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USAFの演習でF-15がF-22に完敗したなどニュースが伝わってきてステルス機 の有効性が良く言われていますが対戦闘機でそんなに有効なんでしょうか? レーダー写らないってことは自らはアクティブレーダーを作動させていない ってことですから相手がレーダーOFFにしたら発見されなくても相手も発見できないのではないのでしょうか?動かない地上目標ではない高機動の戦闘機相手では圧倒的に有利とは言えないのではないでしょうか? ROCKS |
- 搭載レーダー(APG-63とAPG-77)の機能と性能、ついでにAMRAAMの機能と性能まで含めて、状況のシミュレートを組立てなおしてみましょう。
すると、そういう単純な話にはならないと思いますよ。
まなかじ
- >レーダー写らないってことは自らはアクティブレーダーを作動させていない
ってことですから
F-22 は高度なデジタルデータリンクを持っており、後方に位置した「ハンター」のレーダー情報を前方に位置する「キラー」が受け取り、自ら電波を発信することなく相手をロックオンして攻撃できる機能があると聞きます。
ささき
- 現在のステルス機は、レーダーにまったく映らないのではなく、映る距離が極端に短いのです。お互いにレーダー波を発射して戦闘する場合、ステルス機は通常の航空機を遠距離から探知しますが、相手は、よほど近ずかないとステルス機を探知できません。その間にステルス機は攻撃してしまいます。つまり、メーカーが言う「Fast look Fast Attack」なのです。なお、相手機のレーダー波を探知しても、ESMでそのときの方位がわかるだけで、立体的3次元の空中戦では、それだけの情報では通常攻撃できません。つまり、敵航空機行動圏内では状況(AWACSなどの情報等)に応じてステルス機がレーダー波を発射して、捕捉した敵航空機を一方的に攻撃できます。
つっち
- 失礼ながら、F-22のキャッチフレーズならば"First Look,First Shoot,First Kill"でしょう。
"Fast Look,Fast Attack"は聞いたこともない。
便利少尉
- 5453も含めて、どうもレーダーとステルスの関係をあまりお判りになっていないようなので、直接の答えではないのですが・・・
物標によるレーダーの反射は、「再輻射」という考え方でも表現できます。これは、物標の導体表面に到達したレーダー電磁波により、導体表面に高周波電流が誘起され、その結果、導体表面からレーダー電磁波と同じ周波数の再輻射が起きる、という考え方です。例えば、Xバンド、波長3Cmの電磁波が空中に垂直に置かれた長さ1.5Cmの導線に到達した場合、輻射エネルギーから空間伝送損失分を差し引いた残りの電解強度に応じた高周波電流が流れます。導線に電流が流れるということは、アンテナということですから、この導線からは電磁波が放射されます。このときの輻射方向は、アンテナに直角な方向で最大になり、その輻射効率は90%近くに達します。ところが、この導線の長さが4.5Cmになった場合、同様に輻射をしますが、その最大点方向は導線に対して約30度の角度を持ち、電波の到来方向である、導線と直角な方向への輻射は理論上ではゼロになります。
また、入射角度による反射角度の違いは、表面に形成される「微小アンテナ」の輻射位相の違いで表現できます。
ステルス技術の根幹は上記のような理論を応用して、特定の方向から入射する電磁波に対し、その到来方向へ再輻射させない、というものです。しかし、機体表面の全てについてこのような事は不可能ですし、周波数が変化すれば波長も変わりますので、全ての周波数について同様の条件にすることもまた不可能です。ですから、機体の姿勢が変化すれば、遠距離でもレーダーに捕捉されることはあり得ますし、まったく見えないというわけではないのです。
問題はレーダー相関と呼ばれるものに起因します。これは最初に捉えた物標と、2度目に捉えた物標が同じものであるかどうかを知る、ということなのですが、レーダーも物標も動いていないのであるならば話は簡単です。しかし、双方が動いている、それも高速で、となると話は極端に難しくなります。それでも、その空間にレーダーと物標以外に何も無いのなら、やはり簡単になるのですが、複数の物標が存在する空間では、えらく複雑なことになります。
もう一点、レーダーには不要な反射、クラッターと呼ばれるものが存在します。これは海面や地表の不整により発生するものですが、これを除去しないと本来の探知すべき物標と区別ができなくなります。
特定の方向、角度から入射するレーダー電磁波に対し、反射を返さないよう細工されたステルス機は、レーダースクリーンの上では、現れたり消えたりするように見えるはずです。これは上記の前半、つまりレーダー相関が極端に取りにくいことを意味します。レーダー追尾(ロックオン)はレーダー相関に基づいて行われるものですから、ステルス機にはロックオンできない、という現象が発生します。さらに、海面においては非常に顕著ですが、上記後半のクラッターは通常ランダムに現れ、消えます。これを除去するためには、複数回の探知で同一相関を持つ物標だけを表示するようにすれば良いのですが、現れたり消えたりするステルス機は、クラッターとして扱われ、表示されなくなります。
ステルスは決して見えないわけではありません。見えてはいても、その情報を活用できないようにしている、という方が理解としては正しいように思います。
elebras
- >#5 elebrasさん
>Xバンド、波長3Cmの電磁波が空中に垂直に置かれた長さ1.5Cmの導線に到達した場合、(中略)この導線からは電磁波が放射されます。(中略)ところが、この導線の長さが4.5Cmになった場合、(中略)その最大点方向は導線に対して約30度の角度を持ち、電波の到来方向である、導線と直角な方向への輻射は理論上ではゼロになります。
手元の資料だと、1.5λ垂直ダイポールの放射パターンは、斜め上と斜め下へのメジャーローブに加え、水平方向にもマイナーローブがあるのですが...
また、水平方向への放射が無いとした場合(手元の資料だと、1.75λとか2λにした場合)、通常、このようなアンテナには可逆性があると考えられるので、水平方向からの電波では、エレメントに電流が流れないのではないでしょうか?
セミララ
- 皆様ありがとうございました。
ROCKS
- >6
うわ、ごめんなさい。直角方向サブローブが無いのは、偶数次高調波アンテナでした。4.5Cmではなく、3または6Cmですね。お詫びして訂正します。
>水平方向からの電波では、エレメントに電流が流れないのではないでしょうか?
送信指向性はアンテナ素子上を流れる電流位相により、電界の分布が変化することで現れますが、素子に電流が流れる事には変わりがありません。これは受信でも同じで、素子に電流は流れるが、ある方向から到来した電磁波は、その素子上の位相分布によって、給電点電流がゼロとなる、という表現ができます。ですから、受信指向性というのは、給電点にエネルギーが発生するかどうか、で決まります。これは送信の場合と完全に可逆です。
したがって、そのアンテナの指向性がどうあれ、高周波電界中に置かれた導体には電界に応じた電流が発生します。
elebras
- >#8 elebrasさん
回答の件、了解です
ものの本に、アンテナの可逆性の解説で、
自己インピーダンス・相互インピーダンス・指向性(形と位相を含む)・利得に関しては、送受で可逆性が成立するが、エレメント上の電流分布については、送受で同一とはならない
となっていたので、もしやこの事を仰っているのではと思ったのですが、電流分布の非可逆性に関しては良く判らなかったので、質問をぶつけた次第です
結果としては、そんなに難しく考えなくても良かったのですね
セミララ
- ロシア機のIRST戦法ではF−22の優位性はかなり落ちますね。
ブッシュ大統領
- 素人考えですが
ステルス技術と赤外線探知技術(とそれに連携する赤外線追尾ミサイル)を比べた場合
技術の優位としては明らかにステルス技術の方が上かと思ってしまうのですが。
F22AにIRST機能を与える事はそれ程難しい事なのですかね。
その機能が与えられていない以上、IRSTに対抗する術をF22Aは持っているのでは思いますが。
例えば先に出たキラーハンター方式や、それからレーダー相関(このスレッドで勉強させて頂きました)
を与えないようにレーダーを断続的に作動させれば、敵機のパッシブレーダーではクラッターとして現れるのではないでしょうか。
そしてF22Aのレーダーがミサイルを探知する事が出来るのであれば怖いものは何もないと思ってしまうのですが
素人考えでしょうか?
亡霊