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キー64の高速層流翼、表面蒸気冷却についてご教示ねがいます。何のことかさっぱりわかりません。
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- 主翼断面を見たときに一般翼型は最大厚部が前寄りにあるのですが、層流翼では翼弦方向の中央付近に設定します。主翼表面を流れる整然とした空気層(層流)域が広く、それだけ空気抵抗が少なくなって高速化に有利です。が、設計と工作処理が難しくて紫電改なども採用しましたが日本の工作技術ではその性能を生かしきれなかったようです。モデルアート臨時増刊No.401P-51マスタングより抜粋。
- 通常はエンジンを通って加熱された冷却水を円筒ないし箱型のラジエータを介して冷却するため、ラジエータが有害空気抵抗の元になります。
- 表面蒸気冷却では加熱された冷却水を減圧して蒸気を生成させその潜熱により冷却します。水と蒸気を遠心分離器で分け、蒸気を主翼外板を二重構造にしたラジエータに導き最終的に冷却して水に戻し、本来の冷却水のプールに戻します
- 表面蒸気冷却の利点は通常のラジエータによる有害抵抗をゼロにできることですが、欠点は構造が複雑になる、被弾したとき表面冷却翼面が破壊される可能性が大きいことです。
- 表面冷却は 1930 年代のレーサー機に流行し、その高速性が注目され各国で軍用機に転用する研究がなされましたが、安定稼動が難しく被弾に弱いため実用化されたものは皆無でした。キ64はその中でも後発組ですね。
- わかりやすくご解説いただきありがとうございました。
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