3089 |
始めまして。過去ログ読んでもイマイチ理解できなかったんで質問させて ください。 KDX-IIってスタンダードSM-2、積んでますけど、非イージスですよね? SM-2って誘導方法が慣性誘導と最終的にはイルミネータによるセミアク ティブだと思うんですが、イージスシステムじゃないため、同時対処能力が やっぱりイルミネータの数で決まるってことになるんでしょうか? 要するにSM-1と比較すると長所は単に射程距離が長くなるってだけなんでしょうか? データ |
- つまりはSM-2の利点は、イルミネータを効率的に今当る奴に向けるという行動が出来るという点です。
だからイージスであろうと無かろうと、条件次第では同時対処数はイルミネータ数に縛られません(縛られるんだけど、イルミネータ数とイコールではないとなる)
イージスの場合は、SPY-1レーダーと、強力なコンピュータと、そのソフトウェア(ドクトリンデータベース等)が状況を把握して最も効率的になるようにミサイルとイルミネータを仕分けする事で、同時対処数を増しています。
よって、別にイージスでなくても、真っ当なミサイル艦ならば、それなりの戦闘情報処理システムを搭載しているので、情報の収集と処理能力次第ではイルミネータ数を上回る同時対処をする事は出来ます。
但し、KDX-2は3D電探を持たないので、そもそも、情報の収集能力が話しにならないレベルです(オリバー・ハザード・ペリー級と同じレベルで、海上自衛隊のDEと同じか劣るぐらい)低空目標にならば、新型の水上電探がその役割を果たせると考えられますが、この場合はSM-1でも賄える距離であるという事になります。
ただ、SM-2なら、とりあえずイルミネータが目標を捕捉する前に撃てるので、リアクションタイムはSM-1搭載よりも短縮できる可能性があるというか、3D電探無しの安物艦でそれなりの防空をするという観点では、SM-1搭載よりも有利になる可能性があります。
恐らくSM-2搭載の恩恵は最終的にはこのリアクション短縮になると思われます(まあ、つまりはポップアップとかされると手も足も出ないですねと)
SUDO
- >2
ちょっと誤解があるんではないかな、というのはイージスの場合SPY-1レーダーがSM-2の中間誘導を担当しています。これによってイルミネーターは命中直前の最終段階で照射すればいいだけなので、ミサイルの釣べ打ちが可能になったのです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB
イージスといえどもこのSPY-1レーダーの中間誘導アップリンクがなければ結局はイルミネーターの数=同時対処目標数ということになります。
したがってもしKDX-2(正式名は李舜臣級でいいのだろうか?)にアップリンク機能があるならばイルミネーターの数以上の同時対処が可能ということになりますが寡聞にして聞いたことがありません。
ちなみにKDX-2の前部マストのてっぺんにあるやつ、あれは一応三次元レーダーみたいですよ。長距離二次元もあるしさすがにDEやペリーよりはましでしょう。
ab
- >2
ちょっと違う。
中間誘導の有無は重要じゃないのねん。勿論出来たほうがいい。
発射時に概略位置に放出して、続けてイルミネータを起こす形で、パラレルが出来るんです。
また3Dだとされてるもの、MW.08ですよね。あれは超低空見張り用の似非3Dで、所謂3D見張りレーダーと同種には括れません。
スプルーアンス級等のMk23とか、自衛隊のOPS-28が、ほぼ同機能といえるでしょう(DEにも積んでる奴)
つまりは、それを3Dだとか言ってるようでは15年遅れなんです。
MW.08はこの種の電探としては良く出来た代物ですが、あくまでも近距離低空での自己防衛用見張りレーダーでしかないのです。
SUDO
- >3
重要じゃないというのも言いすぎでは。KDX-2にとっては重要でないのかもしれませんが。
MW-08については私も詳しくは知りませんが、韓国海軍自称でもなくジェーンズ年鑑でも3Dレーダーとされてますし、フリゲイトクラス(!)でMW-08を積んだ艦がありますがそれらは航海用、対水上用とは別にMW-08を積んでいます。ということは+αの機能があるのでしょう。小型であるが故に回転速度も早そうだし、低空近距離高速目標に対しては海自たちかぜ・はたかぜのSPS-52よりも向いてそうです。ロングレンジのSPS-49も積んでることだしやはりどう考えてもDE並、以下は言い過ぎでは。
ab
- >4
そうです、昨今の新型フリゲイトが搭載するような安物の似非3DがMW.08なんです。
また航海用以外にこの手の低空見張りをする電探を搭載するのは、良く行われる手段で旧ソ連艦では4組も積んでたのが有り、きり型以降の海自汎用護衛艦ですとOPS-20とOPS-28の組み合わせで、つまりはOPS-28は低空兼務電探になるんです。
DEのOPS-14+OPS-28のセットは、SPS-49とMW.08で行うものと事実上同種の見張り機能なんです。だから同等以下(ちなみに、OPS-14のほうがSPS-49よりも出力大きいんですよ)
ちなみに、はたかぜ型だと、遠距離対空2DにOPS-11、3D対空にSPS-52、近距離低空にOPS-28が充当される事で、KDX-2よりも多重化され、さらに穴の無い見張りが果たせます(MW.08は上方70度以上は死角ですのでポップアップやハイダイブに対応出来ない事がある)
またMW.08は周波数の高い、高精度電探ですが、その出力は150KW切ってるそうです。勿論出力が全てではありませんが、米海軍のSM2搭載艦が用いるSPS-48は2200KW、イージスのSPY-1は6000KWとされてます。同列に置けないというのが判るかと(しかも、それを補う為にビーム数が少ない)
探知距離、ECCM能力、測角精度等で、SPS-49/52やOPS-24といった「3D」とは隔絶した違いがあるんです。
なんで、こんな中途半端なのがあるかというと、艦に全てを満足させるだけの電探を搭載するのは困難だからです。
これを少しでも倹約すると、3Dで対空は任せて、水上を2セット(片方が低空見張り兼用)にする事で、中距離以内で穴が無いというスタイルになります。きり級とかType23とか45ですな。つまりは米国の次のランクはコレです。
で、これは、つまりは3Dを積むので、やっぱり高いわけです。
そこで、2D対空で賄って、致命的になる近距離だけなんとかしようというのが、その下の第三ランクに来ます。これはフォークランド直後から各国が着手した手段です。2.5D級の対空対水上汎用似非3D電探は、こうした要望に応えて作られたものです。更に対水上電探をこの2.5Dで賄ってしまえば安上がりになります。
更にもっと安くする、第四ランクなら、この2.5Dをメインにして、2Dは水上用だけで我慢します。ここまで来ると非常にチャチくなりますね。
これらを見れば判るように、似非3D電探の2.5Dは、従来の3Dから数段ランクは劣るけど、従来無かった部分に一定の機能を足すという役割を果たし、見ての様に殆どのクラスの艦に需要のある(重みは違うけど)商売としても美味しい分野になったのです。
ただし、これは本物の3D級とは、あらゆるレベルで見劣りし、大概の条件ではMk.23やOPS-28、Type1006等と比較しても勝るわけではないんです。
勿論、近距離中高度の目標には優位ですけど、自己防衛ならともかく戦域管理には何も寄与しませんし、そこに踏み込まれるまでDEと同等かそれ以下であるというのは変りません。
SUDO
- 回答いただきましてありがとうございました。
データ