5472  戦闘ヘリ等のローターが飛行中に破損したらどうなるのでしょうか?
 ローターブレードの先端が多少欠けた程度ならば飛行を継続もしくは比較的安全な不時着が出来そうですが、根元から折れ曲がったり切断された場合は非常に危険な状態(制御不能な墜落)になると思いますが。
 現用の戦闘ヘリの大半は、23mm砲弾がローターに命中しても30分は飛行が継続できるといわれていますが、被弾したローターブレードはどのような状況になるのでしょうか? 弾き返す? それとも穴は空くが千切れ飛びはしない?(被弾の程度にもよるでしょうが)
きっど

  1.  アパッチが出てきた時、大口径機関砲弾(23mm?)を打ち込んだロータブレードの写真ってのも出回ってました。
    見た感じ銃弾を打ち込んだベニア板って感じで、
    大穴が開き周辺はささくれ立ってはいるがどの方向にも決定的な破壊は広がってない様でした
    繰り返し荷重を受けますからいつかは破壊するんでしょうが、短時間なら持つという事なんでしょう。
    グリーネマイヤ智久

  2.  ある程度以上の大きさのヘリコプターのローターブレードでは、桁と前縁側こそ全長にわたって一体の部品ではあるものの、後縁側は桁にぶら下がる十数個から三十個程度の「ポケット」と呼ばれる部品に分割されているものが多くあります。
     この構造のブレードが被弾した場合、後縁側であれば、破壊されるのは命中したポケットだけで、傷口が広がることはありません。さらに、その付近の桁や前縁が損傷していなければ、ポケットを交換するだけで再使用することすら可能です。また、柔軟性のある構造なので、ブレードが欠けた際に生じる振動をある程度抑えることもできます(ローターヘッド側で振動や揚力不均衡を吸収しようという機種もある)。
     むろん、軍用ヘリの耐弾性能は、桁・前縁が被弾する場合も想定して考えられており(AH-64の場合、「桁に23mm弾の直撃でも20〜30分の飛行が可能」だったはず)、チタン系合金を奢ってみたり、繊維系複合材料を積層する際の目の方向の組合せを工夫(割れの進行が止まる)したりといった材料・製造面での対策もとられています。
    Schump

  3. とはいえ、HU−1BグレイドのMRB(メーンローターブレード)の被弾テスト
    では、酷い事になってたけどね。高々20mm焼夷榴弾でも全幅の2/3もって行かれてたねぇ。
    ジュラルミンのハニカムコア何ど紙に等しいね。
    入り口は5cm程度だが出口側は30cm近くになるよ。
    破片は小銃弾をも破砕する表面硬化鋼鉄板を貫通する力が有るからね。
    まぁ、金属製ブレードを持つ廉価のUH−1J以前の機体はそれ程強くないね。
    値段なりのものさ。AH−1S以外は・・・
    本来耐熱合金のエンジンその物にも15cm近い穴を開けられる。(直撃だが)
    結局、安い物はそれなりの対弾性しかない。60、1S、47、64以外は
    実質20mmでも重要区画(MRBとか)に1発喰らえば飛行不能だよ。
    ・・・・

  4. ヴェトナム戦争において地上砲火でヘリがさんざん落とされた戦訓から
    主要部分の抗堪性の基準が生まれたわけで、それ以前のヘリが
    相対的に被弾に弱いのは当然でしょう。
    便利少尉

  5. そりゃ、そうですよねぇ。
    エンジン馬力(トランスミッション許容最大入力馬力も)倍違いますから
    言ってみれば、ゼロ戦の時の問題と、似てなくもないですか。
    耐久力を上げる=>重量増大=>出力不足=>任務遂行不可能、の図式だったかと
    ・・・・

  6. そう言えば、昔20mmHEIの被弾試験(威力試験)のベータマックス画像
    見た事が有るけど、0.025in厚2024T4(T6だったかも・・)1m四方
    の立方体に試験銃で砲弾を撃ち込んだ画像とHU−1Bのドア、T53−L−11A、垂直に立てたローターブレード、ここいらあたりは見ましたが
    結構ハデに火炎が拡散しますね。1mの箱が裂け爆炎が噴出し爆発後はリベットが千切れ
    1mm^2以上の破口が900箇所以上開いていると、教官は言っていた。
    一応、初速1050m/s、炸薬はHMX/アルミニウム/マグネシウム混合という話だったかな。
    HMXの十分に圧縮したものなら爆速は9300m/s(混合してるから落ちるだろうけど)出るんで近距離なら怖い代物。
    複合材ブレード(AH1、CH47、UH60以降の高価格品)の場合は
    射出口側の穴が15cm程度に留まり、金属と違って、ビリビリに裂けない特徴がある。
    但し、値段が・・金属ブレードの2倍近くて、修理も大変で維持コストがめっぽう掛かる。
    そして、エンジン。コンバッションチャンバー周辺に被弾しても火炎が噴出し
    出力が低下するけれども、即座にエンストはしないですね。
    機械式コンピュータである、エフコン(燃料コントロールユニット)は損傷で
    機能停止=エンジン停止だから、ここいら辺りには防弾板は集中する。
    尤も、AH1だとある場所に短延期信管付きの榴弾又は、DUAPIが1発当たれば
    即空中爆発する部分があるんですけどね。特に実弾(HE/HEI/TP−T編合)を搭載した場合は。
    ・・・・


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