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航空機に発生する現象について質問します。ジェット戦闘機が飛行中に主翼上面のかなり広い面積から霧が発生したような写真を見かけることがあります。あれは何という現象なのでしょう。またどのような理由で発生するのでしょうか。 二一斎 |
- ヴェイパー等と通称される、いわゆる飛行機雲の一種です。
翼の上面等は下面よりも気圧が低くなり、これは急激に大きな揚力を発生させた場合に特に大になります。またヴォーテックスジェネレータや翼端等で発生する渦流も、つまりは大気圧差がそこで生じているということで(これは飛行機の機尾等もです)同様の気圧の局所的な低下が起こります。
飽和水蒸気量は気圧によっても変化しますので、いきなり低圧になった翼上面等の大気内の水蒸気が水に変わるので、あのような雲が生まれるわけです。
SUDO
- SUDO様、早速の回答有り難う御座います。これは理解できました。
二一斎
- 戦闘機ほど激しい機動(=大揚力=低い翼上面気圧)を常用しない旅客機でも、雨交じりの天気のなかで離着陸するときなど、主翼上面にパッパッと霧が出ることがあります。このような条件下ではフラップやエンジンナセルの端から糸を引くように霧がでて、1. でSUDO氏が述べられている渦流(ヴォーテックス)がはっきり視認できることが多いです。旅客機で主翼近くの窓側に座る機会がありましたら注意してみてください。
ささき
- 翼端から出る時は、「雲を引いた」なんて言いますよね。
む
- ささき様、む様、さらなる御回答有り難う御座います。私「旅客機」に乗る機会はここ当分無いのですが(笑)、ヴェイパーは空港で地上からも見ることもできるものなのでしょうか。
二一斎
- >5. 空港ターミナルの展望台ですと、ふつうは滑走路の真ん中近くに設けられているため、飛行機は数百メートル先で着地してしまうか、数百メートル向こうで地面を離れて飛び上がるため、在空時における翼面の様子を見るのは(特に肉眼では)少々難しいのではないかと思います。雨交じりのぼそぼそした天候時に、離陸する飛行機を望遠鏡で追いかければ、主翼上面にパッパッと霧が出るのが判るかも知れませんが。あるいは空港ターミナルではなく、着陸経路下でアプローチしてくる機体を仰ぎ見られるような位置にあれば、フラップや主翼の端から糸を引くように霧が出ているのを見られるかも知れません。
ささき
- >5
http://www.lnet.ne.jp/~aaa/JAL0076M.jpg
凄いのになるとこういう感じ。
SUDO
- >1
映画「紅の豚」のカーチス対ポルコの決闘のシーンで、
「ブタ(ポルコ)が雲を引いたぞ!!」
と観客が言っているシーンで、ポルコ機の翼から白っぽい霧のようなものが出ていますが、このウィスパーのことを言っているのでしょうか?
ホーク
- 凄いのだったらこんな白鳥の湖みたいのとか
http://www.truthorfiction.com/rumors/s/soundbarrier.htm
こんなのとか
http://eclipse.luna.tk/gallery/SA-JPGZ/aak
前者には動画のリンクもありますね。
石垣
- 皆様、有益な情報有り難う御座います。ところで、この現象は(速度の低い)プロベラ機でも起こるのでしょうか。
二一斎
- >10
翼端から雲を引く程度ならF1(レーシングカー)でもたまに見られたから、200ktも出るような飛行機なら起るんじゃないしょうか。
む
- む様、回答有り難う御座います。たまにとはいえ、F1で見られるとは・・・知らなかった。
二一斎
- > 10.
坂井三郎氏の著書の中に、湿度の高いモレスビー辺りでは低空低速であっても翼端から雲を引くので、その辺りで空戦になると敵味方の引く翼端雲が複雑に絡み合って戦場とは思えない幻想的な光景になった、という記述があったと思います。
T216
- >>10
プロペラ機だと、多湿時の海辺の空港などではプロペラ端からの螺旋状のヴェイパーという派手な物が見られたりします。
グリーネマイヤー智久