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「マスター・アンド・コマンダー」を観ていてふと思ったことです。 陸戦では便衣兵は国際法違反として即時処刑の対象となってますよね。 では海戦での仮装巡洋艦はどうなのでしょう? あれって、立派な便衣艦のような気も……。(戦力的に即時撃沈できるかどうかの実務面ではなく、国際法上どう取り扱われているのか、知りたく思います) satoski |
- 戦闘開始直前に正体ばらして戦闘旗揚げれば無問題。
勝井
- 自国の旗を掲げて戦う限り、その点なんの問題も無いと思います。
Yp
- 便乗質問。日本語で仮装巡洋艦の「仮装」とはどういう意味ですか?
1.戦時など手の足りない時に仮に商船を軍艦として艤装してつかうから。
2.商船のフリをするから。
Yp
- まず、国際法上の軍艦というのは、将校がそれを指揮し、軍人ないしそれに準ずる軍属が乗組んでおり、定められた軍艦旗を掲げる船舶ということになります。
また、この条件を満たすならば非武装船舶でも解釈として軍艦となります。
さて、ここからが微妙なところなわけですが、仮装巡洋艦は軍艦旗を掲げて所属国の軍艦であることを明らかにすれば、それが戦闘行為に入る直前であっても国際法に問われないという了解が存在しています。
ここで問題となっているのは戦闘行為の有無だということですね。
便衣兵にしても、前線で実際に銃をとって戦うという行為に対して国際法の庇護が受けられないわけで、後方での活動に民間人が協力することに対してはお目こぼしがありますね。
つまり、他国の船を装って公海を航行する、あるいは民間船を装って公海を航行すること自体は、戦時国際法には触れないわけです。
それが戦闘行為を目的とする哨戒行動であっても、それは解釈として戦闘行為そのものではないのだと。
そして、敵船を発見し、砲の射程内まで近づいてから軍艦旗を揚げるというのは、違反すれすれだとしてもセーフなのだと。
そういうことかと思います。
まなかじ
- >3
「仮装巡洋艦」として使う場合、「商船のフリをするから」でしょう。
「戦時など手の足りない時に仮に商船を軍艦として艤装してつかう」場合、日本語には海軍が定義した「特設巡洋艦」という言葉があります。
ただ、英海軍が使っていた「特設巡洋艦」を「仮装巡洋艦」と訳すことは、しばしば見られる例のように思います。
まなかじ
- >>3.
1.ですね
外見上商船でしかないのに「商船のフリをする」も何も無いと思われ
「中立国商船のフリをする」なら兎も角
駄レス国務長官
- しかし長官、砲や発射管や対空機銃座、飛行機などなどをむき出しにしてあってはバレバレですから、隠さなくては。
Yp
- 便乗質問です。
まなかじ様>まず、国際法上の軍艦というのは、将校がそれを指揮し、軍人ないしそれに準ずる軍属が乗組んでおり、定められた軍艦旗を掲げる船舶ということになります。
ということは潜水艦は有無を言わさず撃沈されても国際法上何も庇護を受けられない(実際は即水死かもしれませんが)わけでしょうか?
ひろき
- >>7.
マ〜それらは適宜隠して貰うとして
>>3.
の2.の例としては、仏海軍が1902年に竣工させた通商破壊目的の防護巡洋艦シャトールノーが有ります
北大西洋航路の高速客船に似せた平甲板船体、艦首・艦尾形状、傾斜4本煙突など、英国客船モーレタニア級に近似のシルエットでしたが、同艦は仏海軍の正規(一等)巡洋艦で、仮装巡洋艦ではありません
駄レス国務長官
- >8
第一次大戦時に、英国は潜水艦の潜航襲撃に対してそのような解釈でもってドイツを非難しております。
これは認められ、潜水艦も無警告で船舶を撃沈してはならない、つまり浮上して軍艦旗を掲げなければならないということになり、そんなことは結局実行不能ですからドイツは第一次でも第二次でもそれを守らず、というか守れず、それによって英国商船は「軍艦」ではないにもかかわらず、潜水艦に対する自衛のためと称して、船尾に砲を載せたり爆雷を積んだり対空機銃を載せたりという武装をすることができるようになったと。
まなかじ
- 英国の特設巡洋艦は、正規の巡洋艦の不足を補うために建造されたものではありますが、実際英国商船のフリをして船団にあって襲撃者を不意打ちするという用法のもとに運用されるものですね。
また、日本の場合、特設軍艦類別に特設巡洋艦があります。
明治期の便宜区分として仮装巡洋艦があり、その時点での「仮装」は「仮に艤装する」であったろうことは間違いなさそうですが、第一次大戦で英独が「仮装する」目的で特設巡洋艦を造り、そのように使っている以上、仮装巡洋艦と特設巡洋艦は分化したものと見るべきで、例えば報国丸は類別:特設巡洋艦であると同時に一般的便宜区分:仮装巡洋艦という言い方ができると思います。
つまり、auxiliaryを直訳するならば補助であって、それをして仮装巡洋艦と訳すのであるから仮装巡洋艦=補助巡洋艦、すなわち「戦時など手の足りない時に仮に商船を軍艦として艤装してつかう」巡洋艦と解釈するのは無理のないところかとも思いますし、また本来の語義として明治時代の区分からすればそうなのだろうという点には異議はないのですけれど、ならば仮装水上機母艦や仮装運送艦といった使い方をしないのはなぜなのか、それは単なる慣習的な問題に過ぎないのか、訳す側に「仮装している」という意識があって、既に「仮装巡洋艦」という言葉は一人歩きを始めて、そういう意味を持ちはじめているのではないのかと。
しかも、もともと正規の呼称であったことはないのですし。
まなかじ
- >8
たしかに潜水して外国の領海内を航行することは「無害通航」ではないので、撃沈されても文句はいえないでしょう(厳密に言えば文句がまったくいえないわけではないが弱い)。ただし、平時に公海を潜行する潜水艦を、正当な理由無しに攻撃することは、国際法上の違法行為となります。他方、戦時なら敵の軍艦(水上艦であれ潜水艦であれ)を先制攻撃することになんの問題もありません。
>3
「仮装」ってたしかにauxiliaryとは意味が違いますし、「特設」や「補助」とは別じゃないかというまなかじさんの意見には同感なんですが、「仮装空母」などの語が存在すること説明しようなどとすると、駄レス国務長官の説に一票。
ところで質問なんですが、西京丸は「巡洋艦代用」、信濃丸は「仮装巡洋艦」でいいのでしょうか。
カンタニャック
- おっと、11番とかぶりました。
カンタニャック
- >>11.
Q-shipのコトでしょうか?!
でしたらsubmarine decoy vesselとかspecial service vesselとか単にdecoyと呼ばれてて、armed merchant cruiserとは別扱いのようですケド
>>12.
軍令部編纂の「廿七八年海戦史」によると西京丸は「巡洋艦代用」、
同じく「明治三十七八年海戦史」によると信濃丸は「仮装巡洋艦」とされてます
なお後者によると、当時「仮装砲艦」が存在してます(例、第六宇和島丸、神佑丸、佐波川丸など)
駄レス国務長官
- >>14.
まなかじさんが 11.でいわれる特設巡洋艦はQ shipとは違うと思います。イギリスのそうした特設巡洋艦はだいたい1万トン以上あって偽装もあまり念を入れたものでなく、ドイツの偽装通商破壊艦は1キロほどに近づかなくてはバレないくらいなのに、装甲艦シェーアが北大西洋で攻撃した船団を護衛していた特設巡洋艦ジャービス ベイはずっと遠くから見分けられていたぐらいで。
Yp
- みなさんご回答頂きありがとうございました。
satoski
- >14
駄レス国務長官さん、ありがとうございます。
カンタニャック