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近代の軍艦で外輪推進の物は最大級で何トンくらいのものがあるのでしょう か? 甲 |
- 日本に来航した黒船(サスケハナ、ボウハタン)が最大級のようで、3800t強ですね。
ただし、外輪の径の最大は英国のテリブル(3189t)のようです。
(出典:幕末の蒸気船物語)
ちょうど黒船来航のころがスクリュー船への切り替わりの時期だったので、日本におなじみの船が最大だったのでしょう。
キック
- 第二時大戦中に米海軍が艦載機の発着艦訓練用に外輪客船を改造した練習空母「ウォルヴェリン」(7200トン)とセイブル(8000トン)というのはダメでしょうか?
ただし五大湖専用のようですが・・・
タイヴァーン・ヘルミ
- こいつはダメですか?
http://earth.endless.ne.jp/users/mac0115/IX64.html
日本橋のひと
- シルエットだけみるとすごく大型に見えますね。これって石炭焚いて走りながらの離着艦もやったのかなあ。でなきゃ練習空母の意味ないですよね。
Yp
- 架空戦記とはいえコイツが太平洋での海戦に出てきたのを見て驚いたな。まあ囮役で直ぐに沈められましたが。
架空戦記ファン
- 「ウォルヴェリン」(IX-64)「セイブル」(IX-81)って、外洋航行できるんでしたっけ?(--;
Ranchan
- >6
2にありますように5大湖専用ですので、外洋航行はできません。
ただ、五大湖はセント・ローレンス川ならびに運河で大西洋とはつながっておりますのでそちらに出ることは可能かと思います。
しかし、現代でも五大湖やミシシッピー川等で外輪船が使用されているのは喫水を浅く出来るからで、外洋航海には不向きです。
したがって太平洋まで出てくると言うのは蛮行以外の何ものでもないと思われます。
軍艦ではありませんが、現用の最大の外輪船は1995年進水のアメリカン・クィーンではないかと思います。
http://www.guinnessworldrecords.com/content_pages/record.asp?recordid=58573
御参考までに
hush
- 最初びっくりしたけど、この船は外輪で得る推進力は全体の40%で、残りはスクリュープロペラでやっているって書いてありまっせ。
http://popularmechanics.com/outdoors/boating/1997/5/Mississippi_Stern_Wheeler/print.phtml
昔のミシシッピ河の大型蒸気船はみなパドルが側面にあるデザインだったんだけど、この船はどうして後ろなんでしょう。接岸とかの都合かな。
Yp
- なんか、「外輪式の空母があった」ってのがトリビアになりそうですね。
それはそうと、8のお船の奇妙な推進力の配分ですが、以下の記述からすると
>Theauxiliary drives are so cleverlyhidden that nine out of 10 passengerswould swear the paddle wheel suppliesall the power.
観光用の船なので、わざわざ古風な外輪船の外観を模しているのでしょう。
アメリカ人ってことさらノスタルジックなのがすきだから。
外輪が後ろにあるのはやはり接岸の都合でしょうね。
便利少尉
- >8
昔って・・・ミシシッピ河の船は南北戦争の頃から船尾に外輪付けてるのが珍しくないんですが。
外輪の駆動方法から考えると、大型船舶に舷側配置が多いのは、重量バランスの都合だと思います。
また河川用の場合、外舷に張り出すのではなく、内舷に入れてしまってうのが多く、これで接岸性はクリアできていると考えられます。
よって船尾配置は船内容積の使い勝手向上ではないでしょうか(特に小型船では舷側配置はデッキ等が前後に分割される)
SUDO
- >10
いえ、全盛時代には後の外輪"stern wheel"は小型の船に多くて、有名大型船はみな側面"side w."だったと思います。中間クラスには両方まちまちだったんでしょうけど。
あと、この船が後ろなのはたぶん遊歩通廊を沢山つくれるってのもありでしょうね。
Yp
- >11
数えてみました。
北軍河川船舶は各種合計88隻(装甲砲艦は除外)
うちSideは34隻で鹵獲艦や早期就役艦に多く、53隻が後ろ。
南軍は41隻、うち船尾は2隻、スクリュー5隻で、34隻が舷側。
確かに大きい船になると舷側配置ですね。
で、これは憶測なのですが、南部に船尾船舶が殆ど無く北軍の舷側配備の相当数が鹵獲船なあたり、ミシシッピでは船尾外輪に手を出した造船所ないし造機メーカーが無かったのではないでしょうか。逆に北部のメーカーは何かの理由があって、船尾配置に手を出していたと。
SUDO
- >>12.
前後進とも操縦性にあまり差が無く離接岸自由なのは舷側外輪ですケド
漂流物(流木、流氷など)に対する保護の点では船尾外輪が有利と思われ
駄レス国務長官
- 南米河川艦隊とかで外輪式の戦艦や巡洋艦が出て来る海外の小説があったよう
な・・
しかし外輪式は推進部の六割が水面から顔を出しているために砲戦や魚雷攻撃に
弱そうですね
k
- 議論が河川での運用に関してのもののようなので、全くピントはずれかもしれませんが。
帆走併用の航洋型外輪船の場合、帆走時には外輪を引き上げると聞いたことがあります。で、船尾外輪だとこれが難しいので航洋型外輪船は舷側外輪を採用していると。
確か司馬さんの本に書いてあったと記憶しているので、全くのデタラメかもしれません。
富士見町
- > 10.11.12
船尾外輪は浅喫水の河船の為のデザインでしょう。
いままでのご意見と重なる点も多いのですが、船尾外輪の利点は外輪の喫水が浅くても外輪の幅を大きく取る事で羽根面積を稼げること。離接岸を繰り返す河船が接岸時に外輪を破損する危険が少ないこと。接岸時の荷物積み卸しが楽なこと。
欠点はピストンやボイラーなどの重量物を船尾にもっていくため、船体の安定性や強度の点で不利なこと。(機関部を船尾に集めて残りの部分を自由に使用できるという点では、SUDOさんが仰るように利点でもあります。)波浪や船体の動揺による外輪破損の危険性で、船の重心近くにある舷側外輪より、モメントアームの長い船尾外輪の方が不利なこと。
しかし、南北戦争時、南部に船尾外輪船が少ないのは意外な感じがしました。船尾外輪船のノウハウを持った造船所が少なかったのか、それともミシシッピ上流の方が浅喫水河船への要求が強かったのでしょうか。
カンタニャック
- 両舷外輪式はつねに駆動軸が接続されていて同調しているのでしょうか?
戦車みたいな両舷の回転を変えた機動もできるのかな、なんて思いました。
あと、外輪式は積み荷の増減による喫水の変化が推進効率に直結しそうですよね?
後装外輪の場合は船尾の沈み込みが多そうです。
剣高
- >17
いえ、機関が並列して二つあって、回転数や方向を変えられるようになっていたと思います。
「トムソーヤーの冒険」の中で、トムが塀塗りをやらされる所へ、友達が蒸気船になりきって各種号令やエンジンベルの音や蒸気管の音を口まねしながら「接岸」してくるシーンがありましたっけ。
Yp
- > 18
19世紀の蒸気船は、舷側外輪船を含めて箪気筒のものがかなり多いのではないでしょうか。
カンタニャック
- 二気筒でもクランクが繋がってるので左右は同回転が普通のようですね。
SUDO
- うっ、嘘言ってすいません。でも上の小説のベン=ロジャース君は外輪に見立てた左右の腕を接岸時に別々に動かしてます。
"‘Set her back on the stabboard! Ting-a-ling-ling!
Chow! ch-chow-wow! Chow!’ His right hand, mean-time, describing stately circles ― for it was representing a forty-foot wheel.
‘Let her go back on the labboard! Ting-a-ling- ling!
Chow-ch-chow-chow!’ The left hand began to describe circles.
‘Stop the stabboard! Ting-a-ling-ling! Stop the labboard!"
ええと、上のは50年以上前の作品で無料のe-bookからのコピペで、著作権問題は起こらないと思います。
Yp
- >>15.
帆走時に引き上げるのはスクリューではないでしょうか?!
(当板にて既出)
舷側外輪は通常は機関のクランク軸と一緒なので、船尾外輪よか却って引き上げ困難かと
>>18.
ソレは却って直進困難かも
ってコトで>>20.に同意
駄レス国務長官
- WikipediaでPaddle steamerを引くと、
「the side-wheeler has extra maneuverability thanks to the common ability to direct the drive to only one wheel at a time.」
とありました。
Paddle steamer 関連のサイトを少しは検索はしてみたのですが、動力伝達機構についての詳しい説明は見つけられませんでした。
まったくの憶測ですが、外輪式の河船やタグボートはクラッチがついてるのかもしれません。Ypさんがあげられた、元ミシシッピーの水先案内人クレメンズ(トゥエイン)の文章も、左右のエンジンの操作ではなく、ギアの操作と考えることも出来るのではないでしょうか。
カンタニャック
- そうみたいですね。どうも有り難うございました。雑ねたで散らかしてごめんなさい。
Yp
- > 24
雑ネタなんて、とんでもありません。
SUDOさんも、駄レス国務長官さんも、私も、「普通の舷側外輪船は2つのエンジンを持ち別々に外輪を回す」と断言するのはちょっと無理じゃないだろうといってるだけで、そのようなタイプの船は存在しないといってるわけではありません。駄レス国務長官さんもおっしゃられているように直進性が要求される航洋型の大型外輪船は同時回転が普通でしょうが、直進することより曲がる事の方が重要な小型の河船やタグボートについてまで、別エンジン駆動はあり得ないと断言しているわけではありません。
で、現存する外輪タグを集中的にチェックしたら、…ありました。
「India」です。
「The India was built by Westwood and Baillie in 1876 as a sea-going paddle tug with two independent side lever engines, one for each paddle wheel, for Wm Watkins of the Thames.(インディアはWm Watkins of the Thames社のために、Westwood and Baillie社で1876年に建造された海上航行能力を持つ外輪引き船であり、二つの独立したサイドレバーエンジンをそれぞれの外輪のために搭載している。)」
http://www.pskc.freeserve.co.uk/india.htm
ほかに、これも引き船ですが「Eppleton Hall」も「a steam sidewheeler with side-lever engines」と、サイドレバーと複数のエンジンを持つことが示されていますから、上記のインディアと同様の推進システムである可能性が高そうです。
http://www.nps.gov/safr/local/eppie.html
こうなると、もともとそう長く直進することはなく細かい操船を必要とする河船のなかにも二つの独立エンジンを積んだものがあっても不思議ではありませんね。私のレス23での憶測は、外輪船の駆動系の多様性を過小評価しているようです。
カンタニャック
- >25 定英
「India」は現存しません。現存外輪船サイトから辿っていったので間違えました。
カンタニャック
- >26 うわっ、恥の上塗り。
定英→訂正
カンタニャック
- >>25.
なるほどタグですか、勉強になります
駄レス国務長官