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F-4のTISEOやF-14のTCSのようなレーダー連動ビデオカメラって、実際に役に立った事例はあるのでしょうか? ベトナム時代のF-4のように目視で敵味方を確認してからミサイルを撃つ必要があるのならともかく、F-14Dになぜこんなものが必要なのかわかりません。 むーちゃん |
- つまるところ、目視以外の識別方法にどれだけ信頼が置けるか?に尽きると思います。
IFFは基本的に味方か、不明機か?が確実に判断出来る限界ですし、レーダー警戒レシーバーも相手のレーダーの使用状況によっては働かないかもしれません。
最近ではレーダーエコーの解析により、機種の特定がある程度可能になったとの噂も聞きますが、F−14が現役であった当時、かかる識別方法は未完成な技術だったのではと思います。
敵はソ連機≠ェほぼ常識的なその当時、一発撃ち込む前の駄目押しの確認手段として、上記光学カメラは、それなりに有効な装備であったと思います。
ニワトリ
- TCSの利点は、相手が敵対の意図があるのか否か視覚的に確認できることにあります。89年1月4日のリビア軍MiG23との空戦の際、F14のTCSが作動していたため接近してきたMiGが武装していることを確認できたこともあって、リビア側に敵対意図ありと判断しAIM-7スパローを発射する(この時点ではAIM−9の有効射程距離外)など迅速な対応が取れたようです。
F14にTCSが装備される前はAN/ALR-23赤外線(IR)センサーがこの用途に使われてきましたが、専用の冷却装置が必要なこともあって非効率であり、高い解像度の画像をパイロットとWSOのコクピットに表示できるAXX-1 TCSに交換されたとのこと。
交戦規定上、先制攻撃が違法でないとしても相手が敵対意図があるのか十分確認せずに先制攻撃かけると厄介な問題に成りかねません。また、この装備は味方機への攻撃を回避する上でも有効だとか。
(参考)
http://www.ibiblio.org/pub/academic/history/marshall/military/airforce/f_series_fighters/f14.2
http://www.topedge.com/panels/aircraft/sites/mats/f14-squadron-vf032.htm
http://www.topedge.com/panels/aircraft/sites/mats/f14-squadron-vf051.htm
アリエフ
- イラン・イラク戦争での事例ですが、逆探知による迎撃を避けるためレーダーを切ってイラク領内に入ったイラン空軍のF-4Eが、敵味方識別装置やレーダー警戒装置によって敵機の接近及び概略方位を把握、そちらに機を向けてTISEOで機動を読みながら占位、最後にサイドワインダーを撃っていくつかの撃墜戦果を挙げています。これは米空軍がベトナムの戦訓から編み出した戦法であるらしく、一種のステルス運用といえるでしょう。
Schump
- 質問者です。
皆さん沢山の情報を有難うございます。
私はTISEOの目的はスパローのサポートだと考えていたので、フェニックス命のF-14に(しかも近代的なレーダーを備えたF-14Dに)何故必要なのだろうと思っていましたが、あまり役に立っていなかったようですね。
TISEOの使用方法?
1.レーダーにTISEOをスレーブさせ、レーダーで捕捉した目標をTVカメラに映して光学ロックオン。
2.レーダーは一旦切って、目標が敵であることを映像で確認。
3・適当な距離まで引き付けたら、今度はカメラにレーダーをスレーブさせ、余分なサーチを省いて素早くロックオン。
4.反撃の暇を与えずミサイルを発射。
そうはうまくはいかないようで。
むーちゃん
- >.4 うーん根本的なところで誤解があるようにも思えますが・・・・
もしかしたらむーちゃん様はTISEOを、それ自体自動追尾機能のある光学センサーと思われてますか?
基本的にはレーダーにスレイブして動く単純な光学カメラなので、画像を映し出して相手が敵であることを確認したらそこで役目は終わりです。
目標追尾、ミサイルの誘導等はレーダーの役目です。
使用手順ですが、むーちゃん様の上げられた4項目について言うと、
1.光学ロックオンはしません。必要もありません。
2.レーダーは切りません。
3.同上の理由によりこの手順は発生しません。
という感じになります。
この手の装備はセンサーの一種では無く、識別装置の一種であると理解した方が良いかと思います。
ニワトリ
- 私の回答も誤解を与えたかも^^;
3.の戦法におけるTISEOは、単なる望遠鏡として使われています。
空中における敵機の識別や挙動の把握に倍率ありの光学的観測を用いるのは、2.にもあるように全く例外的な手法ではなく、F-15でも配備当初にはHUDの横にライフル用のスコープを固定装備していた例がありました。
Schump
- 実際には単なる望遠鏡として運用されていたことは理解したのですが、
ノースロップグラマンのHPでは自動追随機能が謳われているようです。
(但し目標を探して首を振るようなサーチ機能があるかどうかについては触れられていません。)
http://www.dsd.es.northropgrumman.com/litening/TCS.html
どこかに映像があれば機能は一目瞭然なのですが、録画機能があるかどうかわかりませんし、この手の画像にはいろいろなヤバイ情報が併せて表示されるので流出は難しいでしょうね。
むーちゃん