3078 |
先日、ネット上に掲げられた中国人の投稿で、『台湾海峡における制海権は、完全に中国のものとなった』という主張を見ました。投稿者がその根拠としていたのが、以下に引用する某日本人軍人評論家の意見です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 中国が考えるほど、米軍との潜水艦戦は甘くない。しかし台湾海峡については有効であると認める。中国がロシアから輸入した4隻のキロ級潜水艦で、米空母部隊は台湾海峡や台湾近海に近づくことが出来なくなった。台湾海峡の海底に着底し、エンジンを停止してた潜水艦は発見が難しい。逆に中国の潜水艦は近寄る空母を音で探知し、至近距離から自動ホーミング魚雷を発射して逃げることができる。魚雷で傷ついた空母は航空機の離発着ができず、飛来する中国軍機に爆弾や対艦ミサイルの餌食になる危険がある。わずかキロ級4隻で、米空母は台湾海峡から排除されたのである。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ このような台湾海峡における米中の勢力の逆転は、現実に起こっているのでしょうか? 中国海軍の海洋調査船が日本近海を遊弋していると報じられている昨今、非常に気になる情報ですので、事情にお詳しい方、ぜひお教えください。 ハルビンの雨 |
- ん?
台湾海峡に入らなければならない理由って何でしょう?
何のための空母なのかと。
台湾の北側ないし東側にいればよいことであり、そうしないで海峡にわざわざ入るだろうという理由はとても見つけ難い。
それはいまさら「逆転」でもなんでもなく、「戦時に」台湾海峡に入らないということであれば、中華人民共和国成立以来、米海軍の方針として変わっていないのではないかと思います。
ぜんぜんやりそうもないし、ちっともやらなければならない理由はないけれど、もし、何かの都合でやる必要にどうしても駆られた場合、海峡から無事に出てこられる確率は確実に低下しつつある、けれども入るつもりは最初からないのだから、実質的には大した変わりはない、と。
台湾空軍と沖縄・グアムからする米空軍があり、空母が複数いて、米原潜と台湾潜水艦が出動すれば、中国の台湾海峡における制海権は到底その存在を許されません。
ただし、この場合にあっても、中国空軍と潜水艦により、台湾海峡を米台の水上艦船が航行することはできないでしょう。
台湾海峡は、たとえばガダルカナルの鉄底海峡やレイテのオルモック湾のように「一時的に両陣営の制海権が及ばない海域」になるのです。
まなかじ
- 既に適切な回答がありますので蛇足で恐縮ですが、政治的に見れば御懸念のような事態は米国現政権が続く限り可能性は低いと思います。
クリントン政権下における「日中間の紛議に係わらない」という立場を駐日大使まで公言して憚らなかった頃ならいざ知らず、43代ブッシュ政権では方針を転換し事ある毎に軍事介入を仄めかしています。
事実、空母機動部隊による活発な演習やグアムに前進配備された攻撃型原潜のパトロール強化はその意志表示でもあります。
むしろ、問題なのは引用された某日本人軍人評論家の意見が日本の外交スタンスだと受取られることにあります。
以前、アフガニスタン戦が噂されたとき「兵站から考えて介入はあり得ない」言続けた日本人軍人評論家がいましたが、現実は違いました。
もし、ハルビンの雨さんの懸念が的中するならその原因は我国の外交にあると私は考えます。
野うさぎ
- 既に述べられているように、米空母をそこへ存在させる理由が無い
百歩譲ってそういう事態になったとしても、空母よりも前に米原潜が駆けつけて露払いをする(ロス級なんかは、まさにその為に計画されたのでは?) 陸上対潜哨戒機も加わるかな?
で、無理やり題意の様な状況を作り出しても
>台湾海峡の海底に着底し、エンジンを停止してた潜水艦は発見が難しい。逆に中国の潜水艦は近寄る空母を音で探知し、至近距離から自動ホーミング魚雷を発射して逃げることができる。
着底した状態で、海面の音を聴けるのか??(海流・水温その他の影響で、海面の音が海底に届くのか?)
もし届かないのならば、中国潜は米空母を発見できない
また、もし届くとしても、魚雷を発射した時点で居場所を特定され、攻撃を受ける→中国潜が逃げられるのか?
米側は魚雷に対し、あらゆる対抗手段をとる→魚雷は果たして米空母を捕らえられるのか?
>魚雷で傷ついた空母は航空機の離発着ができず、飛来する中国軍機に爆弾や対艦ミサイルの餌食になる危険がある。
もし魚雷が命中して、米空母が艦上機の運用が出来なくなる程の損傷を被ったとしても、イージス艦がいる
あと、キロ級だったら長時間、潜航を続ける事ができないので、海底に長く留まっていられない(シュノーケルを出した時点で発見され、撃沈される)
大体、地球上には、中国軍と米空母の集団以外にも、世界中に散らばっている米四軍や台湾軍、その他が存在する(自衛隊も加わるのか?)
そして、地球上に中国軍と米空母の集団以外存在しないという、あり得ない状況が仮に実現したとしても、上記の様に、米空母の集団の意思を排除させる事は不可能なのではないだろうか
セミララ
- #3が全然回答になっていないので...
つまり、某日本人軍人評論家の意見に可笑しいところがある→台湾海峡における米中の勢力の逆転は、現実には起こっていない
という事です
セミララ
- それ以前に・・・
潜水艦で制海権を奪取、維持できましたっけ??
「制海権」がその海域をどちらか一方が自由に使用できる状況だと定義すれば、潜水艦じゃ無理じゃないですかねぇ・・・台湾海峡に限れば、航空優勢の話抜きで、潜水艦、それも通常動力の潜水艦4隻(!!)でいきなり制海権という話自体が飛んでるように思えますが・・・
あー、それから、台湾海峡は浅いから、対潜機が飛べる(制空権がある)なら、MADで着底していても見つけられると思いますし、最近のアクティブソナー(高周波サイドスキャン)を持ってる漁業調査船なんかでも、きちんとデジタル画像処理できるなら、台湾海峡程度の水深だと、まんま潜水艦の形が現れます。94mの水深で右舷7度に着底している潜水艦(209−1200型)が、はっきり見えるODON社製サイドスキャンソナーの記録画像(ハードプリント)持ってますから。
elebras
- >5
そう思います。
ごく限られた水域で米国の制海権確立を妨害できるということと、そこに中国の制海権が存在できるということの間にはすばらしく遼遠なディスタンスが存在すると思います。
まなかじ