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機動部隊運用に立ち後れていたと言われるイギリス海軍ですが、 第二次世界大戦の空母運用は誰が命令をしていたのでしょうか? 艦隊司令は戦艦や巡洋艦に乗っている場合が多いように思えます。 陸上空襲などは別として、各海戦では水上部隊に呼応して航空攻撃隊を 送っていますが空母の艦長が攻撃隊編成や発進を指示していたのでしょうか? それとも旗艦からいちいち指示を出していたでしょうか? また、イギリス空母の艦長は航空指揮のキャリアがあったのでしょうか? 質問が分散してしまいましたが前半を中心に教えてください。 剣高 |
- 艦隊司令長官の下に航空戦隊司令官がおります。
第2次世界大戦時の司令官名については下記のサイトを御覧下さい。
http://www.fleetairarmarchive.net/RollofHonour/Admirals/Flag_officer_index.html
旗艦は空母の事の方が多かったと思います。
(たとえばマタパン岬沖海戦の時にはボイド少将はフォーミダブルに座乗しております)
hush
- 便乗質問お許し下さい。
>艦隊司令長官の下に航空戦隊司令官がおります。
「航空戦隊司令官」は英海軍・英空軍どちらに所属する人間なのでしょうか?
「WW2当時は英空母艦載機は空軍所属のため、艦隊側に空母艦載機の指揮権は無かった」と聞いた事がありますので・・・。宜しければご教授お願いいたします。
Ranchan
- 英国海軍航空隊は1912年に始まり、1918年にいったん陸軍航空隊と合併して空軍となりますが、1937年に艦隊航空隊(Fleet Air Arm:FAA)は再び海軍に移管されています。
よって、航空戦隊司令官はもちろん海軍軍人ですし、艦上機搭乗員も海軍軍人です。
まなかじ
- 最も明快なのは、独立した少/中将が専任指揮するパターンです。
日本の様に「第何航空戦隊」という決まった組み合わせがある訳ではなく、
戦略状況と各空母の事情により、その場その場で投入可能な空母を統制する
強引に造語で表現するなら「空母(群)戦闘指揮官」といったものです。
指揮下に置く空母の数は一定しません。
タラント、マタパンのように1隻の空母しか指揮しない(できない)事もあれば
インド洋では3隻、ペデスタル作戦のように5隻をひっくるめる事もあります。
なお、部隊中の最上級将官であれば、当然部隊そのものの指揮官でもあります。
タラント攻撃に際しては、本隊と分離した空襲部隊(空1、巡駆各4)の指揮を
空母イラストリアス艦上のライスター少将が執っていました。
次に上記の専任指揮官が居ない場合。空母艦長が指揮します。
この場合は艦隊司令長官/部隊指揮官の指揮下にあって航空作戦を実施します。
基本的に空母が単艦の場合このようになることが多いのですが、
ハープーン作戦時のように空母が2隻居ながらもこの形になることがあります。
空母の作戦ために分派された場合でも、護衛艦に上級指揮官がいればその命令を受けます。
ビスマルク追撃に際して、艦載機発進の為に艦隊本隊と分離したヴィクトリアスも
護衛の軽巡ガラティアに座乗する第2巡洋艦戦隊司令官カーティス少将の指揮下にありました。
最後に任務部隊指揮官(少将/中将)が指揮する場合です。
これは米海軍と共同作戦をとるようになり、英海軍も任務部隊を作る場合です。
指揮するにあたっては上記2パターンを折衷したような形になり
第○○任務部隊として予め空母中心に編成され、指揮官もその指揮に専念しますが
その空母が護衛空母やらだと、通信能力上、護衛の巡洋艦上から指揮されます。
現にサレルノへの上陸作戦では、軽巡ユーライアスがヴァイアン少将の旗艦でした。
要約すると、その場その時に応じて変わるので、あまり一概には言えません(笑
烈風天駆
- キャリアの質問でしたので、空母艦長とその指揮官の履歴を、ほんの少しだけですが。
1940年7月3日 メルス・エル・ケビルMers-el-Kebir攻撃
空母戦隊司令官無し
アークロイヤル艦長C. S. Holland (Holland,Cedric Swinton)大佐
http://jnh.nce.buttobi.net/RN_officersH2.html
http://www.kcl.ac.uk/lhcma/locreg/HOLLAND.html
1940年11月11日 タラントTaranto攻撃
空母戦隊司令官A L St G Lyster(Lyster,Sir Arthur Lumley St George)少将
http://jnh.nce.buttobi.net/RN_officersL.html
http://www.kcl.ac.uk/lhcma/locreg/LYSTER.html
イラストリアス艦長D.W. Boyd大佐(下参照)
1941年3月29日及び5月20日 マタパン岬Cape Matapan沖海戦及びクレタcrete
空母戦隊司令官D.W. Boyd(Boyd,Sir Denis William)少将
http://jnh.nce.buttobi.net/RN_officersB.html
http://www.kcl.ac.uk/lhcma/locreg/BOYD2.html
フォーミダブル艦長A.W. La T. Bisset(Bisset, Arthur William La Touche)大佐
http://www.kcl.ac.uk/lhcma/locreg/BISSET.html
(前豪重巡キャンベラ艦長、後ハスキー作戦時H部隊次席指揮官(少将)
1941年5月19日 ライン演習作戦/ビスマルク追撃戦
第2巡洋艦戦隊司令官Alban T.B. Curteiss少将(指揮)
http://www.kcl.ac.uk/lhcma/locreg/CURTEIS1.html
ヴィクトリアス艦長Henry C. Bovell(Bovell,Henry Cecil)大佐
http://jnh.nce.buttobi.net/RN_officersB.html
http://www.kcl.ac.uk/lhcma/locreg/BOVELL.html
H部隊指揮官James Somerville(Somerville,Sir James Fownes)中将
http://jnh.nce.buttobi.net/RN_officersS.html
アークロイヤル艦長Loben Maund(Maund, Loben Edward Harold )大佐
http://www.kcl.ac.uk/lhcma/locreg/MAUND1.htm
あと、空母指揮官としてはサレルノ上陸で護衛空母群を指揮したり、日本本土を空襲したヴァイアン提督
http://jnh.nce.buttobi.net/RN_officersV.html
烈風天駆
- >3
ご教授有難うございます。
1937年までは艦載機が空軍の管轄下にあると言うことは、艦載機を運用するにあたり一々空軍にお伺いを立てないといけなかったのでしょうから、英空母は苦労していたのでしょうね・・・。
Ranchan
- リンク切れとりますね(汗
http://jnh.nce.buttobi.net/
がインデックスです。こちらからどうぞ。
烈風天駆
- どうもありがとうございました。
日本の航空戦隊の方が特殊なんですかね?
剣高
- >8
日米英、それぞれにかなり違いがあります。
違いに着目するならば、特殊といえばどれも特殊。
しかし、共通性に着目するならばどれも同じと言うこともできます。
要するに、洋上航空戦力に関する整備目的のカバー範囲は同じようでも、その重点を範囲内のどこに置こうとしているのかは、それぞれにかなり違っているということです。
従って、それに対応する特徴についてはそれぞれ個別に見ていった方が良いのではないかと思います。
まなかじ