推進力が何であれ、回転翼の片側は必ず機体の進行方向と逆に進むことになりますので、機速がある程度以上になるとローターが大気に対して相対的に静止している状態となり失速して揚力を失います。

一方、その反対側では回転速度＋機速でローターが回ることになり、ブレードが機速より一足先に遷音速領域に達して衝撃波が発生し、衝撃失速が起きると同時に抵抗が急増します。

すなわち回転翼が進行方向に対し並行に回転する以上、後退側の失速・前進側の衝撃波の限界が存在し、ある程度以上機速を上げることができません。詳しくは加藤貫一郎著「飛行の極意(講談社)」などを読んでみてください。

ということで、最大速度が400km/hを超えるような既存の形式のヘリコプターは登場しないでしょう。ティルトローターならわかんないけど。

水平飛行中はローターを進行方向に対し「Ｘ」字型に固定し、胴体の可変後退翼を伸ばして飛ぶという超音速ジェットヘリのアイデアはありましたが、実現には至らなかったようです。

↑追記:RSRA(Rotor Systems Resarch Aircraft)/X-Wing と呼ばれ,NASA でシコルスキー S-72 を改造して実験していました。