5437 |
異種口径機銃の併装についてご教授ください。 GBスピットファイアのe翼や、GEのFW190D、JPのKi-84等、大戦中盤〜後半にかけて登場した 機体で異種口径の機銃を併装したものがありますが、これらの併装は”妥協の産物” ではないかと思うのですが、どうなのでしょうか? バレルロール |
- 質問者です。補足いたします。
US機の12.7mm多連装や、JP海軍の20mm4連装など、同一口径・銃種の場合は、弾道
性能や初速など、諸元が同一なので同時発射でも問題ないと思うのですが、異種の
場合これらが違うとえらく当てにくいということはないのでしょうか?
初期の機体、例として零戦を例に取ると、対爆撃戦闘としての20mm装備、対戦闘機戦
としての7.7mm装備ということで、併装の目的が明確だと思っているのですが、質問で
列挙した機体はそのような使い分けを意図した記述を見たことがありません。
本当は、20mm4連装等を採用したかったが、機体の搭載スペース等の理由により、
仕方なく12.7mmを併装した、ということはないのかと疑問に思った次第です。
本稿、初質問なのですがよろしくお願いいたします。
バレルロール
- >妥協の産物
まさにその通りだと思います。
ただ、何故妥協しなければならなかったのか、何をどういう風に妥協したのかは個々の国ごと・機種ごとにそれぞれ事情が違うのではないかとも思います。たとえばキ84疾風の場合、火力性能以外にホ5の生産量と関係があるかも知れません。
ささき
- でも、ホ103とホ5、97式7.7mmと99式2号20mmは初速差はあまり無いですよね。
ブローニング7.7mmと12.7mmとイスパノ20mmもほぼ同じぐらい。MG131とMG151/20も同様。
どうせ着弾はばらつくのですし、ある程度は照準線を工夫すれば、実用上大きな問題は無いのでは?
戦後のMig-15/17も異口径併用ですし、同一口径に統一するのも妥協の産物かもしれませんよ。
SUDO
- ささき様、SUDO様、なんとも早いレスポンスをいただき、深謝いたします。
生産量や信頼性等の搭載機銃側の制約も当然ありうると思っていました。
が、操縦して敵機を撃墜するパイロットにとっては結構つらいのかなー、とか
思ったりしたもので(同時に発射するのに12.7mmしか当たんなくて撃墜できない内に20mm使い果たすとか)。
初速差は実はあまり大きくないというのは、言われてみると確かにそうですね。
ただ弾頭重量や、よく言われる後落量等(=かなりイメージ先行ですが)の影響
でやっぱり簡単に命中させられるものではないのかなと思ったりします。
(大抵、交差ポイントは1点集中だと思いますので)
ただ、「同一口径に統一も妥協の産物」は目から鱗でした。
ご教授ありがとうございました。
バレルロール
- 結論だけ言ってしまえば、最終的には同口径の多銃装備に向うのが本筋です。
20mm4挺装備を目指した零戦にしても、陸軍の三式戦しても四式戦にしても目指すものは同じです。
ただ、その中間的な異種口径火砲の装備は実質的に問題が無いとされたというだけのことです。
また、照準については必ずしも1点集中という訳ではありません。
BUN
- ドイツの場合も同様かもしれませんが、日本の場合、対爆撃機戦が非常に重要でしたから、米の戦闘機よりも重く嵩張って弾数も少ない大口径機銃を装備した対爆特化のものと、発射速度が速く、弾数も多い、小径の機銃も積んだ対戦特化のものとがありました。
小市民
- >6
米の機銃の重量と搭載数を調べる事をおすすめします。
ここは回答を書く場所ではないでしょうか?
zkn
- >7
米軍でも、対爆仕様のブラックウィドウは、20mm機関砲4門を装備しております。
一応、米の機銃も、ワーバード内の参考ページのデータ等を元に書いておきます。
米軍AN-M3機銃
重量・・29.4kg
初速・・835m/s
発射速度・・700~800発/m
弾数・・内側400発×2 外側270×4(P-51)
弾薬包重量・・48g
単純計算で、P-51の機銃だけで、266.64kg
対して、紫電・改は単純計算で255.28kg
99式2号4型機銃
重量・・37.57kg
初速・・750m/s
発射速度・・500発/m
弾数・・125発×4
弾薬包重量・・210g
単純な重量の比較だけでは、小径機銃を多数積んだP-51の方が重量がありますね。
小市民
- >8
AN-M3は俗に言うイスパノ20mmです・・・
ちなみに陸軍の空中射撃教程には、異種機関砲混載については「弾道が違うから気をつけろ」と図入りで数行しか書いてません。
どうせ近づいて撃つんでそんな気にならなかったのでしょう。
P-kun
- >6.
>日本の場合、対爆撃機戦が非常に重要でしたから、米の戦闘機よりも重く嵩張って弾数も少ない大口径機銃を装備した対爆特化のものと、発射速度が速く、弾数も多い、小径の機銃も積んだ対戦特化のものとがありました。
1. 私の知るかぎり、20mm を超える日本製の「大口径」機関砲でまともに量産配備されたものは ホ-203 37mm だけであり、これを搭載した機種はキ45(二式複戦/屠龍)だけです。海軍二式/五式 30mm、海軍 17 試 40mm、陸軍ホ155 30mm、ホ204 37mm、ホ301 40mm いずれも試作あるいは少数配備の域を出ていません。
2. つまり日本においては陸海軍とも「大口径機関砲」といえば実質的に 20mm 口径しか無かったことになりますが、それらはすべて「対爆撃機用に特化」されたものでしょうか?
隼と鍾馗の間に見る軽戦vs重戦論だとか、零戦と雷電の違いだとか、仰しゃりたい事は判るような気もするのですが、それを一般化して「日本はこうでした」と語るのは無理があるような気がするのですよ。重戦は決して対爆撃機用に特化された機種ではありませんし、雷電の初期型は零戦と同じ 7.7 + 20mm 武装です。
ささき
- >#8 小市民さん
>米軍AN-M3機銃
>#9 P-kunさん
>AN-M3は俗に言うイスパノ20mmです・・・
ブローニング50口径にも、イスパノスイザ20mmにも、AN-M3の型番が付いております
だから、AN-M3といっただけでは、どの機銃か判りません
セミララ
- 異種機銃装備に関して
昭和20年に九州でA6M5で飛んでおられた土方敏夫元中尉による「海軍予備学生空戦記」(光人社)の中に、20ミリ、13ミリという異種機銃装備で、弾道が異なるために空戦中照準するのにおおいに困難を覚えた、という記述があります。
またとある講演会でも「照準の困難について、これまで同じような見解に出合ったことがないが不思議だ」と述べられたと伝えられています。
英国かぶれ