Page 298 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼酸素魚雷の功罪 王喜利 09/6/24(水) 5:22 ┣アウトレンジ作戦の現実性 じゃま 09/6/24(水) 17:36 ┣スーパー兵器なのか? BUN 09/6/25(木) 6:42 ┣経緯を見ない結果論 おうる 09/6/25(木) 19:49 ┣Re:酸素魚雷の功罪 王喜利 09/6/25(木) 22:44 ┃ ┣Re:酸素魚雷の功罪 SUDO 09/6/26(金) 0:32 ┃ ┗Re:酸素魚雷の功罪 おうる 09/6/26(金) 17:48 ┣酸素魚雷の罪 超音速複葉機 09/6/26(金) 0:44 ┃ ┣Re:酸素魚雷の罪 SUDO 09/6/26(金) 8:55 ┃ ┃ ┣雷装しない秋月型 超音速複葉機 09/6/26(金) 15:03 ┃ ┃ ┃ ┣直援艦だからといって特化できない おうる 09/6/26(金) 18:05 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:直援艦だからといって特化できない 超音速複葉機 09/6/27(土) 9:17 ┃ ┃ ┃ ┃ ┣Re:直援艦だからといって特化できない おうる 09/6/27(土) 10:43 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗逆に考えてみてください おうる 09/6/27(土) 11:31 ┃ ┃ ┃ ┣Re:雷装しない秋月型 SUDO 09/6/26(金) 23:54 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:雷装しない秋月型 超音速複葉機 09/6/27(土) 9:27 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:雷装しない秋月型 SUDO 09/6/27(土) 11:14 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗主砲の発射速度 超音速複葉機 09/6/28(日) 10:04 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:主砲の発射速度 SUDO 09/6/28(日) 13:01 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:主砲の発射速度 大塚好古 09/6/28(日) 13:14 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:主砲の発射速度 超音速複葉機 09/6/28(日) 14:03 ┃ ┃ ┃ ┗ミッドウェーの駆逐艦 片 09/6/27(土) 13:34 ┃ ┃ ┣Re:酸素魚雷の罪 王喜利 09/6/28(日) 13:52 ┃ ┃ ┃ ┣妙な方向ですか? おうる 09/6/28(日) 15:26 ┃ ┃ ┃ ┗何を直衛するための艦なのか 片 09/6/28(日) 17:13 ┃ ┃ ┗Re:酸素魚雷の罪 王喜利 09/6/28(日) 13:54 ┃ ┣秋月の雷装 ど素人 09/6/27(土) 9:50 ┃ ┗Re:酸素魚雷の罪 超音速複葉機 09/6/28(日) 14:31 ┣夜戦をどうするつもりなのでしょう 片 09/6/26(金) 6:57 ┣Re:酸素魚雷の功罪 VAD 09/6/26(金) 21:26 ┣Re:酸素魚雷の功罪 山奥の人 09/6/27(土) 10:53 ┣Re:酸素魚雷の功罪 RNR 09/6/28(日) 9:28 ┃ ┗Re:酸素魚雷の功罪 おうる 09/6/28(日) 11:17 ┃ ┣金剛型を持ち出したのは 片 09/6/28(日) 13:04 ┃ ┃ ┣否定されているのはどこまでなのか? おうる 09/6/28(日) 13:33 ┃ ┃ ┃ ┗Re:否定されているのはどこまでなのか? 片 09/6/28(日) 15:49 ┃ ┃ ┗Re:金剛型を持ち出したのは 王喜利 09/6/29(月) 23:31 ┃ ┃ ┗『例え酸素魚雷がなかろうとも』と『酸素魚雷に限らず』は同じこと ですね 片 09/6/30(火) 4:46 ┃ ┃ ┗Re:『例え酸素魚雷がなかろうとも』と『酸素魚雷に限らず』は同じこと ですね 王喜利 09/6/30(火) 23:37 ┃ ┃ ┣『長射程魚雷を必要とした重巡洋艦』はその後作られたでしょうか 片 09/7/1(水) 7:18 ┃ ┃ ┗Re:『例え酸素魚雷がなかろうとも』と『酸素魚雷に限らず』は同じこと ですね SUDO 09/7/1(水) 8:35 ┃ ┃ ┗Re:『例え酸素魚雷がなかろうとも』と『酸素魚雷に限らず』は同じこと ですね 王喜利 09/7/1(水) 22:46 ┃ ┃ ┣Re:『例え酸素魚雷がなかろうとも』と『酸素魚雷に限らず』は同じこと ですね SUDO 09/7/2(木) 0:19 ┃ ┃ ┗白昼雷撃用 大事なポイントは『航空』 片 09/7/3(金) 6:47 ┃ ┃ ┗成る程そうでしたか 王喜利 09/7/4(土) 16:57 ┃ ┗Re:酸素魚雷の功罪 RNR 09/6/28(日) 21:42 ┃ ┣論点が微妙にずれている気がしますが・・・ おうる 09/6/28(日) 23:07 ┃ ┃ ┗そうは思いませんが RNR 09/6/29(月) 6:44 ┃ ┃ ┗Re:そうは思いませんが おうる 09/6/29(月) 21:02 ┃ ┗Re:酸素魚雷の功罪 SUDO 09/6/29(月) 0:13 ┗そもそも 酸素魚雷なのか 片 09/6/28(日) 18:16 ┗Re:そもそも 酸素魚雷なのか 片 09/6/29(月) 4:26 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 酸素魚雷の功罪 ■名前 : 王喜利 ■日付 : 09/6/24(水) 5:22 -------------------------------------------------------------------------
日本海軍ファンなら誰でも知ってる酸素魚雷について議論したき事が有り投稿致します。 酸素魚雷は日本海軍が世界に誇るスーパー魚雷です。 しかし最近酸素魚雷など持たない方が良かったとの主張が目に付きます。 酸素魚雷を持たなければもっと太平洋戦争に対応した軍備を整えられたとか 酸素魚雷を持った事が日本海軍の失敗だった等です。 日本海軍の軍備が酸素魚雷を持った事によって極端な方向に走ったのを見ますと結果論ながらこれらの主張にも納得出来るのです。 酸素魚雷は所有したプラス面よりマイナス面の方が大きかったのではないかと考えその功罪について議論致したく投稿致します。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; Google Wireless Transcoder;)@wb13proxy01.ezweb.ne.jp> |
はじめまして。 わたしも、同感です。 九三式魚雷を搭載する大型駆逐艦や、大井、北上という重雷装艦といった、あまり役にたたない艦種を造ってしまったように思います。 スラバヤ沖海戦で、1万メートルでもちっとも当たらなかったので。 (個人的には大井、北上は好きです) <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
まずは酸素魚雷というタイトルに拘らず、 無航跡かつ長射程の魚雷が装備可能であるなら、 それを欲しがららない海軍はまともなのか、 という点から考えてみては如何でしょう。 そして演習記録を読む限り帝国海軍水雷戦隊の用いた戦術は 酸素魚雷のある無しにかかわらず基本的に変わらないと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@c54.253.c3-net.ne.jp> |
酸素魚雷が本当に日本海軍の戦備をゆがめてしまったのかどうか疑問を禁じえません。 酸素魚雷は日本海軍だけが実用化にこぎつけましたが、当然ながらその過程では困難が付きまとい、途中で開発中止が決定されたことすらありました。 そうした困難に耐えてまで開発したのはそれなりに理由があって必要とされたからであり、酸素魚雷を必要とする理由は酸素機関の存在とは全く別の次元にあるものです。 酸素で駆動する機関があったから酸素魚雷が開発されて実戦配備されたのではなく、酸素魚雷のような高性能魚雷が必要だったから研究されたのであり、その研究の成果がたまたま酸素機関だったというだけです。 酸素魚雷がなければ別の推進方式を開発して、酸素魚雷同様の高性能魚雷を実戦配備しようと努力したことでしょう。 酸素魚雷が日本海軍の戦備をゆがめたのではなく、日本海軍の戦備が酸素魚雷を必要としたのであって、考え方が逆であろうと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp> |
酸素魚雷を持ったが日本海軍の想定通りに行かなかったのも事実です。 イギリス海軍も匙を投げた酸素魚雷を開発した熱意は認めますが。役に立たなかったのならば意味は有りません。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; Google Wireless Transcoder;)@wb13proxy13.ezweb.ne.jp> |
日本で93式や95式酸素魚雷の開発が無かったとしても、恐らく確実に大型大威力長射程の魚雷は実用化されたでしょう。実際内燃機関魚雷や過酸化水素魚雷も日本では開発されていましたし、酸素魚雷開発着手そのものは大正初期にまでさかのぼれるもので、高性能魚雷の開発そのものは、ごく当たり前に推進されるものなのです。 また役に立たなかったと申されますが、日本軍の艦艇および潜水艦の戦果の大半は砲弾や機雷ではなく魚雷で稼いだものであり、その殆どは酸素魚雷によるものですから、十分に役に立ってます。 もちろん、これらの戦果の多くは93式や95式でなくても稼ぎ出せたでしょうが、大射程や大威力の恩恵で稼いだものもありますから、十分にその意義は達成されたといえるでしょう。 想像してください、ガダルカナル攻防戦にもう一隻米戦艦があったら、米軍は南太平洋海戦でホーネットを放棄したでしょうか? コレは微妙に大きな影響のあるIFです。空母ワスプを撃沈したときのはずれ魚雷が10km先に居た戦艦ノースカロライナに命中したことで米戦艦の数は一つ減ってしまったのです。これは89式魚雷では果たしえない酸素魚雷ならではの戦果です(まぐれですけどね)この一点だけでも「役に立った」と断言できるでしょう。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.1; U; ja) Presto/2.1.1@p3024-ipbf6701marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
> 酸素魚雷を持ったが日本海軍の想定通りに行かなかったのも事実です。 日本海軍の想定通りに戦争が推移しなかったのは酸素魚雷の影響でしょうか? 全く別の問題の原因を酸素魚雷に無理やり転嫁しているようにしか思えません。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp> |
こんにちは 軍事力で圧倒的に優勢な英米軍と対峙するには、兵器の高性能化・兵員の質的向上を頼みにするほかありませんが、 「諸外国が持っていない高性能兵器」が実用化されることで、戦術・作戦方針がそれに頼りすぎる、という失敗が戦前戦中の日本海軍にはよくあったとおもいます。他に似たような例が誉エンジンでしょう。 このことが、酸素魚雷の罪の本質かと思われます。 上記のような傾向による酸素魚雷最大の罪は 本来防空専門のはずの秋月型に雷装を要求するという、軍令部に誤った判断をさせたことではないでしょうか。 誘爆の危険が大きく扱いが非常に難しい酸素魚雷の搭載は、秋月型の乗員にことのほか負担を強い、ただでさえ大きくはない船体に中途半端な雷装をすることで貴重な防空艦としての能力を著しく減じさせることになったはずです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@r-118-105-200-33.g105.commufa.jp> |
防空艦は空母の護衛なのですから、雷装は当然必要です。初月の最期を見てもわかるかと思いますが、空母の直援とは敵水上艦との不意遭遇や追撃にも対応する能力は必須なのです。 また酸素魚雷だから誘爆するということもありません。もちろん大きな弾頭は威力と引き換えに危険ですが、それは通常の魚雷であっても同じことですし、酸素そのものは爆発物ではありません。 主砲や機銃だって誘爆してますが、それらも積むなとでも仰いますか? 武器である以上、積んだら誘爆の可能性は存在するわけで、あとはその危険性と積むことで得られるベネフィットのバランスの問題ですが、空母直援である以上雷装は当たり前に必要であり、護衛駆逐艦でも必要なのです。第二次大戦とは巡洋艦や戦艦との交戦が起こりうる時代だったのですから。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.1; U; ja) Presto/2.1.1@p3024-ipbf6701marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
レスありがとうございます。 > 防空艦は空母の護衛なのですから、雷装は当然必要です。初月の最期を見てもわかるかと思いますが、空母の直援とは敵水上艦との不意遭遇や追撃にも対応する能力は必須なのです。 秋月型が、「駆逐艦」となったのは軍令部が雷装に固執した結果です。 水上艦艇への対抗が重視されていた時代だったのは承知してますが、その時代にもともと雷装しない計画のはずだった「直衛艦」に、あくまで雷装させたのは、平賀造船官の不在中に設計中の妙高型重巡を勝手に雷装に書き換えてしまった軍令部の行動が重なって見えます。酸素魚雷の高性能さが、軍令部を狭視野にしてしまったのだと思います。 計画通りの艦として戦力化したならば、敵水上艦への対応は別個の戦艦なり巡洋艦なり駆逐艦に任せる使われ方になったでしょう。 そうでなくても、98式10センチ高角砲は通常の駆逐艦の砲より射程距離が長いのですから、退避するだけなら対処の仕方はあったと思います。 空母部隊と敵水上艦隊との遭遇戦はほかにもサマール島沖海戦やノルウェー沖海戦がありますね。しかし、空母の喪失例から見て結果として、水上艦艇よりも敵航空機や潜水艦の方が脅威が大きかったのではないでしょうか。「直衛艦」の計画当時は潜水艦の脅威はそれほど重視されていませんでしたが、「直衛艦」は、雷装しないことで後から対潜装備や電探等を追加できるような余裕のある船にするべきではなかったかと思います。 > また酸素魚雷だから誘爆するということもありません。もちろん大きな弾頭は威力と引き換えに危険ですが、それは通常の魚雷であっても同じことですし、酸素そのものは爆発物ではありません。 > 主砲や機銃だって誘爆してますが、それらも積むなとでも仰いますか? > 武器である以上、積んだら誘爆の可能性は存在するわけで、あとはその危険性と積むことで得られるベネフィットのバランスの問題ですが、空母直援である以上雷装は当たり前に必要であり、護衛駆逐艦でも必要なのです。第二次大戦とは巡洋艦や戦艦との交戦が起こりうる時代だったのですから。 酸素そのものが燃えないということも酸素魚雷が通常の運用では全く安全なのも存じておりますが、被弾によって魚雷内部に損傷が起きる場合もあり、どちらが危険かは明白でしょう。第1次ソロモン海戦で「青葉」が魚雷発射管に命中した機銃弾により、あわや爆沈の危機を起こしています。 SUDO様の仰るバランスの問題も十分理解できます。だからこそですが、日本駆逐艦の多くは対艦攻撃力ばかり重視してきたので、防空能力に特化した艦と組み合わせることもバランスが良くなるとは考えられませんか? <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@r-118-105-200-33.g105.commufa.jp> |
> 水上艦艇への対抗が重視されていた時代だったのは承知してますが、その時代にもともと雷装しない計画のはずだった「直衛艦」に、あくまで雷装させたのは、平賀造船官の不在中に設計中の妙高型重巡を勝手に雷装に書き換えてしまった軍令部の行動が重なって見えます。酸素魚雷の高性能さが、軍令部を狭視野にしてしまったのだと思います。 酸素魚雷がなくても雷装はされたでしょう。 この艦は防空専門、この艦は対水上艦専門、この艦は対潜専門…と割り切った軍備で空母を護衛しようとすればそれだけ多くの軍艦が必要になります。 しかし、日本の造船力でそれだけの頭数をそろえることはできません。 どうしても個々の艦に汎用性を持たせる必要がありますし、ましてや秋月型のような軽巡並の大きな船体となるとそれだけでリソースを食います。そんな艦を防空専門に割り切ってしまえるほど当時の日本海軍に贅沢は許されないでしょう。 空母機動部隊は遊撃的機動が運用の基本であり、大規模な戦力を展開できる米海軍と対する以上、有力な敵水上打撃部隊との遭遇は想定すべき課題です。 空母が損傷する等して高速を発揮できない場合もありえない状況ではありませんから、ただ単に高速を活かして逃げればいいと割り切ることもできません。それに空母と同等の高速力を発揮できる戦艦や巡洋艦の存在も無視できません。 つまり日本の空母直援艦は有力な敵水上艦を排除する能力を持たざるを得ないのです。 これは酸素魚雷が存在するかしないかは全く関係のないことです。 たとえ短射程低速の電池式魚雷しかなかったとしても、同じ理由から雷装が求められたことでしょう。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp> |
おうるさん、こんにちは。よろしくお願いします。 直衛艦のような防空専門艦は日本海軍には贅沢といわれますが、計画最初の案では4000トンであったものが贅沢ということで性能を妥協し大型駆逐艦クラスの船体になっているのです。リソースのことを言われるなら、雷装がない方がより安価にでき、リソースを少しでも喰わずにすむでしょう。頭数も1隻でも増やせるかもしれません。 どんな状況にも対応可能な汎用性を持っていればそれに越したことはないでしょう。しかし、秋月型の4連装1基だけの雷装はいかにも中途半端に見え、汎用性が十分あるようには思えません。反対に甲型までの駆逐艦は中途半端な対空能力しかもってません。機動部隊の護衛ではそれを補うため駆逐艦と組み合わせて使うつもりの直衛艦だったはずです。 松型駆逐艦も同じように本来雷装しない計画であったものが結局雷装されましたが、4連装1基の装備は打撃力不足を懸念されています。 結果的に松型の魚雷は戦果をあげているのですが、戦争の局面そのものは航空戦主体となったのであり、秋月型にしろ松型にしろ魚雷がなければないなりの活躍をしたと思うのです。 最初から汎用性の高い艦種の計画を立てるのならわかりますが、軍令部が雷装しない艦種を要求しておいて、同じ軍令部があとから心変わりするという一貫性のなさを見るにつけ、秋月型や松型は魚雷がかえって重荷になっているようにみえるのです。 機動部隊に敵水上部隊が遭遇することは確かに十分考えられる脅威ですが、空母が無傷なら普通に艦載機で対応するでしょう。 空母に損害を受けた状況というのは敵航空機と交戦が続いている状態であり、水上部隊の追撃以前に敵航空機が脅威であるはずです。空母が損傷して艦載機がつかえない、退避もできないといった状況で、水上部隊の追撃は夜間になってからが考えられますが、その場合、敵にとってこちらが十分蹴散らせる程度の陣容かどうか航空隊の報告で確認してから追撃にかかると思うので、そこへもってきて数本の魚雷があったところで敵追撃を撃退できるのぞみは薄いと思います。仮に撃退できたとしても夜が明ければまた空襲が始まるというエンドレスで、どっちみち、損傷した空母は自沈処分で放棄、残存艦は退避といった結果になるのでは、ないでしょうか。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@r-118-105-200-33.g105.commufa.jp> |
> 直衛艦のような防空専門艦は日本海軍には贅沢といわれますが、計画最初の案では4000トンであったものが贅沢ということで性能を妥協し大型駆逐艦クラスの船体になっているのです。リソースのことを言われるなら、雷装がない方がより安価にでき、リソースを少しでも喰わずにすむでしょう。頭数も1隻でも増やせるかもしれません。 雷装を下した程度でどれほど工数を省けるものでしょうか? 巡洋艦の舷側装備型の雷装や砲塔とは違い船体構造そのものに深く影響しているわけではありませんから、雷装ひとつ下ろす程度で稼げるリソースなどたかが知れています。 駆逐艦から雷装を廃止することで浮かせた工数を、駆逐艦よりもはるかに工数の少ない戦時標準型商船1隻分あつめて「船」の頭数をそろえるとして、雷装のない駆逐艦何隻を建造すれば成立するか考えてみてください。 逆に雷装を下ろすことで生じる戦力ダウンを頭数で補おうとしたら、何隻増産しなければならないか…造船力のみならず、乗員も不足することになるでしょうし、それらの艦を動かす燃料も足らなくなるでしょう。 > どんな状況にも対応可能な汎用性を持っていればそれに越したことはないでしょう。しかし、秋月型の4連装1基だけの雷装はいかにも中途半端に見え、汎用性が十分あるようには思えません。反対に甲型までの駆逐艦は中途半端な対空能力しかもってません。機動部隊の護衛ではそれを補うため駆逐艦と組み合わせて使うつもりの直衛艦だったはずです。 > 松型駆逐艦も同じように本来雷装しない計画であったものが結局雷装されましたが、4連装1基の装備は打撃力不足を懸念されています。 雷装の打撃力不足が懸念されるのは、既存の水雷戦用の駆逐艦を基準に評価しているからです。 既存の駆逐艦であっても一度の水雷突撃で発射できる魚雷の攻撃力は、秋月型や松型に比べ極端に大きいということもないでしょう。 > 結果的に松型の魚雷は戦果をあげているのですが、戦争の局面そのものは航空戦主体となったのであり、秋月型にしろ松型にしろ魚雷がなければないなりの活躍をしたと思うのです。 無理です。 敵水上打撃部隊を排除しようとすればそれなりに打撃力がなければなりません。 砲撃力のない駆逐艦にとってそれは魚雷であり、魚雷がなければ戦艦はおろか巡洋艦にすら歯が立ちません。 > 最初から汎用性の高い艦種の計画を立てるのならわかりますが、軍令部が雷装しない艦種を要求しておいて、同じ軍令部があとから心変わりするという一貫性のなさを見るにつけ、秋月型や松型は魚雷がかえって重荷になっているようにみえるのです。 自分たちの要求が時局の許してくれない贅沢だと気付いたからでしょう。 そもそも防空専用艦など、景気のいい時の、しかも平時の発想でしかありません。 戦時にそれをやってのけることができるのは米海軍くらいのものでしょう。 > 機動部隊に敵水上部隊が遭遇することは確かに十分考えられる脅威ですが、空母が無傷なら普通に艦載機で対応するでしょう。 当時の航空機が現代の全天候作戦能力を持っているわけではありません。 気象条件の恵まれた昼間でなければ艦上機は使えませんし、一日の間に何度も使えるわけでもありません。 航空機自体が非常にデリケートなので本格的な作戦行動は一日1回が限度、無理をして1日に2回以上作戦行動をさせれば、翌日は点検整備のため全く使えないような状態になってしまいます。 当時の空母機動部隊は比類無いほど強力な打撃力を持っていますが、同時に非常に消耗の激しい脆弱さも持っていることを忘れてはいけません。 だからこそ、空母&航空機が主役となったにもかかわらず、戦艦や巡洋艦といった一見時代遅れな戦力が戦後も維持され続けたのです。 > 空母に損害を受けた状況というのは敵航空機と交戦が続いている状態であり、水上部隊の追撃以前に敵航空機が脅威であるはずです。空母が損傷して艦載機がつかえない、退避もできないといった状況で、水上部隊の追撃は夜間になってからが考えられますが、その場合、敵にとってこちらが十分蹴散らせる程度の陣容かどうか航空隊の報告で確認してから追撃にかかると思うので、そこへもってきて数本の魚雷があったところで敵追撃を撃退できるのぞみは薄いと思います。仮に撃退できたとしても夜が明ければまた空襲が始まるというエンドレスで、どっちみち、損傷した空母は自沈処分で放棄、残存艦は退避といった結果になるのでは、ないでしょうか。 望みは薄い…かもしれませんが、望みが無いわけではありません。 これは大きな違いです。 魚雷は戦艦すら撃沈できる可能性を持っていますが、駆逐艦の砲撃力では戦艦や巡洋艦に対しては豆鉄砲にすぎませんから、雷装のない駆逐艦では敵の追撃を排除できる可能性は全くありません。 空母が損傷を受けている…その理由は敵航空機による攻撃かもしれませんし、機雷かもしれませんし、潜水艦による雷撃かもしれません…ということは、当然護衛戦力も損害を受けている可能性があり、作戦可能な直掩駆逐艦も減じている可能性が考えられます。 敵水上艦と出くわしてしまった時、この艦は防空専門艦だから空母と一緒に逃げ、この艦は水雷専門艦だから突撃しろ…と命令したくても水雷専門艦が数を減じて艦隊の戦力バランスが崩れていれば、ただでさえ護衛艦の頭数が不足気味の日本艦隊は十分な反撃力を発揮できないことになってしまいます。 また、輪形陣を組んでいれば護衛戦力は空母を中心に分散配置されています。艦ごとに役割が異なれば、敵が出現したのと反対側にいる対水上砲雷撃戦部隊を敵が出現した側に急行させ、敵が出現した方向にいた対空専門艦を反対側へ逃がす…といった手間が増えてしまい、即応力が損なわれることになります。 それから、夜間なら陣容がばれないといいますが、秋月型が就役した時には既にレーダーが戦力化してますから、動きや陣形からある程度は戦力がわかります。 また、敵水上艦との遭遇が夜間と限定できるわけでもありません。 空母機動部隊が哨戒圏内にいる敵水上艦を発見できない、または発見できても何らかの理由で通報できず、結果的に空母機動部隊が敵水上戦力の位置を把握できなかったことは史実でもあったことです。それに機動部隊ではなかったけれども米護衛空母と栗田艦隊が遭遇したのは夜間でも視界の悪い荒天下でもありませんでした。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp> |
> おうるさん、こんにちは。よろしくお願いします。 挨拶し忘れました、こちらこそよろしくお願いします。 別のレス(同じ枝)で述べたように空母機動部隊というのは万能ではなく、強力な打撃力は持っていても脆弱で融通の利かないところがあります。 それを補うためには水上打撃部隊が必要であり、その主力は戦艦や重巡洋艦になります。これらの戦力の必要性は戦後もしばらくは認められ続け、戦艦が戦力として維持されつづけた理由になっています。 これら水上打撃部隊にも護衛は必要であり、当然ながら駆逐艦が護衛につくことになります。 その護衛艦を含む水上打撃部隊がいざ敵を捕捉し、攻撃しようというときに護衛の駆逐艦は何をしていればいいんでしょうか? 自分の艦は防空専門だから…と、ぼんやり指をくわえて端っこで様子を見てればいいんでしょうか?それはすごく無駄なことです。どこの海軍だってやりません。 敵の駆逐艦が突撃してくればそれを排除すべく行動するでしょうが、突撃してこなければ護衛駆逐艦は護衛駆逐艦で主力を支援するために攻撃行動をとることになるでしょう。 しかし、砲撃しようにも駆逐艦は戦艦や巡洋艦の決選距離で砲撃できません(弾は届くけど着弾観測ができない)。どうしても敵に肉薄する必要があります。 主力の戦艦や巡洋艦が敵と砲戦している間、敵に肉薄して支援する…距離は着弾観測ができるように10km以内に肉薄することになります。 さてそれは酸素魚雷の射程距離でもあるわけですが、そのまさに敵に肉薄できた時に魚雷があるのと無いのとでどれだけの違いが生じますか? 魚雷を命中させることができれば主力を差し置いて敵戦艦を撃沈できるかもしれませんし、命中させることができなくても敵に魚雷回避を強要できるかもしれません(この効果を考えるなら無航跡より航跡の残る魚雷の方がいいのかもしれませんが)。 敵の駆逐艦が味方主力に対して水雷突撃してきたとして、味方の駆逐艦も水雷突撃すれば敵の駆逐艦は自分たちの主力が魚雷攻撃されないようにするため、味方の駆逐艦に拘束されることになるでしょう。それによって敵駆逐艦は味方主力への水雷突撃を実施できなくなるかもしれません。 しかし、味方の駆逐艦が魚雷を持っていなければそれらの効果は期待できません。 じゃあ水上打撃部隊の護衛には雷装を施して、空母機動部隊の護衛には雷装無しの駆逐艦を…となると、日本海軍はそれだけで2種類の駆逐艦を生産しなければならないことになってしまいます。 造船力を効率的に使わなければならない日本にとって望ましいものではありませんし、就役した2種の駆逐艦が十分以上の頭数があれば問題になりませんが、ただでさえ頭数が不足している状況では空母機動部隊用と水上打撃部隊用で護衛艦を振り分ける編成上の問題が生じてきます。 どうせ建造するのならどちらか1種に絞ったほうがよく、就役後の融通を考えるなら雷装のない駆逐艦よりは雷装のある駆逐艦の方が良いのです。両者の建造の手間は魚雷の次発装填能力を持たせない限り、それほど劇的に違うわけではありません。 雷装を持った駆逐艦が敵水上艦と遭遇する確率の少ない空母の護衛につくことに無駄を感じられるかもしれませんが、空母が敵水上艦と遭遇してしまう事例は太平洋でも大西洋でも実際に事例があることであり全くないわけではありません。 逆に、空母だろうが戦艦・巡洋艦だろうが、敵水上艦を捕捉すること自体がそもそも簡単なことではなく、しかも大きい艦ほど損害を恐れ、こちら側に刺し違えるに値するほどの主力艦でもいない限り、魚雷を抱えた駆逐艦の前にはなかなか出てきてくれません。 遭遇したら遭遇したでそれは千載一遇のチャンスでもあるわけです。 なかなか見つけることのできない、しかも損害を出すことを恐れて出てきてくれない敵戦艦や敵巡洋艦が味方空母目当てに向こうから寄ってきてくれる…これは味方空母喪失という避けねばならない危機の到来でもありますが、同時に駆逐艦という比較的安い代償で敵戦艦・巡洋艦を撃沈する絶好の機会にもなり得る状況です。しかし、護衛駆逐艦に魚雷が無いのであればただ単に絶望的な状況以外の何物にもなりません。 現代の駆逐艦はもちろん、沿岸警備にしか使われないようなフリゲート艦であっても対艦ミサイルを搭載しているように、敵の最も強力な艦に遭遇する機会のある軍艦にはそれに対応できる打撃力を持たせておく…ということは十分意味のあることです。 対艦ミサイル登場前の時代の駆逐艦にとってのそれは魚雷に他なりません。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp> |
> 計画通りの艦として戦力化したならば、敵水上艦への対応は別個の戦艦なり巡洋艦なり駆逐艦に任せる使われ方になったでしょう。 別個の艦を用意できる国ならそれでも良いでしょうけど、日本には無理ですし、追撃や不意遭遇とは、こちらの思惑が外れてるから起こるのですから、敵水上艦と遭遇したときに対水上用艦艇が近在に居る保障はありません。 たとえば小沢艦隊には伊勢型や大淀といった砲戦しかできない艦もあったのですが、初月が有力な米軍追撃部隊と接触したとき、近所に居たのは防空仕様になった五十鈴でした(魚雷ありますけどね) > そうでなくても、98式10センチ高角砲は通常の駆逐艦の砲より射程距離が長いのですから、退避するだけなら対処の仕方はあったと思います。 長10センチの射程は通常の駆逐艦と同等です。どうせ駆逐艦の艦橋高さでは10km級より先では弾着観測すら殆ど不可能です(演習で近遠すら判別不能だったりします)また直援艦は逃げては駄目です。自分は沈んでも友軍を逃がすのが直援艦の役目です。相手を撃沈破するか進路を捻じ曲げるしか友軍艦艇を守る術はなく、その目的に於いて魚雷以上に役立つ武装は第二次大戦時には存在しません。 > 酸素そのものが燃えないということも酸素魚雷が通常の運用では全く安全なのも存じておりますが、被弾によって魚雷内部に損傷が起きる場合もあり、どちらが危険かは明白でしょう。第1次ソロモン海戦で「青葉」が魚雷発射管に命中した機銃弾により、あわや爆沈の危機を起こしています。 別に青葉は魚雷発射管が爆発しても沈みません。そういう構造になってますし、実際に実寸模型で爆発させて確認されてます。また銃撃等で魚雷が壊れて爆発する可能性は通常の魚雷でも起こります。これは熱走魚雷のシークエンス上避けがたいものです。青葉が90式魚雷を積んでいても爆発事故の可能性は同様にあり、また爆発しても船の航行能力に問題は無い様にできています。 また戦前の日本の駆逐艦は対空対水上対潜の全てに於いて最高度に充実されてます。 雷装が強いといっても米英駆逐艦でも8〜10基の発射管ですから同等です。爆雷定数や音響探知装置の員数も劣りませんし、対空機銃の質量ともに同等以上です。 がんばって差異を探すならば、米駆逐艦は高角砲を備え高射装置を積んでいるという点で一歩頭を抜けていますが、英のように上にも向けられない主砲な国のほうが多いというか、日米を除けば事実上どこもこのレベルです。多少は上に向けられ一応対空射撃にも対応した機能を有する射撃装置(距離苗頭盤)を備えた日本駆逐艦の対空戦闘能力は、実は米を除けば列強最強レベルにあったのです。 つまり対水上戦闘能力に特化した存在ではないし、日本にある技術と道具を前提として汎用艦を作るなら陽炎や夕雲型にしかならず、重武装にみえる日本駆逐艦ですが、それは砲雷に限った話ではないんです。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.1; U; ja) Presto/2.1.1@p3024-ipbf6701marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
SUDOさん、お付き合いいただきありがとうございます。 別の、おうる氏へのレスとあわせてお読み頂けると助かります。 > 別個の艦を用意できる国ならそれでも良いでしょうけど、日本には無理ですし、追撃や不意遭遇とは、こちらの思惑が外れてるから起こるのですから、敵水上艦と遭遇したときに対水上用艦艇が近在に居る保障はありません。 > たとえば小沢艦隊には伊勢型や大淀といった砲戦しかできない艦もあったのですが、初月が有力な米軍追撃部隊と接触したとき、近所に居たのは防空仕様になった五十鈴でした(魚雷ありますけどね) エンガノ岬沖での初月は2時間にわたって敵艦隊を拘束したんですよね。初月は砲撃のみにて応戦したんではなかったですか? > > 長10センチの射程は通常の駆逐艦と同等です。どうせ駆逐艦の艦橋高さでは10km級より先では弾着観測すら殆ど不可能です(演習で近遠すら判別不能だったりします)また直援艦は逃げては駄目です。自分は沈んでも友軍を逃がすのが直援艦の役目です。相手を撃沈破するか進路を捻じ曲げるしか友軍艦艇を守る術はなく、その目的に於いて魚雷以上に役立つ武装は第二次大戦時には存在しません。 手持ちの資料では、 98式10センチ高角砲:最大射程19500m 5インチ両用砲Mk12:最大射程15800m となっていました。 > 別に青葉は魚雷発射管が爆発しても沈みません。そういう構造になってますし、実際に実寸模型で爆発させて確認されてます。また銃撃等で魚雷が壊れて爆発する可能性は通常の魚雷でも起こります。これは熱走魚雷のシークエンス上避けがたいものです。青葉が90式魚雷を積んでいても爆発事故の可能性は同様にあり、また爆発しても船の航行能力に問題は無い様にできています。 青葉の構造については、勉強不足で初めて知りました。恥ずかしい次第。 > > また戦前の日本の駆逐艦は対空対水上対潜の全てに於いて最高度に充実されてます。 > 雷装が強いといっても米英駆逐艦でも8〜10基の発射管ですから同等です。爆雷定数や音響探知装置の員数も劣りませんし、対空機銃の質量ともに同等以上です。 > がんばって差異を探すならば、米駆逐艦は高角砲を備え高射装置を積んでいるという点で一歩頭を抜けていますが、英のように上にも向けられない主砲な国のほうが多いというか、日米を除けば事実上どこもこのレベルです。多少は上に向けられ一応対空射撃にも対応した機能を有する射撃装置(距離苗頭盤)を備えた日本駆逐艦の対空戦闘能力は、実は米を除けば列強最強レベルにあったのです。 > > つまり対水上戦闘能力に特化した存在ではないし、日本にある技術と道具を前提として汎用艦を作るなら陽炎や夕雲型にしかならず、重武装にみえる日本駆逐艦ですが、それは砲雷に限った話ではないんです。 甲型までの日本駆逐艦は対空対潜能力に劣るということが定説となってますので、そのような評価は新鮮に聞こえます。確かに、できる限り汎用性を持つように作ったつもりのようですが、 水測兵器の性能は列強に比べ遅れていたのは確かですし、 せっかく夕雲型から高角測距儀を装備したのに、高角砲を主砲とせず、3年式12.7センチの仰角を上げただけで、旋回俯仰速度も発射速度も平射砲のまま。機銃も数だけは多くても40ミリ級の機銃を欠いており火網に穴がある。といった問題のある対空能力ではきわめて中途半端で対艦攻撃力偏重と思われてもしかたないと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@r-118-105-200-33.g105.commufa.jp> |
> エンガノ岬沖での初月は2時間にわたって敵艦隊を拘束したんですよね。初月は砲撃のみにて応戦したんではなかったですか? 魚雷は使ってますし、偽襲(と思われる)行動も繰り返しており、それで米艦隊を翻弄し続けました。無航跡の酸素魚雷を日本が有しているからこそ、偽襲も絶大な脅威になったわけです。 > 手持ちの資料では、 > 98式10センチ高角砲:最大射程19500m > 5インチ両用砲Mk12:最大射程15800m > となっていました。 つまり、水上目標として視認できない距離までどちらの砲も届くのです。 16kmだろうと19kmだろうと、そんな距離で狙えないので、砲力で圧倒することはできません。 > 水測兵器の性能は列強に比べ遅れていたのは確かですし、 > せっかく夕雲型から高角測距儀を装備したのに、高角砲を主砲とせず、3年式12.7センチの仰角を上げただけで、旋回俯仰速度も発射速度も平射砲のまま。機銃も数だけは多くても40ミリ級の機銃を欠いており火網に穴がある。といった問題のある対空能力ではきわめて中途半端で対艦攻撃力偏重と思われてもしかたないと思います。 日本の駆逐艦は砲や射撃装置がスタビライズされてませんので、射撃速度は動揺周期にあわせます。つまり8〜12秒前後の周期で船は上下左右に揺れ、その動揺頂点に合わせて射撃するのです。陽炎型駆逐艦の実戦手記ではおおむね10秒前後の間隔、短時間だと5秒前後の間隔で射撃していますが、これは動揺周期と同期してます。仮に陽炎型や夕雲型に89式高角砲や98式高角砲を積んでも、5ないし10秒の間隔以上には詰めることができません。 また高性能な40ミリ級の機銃を自力で間に合わせることができたのはイタリアだけです。英仏独は間に合ってませんし、アメリカはボフォースを購入しました。日本に40ミリ級高性能機銃が無かったことは残念であっても、他国と比べて劣っていたというほどでも無いでしょう(まあ、英国のステキなポンポン砲も40ミリですけど、あれが25mmに比して勝るとは言いがたい代物です) また水測兵器の性能も勝るとは言いがたいですが、決定的に劣るわけでもありません。日本が対潜戦闘で大きな敗北を喫したのは、対潜戦術や作戦指導に多くの原因があり、ハードウェアに理由を求めるのは困難です。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.1; U; ja) Presto/2.1.1@p3024-ipbf6701marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
丁寧なご教授ありがとうございます。 > 日本の駆逐艦は砲や射撃装置がスタビライズされてませんので、射撃速度は動揺周期にあわせます。つまり8〜12秒前後の周期で船は上下左右に揺れ、その動揺頂点に合わせて射撃するのです。陽炎型駆逐艦の実戦手記ではおおむね10秒前後の間隔、短時間だと5秒前後の間隔で射撃していますが、これは動揺周期と同期してます。仮に陽炎型や夕雲型に89式高角砲や98式高角砲を積んでも、5ないし10秒の間隔以上には詰めることができません。 動揺周期については、教えていただきありがとうございます。 スレの主旨からは少し外れますが 今まで自分は、甲型の主砲は89式12.7センチ高角砲にすればよかったのに、と思っていました。 レスを読ませていただくと、それには否定的なように受け取れるのですけども、 3年式は1門あたり発射速度10発/分(つまり再装填に6秒)C型砲塔で俯仰速度6度/秒、固定角装填であるから高角射撃のときは次弾発射までに30秒近くかかる、全角度装填で発射速度14発/分の高角砲とは比べるべくもない、 といった計算をするまでもなく3年式では対空射撃に使えないことは既に定説ですよね。 この点だけ気になりましたので、もう少しお付き合い頂けると幸いです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@r-118-105-200-33.g105.commufa.jp> |
砲の射撃は、螺栓式ですと、発砲、砲身後退、砲身推進、尾栓開放(撃ち殻放出)、次弾装填、尾栓閉鎖、再発砲というシークエンスになります。そして俯仰は砲身の後退推進と「同時」に行えるんです。 砲身下ろすほうが推進やりやすいですから、ごく当然のように装填角におろす俯角運動と同時にやるんです。よって条件次第では5秒程度、遅くても10秒程度の動揺周期に間に合わせることが可能だったのです。もちろん、半自動装填の高角砲ならば、ほぼ確実に5秒に間に合わせられますから優位ではあるのですが、それでも実効レートは5秒より短くすることはできないんです。 また、小柄で動揺周期が8〜9秒と速い松型ですと4秒/8秒のレートになるので、まず4秒に間に合わない3年式と頑張れば4秒に間に合う89式では、期待できる実効レートは倍の差になるので、89式高角砲であることが望ましいといえますが、10〜12秒の周期になる大型駆逐艦ですと、あえて高角砲を積んでも、射撃レート的には大して違いが出てこない場合も十分に考えられるということになります。 また同様に周期の速い海防艦では、89式のような半自動装填でも周期の半分に間に合わせるのはかなり難しいですから、6〜7秒周期に間に合う手動装填の12糎高角砲で良いともいえますね。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.1; U; ja) Presto/2.1.1@p3024-ipbf6701marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
便乗しておまけ。戦前の演習でC型砲塔搭載艦に対して出された対空戦闘教範では、「駆逐艦主砲による対空射撃は15秒間隔での実施を基本とする。水上射撃時より間隔が空くので、砲手の気が緩まない様に注意せよ」とされていますね。まあその程度の間隔で対空射撃が出来ると見なされていた訳です。 あと夕雲型の場合、方位盤側での高角射撃指揮が出来るので、主砲による長距離対空戦闘能力は射撃速度こそ高角砲に比べて低い物の、相応に評価されています。陽炎型以前の艦が主砲を降ろして機銃を増備したのに対し、夕雲型で主砲を降ろさずに機銃だけ増備した例があるのは、これが影響しています。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727; MEGAUPL...@d57.HkanagawaFL4.vectant.ne.jp> |
SUDO様、便乗質問のようなものに真摯に対応してくださりありがとうございます。 大塚先生、お忙しい中貴重なご知識を授かり大変恐縮です。 甲型の対空射撃能力が低いと切り捨てる評論しか目にしてきませんでしたが、実際はそんなに高かったとは、目からウロコであります。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@r-118-105-200-33.g105.commufa.jp> |
> だからこそですが、日本駆逐艦の多くは対艦攻撃力ばかり重視してきたので、防空能力に特化した艦と組み合わせることもバランスが良くなるとは考えられませんか? ミッドウェー海戦で被弾空母を護衛した駆逐艦には、次のような命令が出ていますね。 「各艦ハ今夜擔任母艦附近ニ在リテ敵潜水艦及機動部隊ニ對シ警戒ヲ嚴ニシ敵機動部隊来タラバ刺違戰法ヲ以テ敵ヲ撃滅セヨ」 (http://www.warbirds.jp/truth/midway.html) この海戦での駆逐艦は、被弾空母の護衛に残ったものと、旗艦長良とともに敵艦隊攻撃に向かったものに二分されています。 仮に雷撃能力を持つ駆逐艦と、防空能力に特化した艦の二種類がここにあったとして、どの艦種をどちらの方面に差し向けるべきなのか、かなり悩みどころになると思います。 十戦隊、八戦隊、三戦隊には対空援護は不要なのか。 雷撃能力を持たない防空艦のみを被弾空母につけたとして、そこへ米艦隊が襲ってきたらどうするべきなのか。 また、そうした選択の自由が残されるのかも疑問になります。 結果的に、被弾空母が敵襲を食らわなかったのは、ほかならぬ米機動部隊が日本側の夜襲を恐れ、夜間のみ避退していたからにほかなりません。 ほかの方々も述べておられるように、空母の護衛艦にはある程度の汎用性がやはり必要なのではないかと思いました。 戦場がどのように錯綜した様相になるかわからないからです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@p3110-ipad507marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
秋月型に雷装の是非より超秋月型の高速化の方が問題と思います。 秋月に島風の機関プラント搭載して高速化を図る必要が有ったのでしょうか? あれは空母の護衛より魚雷戦に対応しての高速化ではないかと。 あれでは長10センチ砲を装備した魚雷戦駆逐艦の感が有ります。 この辺りが酸素魚雷を持った事により「直護艦」すら妙な方向に走ったと思うのですが? <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; Google Wireless Transcoder;)@wb13proxy16.ezweb.ne.jp> |
艦種統合への流れと見ればすごく自然な流れだと思います。 もともと秋月型の速力は空母より遅く、直掩艦としても不満が持たれていた艦ですから速力向上の要求も当然でしょう。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp> |
とある戦時編制案では、 「マル4駆乙」(秋月型ですね)は、第1艦隊付属の赤城、加賀、第2艦隊の龍驤、つまり低速空母につける。 「マル5駆乙」「マル6駆乙」(つまり改秋月型)は、第2艦隊のマル5空母、大鳳、翔鶴、瑞鶴、蒼龍、飛龍に付属させる。 客船改造の特空母には初春、子の日。 という配置がプランされています。 直衛艦の速度を被護衛側空母の速力と対応させているのが理解できると思います。 これは13年頃の将来案なのですが、翌年くらいになると、2F空母は対敵空母用の機動航空部隊として編成し直し、主力部隊は夜戦部隊とひとつにまとめた決戦夜戦部隊とするような方向に向かいます。この場合、龍驤は機動部隊から外されます。 高速空母で編制した機動部隊が、主力艦や魚雷戦部隊よりも前に出て、決戦の主役を担う、という構図です。 改秋月型はこのような構想の中で意味を持たせられた艦種なのです。 ここでもやはり、兵器単体で考えるより、ドクトリンの総体の中で眺めてみることが大事だと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
申し訳有りません。 「直衛艦」を「直護艦」としてました。 お詫びして訂正します。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; Google Wireless Transcoder;)@wb13proxy14.ezweb.ne.jp> |
色々な艦種を集めて一つのパッケージとして運用するのは、やはり戦闘の推移等で艦が減っていく状況となると、極端な構成になっていくのであまり勧められませんよ。 計画上は強いけど、うまくいってるときだけ強い脆い組織になるというか。 直衛艦だと、もし戦艦とか巡洋艦とかに追い回されたとき、特攻かけて足止めするのが大事な役目だと思います。 島津の捨て奸を仕掛けるというか。 そのとき大事なのは、実際に相手を沈める能力じゃなくて(沈めるに越した事は無いけど)、相手を沈める能力を持つことで足を止めることだと思います。たとえ一本でも魚雷がくれば、よけざるをえないですから。 となると魚雷をちょっとだけ持つというのが、防空メインの直衛艦には最善の選択だと思うのですけど。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6)@218.223.132.241.eo.eaccess.ne.jp> |
議論は継続中のようですが、お礼述べさせていただきます。 スレ主様、SUDO様、おうる様、大塚先生、片様、ど素人様、 自分の立てた枝に貴重なご意見と時間を割いて、丁寧なレスを頂けた事に大変感謝します。 有力な防空能力を持つ乙型がたったの12隻しか完成しなかったのは、計画になかった雷装をしたせいでいたずらに高価になったせいだ、と考えていましたが、機動部隊護衛の対水上打撃力を軽視すべきではないと考えている意見及びその根拠となる事実がこんなにあるとわかりました。 勉強不足思慮不足を露呈もしましたが、低いと思っていた甲型の防空能力もそれほどでないことがわかりましたし、議論に参加させていただいた価値は大きかったとおもいます。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@r-118-105-200-33.g105.commufa.jp> |
日露戦争以来、日本海軍のドクトリンの中心は主力艦による昼戦と、軽快艦艇突撃による夜戦だったわけですが、夜戦についての考え方はどんどん変わり、主力艦の一部まで夜戦に向かわせ、重巡、高速戦艦による夜戦群を構成するまでに至っています。 駆逐艦が二隻一組で突撃した時代ならともかく、大艦による編隊雷撃ともなってくるとどうしても魚雷は大航続力化に向かわざるを得ないと思います。 ここで酸素魚雷を否定するというのは、その兵器単体を否定することなのでしょうか、それとも、上記のような夜戦群のあり方全体を否定することなのでしょうか? 酸素魚雷だけを否定しても軍備の構造はなんら変わりませんから、仮に後者の方であるとして、すると、金剛型の夜戦群編入もなくなりますから、金剛型の近代化改装も夜戦に対応した高速戦艦化とは違った形になっていたのかもしれません。 酸素魚雷は間違っている、とするのは、太平洋戦争でもっとも有効な戦艦だったはずの金剛型のあり方すら変えてしまいかねない仮定なのだと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
特定のかたのご出座をお願いするのはあるいはマナー違反かもしれませんが・・・アナーキャさんが、魚雷の射程とその意味について今まさに論じておられます。 まぐれあたりも結果論的にアリ、はその通りですが、損得で得だったのでしょうか? <Monazilla/1.00 (cockcrow/2.5.5.6)@p93c055.ngnont01.ap.so-net.ne.jp> |
酸素魚雷があったために、本来なら防空能力などに向けられるべき他のリソースが魚雷戦に向けられたということが立証されて初めて、「日本海軍は酸素魚雷を持つべきではなかった。」と言えるはずです。 しかし他のレスにもある通りで、酸素魚雷があろうがあるまいが、特型にも、秋月型にも、松型にもあの程度の雷装が施された施されたであろうことは明らかでしょう。もしそれをもって水雷戦偏重というにしても、酸素魚雷とは何の関係もない、もっと根本的な問題とすべきでしょう。 それに私には酸素魚雷の威力が絶大だから、水雷戦偏重に見えるだけとしか思えません。何しろアトランタ型だって最初は雷装しているくらいで、秋月型が雷装しているのは不思議でも見当はずれでもなく、日本海軍は当時としてはあくまでバランスの取れた考え方をしていたようにみえます。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@40.35.183.58.megaegg.ne.jp> |
酸素魚雷がスーパー魚雷だとは思いませんし、北村氏の見解にも賛同できませんが、敢えて酸素魚雷不要論を唱えます。 @夜戦 末次次長だったかと思いますが、夜戦部隊の突入に関して「想定のとおりになるかどうか判らん」と疑問を呈した記述があります。私は金剛型のあり方があれで良かったとは思いません。 それに自軍の機動部隊が襲撃される可能性があるから雷装駆逐艦が必要だと主張される方が居られますが、艦隊航空隊も基地航空隊も戦闘力を失っていない限り、互いに海空同時の襲撃を懸念しているはずで、エンガノ岬沖海戦の「初月」とか、「シャルンホルスト」に追い掛け回された「グローリアス」のようなケースを除けば自軍の機動部隊が敵水上部隊に捕捉された時点で「負け」です。 @戦備 「日本海軍の戦備が酸素魚雷(=に限らず高性能魚雷)を必要とした」のには異論はありませんが、ではそれを有効に活用する手段の未整備(5500トン軽巡のさらなる重雷装艦化推進や、「島風」のような高速艦の多数調達など)はいかに造船力 が足りず、戦争が始まってしまったとはいえ、失策になります。「高性能な魚雷を手に入れたけど、有効に使うプラットフォームが無い」のでは意味がありません。いずれにせよ射程10km以内に飛び込まなくてはいけないのですから。 また酸素を入れる容器に使う高張力鋼が必要になりますが、慢性的資材不足の日本にいかに相手を沈めうる兵器とはいえ、戦時中で「消耗品」に使っている余力があるのでしょうか? @造船力 いみじくも「魚雷の次発装填能力」が問題です。あれほど狭い駆逐艦の艦上の何%を雷装だけで占める気でしょうか?発射管より弾庫は薄いと思いますので、誘爆の危険もあります。逆に他国と似たり寄ったりの性能の魚雷であれば対空火器の増強の際に「「砲力」と「雷装」のどちらを削るか?」は十分な議題になり得ますが、魚雷がなまじ「高性能」であったがために「雷装撤去」が選択肢になり得ないような空気を海軍部内に作り出したという点において「酸素魚雷の罪」の部分は大きいと考えられます。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; YTB720; GTB6; ...@PPPa1413.e11.eacc.dti.ne.jp> |
> 末次次長だったかと思いますが、夜戦部隊の突入に関して「想定のとおりになるかどうか判らん」と疑問を呈した記述があります。私は金剛型のあり方があれで良かったとは思いません。 金剛型の使い方は戦艦の使い方としてはかなり思い切った使い方であり、大型の軍艦としては最も幸福な使われ方をした艦であろうと思います。 純然たる戦艦としてではなく、戦艦と巡洋艦の中間的存在として割り切れたことがああいう使い方を実現せしめたのでしょう。 同様の使い方をもくろんで超甲巡が検討されましたが、実際に建造されるには至りませんでした。 超甲巡が実際に建造されたなら、その使い方によっては「酸素魚雷が戦備を狂わせた」という主張の補強材料になり得たかも知れませんが、金剛型は酸素魚雷登場のずっと前の建造当初から巡洋戦艦として遊撃的運用を想定して建造されたものであり、まさにそのとおりに遊撃的運用をされたのですから酸素魚雷云々と結びつけるのもどうかと思います。 > それに自軍の機動部隊が襲撃される可能性があるから雷装駆逐艦が必要だと主張される方が居られますが、艦隊航空隊も基地航空隊も戦闘力を失っていない限り、互いに海空同時の襲撃を懸念しているはずで、エンガノ岬沖海戦の「初月」とか、「シャルンホルスト」に追い掛け回された「グローリアス」のようなケースを除けば自軍の機動部隊が敵水上部隊に捕捉された時点で「負け」です。 「補足された」時点では非常に危機的な状況ではあっても、それだけで負けが確定するわけではありません。 魚雷がなければ「捕捉された時点で負け」はほぼ確定してしまいますが、護衛の駆逐艦群が魚雷を有するのであれば空母は虎口から脱する機会を見出すことができます。 軍人たちには常に最悪の中でも最善を模索し続けることが求められるのですから、「こうなったら負け」といって簡単に諦めることなどできないでしょうし、諦めることができず他の手段もない以上は「雷装不要」と割り切ることもできないでしょう。 > 「日本海軍の戦備が酸素魚雷(=に限らず高性能魚雷)を必要とした」のには異論はありませんが、ではそれを有効に活用する手段の未整備(5500トン軽巡のさらなる重雷装艦化推進や、「島風」のような高速艦の多数調達など)はいかに造船力 > が足りず、戦争が始まってしまったとはいえ、失策になります。「高性能な魚雷を手に入れたけど、有効に使うプラットフォームが無い」のでは意味がありません。いずれにせよ射程10km以内に飛び込まなくてはいけないのですから。 高性能な魚雷を使いこなすための高性能艦を用意できなかった事を酸素魚雷の否定材料にするのはどうかと思います。 高性能艦が不足していたことは否定しませんが、既存の艦でも酸素魚雷は使えたわけですし、むしろ「低性能な艦艇の攻撃力が酸素魚雷によって強化された」と逆の主張をすることも可能なのですから、艦政上の失策を(それが本当に失策だったかどうかは別問題として)酸素魚雷のせいにするのは無理があると思います。 魚雷の遠距離命中率が絶望的なのは当然であり、史実で使われた酸素魚雷の特徴で注目すべきは長射程よりも高速力の方でしょう。 同じ距離であっても、より短い時間で目標に到達するのであればそれだけ命中率の高さを期待できますし、狙われた艦も回避しにくくなります。 また、すべての兵器は発展途上にあると考えることが許されるのであれば、航続力が高いことは魚雷が大きく発展する可能性を有することを暗示していると考えることができます。 すなわち、各種追尾魚雷やパターン航走魚雷です。 無誘導である以上、長射程化はあまり意味を持ちませんが、将来何らかの誘導装置採用やパターン航走化が実現したとするならば、長射程であることは大きなメリットたり得ます。 後者の航続力がもたらす発展の可能性については、史実では実現しなかったifの問題でしかないので、史実の結果だけを見て酸素魚雷を評価するのであれば取るに足らない事柄ではあります。しかし、同じ距離で他の魚雷よりも高速力を発揮できるということはそれだけスタミナがあるということであり、高い航続力が背景となっているのですから、「どうせ10km以内に飛び込まなければならない」という前提条件は、航続力を全否定する材料としては弱いと思います。 > また酸素を入れる容器に使う高張力鋼が必要になりますが、慢性的資材不足の日本にいかに相手を沈めうる兵器とはいえ、戦時中で「消耗品」に使っている余力があるのでしょうか? 高張力鋼がもったいないという発想は理解できますが、酸素魚雷ではなかったとしても電池式にでもしない限り、高圧の気体を充填するための容器は必要になりますからどのみち高張力鋼を使うことにはなったでしょう。 > いみじくも「魚雷の次発装填能力」が問題です。あれほど狭い駆逐艦の艦上の何%を雷装だけで占める気でしょうか?発射管より弾庫は薄いと思いますので、誘爆の危険もあります。逆に他国と似たり寄ったりの性能の魚雷であれば対空火器の増強の際に「「砲力」と「雷装」のどちらを削るか?」は十分な議題になり得ますが、魚雷がなまじ「高性能」であったがために「雷装撤去」が選択肢になり得ないような空気を海軍部内に作り出したという点において「酸素魚雷の罪」の部分は大きいと考えられます。 次発装填能力は確かに現実的ではないと思います。 しかし、雷装撤去が選択肢にならない理由が「高性能な魚雷を持っていたから」だとは思いません。他国と同程度以下の魚雷しかなかったとしてもやはり雷装撤去は選択肢になりえなかったでしょう。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp> |
> 金剛型は酸素魚雷登場のずっと前の建造当初から巡洋戦艦として遊撃的運用を想定して建造されたものであり、まさにそのとおりに遊撃的運用をされたのですから酸素魚雷云々と結びつけるのもどうかと思います。 金剛型の夜戦使用方針は、水雷戦隊の斉撃がうたわれたのと同じ昭和9年の海戦要務令改正で定められたものです。 これを受け、10年度以降、金剛型が第二次改装により高速戦艦化されていくことになります。また、従来は軽巡戦隊であった第三戦隊は、高速戦艦による夜戦部隊支援隊に生まれ変わります。 しかし、これはあくまで酸素魚雷登場と同時期の頃の話です。 さらに時期が下れば金剛型高速戦艦がベストであるとも思われなくなっていったわけで、後継艦は別の形になってゆきます。 私が金剛型を例に引いて述べたかったのは、酸素魚雷という兵器単体の存在意義を考えるとき、問題はそこに留まらず、その背景にあるドクトリン全体が絡んできますよ、ということです。 例え酸素魚雷がなかろうとも、重雷装艦のようなものは登場してくるでしょう。 検討すべきなのはどこなのでしょうね、ということです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
> 金剛型の夜戦使用方針は、水雷戦隊の斉撃がうたわれたのと同じ昭和9年の海戦要務令改正で定められたものです。 > これを受け、10年度以降、金剛型が第二次改装により高速戦艦化されていくことになります。また、従来は軽巡戦隊であった第三戦隊は、高速戦艦による夜戦部隊支援隊に生まれ変わります。 > > しかし、これはあくまで酸素魚雷登場と同時期の頃の話です。 > さらに時期が下れば金剛型高速戦艦がベストであるとも思われなくなっていったわけで、後継艦は別の形になってゆきます。 > > 私が金剛型を例に引いて述べたかったのは、酸素魚雷という兵器単体の存在意義を考えるとき、問題はそこに留まらず、その背景にあるドクトリン全体が絡んできますよ、ということです。 > 例え酸素魚雷がなかろうとも、重雷装艦のようなものは登場してくるでしょう。 > 検討すべきなのはどこなのでしょうね、ということです。 言うまでもありませんが酸素魚雷は日本海軍のドクトリンにしたがい、その理想を実現すべく開発されたものです。 酸素魚雷の否定が、即ち酸素魚雷開発の背景となった日本海軍のドクトリンそのものの否定であるならば、おっしゃるように日本海軍の兵器体系全体を云々しなければならなくなるでしょう。 スレ主の方がどのように考えておられるかは定かではありませんが、私はそこまで大きな話として酸素魚雷を否定しているわけではないのだろうと認識してこのスレッドに参加しています。 なぜなら「酸素魚雷が日本海軍の戦備を狂わせた」という主張を字句どおりに受け取るならば、「酸素魚雷登場後の日本海軍の戦備(つまり日本海軍のドクトリン)は酸素魚雷の影響で狂わされている」ということであり、逆にとれば「酸素魚雷登場以前の日本海軍の戦備(ドクトリン)は正常である」ということでもあるからです。 つまり、検討すべきは酸素魚雷登場以前のドクトリンではなく、酸素魚雷登場によって酸素魚雷登場以前とは変わってしまった(と、スレ主の方が考えておられる)ドクトリンであり戦備であろうと考えます。 酸素魚雷登場以前のドクトリンが正常であり、それに従う限りは金剛型高速戦艦も夜戦水雷戦術重視も高速重雷装艦も酸素魚雷(またはそれに代わる高性能魚雷)も実現することは間違いないと思います。それらの戦備、そしてその背景にあるドクトリンが、酸素魚雷によってどの程度影響を受けたのか?その影響がなければ(つまり酸素魚雷がなければ)戦備やドクトリンはどう推移したか?を考えるスレだと認識しておりました。 このあたりの認識が間違っているのであれば、スレ主の方に改めていただくとして、認識が間違っていないのであれば金剛型を持ち出すのは守備範囲とは違うだろうと考えます。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp> |
ええ、ですから、検討すべきなのはどこなのでしょうね、ということです。 「酸素魚雷を持ったことで」何かが変わったと峻別することは可能なのでしょうか。 それとも結局、戦時計画に切り替わったとき何が切り落とされて何が残った、というあたりで決着が付いてしまう話なのでしょうか。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
> 例え酸素魚雷がなかろうとも、重雷装艦のようなものは登場してくるでしょう。 重雷装艦は酸素魚雷の長射程が有ってこそ出て来た構想だと思いますが? 横山信義の架空戦記じゃ有るまいし肉薄雷撃の艦じゃない筈です。 酸素魚雷に限らず長射程魚雷が無ければ出て来ない艦でしょう。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; Google Wireless Transcoder;)@wb13proxy11.ezweb.ne.jp> |
> > 例え酸素魚雷がなかろうとも、重雷装艦のようなものは登場してくるでしょう。 > 重雷装艦は酸素魚雷の長射程が有ってこそ出て来た構想だと思いますが? > 酸素魚雷に限らず長射程魚雷が無ければ出て来ない艦でしょう。 『酸素魚雷に限らず長射程魚雷が無ければ』 いみじくもそうおっしゃったのが答えではないでしょうか。 『例え酸素魚雷がなかろうとも』 『酸素魚雷に限らず長射程魚雷が無ければ』 同じことですよね。 酸素魚雷に限らなくとも、別の長射程魚雷があれば同じことになります。 では、何が『長射程魚雷』を望んだのか。 酸素魚雷は一技術、皮相にすぎません。 その背景にあった要求、あるいは思想といってもよいかもしれません。そのことを考えた方がいいのではないでしょうか。 そうでないと、何が何に影響を与えたのかという話は難しいように思います。 そうお勧めしている次第です。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
別の長射程魚雷が有ればと言われますが日本海軍で純粋酸素以外で長射程魚雷が研究されていたのでしょうか? 魚雷のサイズ拡大は駆逐艦の艦型拡大を招くので望まれなかった筈です。 長射程魚雷を必要としたのは重巡洋艦でしょう。 日本海軍では巡洋艦にこそ長射程魚雷が必要との認識が有ったそうですから。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; Google Wireless Transcoder;)@wb13proxy10.ezweb.ne.jp> |
> 別の長射程魚雷が有ればと言われますが ここはひとつ、『例え酸素魚雷がなかろうとも』という仮定法を使った話の流れの意味をお汲み取りいただければと思います。 > 長射程魚雷を必要としたのは重巡洋艦でしょう。 > 日本海軍では巡洋艦にこそ長射程魚雷が必要との認識が有ったそうですから では、検討すべきは改秋月型などではなく、酸素魚雷出現以降の巡洋艦なのではないでしょうか。 酸素魚雷の出現直後のマル5計画では、大井・北上的重雷装艦の後継は計画されず、それどころか雷装重巡自体がまったく計画されていなかったりしてしまいます。 『日本海軍の軍備が酸素魚雷を持った事によって極端な方向に走ったのを見ますと』とおっしゃったことと照らし合わせて、この辺り如何にお考えでしょうか、というべきところです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
> 別の長射程魚雷が有ればと言われますが日本海軍で純粋酸素以外で長射程魚雷が研究されていたのでしょうか? 時期によって異なりますが、オットーサイクル、過酸化水素、硝酸と、酸素魚雷に先立ちまたは平行して、実に様々なものが研究されてます(これらは実際に試験運転レベルまでやってます) エンジン単体でも斜盤機関やタービンも着手されてますし、ディーゼルサイクルにも注目されてました。 酸素魚雷は唯一絶対の回答ではなく、たまたま一番最初に実用にこぎつけることができただけの代物なんです。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.1; U; ja) Presto/2.1.1@p3024-ipbf6701marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
成る程酸素以外でも長射程魚雷は研究されていたのですか。大変参考になりました。 しかし分からないのは重雷装艦は何故出て来たのでしょうか? 酸素魚雷が原因で無いなら出て来る理由が理解出来ませんが? <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; Google Wireless Transcoder;)@wb13proxy01.ezweb.ne.jp> |
> 酸素魚雷が原因で無いなら出て来る理由が理解出来ませんが? 重雷装艦の武装は「酸素魚雷」ではなく「大射程魚雷」なんです。 あの時期に念願の「大射程魚雷」が完成したので重雷装艦が登場しただけで、それが酸素動力だろうがディーゼルだろうが、どうでも良いことなのです。 酸素魚雷が完成しなくても、色々手がけていた中の一つが完成にまでこぎつけられたら、その搭載と活用を前提とした艦が生み出されたでしょう。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.1; U; ja) Presto/2.1.1@p3024-ipbf6701marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
> しかし分からないのは重雷装艦は何故出て来たのでしょうか? > 酸素魚雷が原因で無いなら出て来る理由が理解出来ませんが? 白昼雷撃の手段としての重雷装艦、ですね。 視界の良い日中には、夜間とは違って肉薄雷撃が出来ませんから長射程が必要です。 すでに別の枝に書きましたが、艦隊決戦が制空権下で行われることが前提とされる時代が訪れており、航空部隊が制空権をとった直後の日中から薄暮にかけて最大兵力をつぎ込む必要が生じています。 あるいは、第二艦隊に配属予定の新重高速戦艦が計画変更され、昼戦部隊である第一艦隊用の大和型戦艦に変わったのも同じ理由なのではないかと思います。 このような状況下で、エアカバーを失った敵艦隊主力に対して第一撃を仕掛けるために構想されたのが重雷装艦です。 重雷装艦には第一艦隊第三戦隊の高速戦艦が護衛につけられます。金剛型もまたこの時点で昼戦用に用途が変わっているのです。 しかし、このような構想も、基地航空兵力を主体とした昭和16年頃のマル5計画プランではさらに変化し、重雷装艦はもはや求められなくなっています。 重雷装艦のようなものをある種の奇計として見るのだとしたら、しかしそれはパーマネントなものではなく、ある時期にのみ特有な一過性のものだったことに注目すべきです。 マル5計画とは、基地航空兵力主体の航空戦型軍備大系の整備計画です。 攻撃兵力としての大攻を中核的存在とすべく、その整備数も中攻にかなり近づけたものにすることが予定されています。 より高速化して空母への随伴能力を増した乙型駆逐艦だけでなく、艦隊に付属すべき防空巡洋艦なども予定されています。 「酸素魚雷を持たなければもっと太平洋戦争に対応した軍備を整えられた」というわけではなく、太平洋戦争に対応した軍備を整えようと取り掛かって間もない時期に戦争が始まってしまった、というべきなのでしょう。 「太平洋戦争に対応した軍備」は考えられていたが間に合わなかったのであり、その間に合わなかった理由は、重雷装艦などに回り道したからではなく、最大のものは日本の航空工業の発達水準にあったのだと考えます。 強いていってしまえば、重雷装艦とは昭和7年以来構想されているのにちっとも出来上がって来ない大攻や双発艦攻の穴を埋めるための存在だったとすらいえそうな気もしてしまいます。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
片様 SUDO様どうもありがとうございます。 お陰様で大変勉強になり感謝致します。 何事ももう少し幅広い視野で考えないと駄目ですね。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; Google Wireless Transcoder;)@wb13proxy06.ezweb.ne.jp> |
> 金剛型の使い方は戦艦の使い方としてはかなり思い切った使い方であり、大型の軍艦としては最も幸福な使われ方をした艦であろうと思います。 > 純然たる戦艦としてではなく、戦艦と巡洋艦の中間的存在として割り切れたことがああいう使い方を実現せしめたのでしょう。 > 同様の使い方をもくろんで超甲巡が検討されましたが、実際に建造されるには至りませんでした。 > 超甲巡が実際に建造されたなら、その使い方によっては「酸素魚雷が戦備を狂わせた」という主張の補強材料になり得たかも知れませんが、金剛型は酸素魚雷登場のずっと前の建造当初から巡洋戦艦として遊撃的運用を想定して建造されたものであり、まさにそのとおりに遊撃的運用をされたのですから酸素魚雷云々と結びつけるのもどうかと思います。 同意致しかねます。おうる氏ご自身が述べられているように「酸素魚雷は日本海軍のドクトリンにしたがい、その理想を実現すべく開発されたもの」です。 私は片氏の見解に近いのですが、「酸素魚雷は目的を達成するための一道具である」という点には異論はないものと理解いたします。 その上で「金剛型高速戦艦も夜戦水雷戦術重視も高速重雷装艦も酸素魚雷(またはそれに代わる高性能魚雷)も実現することは間違いない。それらの戦備、そしてその背景にあるドクトリンが、酸素魚雷によってどの程度影響を受けたのか?その影響がなければ(つまり酸素魚雷がなければ)戦備やドクトリンはどう推移したか?(おうる氏ご自身の記述より抜粋)」を議論するものではないかとのことですが、これは戦艦大和同様に一兵器の存在は戦場を変えても戦争を変える力は有しません。 お説によれば夜戦水雷戦術重視→金剛型高速戦艦の積極投入→高速重雷装艦への改装ならびに高性能魚雷(酸素魚雷またはその他)の開発保有になりますが、これはワシントン条約やロンドン条約で主力艦保有に制限が加えられた結果、水雷の世界では上記のドクトリンが採用されて高性能魚雷(酸素魚雷またはその他)の開発保有になっただけであり、「他国が有しない高性能魚雷(酸素魚雷またはその他)を必要とするドクトリンは有効足りえるのか?」も議論すべきです。 航空を史実以上に強化して大型魚雷の搭載可能な航空機を開発保有する(それが陸上攻撃機なのですが)というドクトリンの採用もあり得たわけですから。 > > 「補足された」時点では非常に危機的な状況ではあっても、それだけで負けが確定するわけではありません。 > 魚雷がなければ「捕捉された時点で負け」はほぼ確定してしまいますが、護衛の駆逐艦群が魚雷を有するのであれば空母は虎口から脱する機会を見出すことができます。 > 軍人たちには常に最悪の中でも最善を模索し続けることが求められるのですから、「こうなったら負け」といって簡単に諦めることなどできないでしょうし、諦めることができず他の手段もない以上は「雷装不要」と割り切ることもできないでしょう。 航空戦に敗退した時点で制空権は味方にはまず存在しませんし、弾着観測機の発進もままなりません。隊列組まなければ十分な数の魚雷は射てません。隊列組むまで相手の爆撃機や攻撃機は待ってくれるのでしょうか?それ以前に護衛には戦艦や巡洋艦も居るはずです。彼らは何をしているのですか?「他の手段もない」状態になっている時点で「論外」です。 > > 高性能な魚雷を使いこなすための高性能艦を用意できなかった事を酸素魚雷の否定材料にするのはどうかと思います。 > 高性能艦が不足していたことは否定しませんが、既存の艦でも酸素魚雷は使えたわけですし、むしろ「低性能な艦艇の攻撃力が酸素魚雷によって強化された」と逆の主張をすることも可能なのですから、艦政上の失策を(それが本当に失策だったかどうかは別問題として)酸素魚雷のせいにするのは無理があると思います。 「対艦攻撃力だけ」強化しても何の意味もありません。駆逐艦に「対艦攻撃専用艦種である」とは書いていません。また脅威は航空機・潜水艦・魚雷艇・機雷等複数あります。そもそも19年以降まともに水上戦闘が生起して勝てるような状況でしたか? > 魚雷の遠距離命中率が絶望的なのは当然であり、史実で使われた酸素魚雷の特徴で注目すべきは長射程よりも高速力の方でしょう。 > 同じ距離であっても、より短い時間で目標に到達するのであればそれだけ命中率の高さを期待できますし、狙われた艦も回避しにくくなります。 > また、すべての兵器は発展途上にあると考えることが許されるのであれば、航続力が高いことは魚雷が大きく発展する可能性を有することを暗示していると考えることができます。 > すなわち、各種追尾魚雷やパターン航走魚雷です。 > 無誘導である以上、長射程化はあまり意味を持ちませんが、将来何らかの誘導装置採用やパターン航走化が実現したとするならば、長射程であることは大きなメリットたり得ます。 > 後者の航続力がもたらす発展の可能性については、史実では実現しなかったifの問題でしかないので、史実の結果だけを見て酸素魚雷を評価するのであれば取るに足らない事柄ではあります。しかし、同じ距離で他の魚雷よりも高速力を発揮できるということはそれだけスタミナがあるということであり、高い航続力が背景となっているのですから、「どうせ10km以内に飛び込まなければならない」という前提条件は、航続力を全否定する材料としては弱いと思います。 思いません。「雷速が早い」を売りにしたいのであれば、「回避の時間を相手に与えないこと」に尽きます。であるならば結果的には肉薄雷撃戦になります。当てなければ1隻に百射線あってもさほど変わりません。下手すれば「発射行動を取った瞬間に艦を正対させて回避、しかる後に直ちに全速突撃して次発装填前に撃滅する」、「敵水雷戦隊に対し航空攻撃を実施して隊列を乱し、しかる後に自軍水雷戦隊が突入する」といった対策を相手が採らないという根拠は? 長射程だから伊19潜の魚雷が「ノースカロライナ」に命中して戦艦が1隻減ったとでも喜ぶ気でしょうか?そんな「まぐれ当たり」を前提として作戦を立案するほうがどうかしています。 > 高張力鋼がもったいないという発想は理解できますが、酸素魚雷ではなかったとしても電池式にでもしない限り、高圧の気体を充填するための容器は必要になりますからどのみち高張力鋼を使うことにはなったでしょう。 電池式でよいのでは?別に過酸化水素だろうが、リチウムイオンだろうが「長射程・高雷速・無航跡」魚雷でありさえすればよいのですから。 > > > 次発装填能力は確かに現実的ではないと思います。 > しかし、雷装撤去が選択肢にならない理由が「高性能な魚雷を持っていたから」だとは思いません。他国と同程度以下の魚雷しかなかったとしてもやはり雷装撤去は選択肢になりえなかったでしょう。 これも思いません。少なくとも発射管1基&予備魚雷撤去だけで機銃座は数機は増やせるでしょう。魚雷を射ちたいのならそれまで生き残る必要があります。アベンジャーやヘルダイバーに爆弾や魚雷を撃ち込まれて激減した駆逐艦で何をするんですか? <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; YTB720; GTB6; ...@PPPa1413.e11.eacc.dti.ne.jp> |
> その上で「金剛型高速戦艦も夜戦水雷戦術重視も高速重雷装艦も酸素魚雷(またはそれに代わる高性能魚雷)も実現することは間違いない。それらの戦備、そしてその背景にあるドクトリンが、酸素魚雷によってどの程度影響を受けたのか?その影響がなければ(つまり酸素魚雷がなければ)戦備やドクトリンはどう推移したか?(おうる氏ご自身の記述より抜粋)」を議論するものではないかとのことですが、これは戦艦大和同様に一兵器の存在は戦場を変えても戦争を変える力は有しません。 そのとおりです。 よって「酸素魚雷によって日本の戦備が狂わされた」というスレ主の方の主張には否定的にならざるを得ません。 > お説によれば夜戦水雷戦術重視→金剛型高速戦艦の積極投入→高速重雷装艦への改装ならびに高性能魚雷(酸素魚雷またはその他)の開発保有になりますが、これはワシントン条約やロンドン条約で主力艦保有に制限が加えられた結果、水雷の世界では上記のドクトリンが採用されて高性能魚雷(酸素魚雷またはその他)の開発保有になっただけであり、「他国が有しない高性能魚雷(酸素魚雷またはその他)を必要とするドクトリンは有効足りえるのか?」も議論すべきです。 金剛型は巡洋戦艦として建造され、巡洋戦艦は戦艦よりも高い機動力を活かし、遊撃的に運用することで優位な状況を生み出すことを考えて計画されています。 それが夜間水雷戦であっても昼間での砲雷撃戦であっても、計画時の艦の運用構想にある「機動力を活かした遊撃」である点には変わりありません。 日本海軍が夜間水雷戦を重視するようになったがために、金剛型もそれに引きずられるように夜戦投入を重視されるようにはなっていますが、全く畑違いの仕事を押し付けているわけではなく、性格的にはそれほど異質な運用ではなかったと考えます。 このような使われ方(おおよそ戦艦らしからぬ積極的遊撃)をした背景を酸素魚雷登場以前からあるドクトリンに求められる以上、「こういう使い方がされたのは酸素魚雷の影響だ」と言ってしまうのは違うと思います。 また、夜間水雷突撃戦術とその背景にあるドクトリンに「より高性能の魚雷」が必要とされる事は事実ですが、他国にはない高性能魚雷がなければ成立しないものではないと思います。仮に他国(もっと言ってしまえば敵国)に酸素魚雷よりも高性能の魚雷があったとしても、小艦艇による水雷突撃で敵主力艦を攻撃することの有効性は否定されませんし、その実現には「自分たちの持ちうる最良の魚雷」が必要なのであって「他のどの国も持ちえない世界最高の魚雷」である必要はないと思います。 > 航空を史実以上に強化して大型魚雷の搭載可能な航空機を開発保有する(それが陸上攻撃機なのですが)というドクトリンの採用もあり得たわけですから。 あり得たかもしれません。 しかし、航空機の夜間作戦能力、全天候作戦能力は水上艦のそれに劣りますから、水上艦による水雷突撃という戦術の放棄には、更なる年月を必要としたでしょう。 もしかしたら、航空機の性能向上が水上艦による水雷突撃を放棄させる前に、肉薄の必要のない長射程誘導魚雷や対艦ミサイルが先に実現してしまうかもしれません。まぁ、それはWW2が史実と異なる形になるか、まったく起こらない別の世界での話でしか成立しない話だと思います。 > 航空戦に敗退した時点で制空権は味方にはまず存在しませんし、弾着観測機の発進もままなりません。隊列組まなければ十分な数の魚雷は射てません。隊列組むまで相手の爆撃機や攻撃機は待ってくれるのでしょうか?それ以前に護衛には戦艦や巡洋艦も居るはずです。彼らは何をしているのですか?「他の手段もない」状態になっている時点で「論外」です。 米護衛空母は自分たちの制空権内で天候も悪くない昼間に栗田艦隊に補足されています。 このとき、米護衛空母の護衛駆逐艦が魚雷を持っていなければ、この護衛空母群は全滅させられていたかもしれませんが、駆逐艦の放った魚雷により栗田艦隊は行動の自由を奪われ、結果的に米護衛空母群は虎口を逃れています。 もし、このときの米駆逐艦が雷装していなければ、事態は全く異なる展開になっていたことでしょう。 自分たちが勝っていても、制空権や制海権を持っていても、空母が敵水上艦に補足されてしまう可能性は無くなりません。万が一への備えとして雷装は決定的な要素足り得ます。 > 「対艦攻撃力だけ」強化しても何の意味もありません。駆逐艦に「対艦攻撃専用艦種である」とは書いていません。また脅威は航空機・潜水艦・魚雷艇・機雷等複数あります。そもそも19年以降まともに水上戦闘が生起して勝てるような状況でしたか? 話を19年以降に絞る必要性は無いと思います。 艦の整備計画はもっと早い時期に作られていますし、「まともに水上戦闘が生起して勝てる状況が無くなる」ことを前提に建艦計画は作られないでしょう。 負け戦であってもひとたび戦闘が生起したならば戦わねばならないのですから、戦う手段を放棄することはないと思います。 対艦攻撃能力のみの強化に限定する必要もありませんし、同時に対艦攻撃能力の強化を放棄する必要性があるとも考えられません。ましてや対艦攻撃能力放棄を意味しかねない雷装放棄に説得力があるとは思えません。 戦闘中に次発装填を行うのは現実的ではないので、次発装填装置を撤去してあいたスペースに機銃を増設する等、雷装撤去まではしないにしても雷撃力を低下させる程度の処置までは否定しません。 > 思いません。「雷速が早い」を売りにしたいのであれば、「回避の時間を相手に与えないこと」に尽きます。であるならば結果的には肉薄雷撃戦になります。当てなければ1隻に百射線あってもさほど変わりません。下手すれば「発射行動を取った瞬間に艦を正対させて回避、しかる後に直ちに全速突撃して次発装填前に撃滅する」、「敵水雷戦隊に対し航空攻撃を実施して隊列を乱し、しかる後に自軍水雷戦隊が突入する」といった対策を相手が採らないという根拠は? 水雷突撃への対策を相手がとらないと主張した覚えは全くありません。 肉薄雷撃であっても、距離の長短の差こそあれ、目標まで魚雷が進む時間が長いよりは短い方が命中させやすいことに違いはなく、20ノットしか出ない魚雷よりは40ノット出る魚雷の方が命中させやすいでしょう。 同じ魚雷で高速力を発揮させようとすれば機関出力が高くなければならず、機関出力を高くするには大きなエネルギー源が必要になります。 この点で酸素魚雷は他の魚雷より優位にあり、ただ単に「射程が長い」という部分だけを注目するのではなく、仮に同じ距離を走らせるとしても酸素魚雷は他の魚雷より高速力を発揮できる(つまりそれだけ命中させやすい)のだから、その点にも注目し評価すべきだと主張したのです。 > 長射程だから伊19潜の魚雷が「ノースカロライナ」に命中して戦艦が1隻減ったとでも喜ぶ気でしょうか?そんな「まぐれ当たり」を前提として作戦を立案するほうがどうかしています。 まぐれを期待して作戦が立案されたと主張するつもりはありませんし、そのような主張をした覚えもありません。 ただ、陣形を組んで航行する敵「艦隊」に魚雷を放った場合、一番手前の艦といちばん奥の艦の間には数百メートル〜数キロメートルの距離があいているのですから、「敵艦隊の陣形を乱す」効果は短射程魚雷より長射程魚雷の方が高いはずです。 個艦に対する攻撃のみを考えるのであれば長射程であることは全く意味を持ちませんが、艦隊(あるいは船団)攻撃を想定に入れるのであれば肉薄攻撃を前提にしたとしても長射程であることにもある程度意味を持ってくると思います。 > 電池式でよいのでは?別に過酸化水素だろうが、リチウムイオンだろうが「長射程・高雷速・無航跡」魚雷でありさえすればよいのですから。 知らないのですが、当時リチウムイオン電池は実用化してたのですか? リチウムが高張力鋼よりも使いやすいかどうかも含め、疑問に思いました。 過酸化水素魚雷については史実で配備されたわけではないので判断しかねますが、通常の湿式熱走魚雷を想定して話をしました。 > これも思いません。少なくとも発射管1基&予備魚雷撤去だけで機銃座は数機は増やせるでしょう。魚雷を射ちたいのならそれまで生き残る必要があります。アベンジャーやヘルダイバーに爆弾や魚雷を撃ち込まれて激減した駆逐艦で何をするんですか? 雷装撤去すれば対空能力が向上することは理解しますが、雷装を撤去してまでの対空能力向上にどれだけの効果があるかは疑問を禁じえません。 魚雷では対空攻撃できませんが、機銃では対艦攻撃能力を期待できません。 事実上、駆逐艦の対艦攻撃能力は魚雷に依存しており、雷装撤去は対艦攻撃能力そのものの放棄に近い意味を持ちます。 対空・対艦・対潜、すべての目標に対して攻撃力を持つ必要のある駆逐艦から雷装をとってしまえば作戦能力は大幅に減じることになります。 したがって、雷装撤去は(たとえ運用する魚雷が酸素魚雷ではなく平凡な低性能魚雷であっても)選択肢になりえないと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp> |
> 金剛型は巡洋戦艦として建造され、巡洋戦艦は戦艦よりも高い機動力を活かし、遊撃的に運用することで優位な状況を生み出すことを考えて計画されています。 > それが夜間水雷戦であっても昼間での砲雷撃戦であっても、計画時の艦の運用構想にある「機動力を活かした遊撃」である点には変わりありません。 > 日本海軍が夜間水雷戦を重視するようになったがために、金剛型もそれに引きずられるように夜戦投入を重視されるようにはなっていますが、全く畑違いの仕事を押し付けているわけではなく、性格的にはそれほど異質な運用ではなかったと考えます。 > このような使われ方(おおよそ戦艦らしからぬ積極的遊撃)をした背景を酸素魚雷登場以前からあるドクトリンに求められる以上、「こういう使い方がされたのは酸素魚雷の影響だ」と言ってしまうのは違うと思います。 ここも片氏の見解に近いですが、そうであるならば、金剛型は最後まで夜間水雷戦の支援に必要とされ続ける必要があります。米側に対抗可能な艦種は「アイオワ」か「アラスカ」まで出現しません。 ですが史実では空母護衛(これもある種の「機動力を活かした遊撃」なので使い方としてはそう間違ってはいませんが…)に充当されていますので、第三次ソロモン海海戦のようなケースを除けば金剛型の夜戦投入の必要性が薄れてきたように思います。 > > また、夜間水雷突撃戦術とその背景にあるドクトリンに「より高性能の魚雷」が必要とされる事は事実ですが、他国にはない高性能魚雷がなければ成立しないものではないと思います。仮に他国(もっと言ってしまえば敵国)に酸素魚雷よりも高性能の魚雷があったとしても、小艦艇による水雷突撃で敵主力艦を攻撃することの有効性は否定されませんし、その実現には「自分たちの持ちうる最良の魚雷」が必要なのであって「他のどの国も持ちえない世界最高の魚雷」である必要はないと思います。 相違点はここだと思います。私は「自分たちの持ちうる最良の魚雷」が「他のどの国も持ちえない世界最高の魚雷」であったがために曲がりなりにも成立しえたと考えています。それが既存艦の攻撃力強化なのでしょうから。 開発に失敗した場合、水雷突撃戦術を放棄するとまでは思いませんが、少なくとも同戦術を有効にするために別の方策を考え出す必要があります。そしてそれはドクトリン(海戦要務令ですかね)と密接に結びついているはずなので、別の流れに行くと思います。 > あり得たかもしれません。 > しかし、航空機の夜間作戦能力、全天候作戦能力は水上艦のそれに劣りますから、水上艦による水雷突撃という戦術の放棄には、更なる年月を必要としたでしょう。 > もしかしたら、航空機の性能向上が水上艦による水雷突撃を放棄させる前に、肉薄の必要のない長射程誘導魚雷や対艦ミサイルが先に実現してしまうかもしれません。まぁ、それはWW2が史実と異なる形になるか、まったく起こらない別の世界での話でしか成立しない話だと思います。 では取り上げないことにします。 > > 米護衛空母は自分たちの制空権内で天候も悪くない昼間に栗田艦隊に補足されています。 > このとき、米護衛空母の護衛駆逐艦が魚雷を持っていなければ、この護衛空母群は全滅させられていたかもしれませんが、駆逐艦の放った魚雷により栗田艦隊は行動の自由を奪われ、結果的に米護衛空母群は虎口を逃れています。 > もし、このときの米駆逐艦が雷装していなければ、事態は全く異なる展開になっていたことでしょう。 > 自分たちが勝っていても、制空権や制海権を持っていても、空母が敵水上艦に補足されてしまう可能性は無くなりません。万が一への備えとして雷装は決定的な要素足り得ます。 このときの米護衛空母は艦載機をも発進させています。いわば海空同時の攻撃により行動の自由を奪われたのであり、駆逐艦単独での手柄ではありません。それに護衛空母群には戦艦や巡洋艦は同行していません。 また近傍に他の護衛空母群がいればそこからも攻撃機が飛んできます。当然の帰結として「正規空母が近傍に存在するのでは?」と思わせられます。少数の駆逐艦の雷装の有無などよりはるかに有効です。 > > 話を19年以降に絞る必要性は無いと思います。 > 艦の整備計画はもっと早い時期に作られていますし、「まともに水上戦闘が生起して勝てる状況が無くなる」ことを前提に建艦計画は作られないでしょう。 作られませんが、同時にそれが有効に機能しなくなった場合、別の方策を考える必要がありますが、それを逡巡させたのではありませんか? > 負け戦であってもひとたび戦闘が生起したならば戦わねばならないのですから、戦う手段を放棄することはないと思います。 > 対艦攻撃能力のみの強化に限定する必要もありませんし、同時に対艦攻撃能力の強化を放棄する必要性があるとも考えられません。ましてや対艦攻撃能力放棄を意味しかねない雷装放棄に説得力があるとは思えません。 > 戦闘中に次発装填を行うのは現実的ではないので、次発装填装置を撤去してあいたスペースに機銃を増設する等、雷装撤去まではしないにしても雷撃力を低下させる程度の処置までは否定しません。 それが「雷装維持、砲力削減」になってしまったため、当時の状況からいえば逆だろうというのが私の主張です。 > > > 水雷突撃への対策を相手がとらないと主張した覚えは全くありません。 > 肉薄雷撃であっても、距離の長短の差こそあれ、目標まで魚雷が進む時間が長いよりは短い方が命中させやすいことに違いはなく、20ノットしか出ない魚雷よりは40ノット出る魚雷の方が命中させやすいでしょう。 > 同じ魚雷で高速力を発揮させようとすれば機関出力が高くなければならず、機関出力を高くするには大きなエネルギー源が必要になります。 > この点で酸素魚雷は他の魚雷より優位にあり、ただ単に「射程が長い」という部分だけを注目するのではなく、仮に同じ距離を走らせるとしても酸素魚雷は他の魚雷より高速力を発揮できる(つまりそれだけ命中させやすい)のだから、その点にも注目し評価すべきだと主張したのです。 それであれば雷撃機の方がどう考えても本体の移動速度&運動性能としては上でしょう。艦載で「長射程・高雷速」を生かしたいのであればそれにあったプラットフォームの整備が必要不可欠です。「既存艦でも使えるから」という部分に深刻な違和感を覚えます。 > > まぐれを期待して作戦が立案されたと主張するつもりはありませんし、そのような主張をした覚えもありません。 > ただ、陣形を組んで航行する敵「艦隊」に魚雷を放った場合、一番手前の艦といちばん奥の艦の間には数百メートル〜数キロメートルの距離があいているのですから、「敵艦隊の陣形を乱す」効果は短射程魚雷より長射程魚雷の方が高いはずです。 > 個艦に対する攻撃のみを考えるのであれば長射程であることは全く意味を持ちませんが、艦隊(あるいは船団)攻撃を想定に入れるのであれば肉薄攻撃を前提にしたとしても長射程であることにもある程度意味を持ってくると思います。 ええ。乱れますね。回避行動をとる必要がありますので。で、相手がそれを読んで対応しないという保証はどこにあるのでしょうか?日本側が発射と同時に正対させたら「一番手前の艦といちばん奥の艦の間には数百メートル〜数キロメートルの距離があり、相手は駆逐隊か戦隊ごとに回頭しているので命中率が下がる」のですが。 それをさせないためには砲戦で敵水雷戦隊を拘束し続けつつ接近するか、味方巡洋艦の砲力支援が必要になるでしょう。 > > 知らないのですが、当時リチウムイオン電池は実用化してたのですか? > リチウムが高張力鋼よりも使いやすいかどうかも含め、疑問に思いました。 > 過酸化水素魚雷については史実で配備されたわけではないので判断しかねますが、通常の湿式熱走魚雷を想定して話をしました。 すみません。ここはお詫びして訂正します。 両方とも仕事場で耐圧容器と電池で使っていましたので。 > 雷装撤去すれば対空能力が向上することは理解しますが、雷装を撤去してまでの対空能力向上にどれだけの効果があるかは疑問を禁じえません。 > 魚雷では対空攻撃できませんが、機銃では対艦攻撃能力を期待できません。 > 事実上、駆逐艦の対艦攻撃能力は魚雷に依存しており、雷装撤去は対艦攻撃能力そのものの放棄に近い意味を持ちます。 > 対空・対艦・対潜、すべての目標に対して攻撃力を持つ必要のある駆逐艦から雷装をとってしまえば作戦能力は大幅に減じることになります。 > したがって、雷装撤去は(たとえ運用する魚雷が酸素魚雷ではなく平凡な低性能魚雷であっても)選択肢になりえないと思います。 すみませんが、「完全撤去」を主張はしておりません。例えば陽炎型であれば発射管2基+予備魚雷を発射管1基のみ+予備魚雷なしにして艦のバランスを取らせよという主張です。発射管2基+予備魚雷が私にとっては防空艦同様に「平時の発想」に思えるのです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; YTB720; GTB6; ...@PPPa1224.e11.eacc.dti.ne.jp> |
> ここも片氏の見解に近いですが、そうであるならば、金剛型は最後まで夜間水雷戦の支援に必要とされ続ける必要があります。米側に対抗可能な艦種は「アイオワ」か「アラスカ」まで出現しません。 > > ですが史実では空母護衛(これもある種の「機動力を活かした遊撃」なので使い方としてはそう間違ってはいませんが…)に充当されていますので、第三次ソロモン海海戦のようなケースを除けば金剛型の夜戦投入の必要性が薄れてきたように思います。 これはいわば単なる私の思いつきに近いものなのですが… 空母は元々遊撃的に運用されるものであり、味方主力よりも前に出て戦うものです。時代は航空主兵へと変わり、空母が実質的に主力となっていますが、戦備計画をたてる上での海戦構想上では戦艦が主力であり、空母はあくまでも補助戦力でしかありません。 主役ではないにしても敵側からすれば非常に強力な戦力であり、時には敵主力よりも優先して叩かねばならない脅威たりえます。当然ながらひとたび(航空機なり水上艦なりに)捕捉されればまっさきに攻撃を受けますし、その攻撃の手段としては投入可能なありとあらゆる手段用いられるでしょう。で、あるならば当然艦船もそこには含まれるのであり、仮に空母が損傷したならば「とどめ」を刺すべく敵は付近にいるあらゆる艦隊に突撃を命じることが考えられます。 つまり、空母の傍らにいたならば、空母と離れた場所にいるよりは敵の有力艦艇と接触する機会が得られる可能性が期待できます。 また、空母が損傷しないにしても、どうせ味方主力から離れて前進し、遊撃的に行動するのであれば、友軍空母のエアカバーの下にいた方が敵の航空攻撃を受けなくて済みます。 空母機動部隊をあくまでも空母からの視点で見れば、確かに随伴する金剛型戦艦は単なる直掩艦にすぎず、少々もったいない使い方であるかのようにも見えますが、遊撃戦力たる金剛型戦艦を主体として眺めた場合、空母に随伴することは単なる直掩ではなく一種の積極的かつ攻撃的な共生関係にあるかのようにとらえることもできるように思います。 ミッドウェイでは金剛型に一度突撃が命じられていますし、日本海軍が本当にそう考えていたかどうかは根拠となるものが無いので断言しかねますが、実際の動きから推測する限りにおいてはそう見当はずれな使い方ではないように思われます。 > > また、夜間水雷突撃戦術とその背景にあるドクトリンに「より高性能の魚雷」が必要とされる事は事実ですが、他国にはない高性能魚雷がなければ成立しないものではないと思います。仮に他国(もっと言ってしまえば敵国)に酸素魚雷よりも高性能の魚雷があったとしても、小艦艇による水雷突撃で敵主力艦を攻撃することの有効性は否定されませんし、その実現には「自分たちの持ちうる最良の魚雷」が必要なのであって「他のどの国も持ちえない世界最高の魚雷」である必要はないと思います。 > > 相違点はここだと思います。私は「自分たちの持ちうる最良の魚雷」が「他のどの国も持ちえない世界最高の魚雷」であったがために曲がりなりにも成立しえたと考えています。それが既存艦の攻撃力強化なのでしょうから。 > > 開発に失敗した場合、水雷突撃戦術を放棄するとまでは思いませんが、少なくとも同戦術を有効にするために別の方策を考え出す必要があります。そしてそれはドクトリン(海戦要務令ですかね)と密接に結びついているはずなので、別の流れに行くと思います。 これは納得できるかどうかの問題であるように思われます。 私としては夜間水雷突撃を可能とする機材がありさえすれば、それが世界最高である必要はなく、「敵に肉薄できるプラットフォーム(ここでは艦艇)」と「プラットフォームから敵に破壊をもたらすことのできる兵器(ここでは魚雷)」が組み合わさりさえすれば、そしてそれが他の選択肢より確実でありさえすれば成立する話だと思っています。 日露戦争当時からWW2初頭までの時期において、その「敵に肉薄できるプラットフォーム」と「プラットフォームから敵に破壊をもたらすことのできる兵器」として駆逐艦と魚雷が最良のオプションとして居座っていました。 それら駆逐艦と魚雷はなるべく高性能であることが望ましいことに違いはありませんが、「敵に肉薄できるプラットフォーム」という要件を満たしさえすれば駆逐艦は世界最強である必要はなく、「プラットフォームから敵に破壊をもたらすことのできる兵器」という要件を満たしさえすれば魚雷は世界最強である必要もありません。 必要なのは目的を達成することのできる手段であり、最良の手段を追求した結果がたまたま最高の魚雷にいきついてしまっただけのことと考えます。 > このときの米護衛空母は艦載機をも発進させています。いわば海空同時の攻撃により行動の自由を奪われたのであり、駆逐艦単独での手柄ではありません。それに護衛空母群には戦艦や巡洋艦は同行していません。 > > また近傍に他の護衛空母群がいればそこからも攻撃機が飛んできます。当然の帰結として「正規空母が近傍に存在するのでは?」と思わせられます。少数の駆逐艦の雷装の有無などよりはるかに有効です。 無論、当時護衛空母から艦上機が飛び立ったことも知っていますし、それらが活躍したことも存じております。 しかし、ここで注目してほしいのは自軍の制空権下で、しかも好天の昼間に…つまり「敵水上艦が活動できるはずのない海域で空母が敵の主力艦隊と遭遇してしまった」という事実です。 空母といえども敵水上艦と遭遇しないで済むということはなく、空母も空母の直掩艦艇も有力な敵水上艦に補足されてしまう危険に備えなければならないということです。 このとき、史実では艦上機を発進させることができました。では、もしこれが荒天下だったら?もしこれが夜間だったら?もしこれが艦上機を出撃させて空母の格納庫が留守だったら? 直掩駆逐艦は自分たちだけで敵主力艦に立ち向かわなければなりません。 航空機が昼夜を問わず全天候下で自由に行動できるならともかく、そうでないのなら昼夜を問わず全天候下で運用可能な対抗手段が別に必要になります。 その昼夜を問わず全天候下で運用可能な対抗手段として、魚雷は最良の選択肢になると考えます。 > 作られませんが、同時にそれが有効に機能しなくなった場合、別の方策を考える必要がありますが、それを逡巡させたのではありませんか? > > 負け戦であってもひとたび戦闘が生起したならば戦わねばならないのですから、戦う手段を放棄することはないと思います。 > > 対艦攻撃能力のみの強化に限定する必要もありませんし、同時に対艦攻撃能力の強化を放棄する必要性があるとも考えられません。ましてや対艦攻撃能力放棄を意味しかねない雷装放棄に説得力があるとは思えません。 > > 戦闘中に次発装填を行うのは現実的ではないので、次発装填装置を撤去してあいたスペースに機銃を増設する等、雷装撤去まではしないにしても雷撃力を低下させる程度の処置までは否定しません。 > > それが「雷装維持、砲力削減」になってしまったため、当時の状況からいえば逆だろうというのが私の主張です。 別の枝の別の方のレスを参考にさせていただきますと、艦載砲は一種万能であるようですが、艦の揺動周期の問題から単位時間当たりの投射弾量には制限が生じるため、対空火力としてみると機銃の方が有効である場合があるようです。 魚雷は対水上艦にしか使えませんが、砲よりは強力であり、砲は対艦兵器としてみた場合は(目標が駆逐艦以下である場合を除けば)貧弱すぎる兵器です。 こうしてみると万能であるようで一番中途半端な兵器であり、あくまでも対艦攻撃能力を維持しつつ(放棄するわけにはいかない)、対空火力を上げようとしたら雷撃力を減らすよりは砲を機銃に置き換えた方が良かった…という検討結果が反映されたものではないでしょうか? > それであれば雷撃機の方がどう考えても本体の移動速度&運動性能としては上でしょう。艦載で「長射程・高雷速」を生かしたいのであればそれにあったプラットフォームの整備が必要不可欠です。「既存艦でも使えるから」という部分に深刻な違和感を覚えます。 雷撃機の方が優れていることは認めますが、当時の航空機は全天候作戦能力を持っていませんし、夜間作戦能力もひどく限定されています。 広い外洋で敵と攻撃できる機会は限られており、限られた機会を活かさねば勝てる戦も勝てませんから、見敵必戦は外洋海軍にとっての至上命題といえるでしょう。 敵を見つけたのに雷撃機がいないから有効な対艦攻撃ができないというのでは話になりません。遭遇しうるすべての敵に対処し得る装備を有するのは、戦備の前提とすべきでしょう。 低速低性能な旧式艦であっても、使うのであれば遭遇しうるもっとも強力な敵に対処できるようにしておく必要があり、低速低性能な艦の攻撃力を強化する手段として搭載魚雷の性能向上はもっとも簡単かつ効率的な手段であろうと考えられます。 また、酸素魚雷を使うのは水上艦だけではなく潜水艦も使うのですから、潜水艦が発見した敵艦隊or敵船団を攻撃するのであれば、ドイツのUボートが船団攻撃をする際に行ったように特定の艦船を狙わず「船団」という集団を目標に狙うことも考えれば長射程であることは決して無駄なスペックではないと思います。 > ええ。乱れますね。回避行動をとる必要がありますので。で、相手がそれを読んで対応しないという保証はどこにあるのでしょうか?日本側が発射と同時に正対させたら「一番手前の艦といちばん奥の艦の間には数百メートル〜数キロメートルの距離があり、相手は駆逐隊か戦隊ごとに回頭しているので命中率が下がる」のですが。 > > それをさせないためには砲戦で敵水雷戦隊を拘束し続けつつ接近するか、味方巡洋艦の砲力支援が必要になるでしょう。 水雷突撃をする駆逐艦群が単独で攻撃することを前提にされておられるように思われます。 戦艦や巡洋艦がその夜戦に加わっていれば…または、同時突撃する水雷戦隊が一つでなかったら…と考えれば、敵艦隊が突撃する水雷戦隊への対処のためだけの行動をとることが無い場合もありうることが想像できると思います。 また、水雷戦隊が統制雷撃する場合、魚雷は特定の艦を集中的に狙うというよりは、確率兵器のように投射されるので戦隊単位で回避されたとしてもすべての魚雷を完全に無効化されてしまうとも限りません(逆に対処行動をとられなくても全弾外れてしまうこともありますが)。 あと、戦艦や空母といった大型艦船は舵を切ってから変針しはじめるまでに1〜2分の時間がかかることもあります。雷速が40ノットあれば2分で2.5km進みますから、肉薄雷撃を行った駆逐艦と目標までの距離が短く、雷速が非常に早いのならば見張り員が目標が魚雷の発射を観測してから報告し、艦長が回避を判断、命じ、実際に艦が曲がり始めるまでの間に命中させることもできるかもしれません。つまり、雷速が十分に速いのであれば対処行動を取れないこともあり得ます。 > すみませんが、「完全撤去」を主張はしておりません。例えば陽炎型であれば発射管2基+予備魚雷を発射管1基のみ+予備魚雷なしにして艦のバランスを取らせよという主張です。発射管2基+予備魚雷が私にとっては防空艦同様に「平時の発想」に思えるのです。 予備魚雷については私もあまり実用的とは思っていません。 会戦中は次発装填できない(または非常に困難)と聞いていますので・・・反復攻撃を前提にしていると思いますが、状況次第で下ろすという選択肢もあり得るとは思います。 しかし、艦によっては煙突等の艦上構造物と一体化している次発装填装置もありますから、手間をかけて撤去した割に対空火力強化に貢献できないということもあり得ると思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@FL1-119-241-157-28.tcg.mesh.ad.jp> |
日本軍のドクトリン的に言うと、長射程魚雷は88艦隊計画の一部なんですよ。 これが純技術的な問題から達成できずに四苦八苦し続けてきた結果、完成したのが昭和14年なだけで、発想的にはWW1の戦訓の素直な反映なんです。 93式といっても、現実に配備されて訓練や演習で使い出して実際面での運用研究が始まるのは開戦直前だったのです(93とは最初の試作魚雷が試験成功した時であって、制式化したときにそこまで遡って93式としただけでして、実際は99式とでも呼ぶべき代物です) よって夜間水雷襲撃等は、酸素魚雷を前提とした思想ではないんです。 長射程魚雷は昼間主力艦砲戦に介在できる武器であって、大和に搭載するつもりの幻の大口径魚雷こそが本命というか本流だったんです。 つまり酸素魚雷によってゆがめられたのは大和であり、それは酸素魚雷の存在によってではなく、不在によって、なんです。 もちろん93式の完成が見えた段階で、計画中の各艦艇は93式の搭載を前提としますが、それは93式の特殊な性能優位を前提とした特殊な艦艇として設計されるわけではなく、たんに新型高性能魚雷としての搭載なんです。90式よりいけてる魚雷というだけのことです。既に他の方が指摘されてますが、酸素魚雷登場後も日本軍駆逐艦の戦術は基本的に変化してません。 また次発装填も93式以前から存在します。93式を遠距離で連射するという戦法は、次発装填装置が先にあって出てきた案であって、単純に既にあるものを活用してみようとしただけのことです。 太平洋戦争に投入された艦艇で、酸素魚雷登場後の酸素魚雷前提艦は、島風と大井・北上ぐらいのものでして、確かにこれら3隻を結果的にあまり意味の無い艦にしてしまったという点で酸素魚雷は日本海軍を歪めたとはいえますが、大して痛いわけでもありません。艦隊計画に酸素魚雷が与えた影響というのは実は事実上無いも同然なんです。 また機銃の代償重量が必要なら、有用度で劣位な主砲や予備魚雷から先に下ろしてるだけのことで、更に機銃の代償重量が必要なら発射菅も下ろしたでしょう。実際睦月型以前の小柄な艦では発射菅にも手をつけてます。より大型の駆逐艦でも重量が足りなかったら着手したでしょう。 なお、スペース的には発射菅は大して寄与しないのは、WLの駆逐艦でも作ってみれば明らかです。煙突が邪魔なんで機銃の場所としてはイマイチなんですよね、煙突脇にスポンソンつけて機銃装備で発射菅と共存できちゃうんで、第二砲塔のように最高の射界を持つ一等地というわけでもありません。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.1; U; ja) Presto/2.1.1@p3024-ipbf6701marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
日本海軍の雷撃重視は、八八艦隊を葬った大正11年ワシントン条約の結果のはずです。 航空が重視されるようになったのと契機は同じです。 主力艦で米国に対抗する道が塞がれたので、航空、水雷などの多方面で模索しているわけです。 多方面に手を伸ばしたことで様々な弊害も生じたでしょうが、その原因を酸素魚雷に求めてもあまり始まらないように思います。 私には、ひとつながりの出来事の中のひとつとして酸素魚雷もあるように見えます。 様々に道を探り、20年かけて「航空はうまくいく」とわかって来た。 真珠湾、比島航空戦、マレー沖海戦と続けばこれはもうは決定的です。 それがようやく昭和17年頃なのです。 それでは、魚雷戦を巡る状況が変わったのはいつの時点のことだったでしょうか。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
開戦劈頭の航空戦を戦った飛行機群はどこから来たのか。 昭和13年11月の航空機生産力拡充第一次示達、16年2月の同第二次示達によって。 さらに、17年8月の第三次示達がこれに続きます。 右肩上がりの一方です。 一方で、何が抑制されたか。 島風型の量産は行われなかったし、大井、北上に続く本来予定されていた三隻目の木曾の重雷装艦改装は行われません。 消極的な方向に進んでいます。 航空の余りなまでに「行け行けGoGo!」的様相を知った目で見ると、酸素魚雷は確かに一時的に何かを変えかけたのかも知れないけれど、14年にはパッと膨らみかけたものが、すぐに15年16年と辿るにつれ急速にしぼみ果てた、としか見えないのです。 この時期には、決戦前夜の夜戦などはもう行われないことになっており、長距離水雷戦は昼間、乃至薄暮戦で使われることになっています。(ゆえに高速戦艦の第三戦隊の所属は第一艦隊のままです) 陽のある間の戦いで決着が付かなかった場合のみはじめて、それまでの薄暮戦の態勢のまま夜戦に入るのも辞さない、といった程度です。 そして、日中の戦いは制空権下で行われるのが建前です。 航空戦の意味合いが、この後現実化する様相を予想するかのように、何にも増して重要な位置づけになっているのです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |