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一次大戦の複座複葉機(17年ごろ)で、背面飛行は可能でしょうか? ループは無理だと思いますが(ブリストルF2は無しで)。 大体、このような揺籃期の航空機で背面飛行・ループが可能になる条件は、どのファクターをみれば判別できるでしょう。 よろしくおねがいいたします。 まるき |
- 第一次大戦後半レベルの機体というと、カーチスJN-4(原型初飛行1917年)
http://www.cradleofaviation.org/exhibits/ww1/curtis_jenny/
が、1920年代にアメリカで流行ったドサ回りの曲芸飛行(バーンストーミング)で宙返りや背面飛行を含む演技を日常的に行っています。
最近はグライダーでも宙返りを披露することがあるので、降下によって速度をつけさえすれば、非力な機体でもそれなりの曲技ができるとみていいでしょう。
宙返りが可能かどうかは、機体、特に主翼が円軌道を描くための向心力(5408のレス2参照:円が縦か横かの違いだけ)を発生できるだけの効率の高いもので、かつそれに耐えられるだけの強度を持っているかどうかで決まってきます。第一次大戦後半の機体なら、3〜4Gに耐えられるのが当たり前になってきていましたから、この点は楽観視してもいいでしょう。
背面飛行の場合は、揚力が逆向きになりますので、そのような揚力の発生ができる翼かどうか(この点、揺籃期のカンバーが強く薄い翼型は難しい)もさることながら、主翼に下向きの曲げに耐えられる(水平飛行でもマイナス1G)強度があるかどうかにかかってきます。
さらに、機体がひっくり返っていると燃料や潤滑油の供給が止まりやすい(重力式の燃料系統だと確実に止まる)ので、背面飛行用の予備の燃料系統をつけるなどの工夫が必要になります。
むろん、宙返りのための揚力を保つにせよ、効率の悪い裏返し状態の翼に揚力を発生させるにせよ、エンジンが強力であるにこしたことはありません。
Schump