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第一次大戦の時の戦闘機は複葉機主体ですが、単葉機や三葉機もありますよね。これらの評価はどうだったんでしょうか?
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- 最初の世代は単葉でしたが、大面積の単葉は運動性が悪く、一葉半は強度に問題があり、三葉は運動性は高くとも低速でした。ただ、WWTで注意したいのは、連合軍機より、実際には20%以上劣速の独機が「高速」だと思われていた所です。両軍の戦術の差が窺われます。
- 「最初の戦闘機」といわれるモランソルニエ各型やフォッカーE系列が単葉機なのは、戦前最大の傑作機ブレリオXI型を無批判に踏襲した捻り翼(主翼を捻じってエルロン代わりにする。ソッピース・ベイビー水上機やフォッカーDUといった複葉機の使用例もあり)を採用したせいです。結果、翼構造支持用のワイヤの他に捻り操作用のワイヤを必要としたこれらの機体は複葉機より空気抵抗が大きくなってしまい、速度が出ませんでした。また、複葉機(以上)は、翼間支柱やワイヤを使って強固なトーションボックスを形成できるため、当時の構造技術で強度を確保するには有利でした。(この項続く)
- 大戦後半になってドイツで厚翼(翼厚比15%程度のもの。従来は5%内外でないと揚力を発生しないと信じられていた)が理論化され、厚翼ならではのボックススパー構造やら応力外皮構造という高強度構造が実用化されると、翼間の張線・支柱のない複葉機(以上)も出てきました。最終的にはフォッカーD.[という、パラソル式単葉(下方視界が良く、加速が効くので急降下からの一撃離脱に便利)の戦闘機が作られ、数少ない実戦出撃(数回?)で暴力的な強さを発揮しています。一方、従来構造を用いていた英国でもブリストルM1という機体が作られ、パイロットの評価も高かったのですが、上層部の無理解(強度に関する偏見?)により、量産に至りませんでした。
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