Page 294 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼ハ104搭載の艦攻、戦闘機は成立しないか レッドサン 09/5/30(土) 21:48 ┗本命はなんだったか 片 09/5/31(日) 9:33 ┗とりあえずのA18という発想 レッドサン 09/5/31(日) 13:48 ┣よそのエンジン 片 09/5/31(日) 15:03 ┣Re:とりあえずのA18という発想 SUDO 09/5/31(日) 15:24 ┃ ┗ハ104はハ104のままでは性能向上しようと思われなかった 片 09/5/31(日) 16:02 ┃ ┗気持はわかりますが 青江 09/6/16(火) 22:56 ┃ ┗気持ちの問題ではなく、歴史的事実の問題です 片 09/6/17(水) 13:26 ┃ ┗Re:気持ちの問題ではなく、歴史的事実の問題です 青江 09/6/22(月) 20:15 ┃ ┗ないものはないのですから 片 09/6/22(月) 22:28 ┃ ┗ハ104に過度の幻想を抱いておられる方は 片 09/6/23(火) 6:45 ┗ハ104とハ214の関係 片 09/5/31(日) 16:12 ┗ハ104とハ214には発展型以上の開き レッドサン 09/5/31(日) 17:10 ┗Re:ハ104とハ214には発展型以上の開き 片 09/5/31(日) 18:02 ┗キ44ならI型に レッドサン 09/5/31(日) 18:40 ┗時期的にはちょっと 片 09/5/31(日) 21:06 ┗雷電に乗せてみればよかったのでは? 青江 09/6/2(火) 23:20 ┗問題機雷電にわざわざ別の問題を 片 09/6/3(水) 6:01 ┗雷電にはハ214なのでしょうが レッドサン 09/6/9(火) 22:37 ┣Re:雷電にはハ214なのでしょうが 片 09/6/10(水) 4:50 ┃ ┗Re:雷電にはハ214なのでしょうが 青江 09/6/14(日) 2:15 ┃ ┗そこから先はご自身で 片 09/6/14(日) 8:04 ┗Re:雷電にはハ214なのでしょうが mikey 09/6/14(日) 13:43 ┗ハ104雷電は火星雷電より低性能 片 09/6/14(日) 17:39 ┗Re:ハ104雷電は火星雷電より低性能 mikey 09/6/14(日) 23:36 ┗要求は340ノット 片 09/6/15(月) 6:28 ─────────────────────────────────────── ■題名 : ハ104搭載の艦攻、戦闘機は成立しないか ■名前 : レッドサン ■日付 : 09/5/30(土) 21:48 -------------------------------------------------------------------------
過去ログなどは拝見させていただいておりますが、自分で投稿するのは初めてです。以前から感じていた疑問なのですが、第二次大戦で日本の航空機が躓いた空冷18気筒発動機への切替えの件、三菱のハ42(陸海軍統合名称)を搭載した艦戦、艦攻、局戦など成立の余地は無いのでしょうか? 初期型 ハ104 離昇1900hp高度6100m/1610hp直径1370mm 944kg 性能向上型 ハ214ル 離昇2500hp高度6400m/2300hp直径1370mm 1260kg ハ214フ 離昇2300hp高度8300m/2130hp直径1370mm 1235kg 火星24型 離昇1850hp高度5500m/1540hp直径1340mm 800kg 護(ハ103) 離昇1870HP高度4900m/1600hp直径1390mm 905kg R-2800-8 離昇2000HP高度6705m/1550hp直径1321mm 1000kg 初期型のハ104は昭和14年度試作エンジンとして計画、翌15年8月には完成。 ハ104と火星の諸元はみつびし航空エンジン物語(アテネ出版)によります。 護とダブルワスプエンジン諸元は手持ちが無くWikipediaによりました。 火星の出力が離昇1800馬力を超えたのは、昭和16年以降ですが、この時期には初期型のハ104が審査を通過していますよね。 発動機の重量差144kgで離昇50馬力差では食指が動かないのは分かりますが、性能向上が頭打ちの火星と違い、離昇2300〜2500馬力への出力向上はすでに見込まれています。14試艦攻の審査で不調の護の発動機換装でハ104って選択枝は出ないものでしょうか?護とハ104の重量差39kgでしたら、機体側調整も最小限ですむのでは? また、米国がダブルワスプエンジンを立派に単座戦闘機に搭載していたのは(計画も含め)日本側もある程度つかんでいるわけで、ハ104を搭載した戦闘機が1機種も設計されていなのに疑問を感じています。 ハ104はつなぎで本命は性能向上型のハ214との見解を拝見しましたが、それにしても、火星から一足飛びにハ214に発動機を換装するよりハ104搭載を行う方が素直な気がスルのですが。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6; .NET CLR 1.1.4322)@tetkyo026207.tkyo.te.ftth2.ppp.infoweb.ne.jp> |
海軍はハ104M相当型のA18Aを2基だけ作り、その後A18E以降の「MK10」系列に移行して行き、そちらはもう少し多い台数を作って実験されています。 では、「その後」とはいつのことか、というとA20よりやや遅れる時期なのです。 A20は本来、次世代の陸上戦闘機用エンジンとして考えられていたものです。 これに注力されるのは当然ともいえるところです。 当時、雷電の陸軍型も考えられていましたが、ここでも当初は火星A10でスタートを切った後、A20に換装して性能向上することを考えています。 A20のフルカン装備型を完成させなければ、十七試陸戦以降の戦闘機開発は目がなくなってしまいます。 しかし、それは現実に失敗してしまった。同様にA18Eのフルカン接手も失敗してしまった。 ここまでが発動機開発計画として目論みあって進んでいた部分で、以降は対策に次ぐ対策に追われる状況です。 本来順当に進めば、A10からA20への移行で問題ない、と考えられていた。 しかし、A20がこけてしまった。 そのA20がこけてしまった結果として存在する歴史的経緯を受けて、始めて生まれてくるのが、「A18Aがあればよかったのに」という感想なのではないかなあ、と思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo037115.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
まずは、素朴な疑問へのレスありがとうございます。 ハ104M(A18A)は、無理をしていない、悪く言えば平凡な発動機ですから、 軍がその性能向上型のハ214やA20(MK9A)に期待するのは十分に理解できます。 結局のところハ104はつなぎでしょう。 ただ、性能向上型のハ214のスペックは(間に合いませんでしたが)かなりのものです、火星(A10)系列からハ214への換装を前提とするより、最初から、重量・直径が近いハ104装備という方が、機体設計の手間からすると自然ではと思った次第です。火星系列は水メタノール関係で無理をした上での離昇1850hpですよね。無理をしない、1900hpには重量差を上回る利点もあると思います。 > A10からA20への移行で問題ない、と考えられていた。 > しかし、A20がこけてしまった。 > そのA20がこけてしまった結果として存在する歴史的経緯を受けて、始めて生まれてくるのが、「A18Aがあればよかったのに」という感想なのではないかなあ、と思います。 後知恵ではあります。 ただ、ハ104(A18A)装備の初期型からハ214が完成したら性能向上型という発想で設計される期待があっても良いのではないかと思う訳です。 A20(MK9A、昭和18年6月審査運転合格)とA18(昭和15年8月完成)の登場時期の差が非常に大きいだけに、A20開発が順調に行っても、2年はA18が先行しますよね。A18、A20の性能向上型の発想が同じである以上、 性能向上型とその熟成でもA18が先行することも十分あります。 軍にも抑えとしてA18を搭載した機体を試作との声は出ないかなと。 3年の差は当時のレシプロ機の開発ペースだと一世代入りますよね。 米軍機は全般的に我が国より大直径の発動機を戦闘機にも搭載しています。日本の零戦の影響を受け、F8Fがコンパクトな機体にまとめられたように、敵に習い、大直径発動機の戦闘機を試作してみても良いのではないかと。 また、14試艦攻(天山)が護から火星への換装でもたつきますが、もたつく際に、ハ104搭載もあり得たのではないのか?と前々から思っていましたもので。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6; .NET CLR 1.1.4322)@tetkyo026207.tkyo.te.ftth2.ppp.infoweb.ne.jp> |
ハ104というのは陸軍が開発したエンジンです。 海軍の立場から見ると、ものとしては陸軍のものがすでに存在しているけれど、海軍として実験審査を行ったものではないわけです。これをこのまま海軍機に装備するとして、運転諸元も出ていないということになってしまいます。 ピンチヒッターとしてのハ104海軍転用は簡単にはいかないのです。 海軍は自分たちで実験するためのハ104を2基、「MK6A十四試リ号」「MK6B十四試リ号改1」として発注しています。このうち「リ号改1」の方は「強制冷却」「無気噴射」「延長軸」という内容ですから、雷電への装備が頭にあったものなのかもしれません。しかし、その先はパッタリと途絶え、「製造取止」という結論になっています。 海軍でのMK6採用は、手間をかければできない問題ではありません。 だけどそこに裂く人手をもっと別のエンジンに回さざるを得なかったのでできなかったのだ。 ・・・・・・と、そんな感じで理解しておくのがよいのではないかと思うのです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo037115.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
考え違いをなさってます。 海軍にA18Aが存在していたら、場合によっては1800馬力級機の代替エンジンとして選択する可能性があったかもしれませんが、海軍にはA18Aが事実上存在しないのです。無いエンジンを搭載しようと言う話にはなりません。 なぜA18Aを制式機としてもってないのかというと、火星2xや護があるのに、同じぐらいの出力で重たいだけですから、選ぶ理由が無いのです。上手くパワーアップ成長をしてくれるなら、それが見えてきてから搭載機を開発すれば良いだけのことなんです。 どうせ機体なんてそんなもんです。 またF8Fの例ですが、あの図体でよいならF4FにR2800積んだってできるんじゃないですか? なんでわざわざ新しい機体を開発したんでしょうか。 つまり大馬力エンジンの性能を引き出すには、結局機体も刷新する必要があると言うことです。またF8FのころにはR-3350という大きいエンジンもあり、米軍は3350搭載単発機も何種類も手を付けてますよね(スカイレーダーが良い例ですな)なんでF8Fは3350じゃないんでしょうか? つまりF8Fは、あれでも小さいエンジンを選んだのです。 特に戦闘機の場合、エンジンが小さいというのは、1割程度の馬力に匹敵するほどの意味があるのです。 大きくて馬力が同じってのは価値が無いのですよ。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
まあ、そうですよねえ。 火星二一型が780kgで1850馬力出すところに、ハ104は944kgもあって1900馬力ですものね。 犯罪的とすらいえてしまう。 ところで、構造大変更前のA18Bとしてハ114M(離昇2200馬力)なるものが存在しています。 「ほら、見なさい、やっぱり適度に性能向上してたじゃん」 ・・・・・・と、いいたいところなんですが、実は発注した陸軍の方では「ハ104改造 中間研究用 試作2基」という名目だったりしてしまいます。 陸軍は陸軍として、ハ104にはもう少し何とかなってほしい、そのまま性能向上しても先は見えてる、本格的に腰据えてなんとかしなくちゃ駄目だ、そう思ってたのじゃないかという、そんな気がしてしまうのです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo037115.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
> まあ、そうですよねえ。 > 火星二一型が780kgで1850馬力出すところに、ハ104は944kgもあって1900馬力ですものね。 > 犯罪的とすらいえてしまう。 > > ところで、構造大変更前のA18Bとしてハ114M(離昇2200馬力)なるものが存在しています。 > 「ほら、見なさい、やっぱり適度に性能向上してたじゃん」 > ・・・・・・と、いいたいところなんですが、実は発注した陸軍の方では「ハ104改造 中間研究用 試作2基」という名目だったりしてしまいます。 > > 陸軍は陸軍として、ハ104にはもう少し何とかなってほしい、そのまま性能向上しても先は見えてる、本格的に腰据えてなんとかしなくちゃ駄目だ、そう思ってたのじゃないかという、そんな気がしてしまうのです。 さても、2600rpmまで上げれば、離床で確実に2000超えるでしょうし・・・ 信頼性は、なんとか飛龍で確立してるのだから、試作機の一つも在って良いのでは? と思うんですよね。 エンジンの高高度性能など問題はあるでしょうが、解決は無理でないでしょうし。 飛龍の高高度戦は、試作されてるんですからね。 陸軍でも単発の試作は、ないでしょう。 保険としてあってもよいと思いますけどね。 そこそこ、なんとか使える2式戦が、存在してるわけですし、 その2式戦でも、ハ41からエンジン変えているのだから、 同じ程度に使える飛行機の試作ぐらいなら会ってもよさそうに思いますが・・・ <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 2.0.5...@p7249-ipad41hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp> |
> 信頼性は、なんとか飛龍で確立してるのだから、試作機の一つも在って良いのでは? > と思うんですよね。 > 保険としてあってもよいと思いますけどね。 > 同じ程度に使える飛行機の試作ぐらいなら会ってもよさそうに思いますが・・・ どう思われようと、歴史的事実としてないものはないのですから、どうしようもないことです。 今の時代に生きる我々がどう思おうと、変ることではないんです。 > 陸軍でも単発の試作は、ないでしょう。 これはあります。 キ119です。 キ67の生産資材を活用して単座機を作るためでした。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@p3110-ipad507marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
> > 信頼性は、なんとか飛龍で確立してるのだから、試作機の一つも在って良いのでは? > > と思うんですよね。 > > > 保険としてあってもよいと思いますけどね。 > > > 同じ程度に使える飛行機の試作ぐらいなら会ってもよさそうに思いますが・・・ > > どう思われようと、歴史的事実としてないものはないのですから、どうしようもないことです。 > 今の時代に生きる我々がどう思おうと、変ることではないんです。 > > > > 陸軍でも単発の試作は、ないでしょう。 > > これはあります。 > キ119です。 > キ67の生産資材を活用して単座機を作るためでした。 ちょっと待ってください。 烈風は、翼面荷重130kg/uで約630km/hなら飛燕並の190kgであれば、同じ2000PSで悪くても650km/hクラスの機体が、 飛龍の実用化時にには、投入可能に成り得たと言う事ですよ。 エンジン回転2400rpmクラスを2600に上げるだけでです。 それに、ki−119は580km/hという事ですが、これは低すぎませんか? <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 2.0.5...@p6050-ipad48hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp> |
> ちょっと待ってください。 > 烈風は、翼面荷重130kg/uで約630km/hなら飛燕並の190kgであれば、同じ2000PSで悪くても650km/hクラスの機体が、 > 飛龍の実用化時にには、投入可能に成り得たと言う事ですよ。 しかし、存在しないのですから仕方ありません。 後世から繰言を述べてもどうしようもないのですから、 「では何故なかっただろうか」と考えるのがまだしも建設的な姿勢というものではないでしょうか。 まず、キ67とキ84は試作機の完成時期がほぼ横並びといってよい二機種です。 キ84は2000馬力で660km/h出せる機体として期待されています。 そして、この二機種はともに「大東亜決戦機」などと称されて、要するにともに生産上の超重点主義を置かれていました。 しかしながら、キ67は総生産数697機に過ぎません。 この限界の理由のひとつはハ104の生産額がそんなものだったというところによります。 対してキ84は3415機作られています。 キ84のための発動機増産用工場は18年3月には操業を始めています。 キ67は17年12月に1号機が完成してから、ずっと生産は月産2、3機程度で低迷し、ようやく月産10機を超えて来るのが19年4月という実用化の遅れた機体です。 同じ頃キ84はすでに月産100機に迫る勢いです。 このようなときに、キ84より性能が劣る機体を割り込ませて、キ67の生産を阻害するのは本当に得策といえるのでしょうか。 > それに、ki−119は580km/hという事ですが、これは低すぎませんか? キ119は、本土決戦に当たって、最早双発機なんか作ってられなくなるだろうことを見越しての、キ67の生産を停止しその発動機を流用して単発攻撃機として数を揃えようというプランです。 性能よりも数が重要という機種だったのです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
19年5月の時点でハ104の月産数はなぜ29基しかなかったのだろうか、というところを考えて見られるべきなのではないかと思います。 また、ハ104が20年1月の空襲被害を最後に生産が途絶していた事実をもです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
この2種の関係は、単なる初期型と性能向上型というものではありません。 写真で見比べれば一目瞭然なのですが、形がまるで違います。 ハ214、すなわちA18Eとは、A20の基本形策定で得られた成果を投入して火星シリンダー18気筒を一からやり直したに近いものです。 ハ104があるから、即ハ214への進化を期待できる、というものではないわけです。 > 3年の差は当時のレシプロ機の開発ペースだと一世代入りますよね。 十四試局戦の次は、十七試艦戦、十七試局戦、十七試陸戦で、機体の開発ペースもちょうど3年おきです。 それこそピンチヒッター的に爆撃用発動機を流用してしまった火星の次が、本格的な艦上戦闘機用である誉、本格的な陸上戦闘機用A20なのは、筋道として正しいように思えます。そして、誉とA20とも本命のフルカン接手装備型の前に、通常型、普及型ともいえるタイプをつなぎとして用意されています。 それ以上の事態としてピンチヒッターに次ぐピンチヒッターが必要になってしまうのは、誉とA20がうまくいかなくなって来た18年中頃からだと思うのです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo037115.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
SUDOさま、片さま、大変丁寧なレスありがとうございます。 私は、ハ104とハ214の関係を初期型と性能向上型と思ってました。 >写真で見比べれば一目瞭然なのですが、形がまるで違います。 みつびし航空エンジン物語の写真でも、たしかにかなりの違いはありますが、 記載の通りですとほとんど別物ということですね。 海軍にA18Aが事実上存在しないと言う件は初めて知りました。 14試艦攻の護の不調で火星しか選択枝に上らなかった理由については、 これで納得いきました。 結局は、18気筒1900hpの発動機を実用化するも、性能向上の余地が乏しく、 1からやり直しになったということでしょうかね。 ハ214が登場する時期ですとこのエンジンをあえて戦闘機用に選択はしませんね。 開発時期的にはキ44ぐらいしか、ハ104の選択はないか思いますが、ほぼ同直径の護(ハ103)が選択枝に浮上していないことを考えると望み薄ですね。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6; .NET CLR 1.1.4322)@tetkyo026207.tkyo.te.ftth2.ppp.infoweb.ne.jp> |
> 開発時期的にはキ44ぐらいしか、ハ104の選択はないか思いますが、ほぼ同直径の護(ハ103)が選択枝に浮上していないことを考えると望み薄ですね。 実は、ハ104が海軍で採用されなかった件と並んで、キ44の性能向上型に予定されいた発動機の件なども、このサイトでは何度も繰り返し話されてきた経緯があります。 キ44の場合は、第二次性能向上型としてはむしろ小直径のハ45、ハ145への換装が模索されています。 雷電の陸軍型として予定されていたキ65も、火星からA20への換装が考えられています。 小直径の発動機の方へ向かうのが当時の趨勢だったのでした。 戦闘機の性能向上とは、「発動機出力向上」と「空力面の改善」の両面で行われるわけですから、これは当然なことと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo037115.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
> 実は、ハ104が海軍で採用されなかった件と並んで、キ44の性能向上型に予定されいた発動機の件 キ44の性能向上型にハ214って線は、機体を見ればありえませんよね。 ハ109はハ104より直径が小さいですが、それでもあれだけ機首から絞り込んでいる訳ですから。ハ104より太いエンジンは素人目にも載らないです。 載せても無理が大きいでしょう。 ハ104ないしハ103を選択するならば、キ44Iの試作の時点でしか可能性は無いと思っております。 ただ、ハ109の直径でも太いと感じたのだから、当時の中島飛行機設計陣がハ103を選択枝にはハナから入れていなかったのだろうなと思います。 今まで、世界の傑作機など有名どころの書籍を見る限り、キ44の発動機選択でハ103(ハ104は三菱の発動機ですから最初は選ばないですよね)を検討した記述はないと思います。キ44が、機首が太くなることを受け入れてハ103搭載で設計されていたらハ104への換装もあり得たのでしょうが。 キ44のエンジン選定の流れは別に分析が必要でしょうか? ただ、軍がハ104を戦闘機用で使うならキ44Iくらいしか時期的に浮上しそうな単発戦闘機は無いですよね。双発機ならまだ何とかなりそうですが。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6; .NET CLR 1.1.4322)@tetkyo026207.tkyo.te.ftth2.ppp.infoweb.ne.jp> |
> ただ、軍がハ104を戦闘機用で使うならキ44Iくらいしか時期的に浮上しそうな単発戦闘機は無いですよね。 ハ103、ハ104いずれも試作発動機の完成が昭和15年に入ってからですから、この辺のものを載せようとするとキ44Iの計画を2年くらい遅らせなくてはならなくなっちゃいますね。13年夏には機体の詳細設計が始まりますから、その頃には欲しい感じです。 キ44というのは、日本陸軍が始めて「重戦闘機」なるものを形にしようとした、いわば試金石であるわけですから、早く作り上げてしまうに越したことはありません。 すでに実用中のハ5の性能向上型であるハ41で計画されたことには、そういう意味もあるのではないでしょうか。 そして、このキ44の次に計画された次の段階の重戦闘機がキ60、キ63、キ65などになります。 このうちキ63はキ44をハ45に換装したもの、キ65は陸軍型雷電で将来的にA20に換装することを考慮するものとして考えられるようになって行きます。 誉、A20が本命、というのはこの辺のこともあってのことです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo037115.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
> > ただ、軍がハ104を戦闘機用で使うならキ44Iくらいしか時期的に浮上しそうな単発戦闘機は無いですよね。 > > ハ103、ハ104いずれも試作発動機の完成が昭和15年に入ってからですから、この辺のものを載せようとするとキ44Iの計画を2年くらい遅らせなくてはならなくなっちゃいますね。13年夏には機体の詳細設計が始まりますから、その頃には欲しい感じです。 > > キ44というのは、日本陸軍が始めて「重戦闘機」なるものを形にしようとした、いわば試金石であるわけですから、早く作り上げてしまうに越したことはありません。 > すでに実用中のハ5の性能向上型であるハ41で計画されたことには、そういう意味もあるのではないでしょうか。 > > そして、このキ44の次に計画された次の段階の重戦闘機がキ60、キ63、キ65などになります。 > このうちキ63はキ44をハ45に換装したもの、キ65は陸軍型雷電で将来的にA20に換装することを考慮するものとして考えられるようになって行きます。 > 誉、A20が本命、というのはこの辺のこともあってのことです。 言われることは、解らないではないですけど、零戦の場合でも栄を選んだんですから、雷電に無理して載せてしまうのもありかと思いますよ。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p8103-ipad46hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp> |
雷電が振動対策でガタガタしてたのは18年6月頃までなんですが、同じ頃キ67もエンジン問題でガタガタしてます。ハ104の全開高度不足が露呈して、機体側の対策では改善できず、エンジンの方を設計やり直しという事態になってたのです。 キ67の方が一年遅い機体ですからまだ試作当初の時期でまだしも目立たないんですが、初飛行から一年経ってる雷電でこれになったら、うっかりしたら命取りですね。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo037115.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
雷電に、ハ104載せたらどの程度の性能にまとまったのかは非常に興味があります。 エンジン自体の重量差がかなりありますが、ハ104は水メタノールなしなら、 実際の重量としては同じくらいではないのか?と素人は考えてしまいます。 高々度戦闘機としては今後の伸びに期待し、一撃離脱に徹すれば悪くない機体になるのではないか?と思います。 むろん完調の火星系列搭載の方が高性能なのでしょうが… 65点の答案としてのハ104搭載は雷電ではあり得ないでしょうか? 火星の水メタノール噴射のトラブルは終戦までに万全になっとは言えないと思うのです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6; .NET CLR 1.1.4322)@tetkyo026207.tkyo.te.ftth2.ppp.infoweb.ne.jp> |
> 高々度戦闘機としては今後の伸びに期待し、一撃離脱に徹すれば悪くない機体になるのではないか?と思います。 雷電が海軍から否定された理由は、まさにそこ「紫電改は甲戦の援護を必要としない乙戦だが、雷電は必要とする」というところにあり、それでも生産が続行された理由は「紫電改よりも高空向けの機体である」というところにありました。 真に一撃離脱に徹するならば400ノット欲しい、というのが海軍の意向でした。 重量の問題は、雷電に装備するために延長軸化したハ104を考え、その重量として考えてみる必要があるのではないかと思います。 さらに述べると、A18の海軍型MK6Aはそもそもハ104M仕様なのであり、水メタ付なのです。海軍は水メタなしのハ104をそもそも念頭においていなかったのです。 そういう歴史があってもよい、というお考えについてはなるほどと思いますが、そのために積み重ねなければならないifはかなりたくさんに上りそうです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
> > 高々度戦闘機としては今後の伸びに期待し、一撃離脱に徹すれば悪くない機体になるのではないか?と思います。 > > 雷電が海軍から否定された理由は、まさにそこ「紫電改は甲戦の援護を必要としない乙戦だが、雷電は必要とする」というところにあり、それでも生産が続行された理由は「紫電改よりも高空向けの機体である」というところにありました。 > 真に一撃離脱に徹するならば400ノット欲しい、というのが海軍の意向でした。 > > 重量の問題は、雷電に装備するために延長軸化したハ104を考え、その重量として考えてみる必要があるのではないかと思います。 > さらに述べると、A18の海軍型MK6Aはそもそもハ104M仕様なのであり、水メタ付なのです。海軍は水メタなしのハ104をそもそも念頭においていなかったのです。 > > そういう歴史があってもよい、というお考えについてはなるほどと思いますが、そのために積み重ねなければならないifはかなりたくさんに上りそうです。 この内容なら、問題無いと判断しますね。 採用は無理だが、高高度のエンジン試験他使えたでしょうから、 もしかして、本当にやっているのでは? <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727)@p3055-ipad405hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp> |
> 採用は無理だが、高高度のエンジン試験他使えたでしょうから、 > もしかして、本当にやっているのでは? ならばそこから以上は仮定の話ではなく、MK6の空中実験はどんな機種でやったのかご自分で歴史的事実をお調べいただくことです。 論には証拠が必要です。 結果に期待しております。 自分としては、15年12月、16年3月に1台ずつ作られただけのMK6が仮に空中運転を行われていたとしても、それは17年2月に1号機が完成し、少なくとも18年11月までは比較的実験結果が追える雷電ではないだろう、という心証です。三菱第二設計課のノートにはそのような改造実験の記載は一切ありません。 私には海軍で雷電出現以前の時点ですでにMK6に見切りをつけていたようにしか見えないのです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
14試局戦の初期検討の時点での話しだと思いますが 碇義朗著『迎撃戦闘機「雷電」』に、14試リ号改搭載時の試算結果が紹介されており これによると、13試へ号改搭載時よりも速度で約20ノット高速、6000mまでの上昇時間が4分50秒とあります。 ただし14試局戦は見積りよりも実際の値は大きく下回っているので、その分は割り引いて考えた方が良いと思います。 13試へ号改と14試リ号改の見積り値の比をベースに、J2M1の実際の値に掛けてあげると、目安にはなるのではないでしょうか。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6; .NET CLR 1.1.4322)@actkyo017133.adsl.ppp.infoweb.ne.jp> |
> 14試局戦の初期検討の時点での話しだと思いますが > 碇義朗著『迎撃戦闘機「雷電」』に、14試リ号改搭載時の試算結果が紹介されており 十四試局戦は15年10月中旬に実大模型制作に着手されています。 この実大模型とは機体計画審査に付随するものであり、実大模型制作着手の段階ですでに計画は概定していたことになります。 十四試リ号の1号発動機完成は15年12月ですから、十四試局戦への装備検討が行われたとしても完全なペーパープランです。 ということは、一応お断りしておきます。 > これによると、13試へ号改搭載時よりも速度で約20ノット高速、6000mまでの上昇時間が4分50秒とあります。 十四試局戦J2M1の実測結果は308〜312ノット(中をとって310ノットで代表されています)、J2M2は322ノットとなっていますが、これは単純に「火星を水メタ付に置き換えることで12ノット増速した」ということではなく、実は視界改善による風防改修分の速度低下を勘案しなければなりません。機体改造前に行われた試算では328ノット出るはずとされていましたから、火星一三型(十三試へ号改)から火星二三型へ更新することで見込める増速は18ノット+α(冷却器拡大による性能向上分)程度だったということのようです。 つまるところ、ハ104M相当の発動機を雷電に積んで得られる速度増加分もほとんど大差ありません。 水メタのないハ104相当の発動機が仮に海軍にあったとしても、これを装備した雷電は、明らかに火星装備型よりも低い性能しか見込めそうにない、ということになるでしょう。 自分でもなんでそんなにハ104を貶めなくてはならないのかと思う部分もありますが、ともあれ、手放しのハ104礼賛には疑問を感じてしまうわけです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
> 十四試リ号の1号発動機完成は15年12月ですから、十四試局戦への装備検討が行われたとしても完全なペーパープランです。 『迎撃戦闘機「雷電」』には具体的な時期は書かれていませんが、13試へ号改搭載機を > 主翼面積19u、η/Cx=28.3、ペラ延長軸などによる抵抗減少は折り込まれていない な状態で、速度315ノット@6100mと速度概算された頃と似たような時期と見なしていました。 その予想が正しければ、この時の速度推算値は速度335ノット付近となりますね。 J2M1は、初期検討の315ノットに対して御指摘の通り310ノット付近に止まります。 同時期の14試リ号改搭載機の試算結果も、同程度の目標未達は起き得るでしょうから、 335×310÷315で、順調に行って330ノット付近かな、と考えた次第です。 また前回は書きませんでしたが、 火星23での振動問題と同類な事が起きる事も、少し頭に過りまして その場合は、薄型高性能ペラ→剛性強化な厚翼ペラへの変更で、15ノット程度の速度低下も起き得ると考えています。 ちなみに速度低下値は、堀越/奥宮著「零戦」付録4に紹介されていた、彩雲の飛行試験結果の値を流用したものです。 以上から、14試リ号改搭載機をもし試作した場合、315〜330ノット辺りになるかな、というのが私の予想です。 実用化の際には、視界改善の処置と、推進式単排気管採用が行われるかもしれません。 その場合、視界改善による速度低下と排気管処理での増速効果が相殺して、上記よりもう2〜3ノット程速くなるかもしれません。 どちらにしろ、ハ104相当ではなくハ104M相当での機体だとしたら、非常に物足りない機体になりますね。 上昇時間についても似たような検討をしたかったのですが、初期検討での13試へ号改搭載機の値が判らなかったので、止めました。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6; .NET CLR 1.1.4322)@actkyo017133.adsl.ppp.infoweb.ne.jp> |
J2M1への要求は325ノットでしたが、16年夏にはどうもこれは満たせそうにないという計算結果が出てきて、発動機をMK4Rに換装したJ2M2に移行することが決まってゆきます。(同時に、川西陸上局戦の概案も作られます) しかしながら325ノットという要求性は昭和15年時点のものであり、17年に決せられたJ2M2への要求は340ノットに変わっています。 これに対し、川西の紫電は354ノットで計画されていきます。 いずれにせよ、17年2月にJ2M1の1号機実機が完成した時点ではすでに、MK6B搭載程度では挽回可能なほど抜本的な改善とはなり得ないところまで来てしまっていたわけです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo038109.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |