3057 |
日本の軍艦はあまりに攻撃力重視な設計で生産性も悪いがアメリカの軍艦は攻防走のバランスが取れている[つまり日本の軍艦はあっさり沈むがバランスのとれた設計をしているアメリカ人は賢いんだ]という話をよく聞きます。確かに日本の大型巡洋艦が攻撃力重視(特に魚雷)で米艦が防御力重視(砲塔の装甲が特に厚い)の設計なのは分かりますし、米艦の防御力が全体的に高いのは認めますが日本艦がそんなに簡単に沈んだとも思えません。この話のモトネタは何でしょうか? 架空戦記ファン |
- >日本の大型巡洋艦が攻撃力重視(特に魚雷)で米艦が防御力重視(砲塔の装甲が特に厚い)の設計なのは分かりますし、米艦の防御力が全体的に高いのは認めます
概略し過ぎではないでしょうか?
「日本の大型巡洋艦」、特にその初期のもの(妙高型)が、構想段階から米艦に比してそこまで重武装なのか
そしてその時点で対応していた米艦がそこまで「防御力重視」で、魚雷を装備してもいない設計だったのか
計画建造竣工の段階と太平洋戦争突入時点の段階を完全に同一視するのは危険だと思います。
特に、竣工から戦争まで間のある艦艇なら、その間に何時どのような改装を受け、
それがどの新型艦の仕様とシンクロしているのかを見なくてはいけないかと。
「モトネタ」とやらを見ても、それに染まるかどうかは個人の理解次第だと思います。
烈風天駆
- 重巡洋艦に限って言えば、日本重巡はそんなにあっさりとは沈んでいないと思いますが。
Ranchan
- >概略し過ぎではないでしょうか?
高雄型は九三式魚雷の開発によって発射管が増設されましたし、米巡洋艦も初期は魚雷を持ってましたね。概略しすぎました。
私の疑問点は概略されるような初心者向けの本なんかで「どうして日本艦は攻撃偏重だが米艦はバランスが取れているようなこと言われるのか?」です。
架空戦記ファン
- >3
そのような事を記されてる本を知らないので、できればご紹介いただけますでしょうか?
SUDO
- そうですねえ、
ミッドウェーでの4空母、珊瑚海での翔鶴と、レキシントン、ヨークタウンを大雑把に比較した結果
古鷹、加古、愛宕、摩耶、羽黒が妙にモロく沈んだように「見える」という結果
沈んだ米大型軽巡はヘレナ1隻のみで妙に堅く「見える」という結果
そして戦争後半に米正規空母が沈んでおらず、洋上行動中に沈んだ米戦艦がいないという結果
これに、
青葉、高雄、妙高、那智、最上、三隈、熊野あたりは無視する
ワスプやプリンストン、フランクリンを放置する
米海軍の条約型駆逐艦はなかったことにしてフレッチャー以降だけを見る
更に沖縄と硫黄島での特攻攻撃から目を背ける
という条件をつけて、
各艦の被害状況と戦況とを検討しないで評価すれば、だいたいそういう話になるかも。
どうしてそうなるのか不思議ですが、そうでもしないとそういう話にならないような気がします。
まなかじ
- うろ覚えのゴミレス
架空戦記系の読み物でそういう説を最初に大々的かつ明確に喧伝していたのは「紺碧の艦隊」だったように記憶しております。
紺碧の艦隊は最初のシリーズの本は惰性で全巻そろえましたが、今は既に全部古本屋に売り払ってしまったので確認不能で、本当にあやふやな記憶を元にしたレスになって恐縮なんですが・・・
著者の荒巻氏は同シリーズの関連本(解説本?)の中で各国の艦船設計思想を比較したうえで・・・ドイツとアメリカの防御力は非常に優れているので、両国の戦艦同士が戦った場合、簡単には決着がつかず、両者ともしぶとく戦い続け、沈むにしてもあっけなく爆沈するような事はなく緩慢な最期を遂げるであろう・・・・という風に結論付けてあったような気がします。
荒巻氏の説がどのような資料を基にどのように検討されて出来上がったのか?は、わかりません。
本の末尾に参考文献の一覧があるかもしれないので、「紺碧の艦隊」の最初のシリーズの本を漁ってみてください。
おうる
- 別にその小説に始まった話ではないでしょう。
BUN
- >「どうして日本艦は攻撃偏重だが米艦はバランスが取れているようなこと言われるのか?」
しかしよく考えてみますと、上記の記述に該当するのは「日本巡洋艦の砲塔天蓋・側壁が25mmと他国巡洋艦に比べ非常に薄弱」位のような気が・・・。
他に「日本艦が攻撃力増大のために他国同種艦と比較して敢えて極端に薄弱な防御で忍んだ事例」ってありましたっけ?
Ranchan
- 単純に「攻撃重視 防御軽視」で説明するといかにもそれらしい、という事と、外国艦に対するリサーチ不足が目立った時代の産物ではないでしょうか。
BUN
- 防御軽視の裏には、鉄不足なども関係しているのではないでしょうか?
http://military.sakura.ne.jp/navy/b_yamato.htmでは大和をこんな風に書いています。
>戦艦は『対応防御』と呼ばれる考え方で作られており、これは『自艦の主砲で砲撃されても耐えられる防御を施す』というものである。そのため「大和」型は46cmという巨大な砲弾を防御できる装甲を施す必要があったのだが、艦全体にそのような装甲を施すととんでもないほど重量が増加するため、「大和」型では極端な集中防御策が施されることになった。集中防御策とは船体中央部に位置する機関部や弾薬庫といった重要部分にのみ重装甲を施し、その他の船体前後部には軽装甲を施すに留める方法であった。「大和」型は基準排水量64,000トンという重量に抑えられ(完全に防御すれば7万トンは超えていたであろう)ており、日本の建艦技術の粋を集めて建造された戦艦なのである。
HAHA
- >10
引用されている文章の内容は間違ってはいませんが、集中防御は、別に大和に限ったことではありません。英米などの戦艦でも、集中防御は当然のように採用されています。
その中でも大和が特に極端だと指摘されるのであれば、ヴァイタルパート短縮のため主砲塔を全て前甲板に集めたネルソン級戦艦のような例もありますが?
鉄不足などに関係なく、そもそも軍艦は要求された性能を満たしつつ、可能な限り重量を減らすことを念頭に設計されているものですので、そのことが直接的に防御軽視と結びつくわけではないのです。
つね
- >単純に「攻撃重視 防御軽視」で説明するといかにもそれらしい。
私に限った事ではないでしょうが、ミリタリーに興味を持つ前から「日本軍は攻撃重視で防御軽視」というイメージをもってました。そんなイメージが元々あることから売るために作家たちがやたら攻撃偏重のような書き方をしているように思えてなら無いんです。そもそも日本軍の攻撃偏重のイメージはいつ国民に染み付いたのでしょう?そしてその根拠は?
「基準排水量64000tは公表値であって実際は69000t、しかも米戦艦は全長の7割で注排水ができる区画なのだが大和のそれは3割程度で46cm対応防御で最も小さく作られていると言っても全く自慢にならない」って類の大和の集中防御に対する批判は各種聞きます。「バイタルパートが全長の半分以下の大和は非装甲区画に満水になったら沈むフネ」、「大和の集中防御は砲弾に対する防御であっても航空・潜水艦攻撃に対しては弱い構造だった」(装甲範囲の広い米戦艦や全体防御のビスマルクに高い評価)」、ダメコンと間接防御をごっちゃにして(ダメコンが低いと言うのはミッドウェーと大鳳・信濃の件から)「日本海軍は防御とくれば装甲で覆うしか能が無かった」etc
架空戦記ファン
- 断っておきますが私は前述した大和の集中防御に対するアヤシイ説は信じてません。けどなんで?ってぐらい批判をよく聞きます。
架空戦記ファン
- >12,13
だから、それは#9でBUNさんが述べられた事そのものではないかと。
SUDO