきません。

     少なくとも退船できる時間があるのですから、一気にズボっと沈むわけでは無いと思います。であるならば、船から急いで離れなければならない理由は破口などへ流入する水により船内へ戻される可能性があるからと言うことではないでしょうか?
    私にはどうしても船が沈む事で海底に向かう強烈な水流が発生するようには思えません。
    elebras

  7. >6.
    >破口などへ流入する水により船内へ戻される可能性があるからと言う
    >ことではないでしょうか?
    >
     基本的に、その理解で宜しいかと思います。 ただし船体サイズ等の要因がありますから、大和等の超大型艦になると、相当の遠距離からでも沈船方向に吸引され、船内に飲み込まれなくとも「海中に引き込まれる」事になるのではないかと思います。
     また、破口ではないのですが、横転・沈没の例ですと、煙突から煙路・機関室へ引き込まれてさ助からなかったといった回想も、1つの補強になると思います。
    能登

  8. > 6,7
     船体内部への水の流入が重要なポイントだということは、よくわかりました。(能登さん昨日はありがとうございました。)

     以下、付随的な質問です。素人の素朴な疑問ですが、お教えいただければ幸いです。
     たとえば排水量7万トンの戦艦の場合喫水下の容積だけで7万立方メートル、沈没時に内部の水や空気が簡単に排出できない上部構造部分も含めると十数万立方メートルの容積になると思います。これだけの容積を持つ物体が沈下すれば、同量の容積の水が次々と沈没艦の上部に被さってくることになる筈です。沈没の速度や船体の状態によって状況は大きく変わるのでしょうが、この効果も無視できないのではないかという気がいたしますが、いかがでしょうか?
     また、現実的な例として、たとえば水中排水量二千トンクラスの潜水艦が潜航する際には、周囲のボートなどはどの程度離れていないと危険なのでしょうか?
    カンタニャック

  9.  今更で申し訳ないですが...
     何方の著作か失念しましたが(吉田満氏??)、大和が沈む時には、600mの渦ができるという記述があったように記憶しています
    セミララ

  10. 7>
    >相当の遠距離からでも沈船方向に吸引され、

    これはなさそうな気がするんですが・・・お風呂で洗面器を使って浮いた垢すくいをしてみると判りやすいかと・・・

    8>
    船が浮かぶためには、その重量に等しい体積の水を押しのければなりませんが、その押しのけた分の水が船内に入るから沈むわけです。ですから、浮力を保ったまま沈むのでない限り、押しのけた体積分の水が船内に入る事で、その分は相殺されてしまいます。
    どんなに大きな船でも、沈むまでに入る水の量が異なるだけで、この部分については同じです。問題は、残留した空気の分です。これが大きければ押しのけた水の量も大きくなりますが、沈下は遅くなり、その分水の動きもゆっくりになります。小さければ沈下は早く、水の動きも早くなりますが、押しのけた水の量は小さい。

    こういう事ではないかと思うのですが。
    elebras

  11. まだ続いているようなので。ディスカバリー・チャネルのプログラム「MythBusters(都市伝説検証隊とでも意訳?)」で「魔の渦」の話題が出て、さすがに大型船は無理なので排水量約7トンのおんぼろボートの底栓を抜いて実際に沈没させ、その船上にダイバーを置いて「渦」の検証を行っていました。ダイバーは「引圧も何も感じなかった」そうです。ただし「船の沈下がこんなに速いとは思わなかった。もし服の一部でもどこかに引っかかったらまず助からないだろう」とも。

    なお、沈船検証前に行われた予備実験で、プールに浮かべたタライ状の板をチェーンで引っ張ってドボンと沈める実験ではかなり強い渦が発生していました。これは 10. で elebras 氏が述べられている「多量の空気が残留したまま急速に沈む」という、実際の船では起きにくいであろう現象の極端な例ではないかと思います。
    ささき

  12. 皆様、回答ありがとうございます
     船が沈むときの渦というのは、発生したとしても話に聞くほど強力なものではなさそうですね。

     戦艦のような比重の重たい船体の場合、一度浮力を失ってしまえば沈降速度は相当な速度かと思います。
     船体はその形状から、沈降する際は水上に浮かんでいるときと同じような安定した姿勢を維持すると聞いた事があるのですが、だとすると真っ平らに近い甲板の上の部分には負圧が発生することが考えられませんか?(ちょっと違いますが自動車競技でいうスリップストリームみたいな)
     引圧が全く感じられないというのも、にわかには信じ難い気がするのですが・・・
    おうる


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