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3053  原子力推進潜水艦とディーゼル推進潜水艦についての質問です。
 酸素を必要としない、潜水艦として圧倒的に有利な推進機関を持つ原子力推進潜水艦に対するディーゼル推進潜水艦の利点としてよく挙げられるのが小型ゆえに小回りが効くという点と、静かという点ですが、通常動力潜水艦が原潜に比べて静かなのは、水中での推進力を蓄電池によってモーターを回して得ているから静かなのだと思います。
 しかし、原潜にも蓄電池は付いているでしょう。ならば、水中推進で原子炉(というか蒸気タービン)ではなく通常動力潜水艦と同じように蓄電池からのモーターで推進力を得れば、通常動力潜水艦と同じくらい静かに行動できるのではないでしょうか?
 原潜の利点である無限の航続力を無意味にするような考えかもしれませんが、そういう点を無視して通常動力潜水艦と同じような任務を与えれば、水中で蓄電出来る原潜の方が(大型になってしまう点を除いて)有利ではないでしょうか。
 勿論、建造の難しさや寿命の切れた原子炉の処理、維持管理費を考えれば、近海の哨戒(通常動力潜水艦の任務は主にこれでしょう)を原潜にやらせるなどナンセンスなことだと思います。しかし、原潜というのは通常動力潜水艦に比べて言われているほど静かさで不利なものなのでしょうか?
 そもそも任務が違うから比較自体に意味がないとは思いますが、どうか答えてください。
 そういえば、米軍の潜水艦は全てが原潜だったと記憶していますが、近海での哨戒任務まで原潜に任せているのでしょうか?クローズド・サイクル・エンジンが実用レベルまで開発されたとしても、この傾向は変わらないのでしょうか?
AAA

  1.  >水中推進で原子炉(というか蒸気タービン)ではなく通常動力潜水艦と同じように蓄電池からのモーターで推進力を得れば

     これは隠密モードでは原子炉をいったん停止させて蓄電池に切り替える、ということでしょうか?
     確か原子炉っていったん停止させちゃうと再起動?させるのがとても大変なので、電気のスイッチのように簡単にオン・オフしたりできないんじゃなかったような?
     質問意図を誤解してたらご免なさい。
    タイヴァーン・ヘルミ

  2. >簡単に、記憶モードで

     原子力潜水艦は、簡単に言うと原子炉を湯沸かし器にしてタービンを回し動力を得る訳ですが、その為冷却水を循環させるポンプが必須でして、これが騒音の元になる訳です、また、動力を取り出すタービンもそれなりの騒音源になり得ます。
     このポンプは通常動力型潜水艦には不要のもので、その分通常動力型潜水艦の方が静かになり得る訳ですね。
     むろん、潜水艦の設計によってその静けさ等は左右される訳ですが、同等の静音化の努力が投入されるとして騒音源の多い原潜の方が不利になるのはおわかり頂けるかと思います。
    ooi

  3. >そういえば、米軍の潜水艦は全てが原潜だったと記憶していますが、近海での哨戒任務まで原潜に任せているのでしょうか?クローズド・サイクル・エンジンが実用レベルまで開発されたとしても、この傾向は変わらないのでしょうか?
     近海とは言っても、アメリカ海軍の想定する近海とは他国の沿海域ですからね。
    アメリカ本土から大洋を渡って、例えばペルシア湾まで緊急展開することを考えれば、
    通常潜水艦は不利でしょう。迎え撃つ側にとっては話は違いますが。

    便利少尉

  4. かつて米海軍で自然循環方式の原子炉(ポンプがいらない)や
    原子力エレクトリックを試してますけど、結局はギヤードタービン
    が主流になってます。

    原子力潜水艦にとってはやはり速度が重要視されてるとみていいのでしょうか?

    wittmann

  5. >4
     自然循環方式の原子炉は加圧水型に比べてかさばるのが欠点で、原子力電気タービン方式は重く生産性と信頼性に欠け、しかも推進効率が大幅に低下(導入当時)するという判断があったようです。

     で、自然循環式の加圧水型原子炉ですが、オハイオ級SSBNから実用化の段階になって、ヴァージニアあたりから本格的に導入されており、また、後期建造艦から統合電気推進を導入する事が検討されています。
    ooi

  6.  なるほど、一度止めると再起動に時間がかかるのですか。ありがとうございます。それなら、気軽に原子炉の停止・再起動は出来ませんね。よく分かりました。

     ついでに別の質問なんですが、原子力電気タービンってどういう方法で原子炉から動力を取り出す装置なのでしょう?
     また、蒸気タービンやその他のタービンシステムを使わずに、原子炉から動力(トルクや電力)を取り出すシステムはないのでしょうか?
    AAA

  7. >6
     原子力電気推進は、原子炉>蒸気タービンで発電>モーターで推進という仕組みです。
     普通の潜水艦は原子炉>蒸気タービンで推進です。
     推進軸の減速歯車が要らない分だけ静寂とか、推進出力の調整が容易。原子炉の性能・配置の自由度が高いとかの利点があります。
     また所詮は熱機関ですから、やろうと思えば他の動力回収手段も得られるとは思いますが、現状の蒸気タービンよりも効率と静寂性、そしてコンパクトさで勝るものになるかどうかは判りませんね(まあ、効率面は原子力なので多少劣っても問題にはならないでしょうけど)
     例えば蒸気レシプロなら今すぐにでも作れなくは無いでしょう。重さも煩さも場所も数段悪化すると思いますが。
    SUDO

  8. 原潜の騒音はそれほど酷いものではありません。
    通常動力潜水艦に比べれば特別な対策は必要でしょうが、あえて原子力以外を選ぶほどの理由にはなりません。
    ヒット&ランを基本的な攻撃パターンとする潜水艦にとって原子力は最も理想的な動力であり、純粋に性能の優劣を考えると原子力以外の選択枝はありません。

    あとは価格と技術力、そして、原子力を軍事的な目的で使える政治力があるか、によって原子力を使うか否か、が決まります。

    自衛隊も好きでディーゼル潜をつかっているのではなく、政治的な要因によって使わざるを得ないのです。

    そらみみ


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