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. 子供の時から抱いている疑問ですが、軍艦の被害で沈没と大破着底の相違点はどこにあるのでしょうか? . 例えば真珠湾攻撃では、船体分断や転覆したアリゾナ、オクラホマと上甲板の大部分が水面上に出ているカリフォルニア、ウェストバージニアが同列に扱われて、日本海軍は、米戦艦4隻撃沈と発表しています。それに対し、終戦間際の呉大空襲では、我が戦艦伊勢、日向、榛名が真珠湾の後二者とほぼ同じ状態になったにも拘わらず、こちらは大破着底と称しています。その違いがよくわからないのです。 . 以前、この点を「世界の艦船」の出版元にTelして質しましたが「定義が複雑でゴニョゴニョゴニョ」と明確な答を得られませんでした。そこでついつい「戦果は誇大に、被害は過小にで表現を変えてんだろう」と悪意に怪釈してしまいました。 . 一応、「浸水により着底はしているものの、喫水線下のすべてが満水になってはおらず、艦の機能が残っている状態」を大破着底というのかな、と愚考しますが、それだと沈没・全損を避けるため「自ら座礁した」真珠湾のネヴァダやユトランド沖海戦から帰等中のザイドリッツも大破着底になってしまうという矛盾があり、実際に、これらを大破着底という記述を見たことはありません。 . どなたか沈没と大破着底の定義をご教授ください。 04.10.08記 NG151/20 |
- 1つの視点として程度にお読み下さい。
技術的(?)な定義はともかくとして、「大破」と「沈没」を明確に区別する点があるとしたら、当事者が「戦力復帰が可能と見るか否か」があると思います。
となれば、真珠湾での米戦艦4隻の戦力を喪失(着底)させたと判断した日本側は「撃沈(着底)」と発表するでしょうし、浮揚・改修が可能とした判断は「大破(着底)」と発表したのではないでしょうか。
また、呉空襲時の榛名他を、特殊警備艦(防空任務)としての復旧は可能とみるから日本側は大破(着底)と言い、米軍側は戦艦(ex洋上での砲戦能力)としての能力を喪失したと見て沈没と言っているのかもしれません。
(無論、後年から結果のみを見て、戦列復帰できたから大破、そのまま放棄されたから沈没と判断された例もあるでしょう。)
蛇足ながら、海難関連での「沈没」の定義は、「船舶が浮力及び航行能力を失って、船体の一部もしくは全体を水没させた状態」とありますので、着底状態を指して沈没と称するのは間違いとは言えません。
能登
- 浸水によって喫水が増し、水深が浅ければ船底が海底に着いて着底となります。この場合に水深がもっと深ければ全没してしまう(沈没着底)のか、それとも浮力が残っていて浮いていられる(大破着底)のかは、判断することが出来ないと思います。
船体が全く見えない状態であれば沈没で問題ありませんが、どれだけ水面上に残っていれば(満潮時で)大破着底となるのかの定義は無いと思います。更に言えば、大破・中破・小破と言った表現も多分に感覚的なものであり、客観的に数値で定義することは出来ないでしょう。結局は発表する人間の思惑が一番支配的なのでは無いでしょうか。
なお全没状態であっても、状況次第で浮揚・再利用が可能な場合もあるでしょう。
鉄人68号
- >なお全没状態であっても、状況次第で浮揚・再利用が可能な場合もあるでしょう。
駆逐艦「梨」がそうでしたね。
Ranchan