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3056 毎度ばからしい質問で申し訳ないのですが、よろしければご回答下さい。

 日本海軍は進出や追撃・退却時に駆逐艦などの燃料不足で艦隊の機動が制限された海戦が何回か、というか殆どの場合で影響を受けていたと思います。
(真珠湾攻撃やミッドウェー攻撃のために各艦の空所にドラム缶などで無理矢理燃料を追加装備したり、曳航給油に成功したり失敗したり・・・)

 そこで思ったのですが、航空機の落下式燃料タンクのように艦尾に嵌脱式か曳航式のバージを連結して進出時の燃料を供給し機に応じて切り離して戦うようなことは考えられないでしょうか?
 それとも潜水艦や航空機などからの緊急回避に対応が遅れるとか、デメリットの方が大きいでしょうか?


 質量や面積が増えるので最高速力は落ちると思いますが、巡航速度での影響はあまり無いのではないでしょうか?
 結果として燃費が悪くなるのでしょうが、戦闘時の自由度が高くなるのかなと思いました。
剣高

  1.  タンカー不足を補う為に、被曳航油槽船が計画されており、これは駆逐艦の曳航タンクとしての運用も予定にありました。
     使い切ったり必要な場合は切り捨てて放棄するというもので、まさしく質問で想定しているものと言えるでしょう。
     ただ、全長60m、650総トン(積載油1400トン、使用鋼材217トン)と大きく取り扱いが不便で、また船舶の足枷になるが嫌われて、繋留タンクとして用いられてしまったようで、軍艦の曳航タンクとしても、内地への油輸送戦力にも役立てられなかったようです。
     恐らく駆逐艦の外装タンクとしては過大で、ちょっと失敗だった訳です。
     後知恵でいうならば200〜500トン程度の搭載量のだったら、用途はあったかもしれません。
    SUDO

  2. ゴミですが
    想像してみれば、上手い手ではない事は簡単に判ります。
    1.
    緊急時に投棄するとなると、只でさえ貴重な燃料が失われてしまう
    2.
    投棄しても、艦隊の後続艦はそれを避ける行動を行わなければならず、艦隊が乱れる(特に潜水艦や航空機の対処の場合、これはかなりマズイ)
    3.
    牽引する艦が減速した場合に、はしけも減速する機構が無いと危険

    …どっかにやった国でもあれば、比較対象ととなるのですが…

    いぎし ちじ

  3. 問題は速度ではないでしょうか?
    曳航はした事もされた事も何度かありますが、速度が上がるにつれて幾何級数的に難しくなります。戦闘時は切り離すにしても、往時の一般商船の速度10ノット前後でもかなり曳航は難しい。
     ペルシャ湾で7000トンのバージ(石油掘削リグ)で曳航された事がありますが、4隻のタグボートで引いて、鏡のような海面だったにも関わらず、速度は7ノット、それも途中で直径70mmの曳航ワイヤーが一本切れました。また機関が故障したFRP製漁船を同じサイズの漁船で曳航した事がありますが、波高3m近い荒れた海での曳航でしたので、港に着くまでに10回以上27mmのクレモナロープが切れ、最終的には双方とも船体を破損しています。速度を正確に測る装置はありませんでしたが、おおよそ3ノット以下であることは、曳航開始位置から港までの距離で判ります。

     何のために曳航専門の船(外洋タグボート)が存在するのか考えていただければ、よほど巧く計画されたもので無い限り、燃料を満載した重いバージを簡単に駆逐艦で引くという事は難しい事がお判りいただけるのではないでしょうか?
    elebras

  4. 船は全くのど素人ですが。
    鉄のタンクでかなり大きなものになりそうですが、遺棄したタンクが航路にごろごろしてたら危険じゃないです?ぶつかったりとか。
    暗闇で発見したら「潜水艦だー!!」って間違えないだろうか。
    遺棄したら沈むような装置をつけとかないと問題ありそうです。
    KOBA-P

  5. ゴミですが、こんなのも在ったりします。
    http://www.nykline.co.jp/what/2000/20000524/20000524.htm
    当時の技術とは無関係ですが、参考までに。
    NobemverDachs

  6. >4
     撃っちゃえばいいんですよ。
     ちなみに日本が計画した被曳航油槽船は、全没式で造波抵抗を押えようというのも案にあったそうですが、最終的に予備浮力を思い切り削った浮航式になったとのこと。外板は6〜8mmですし、非常に柔そうというか無人なので安全性軽視で強度も削ってあるそうで、砲撃すれば容易に処分できるでしょう(少なくとも何日も漂流なんて事はないかと)
    SUDO

  7. ご回答ありがとうございます。

    そうですか、似たことは考えられていたようですね。

     イメージとしては曳航式は輸送グライダー、連結式は落下増槽ですね。
     世の中にはプッシャーバージみたいな物もありますが、やはり自艦需要の為のタンクを外装しての外洋航行は難しいでしょうか?
     自艦の1〜2割程度の大きさかなあと思っていましたが、上で出ている曳航例はかなり押され船が大型の部類に属しますよね?

     最大の障害は「贅沢」なのかも知れませんが・・・
     どのみち、燃料消費に伴って注排水しなければならないと思うので、
    分離・投棄後に航行の障害になるなら自沈させる手もあると思います。
     あるいは回収するか。

     単純な航続力増加の他に、巡洋艦の条約逃れに面白い案かとも思ったのですが・・・水偵乗せたり、妄想が酷いか。

     あっ。追加船首という案も・・・妄想がさらに酷いか。
    剣高

  8.  無人であるから無茶なこと(曳航側が切り離し等)が出来る訳で、装備や人員載せたら捨てられませんわな。
     また荒天や損傷で船首や船尾が千切れることすらあるのに、着脱式船首・船尾なんぞつけたら荒天時には船体の一部とともにちぎれて大損傷って可能性もあります。
     また条約の排水量制限は「基準排水量」なんで、燃料タンク如きの容積が多少節約できたところで大した足しにはなりません。着脱に必要な装備や機材・強度等を勘案したらマイナスではないでしょうか?

    SUDO

  9. タンカーの絶対数が不足するから、バージによる輸送というアイディアは戦時でなくとも、おそらくアイディア倒れと思えます。確かに、ブエノスアイレス−アスンシオン間などのパラナ川(ラプラタ川)航路などでは、プッシャーバージによる輸送が行われており、経済的には専門のタンカーよりも有利だとの事ですが、これは河川航路ゆえの話でして、こと外洋では条件がまったく異なります。
    プッシャー又は横抱き曳航の場合、操船自由度は皆無に近く、たかだか100mクラスのバージでも、進路変更には見ていていらいらするほどの時間がかかります。また、外洋曳航の場合、曳航索の長さだけで、曳航するモノによっては波浪衝撃への冗長性から3000mといった長さが必要になり、艦隊行動などまったくおぼつきません。
    また、縦曳き給油が失敗するような天候、海況でバージからの給油が出来るとは思えません。条件は双方に動力があり、操船も可能な給油艦による縦曳き給油よりも悪いのですから。
     さらに言えば、外洋の波浪の力は相当なものがあり、5000トン級の船でも惰性で8ノット程度の残速が一発の波で速度ゼロとなる事は珍しくありません。

     燃料輸送のために軍艦がバージを曳くならまだしも、艦隊行動範囲を広げるために、というのであるならば、バージを曳く事により巡航回転数での航行速度が落ちる、要するに時間当たりの燃料消費は艦隊巡航速度と同じかそれ以上で、速度は半分という状況が果たして行動範囲を広げる事になるのか、きちんと考察する必要があるのではないでしょうか?

     最後に外洋曳航の難しさの例として、マルビナス紛争でエクゾセを被弾したHMSシェフィールドのケースが判り易いのではないでしょうか?軍艦のような抗力の低い形状の船でも、非常な低速で曳くことが許される状況ですら海況によっては曳航が不可能なだけでなく、失われる事すらあるというのは、外洋曳航の難しさを端的に表していると思えます。
    elebras

  10. 石油運搬が目的ではありませんが、運貨筒もアイデア倒れだったんでしょうかね。
    富士見町

  11. どうも、妄想におつきあい頂きましてありがとうございます。

    やはり難しいようですね。

    エンガノ沖で給油に失敗した丁型駆逐艦が後退していった記述などを読むとどうも切なくていけません。
    剣高

  12. >11
     あれはいちおう荒天が理由ですからねぇ。
     曳航タンクだったら航行不能になるか放棄するかになってしまったかもしれません。
    SUDO

  13. >10
    水中曳航物については経験も知識もありませんが、波浪衝撃からは開放されそうです。しかし、結果的には潜水艦そのものの操艦自由度を著しく制限するものである事は事実のようです。敵制空、制海権下への隠密または強行輸送という条件が無ければ、多分、アイディア倒れになると思われます。
    たとえば呂号潜水艦に運貨筒を引かせる事で、伊号に準ずる作戦行動半径を持たせる、などという用法は無理ではないか、という事です。

     また、駆逐艦などがバージを曳くという用法にしても、条件が整えば絶対に出来ない、というものでもありません。実際大型艦艇を長躯曳航した例はありますし、現在でも長尺構造物などの長距離曳航は日常的に行われております。しかし、これは曳航が目的であって、今回のご質問のように、作戦行動が目的ではありません。これは運貨筒も同じで、それを曳く事が副次的な目的であり、主たる目的を達成するために必要不可欠という条件があり、そのためには本来潜水艦の持つ能力を全て発揮できなくとも支障が無い、という条件下で成立するものです。

     水上速力最大23ノットという往時の巡航潜水艦が運貨筒を曳く事で、どこまで水上速力を発揮できたのか、その辺をお調べ頂ければ幸いです。
    elebras


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