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3021 大戦時の軍艦は改装して艦尾を延長したという話を良く聞きます。
しかし現用艦では装備や構造物を取り替えても、船体そのものはいじらないようです。これは何故なのでしょう?形状はきっちり計算されていて改造の余地は無いのでしょうか?
「こんごう」型のイージスシステムを最新のバージョンに入れ替え、艦尾周辺を
造り替えて格納庫を設ければ、7700トン型とほぼ同等の能力とならないか?
「はるな」型の飛行甲板を延長すれば、ヘリ二機の同時運用が可能ではないか?
と思ったものですから。
   
fuwaku

  1.  軍縮等の政治的な都合で新造が出来ないから改造するのであって、ある程度以上の大規模工事をするならば新造した方が色々と有利なわけです。
     しかしながら改造は結構いろいろやってます。
     ただ船体を作り変えるとなると放射雑音等も変ってしまうし、工事そのものも大掛かりになりますし、実際には手を入れたい場所は沢山出てきちゃうわけです。
     例えば「こんごう」を7700トン型と同等にすることは物理的には可能ですが、下手すると結構長期に渡ってイージス艦が数隻ドックで寝ているという状態になります。だったらやんないほうがトータルで有利ですよね?
     「はるな」も、それで強化したとして、他にも機関とかも弄らないと高性能とはいえませんし、色々弄ってる間の代替はないし、出来上がっても新造DDHに比べたらずっとオンボロです。
     ですから定期的な修理のタイミング等で、あまり工事が長期間にならないような改造をするのが無難という事になるわけです。それに現代の艦は艦そのものよりは搭載システムの出来が戦力ですので、船体まで弄って何とかするというのはあまり良い手立てではないのです。
    SUDO

  2.  補助艦等では船体延長工事を行う事もあります。
     しかし、補給艦等スペースを増やし、それによって能力を増す事を目的とした改造ですので、戦闘艦とはちと能力向上の為の手立てが違う訳です。
    ooi

  3. お答え有り難うございます。
    金剛型第一次改装後!第二次改装後!などというグラビアを見ると
    最近はこんなに艦影が変わるような工事は行われないのかと思いまして。
    これからは海自も新しい艦はおいそれと造れないようですし。

    fuwaku

  4. 日本戦艦の艦尾延長は同一出力で速力を増大させるのが目的です。
    (同一出力では水線長が大なほど速力が大)
    金剛型は24ft(約7.3m)、扶桑、伊勢、長門の各型は14ft(約4.3m)伸ばしてます。
    んで何故速力を増大させたかったかと言うと、砲戦で有利な対勢を得るため、敵(米)戦艦よか数ノット優速としたかったからです。
    現用艦はそもそも上記の要求が無いんで船体を弄る必要性が無いものと思われ
    駄レス国務長官

  5. 大戦艦における艦尾延長の主目的は理解しています。現用艦についての問は、船体の延伸・拡幅を伴うような工事を見られない事が、費用対効果や周辺状況といった
    外的要因以外に理由が存在するのか?という辺りです。


    fuwaku

  6.  この種の工事は通常ジャンボイジングと言い、船体の強度問題から中央部へ継ぎ足しをするのが普通なのですが、これをやると工事が大きくなるのと排水量が増えるので、いろいろと不利な面もあります。
     アメリカのシマロン級給油艦は、これを行って搭載量を増加させています。商船ではけっこう実施例がありますね。

     過去ログ 664、2097 に関連質問があります。
     ジャンボイジング jumboizing については下記をご覧ください。
    http://www.csbcnet.com.tw/csbc/e302.htm
    http://visseraa.topcities.com/id43.htm

    >5
     駆逐艦系列の船体は、もともと細長いのとあまり強度余裕が無いので、補強しなければならなくなる部分が多すぎるんじゃないでしょうか。今の船は寿命を計算して造られてもいますし、得られるものの割には費用が大きいでしょう。

     アメリカの空母が行ったSLEPは新造に近い大工事ですが、船体寸法は変えていないみたいですね。これのジャンボイジングは考えられなかったんでしょうか?>大塚様
    志郎

  7. >6

     アメリカ空母のSLEP計画時においては、ジャンボイジングは特に検討されていないようです。
    大塚好古

  8. >大塚様、早速のお答えありがとうございます。

     一例として、イギリスの42型駆逐艦(1975年から1985年完成)は、船内容積が不足だということから、後期艦では船体を延長した設計で建造されましたが、強度不足が判明して顕著な補強を行っています。建造後の延長ではなく、設計段階での延長でも失敗しているのです。現代軍艦のバランスはこれほどに微妙なので、よほどの理由がなければあえてやらないでしょう。
    志郎


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