Page 292 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼液冷機の冷却器取り付け位置について じゃま 09/3/7(土) 17:52 ┣誰も興味を持たないスレ じゃま 09/3/14(土) 18:12 ┣誰も相手にしないスレ じゃま 09/3/15(日) 17:49 ┃ ┗Re:誰も相手にしないスレ 片 09/3/15(日) 22:22 ┃ ┗やっと相手にしてもらえたスレ じゃま 09/3/16(月) 7:36 ┃ ┗Re:やっと相手にしてもらえたスレ 大塚好古 09/3/16(月) 11:48 ┃ ┗P-40とMC.202とP-51と じゃま 09/3/16(月) 20:13 ┃ ┗そんな単純な話でも無いのです 大塚好古 09/3/20(金) 10:40 ┃ ┣そうでしたか じゃま 09/3/21(土) 18:48 ┃ ┗Re:そんな単純な話でも無いのです はたの 09/3/29(日) 10:17 ┃ ┣Re:そんな単純な話でも無いのです じゃま 09/3/31(火) 19:34 ┃ ┃ ┗ラジエーターのはなし 早房一平 09/3/31(火) 20:59 ┃ ┃ ┗Re:ラジエーターのはなし じゃま 09/4/2(木) 6:53 ┃ ┗Re:そんな単純な話でも無いのです SUDO 09/4/1(水) 4:28 ┃ ┣Re:そんな単純な話でも無いのです はたの 09/4/4(土) 16:03 ┃ ┃ ┗Re:そんな単純な話でも無いのです SUDO 09/4/5(日) 0:31 ┃ ┃ ┣Re:そんな単純な話でも無いのです はたの 09/4/5(日) 19:24 ┃ ┃ ┃ ┗Re:そんな単純な話でも無いのです SUDO 09/4/5(日) 21:43 ┃ ┃ ┃ ┗Re:そんな単純な話でも無いのです じゃま 09/4/5(日) 22:21 ┃ ┃ ┃ ┗Re:そんな単純な話でも無いのです SUDO 09/4/5(日) 23:41 ┃ ┃ ┃ ┗やはり相容れませんね じゃま 09/4/6(月) 6:39 ┃ ┃ ┗細かい話ですが じゃま 09/4/5(日) 22:08 ┃ ┣Re:そんな単純な話でも無いのです じゃま 09/4/5(日) 7:46 ┃ ┃ ┗Re:そんな単純な話でも無いのです SUDO 09/4/5(日) 9:18 ┃ ┃ ┗Re:そんな単純な話でも無いのです じゃま 09/4/5(日) 18:46 ┃ ┃ ┗Re:そんな単純な話でも無いのです SUDO 09/4/5(日) 21:34 ┃ ┃ ┗相容れませんね じゃま 09/4/6(月) 6:20 ┃ ┃ ┣Re:相容れませんね SUDO 09/4/6(月) 8:45 ┃ ┃ ┃ ┣それも違うんですよ じゃま 09/4/6(月) 19:12 ┃ ┃ ┃ ┃ ┣Re:それも違うんですよ はたの 09/4/6(月) 20:10 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:それも違うんですよ SUDO 09/4/7(火) 1:11 ┃ ┃ ┃ ┣付け加えますと じゃま 09/4/6(月) 19:25 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗文献について 早房一平 09/4/6(月) 21:49 ┃ ┃ ┃ ┗いちばん大事なのは じゃま 09/4/6(月) 19:56 ┃ ┃ ┗Re:相容れませんね い 09/4/6(月) 22:58 ┃ ┗いろいろ、誤解が多いと思いますが。 じゃま 09/4/5(日) 21:56 ┃ ┗Re:いろいろ、誤解が多いと思いますが。 早房一平 09/4/5(日) 22:13 ┃ ┗Re:いろいろ、誤解が多いと思いますが。 じゃま 09/4/5(日) 22:25 ┣Re:液冷機の冷却器取り付け位置について KZ 09/4/4(土) 22:25 ┃ ┗Re:液冷機の冷却器取り付け位置について じゃま 09/4/5(日) 10:29 ┃ ┣Re:液冷機の冷却器取り付け位置について wittmann 09/4/24(金) 0:13 ┃ ┃ ┗環状ラジエター ドイツ以外で い 09/4/24(金) 20:56 ┃ ┃ ┗Re:環状ラジエター ドイツ以外で SUDO 09/4/25(土) 1:10 ┃ ┃ ┗Re:環状ラジエター 非合理的配置です い 09/4/26(日) 0:35 ┃ ┃ ┗Re:環状ラジエター 非合理的配置です SUDO 09/4/26(日) 16:59 ┃ ┃ ┗合理的配置に一般則は? い 09/5/1(金) 20:44 ┃ ┃ ┗Re:合理的配置に一般則は? SUDO 09/5/1(金) 22:29 ┃ ┃ ┗Re:合理的配置に一般則は? い 09/5/3(日) 20:01 ┃ ┃ ┗Re:合理的配置に一般則は? SUDO 09/5/3(日) 21:47 ┃ ┗イギリス人がんばる 早房一平 09/4/25(土) 2:35 ┗Re:液冷機の冷却器取り付け位置について ROM 09/4/7(火) 13:22 ┗Re:液冷機の冷却器取り付け位置について い 09/4/9(木) 22:51 ┣Re:液冷機の冷却器取り付け位置について kazz 09/4/9(木) 23:16 ┣Re:液冷機の冷却器取り付け位置について KZ 09/4/9(木) 23:30 ┃ ┗Re:液冷機の冷却器取り付け位置について い 09/4/10(金) 23:05 ┗Re:液冷機の冷却器取り付け位置について ROM 09/4/13(月) 13:45 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 液冷機の冷却器取り付け位置について ■名前 : じゃま ■日付 : 09/3/7(土) 17:52 -------------------------------------------------------------------------
液冷機の場合、エンジン冷却液を冷やすための冷却器が必要ですが、この取り付け位置は、ご存知のように三つのやり方がありました。 1.機首下面(P-40、タイフーン、テンペスト、彗星など) 2.胴体下面(P-51、三式戦、ハリケーン、マッキMC.202、Yak1〜7、LaGG3など) 3.主翼下面(スピットファイア、Bf109) このうち、P-51の成功によって2.が最良とされていますが、3.主翼下面 を選んだスピットファイア、Bf109が、実は大失敗だったのではないか、という提案をしてみます。 主翼まわりには Γ=渡・rotV ds n:主翼上の単位法線ベクトル、V:流速ベクトル ds:主翼断面上の線要素ベクトル、とし、主翼断面に沿った閉曲線で積分をとるとします) なる循環Γが発生しますが、主翼下面に冷却器を設けてしまうと、Vが妨害されて循環Γが小さくなってしまうのではないかと思うのです。 しかも、当然ながら、スピットファイア、Bf109ともにもっとも渦管の多い翼根に冷却器を置かざるをえませんでした。 したがって、みかけ上の翼面荷重から計算されるより、ずっと「重い」、翼面積を無駄にしたような設計ではなかったのではないでしょうか。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
また、誰も興味を持たないスレを立ててしまいました。 その後、Bf109についてわかったことを書きます。 「世界の傑作機 Bf109パート1」にE型とF型の主翼の冷却器取り付け断面図が載っていました。 冷却器は主翼に半埋め込み方式になっています。 これは主翼下の張り出し断面積を小さくするつもりでしょう。 しかし、この構造では、たしかに張り出し断面積は小さくなるのですが、流入する空気が主翼内で拡大してしまいます。 拡大流は圧力損失を伴うものなので、これは、あまり上手い方法ではありません。 メッサーシュミット社でもそれはわかっていたみたいで、F型では冷却器入り口にフラップをもうけて開口面積を可変にするように改められています。 せっかく巧緻な構造にしたのに、それがさらに複雑な構造を要求するという苦しさ… うん、つらいなあ。 というわけで試行錯誤をやっていたらしい、ということがおぼろげながらわかってきました。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
その後に考えてみたことを書いてみます。 Bf109やスピットファイアのように、翼根に冷却器を置いてしまうと、渦管の出発点が冷却器の外側からになってしまいます。 これは翼端での渦度∇×Vの積分値を小さくしてしまいます。 そして翼をみじかく切り詰めたのと同じ効果をもたらします。 たぶん翼端失速を起こしやすくしていたと思うのです。 ところが、このような三次元の翼理論をプラントルが論文で書いたのは実に1918年、第一次大戦の後なのです。 だから1930年代の飛行機メーカーに、この話がどこまで広まっていたか、むずかしいところです。 おそらく、二次元翼で計算していたのではないでしょうか。 ただ、経験的に、翼幅方向に翼の特性が変わることは知っていて、翼端失速が起こると、不利を承知でねじり下げをつけるといったことをやっていたのではないでしょうか。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
そんなはずは・・・・・・と思います。 戦前の日本の機体メーカーの空力研究者の書いたものをみても、プラントルの三次元翼理論はごく当たり前のこととして浸透しているのがわかります。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@nttkyo057058.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp> |
レスありがとうございます。 そうですか、日本の航空機メーカーは新しいものに積極的だったのですね。 それでは、Bf109とスピットファイアが翼根に冷却器を置いた、 何か理由があったのでしょうか。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
YP-39/FL-1開発の際に、NACAは機体抵抗の減少と冷却能力を 両立させた上で、機体の抗堪性を確保するのであれば、 冷却器を翼根に分割装備するのが次善の策、と言っています。 この両機種も似たような理由で採用したのでは無いですかね。 因みにP-51の設計の参考にされたと言われるP-40/XP-46の 設計に関するNACAの報告書に拠れば、P-51方式は冷却器装備法として 最悪の方式、とされています。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727; MEGAUPL...@d5.HkanagawaFL27.vectant.ne.jp> |
レスありがとうございます。 > YP-39/FL-1開発の際に、NACAは機体抵抗の減少と冷却能力を > 両立させた上で、機体の抗堪性を確保するのであれば、 > 冷却器を翼根に分割装備するのが次善の策、と言っています。 > この両機種も似たような理由で採用したのでは無いですかね。 三すくみのあげく、ですか。 ありそうな話ですね。 胴体中央の、おなかのところは、主翼の揚力を受けとめるために、発動機架から縦通するガッチリした部材を置きたいところですね。 機体構造屋さんからすれば、冷却器や冷却液配管を持ちこまれるのはイヤだったでしょう。 > 因みにP-51の設計の参考にされたと言われるP-40/XP-46の > 設計に関するNACAの報告書に拠れば、P-51方式は冷却器装備法として > 最悪の方式、とされています。 機首から発達した速度境界層はドンドン厚くなっていくので、冷却屋さんもP-51方式は嫌うでしょうね。 冷却器の熱伝達率は、空気流速(やかましくいうとレイノルズ数)の0.8乗で増えますから、冷却器は空気流速の早いところ、まさにP-40のようにプロペラ直後に置きたいでしょう。 ただ、空力屋さんは、こういうのを嫌がるでしょう。 主翼はいちばん大事なところなので、余計なものをつけたくないでしょうし、 圧力損失は空気流速の2乗で増えてしまいます。 これは空力屋さんからすると、冷却器は0.8乗で得vs.空気抵抗は2乗で損、で、不利な取り引きと映るでしょうから。 XP-40Qは、冷却器を機首からおなかに移していますが、既にP-51ができていたので試作だけで終わったという話があったように思います。 一方、MC.202は冷却能力の不足を感じたのでしょうか、おなかにあった冷却器を機首に移してみましたが(MC.202D)やはり試作に終わったようです。 P-51は速度境界層を避けるために、冷却器の空気取り入れ口を機体表面からちょっと離していますが、結果的には、これで十分だったのではないでしょうか。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
P-40原型は当初試験時に予想した性能を大きく割り込む問題が発生したため、NACAで性能向上の検討が行われます。この際にNACAは ○腹部への冷却器装備は他の配置より抵抗が大きくなる。 ○腹部装備は発動機と冷却機構間の配管が機首から腹部にまたがるので、 被弾時に重要部分への被弾確率が上昇することを含めて、 戦闘時の抗堪性がより低下する。 という理由によりP-40の冷却器配置を機首に移設すべき、と勧告します。カーチス社はこの勧告に従ってP-40の冷却器を機首に移しますが、その結果機体抵抗が大幅に減少したことが認められ、最終的に予期した性能を発揮することに成功します。 つまりあの配置は抵抗減少という面では腹部配置より優位にある、と見なされて採用されて実績を出した訳です。以後P-40後期型/XP-46/XP-53/XP-60の試作時に腹部配置が検討されることはありますが、最終的に全ての機体が機首配置とされるのは、機体設計面から見れば総じて機首配置の方が優位にある、と見なされたことが大きく影響しています。 なお、XP-40QはXP-40K同様に冷却器を胴体内配置として、空気取り入れ口を最も機体抵抗減少に効果がある翼前面に置いてますから、P-51等の配置と同列に語るのは無理があります。 P-51は抵抗上不利と見なされた腹部配置を敢えて取り、巧妙な設計によってその欠点を逆に優位点に変えたところが偉大だと言えるでしょう。因みに私はその昔アリソン搭載型P-51の実機を見た時、腹部の冷却器部を見て「P-40と同じエンジンを、良くもまあこんな小さな空気取り入れ口で必要充分に冷却した物だ(;´▽`)」と感心した次第です。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727; MEGAUPL...@d59.HkanagawaFL60.vectant.ne.jp> |
> なお、XP-40QはXP-40K同様に冷却器を胴体内配置として、空気取り入れ口を最も機体抵抗減少に効果がある翼前面に置いてますから、P-51等の配置と同列に語るのは無理があります。 ご教示ありがとうございます。 そうでしたか。 いろいろ検討された結果だったのですね。 アメリカでは政府の研究機関のNACAが、民間のカーチス社に技術指導をやっていたわけですね、そのあたりも興味深く読ませていただきました。 わたしは、渡辺洋二さんの「液冷戦闘機 飛燕」を読んで、九五戦、その改良型、キ28、キ60、と冷却器位置をいろいろ変えて、キ61の形に落ち着いた経過を考えていました。 > P-51は抵抗上不利と見なされた腹部配置を敢えて取り、巧妙な設計によってその欠点を逆に優位点に変えたところが偉大だと言えるでしょう。因みに私はその昔アリソン搭載型P-51の実機を見た時、腹部の冷却器部を見て「P-40と同じエンジンを、良くもまあこんな小さな空気取り入れ口で必要充分に冷却した物だ(;´▽`)」と感心した次第です。 P-51の空気取り入れ口は、シャープエッジではなく、ふちに曲率をつけてまるみがついていると聞いたことがありますが、本当でしょうか。 もしそうならbell mouthの一種じゃないかと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
大変興味深く拝読しています。 装備方法中の「位置」以外についてはどんな検討があったものかお教えいただけないでしょうか? ひとつは、可変出し入れ式。He70が軍用機としては大成しなかった原因の一つなのかもしれませんが、直協的でなく、ゆとりをもって整備できる戦略機的な使い方であればさほどの難とも思えません。が、あまり後続例がないようです。ラジエターフラップの開閉ではギミックは簡便だが突起部サイズは変わらず、可動式はその逆という利得になると思うのですが・・・ いまひとつは、機体ラインの中か外か。主観も入ってしまいますし、中間的なものもあるでしょうが、ラジエターを機体の自然なラインの中に内蔵した機種(P−39、モスキート、プファイルもそうかな?)はあまり多くありません。空気の通路を機体内部に抱え込むのは表面積や重量上は不利でしょうが、空気の流れをスムーズにしやすいメリットはあるように思います。 こうした利得についても様々な検討があっただろうと想像するのですが・・・ <Monazilla/1.00 (cockcrow/2.5.5.6)@p93c38f.ngnont01.ap.so-net.ne.jp> |
横合いから失礼します。 > ひとつは、可変出し入れ式。He70が軍用機としては大成しなかった原因の一つなのかもしれませんが He70というのはぜんぜん知らなかったのですが、ネットでみたらスマートでかっこいいですね。 冷却器はとても重いので、可変出し入れ式にすると大容量の油圧ポンプか電動機がいるので、ますます重くなるのかなと思います。 > いまひとつは、機体ラインの中か外か。主観も入ってしまいますし、中間的なものもあるでしょうが、ラジエターを機体の自然なラインの中に内蔵した機種(P−39、モスキート、プファイルもそうかな?)はあまり多くありません。空気の通路を機体内部に抱え込むのは表面積や重量上は不利でしょうが、空気の流れをスムーズにしやすいメリットはあるように思います。 ラジエターを機体内部に入れてしまうと、上手く空気が入ってこなくなるかもしれない、けど空気抵抗は少なくなるかもしれない、という損得勘定があって、みんな試行錯誤していたのではないかと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
とりあえず、土井武夫氏の「飛行機設計50年の回想」酣燈社、の203ページからの10ページをご一読下さい。 かなりの疑問が解決すると思います。 <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.0.8) Gecko/2009032609 Fire...@218.33.211.242.eo.eaccess.ne.jp> |
> とりあえず、土井武夫氏の「飛行機設計50年の回想」酣燈社、の203ページからの10ページをご一読下さい。 > かなりの疑問が解決すると思います。 ありがとうございます。 土井武夫さんがそんな本を書いていたとは知りませんでした。 読まなくてはいけませんね。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
> ひとつは、可変出し入れ式。He70が軍用機としては大成しなかった原因の一つなのかもしれませんが、直協的でなく、ゆとりをもって整備できる戦略機的な使い方であればさほどの難とも思えません。が、あまり後続例がないようです。ラジエターフラップの開閉ではギミックは簡便だが突起部サイズは変わらず、可動式はその逆という利得になると思うのですが・・・ ラジエータと空気抵抗の関係は、単純化すれば、通過空気をなるべく遅くするのが有利なんです。冷却性能は通過空気量にほぼ比例しますから、速度にあわせた開口部面積(空気取り入れ口)であることと、それを上手く減速させてラジエータに導き、排出部を絞って最加速させて排気することが、抵抗の小さいラジエータの配備方法となります。 可変出し入れ式は、ラジエータを突き出すことで、ラジエータに当たる通過空気量を調整できますが、ラジエータに当たる空気の速度は飛行速度ですから、抵抗がでかくなっちゃうんです。少量の空気しか要らないけど、高速は要らないんです。 またラジエータフラップで閉じると、排出空気は速くなります。それは周辺の雰囲気との速度差が小さい(上手くすれば雰囲気より速い)ので抵抗が減ります。加速させるのに抵抗は生じますが、ラジエータからの熱量を上手く利用できれば、その損失も減らせますので、トータルでラジエータの齎す抵抗を弱めることが出来るわけです。まあ、ベースブリード弾みたいなもんですな。ラジエータ後方に回り込もうとする周辺空気を押さえこめれば抵抗は減らせるということです。 つまり出し入れ式よりは、突出したまま+フラップ式のほうが、抵抗はトータルで小さくでき、しかも構造的にも簡単になるわけです。 仮にIFを用いるならば、可変式空気取り入れ口(ジェット戦闘機のような)と、ラジエータフラップを用い、ラジエータへの空気は拡散式、排気を上手く加速させる等を行えれば、理屈的にはかなり良い結果を齎せる可能性はありますが、恐らく固定式空気取り入れ口+ラジエータフラップと実用レベルでの性能差は殆ど無いでしょうし、困難且つ見積もりが難しいのは空気取り入れ口からラジエータまでの流路であるとされてますから、開口部を可変すると、その見積もりはきわめて難しく、つまり失敗しやすい上、基本的に抵抗が問題になるのは高速のときなのですから、最高速近辺での性能を最前提にして調整し、低速時はフラップ開いて抵抗上等と開き直っても、実用上困ることは無いでしょう。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
なるほど・・・ 狭・広・狭がよろしく、実装には内部式にせずとも、露出式で広・狭で十分・・・というのは了解いたしました。 これが「判ってきた」のはいつ頃だったのでしょう? 原理そのものは知られていたはずですが・・・ パワーが足りてからは「抵抗上等と開き直」るのがよくても、やりたいことに比べてパワーが足りない時期には、別の工夫が妥当だった期間があったったのかもしれない気がいたします。 最近は正反対の翼付根コンフォーマルタンク流行ですが、F102/106の時は、エリアルールが有用だったわけですから。 多機種を記載している本ですとラジエター位置は判っても可動式か否かやフラップの有無まではなかなかわからず、かといって私の手持ちの資料は乏しく単機種について詳細な書籍は少ないので、きちんと概観できているのか自信がないのですが、 1930のホーカー・ハート系は鎖骨のあたりで確実に可動式。He70と同コンセプトに見えます。 1923のP1〜1938のP40までカーチスはずっと下顎式。いつからフラップがついたのかな? 1933のCR32は下顎、これはフラップあるのでしょうかね? 同じ1933のB534は鎖骨あたり、フラップの有無はともかく、可動はしなさそうに見えます。 1934年のD510は下顎というより喉あたり、可動式には見えず、フラップの有無は私にはわかりません。1935のBf109もD型までは喉位置ですよね。 「続・飛べヒコーキ」によると、ジークフリート・ギュンターは1931夏に訪米して「空気力学的成果、とくに引込脚についてデータを集めている。(中略)流動する線の美しさは抜群である」「みごとなのはほとんど目だたぬほどのラジエーター(中略)これら空力センスはやがてHe111に繋がるギュンター兄弟のトレードマークであった」。 ハリケーン→タイフーンでラジエター位置を前進させたカムの(カーチスなみの)センスは余り信用しないとしても、He119という無茶(通常式も仕方なく追加されますが)まですることになるふたりですから、He70設計時点では 「露出+フラップでなく上げ下げ式にしたのか」 には何か理由があるようにも思えます。 <Monazilla/1.00 (cockcrow/2.5.5.6)@p93c38f.ngnont01.ap.so-net.ne.jp> |
ダクトを用いた方式に移行するのは、飛行速度が上がったからのようです。 ラジエータに当たる空気が速くなると、急激に冷却性能と抵抗のバランスが悪化していくことから30年代後半から廃れたようです。例えばMS.406は原型機のMS.405では出し入れ式ラジエータですが、406の改良型でダクト式に改めて若干の高速化を果たしたそうで、この405/406の世代辺りから時代遅れになったと言ってよいかと。 またこの拡散してから絞るというのは、当然長いダクトを必要としますから、配置自由度がなくなるわけで、単純に構造体を突き出すなら機首に配置するのが最善なのは当たり前のことです。 だからP-40初期型のデザインに問題はありません。あれはあれで非常に良い配置なのです。問題だったのは、空気取り入れ口の容量が不足したことで(恐らくダクト内の喪失が大きかったんでしょう)結果的に無様に突き出す羽目になってしまい、全体の空力デザインを悪化させてしまったわけです。 またタイフーンはダクトで拡散させずに素直に吸い込み、出口側を絞って加速させると言うデザインです。外側ではなく中のダクトを見てください。あれは非常に上手くできてます。出口が絞られてれば結局大した速度で入って来れないし、上手く絞って吐き出せば抵抗は大幅に削減できるのですから、短いダクトを加速側に上手く使いきった成功例といえるでしょう。 つまりP-40やタイフーンは、それなりに上手く狙った設計であり、ちゃんと理屈的な背景に則ったものだったのです。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
>この405/406の世代辺りから時代遅れになったと言ってよいかと。 具体例をありがとうございます。300km/h越えあたりで単純露出から可動式に、500km/h狙うあたりでダクト式に、650km/hあたりで長いダクトが有利になり・・・といった感じでしょうか。 時代・用途・優先順位が異なる「単発水/液冷機」の実例が多ければ切り分けも可能なのでしょうが、絡まってますよねえ・・・ P−40初期型は理解できますし、タイフーンの割り切りもわかります。しかし、どのぐらい「考えた上で」だったのかなぁと。1938/1940年なのですし、結果的に、大口あける羽目になったあげくに発展形では別形式になるわけですから。下顎は増積しづらいことはわかっていたはずですし、D−12以来の水冷の名門と、ハートにネイピア積んだ経験があるからには、両社とも、冷却能力が足りなくなることは予見できていてしかるべきとも思えます。なのになんというか、面倒くさかったのか手慣れの構造がよかったのか時間がなくてとりあえずだったのか・・・ 諸事情からまあしゃあなかった、のなら理解できますが、 >それなりに上手く狙った設計であり、ちゃんと理屈的な背景に則ったものだったのです。 というのはいかがかと。狙いはわかるが上手いか? 狙いが低すぎないか? という気がしてなりません。 え〜、実はこの2機種特にタイフーンは個人的にダイスキだったりして、雑念も含まれておりますが。 流路設計のいやらしさ、難しさについては全く同意いたします。簡単なオリフィス/ベンチュリでさえ、手作りしてみると圧調整の難しいことといったら。 <Monazilla/1.00 (cockcrow/2.5.5.6)@p93c38f.ngnont01.ap.so-net.ne.jp> |
これらに関する理屈は1936〜1939あたりに一通り各国から発表されており、日本で追試が行われるのは1939〜41年ぐらいのようです。 同じ理屈の上に立っていたはずのキ60とキ61で性能差が出たように、狙い通りに抵抗を抑え込むのは難しかったようですが。またラジエータ容積は普通は全然余裕があります。P-40のように容積を拡大しなくてはいけないのは、エンジンの熱問題以上に、ダクトが上手く働いてなかったというところに原因を求めるべきかもしれません。何しろP-40初期と末期で馬力なんて大して変わってないんですからw <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
> これらに関する理屈は1936〜1939あたりに一通り各国から発表されており、日本で追試が行われるのは1939〜41年ぐらいのようです。 そんな話はあまり聞いたことがないのですが。 「各国」ってどこの国ですか。 > 同じ理屈の上に立っていたはずのキ60とキ61で性能差が出たように、狙い通りに抵抗を抑え込むのは難しかったようですが。またラジエータ容積は普通は全然余裕があります。P-40のように容積を拡大しなくてはいけないのは、エンジンの熱問題以上に、ダクトが上手く働いてなかったというところに原因を求めるべきかもしれません。何しろP-40初期と末期で馬力なんて大して変わってないんですからw キ60とキ61の理屈は違うと思います。 もし同じなら、冷却器位置を変えるわけがないです。 「ラジエータ容積」とは具体的に何のことを指しているのでしょうか。 どのような物理量でしょう。 余裕があるというのは、何の余裕でしょう。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
> そんな話はあまり聞いたことがないのですが。 > 「各国」ってどこの国ですか。 米仏独の航空関係の発表が概ねこの時期になってます。 > キ60とキ61の理屈は違うと思います。 > もし同じなら、冷却器位置を変えるわけがないです。 位置の問題ではなく、冷却器の構造の問題です。キ61が良い成績を収めたので、胴体後半配置が良好であると後には思われるようになりましたが、少なくとも1941年の日本では、ダクトの拡散と絞りによる損失を前提に計算されていました。 > 「ラジエータ容積」とは具体的に何のことを指しているのでしょうか。 > どのような物理量でしょう。 > 余裕があるというのは、何の余裕でしょう。 ラジエータの放熱容量です。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
> > そんな話はあまり聞いたことがないのですが。 > > 「各国」ってどこの国ですか。 > > 米仏独の航空関係の発表が概ねこの時期になってます。 具体的に、発表元はどういった機関ですか。 もし同じ見解が出ていたなら、冷却器はみな同じようになっていたはずですから、それも変だと思います。 > > キ60とキ61の理屈は違うと思います。 > > もし同じなら、冷却器位置を変えるわけがないです。 > > 位置の問題ではなく、冷却器の構造の問題です。キ61が良い成績を収めたので、胴体後半配置が良好であると後には思われるようになりましたが、少なくとも1941年の日本では、ダクトの拡散と絞りによる損失を前提に計算されていました。 位置の問題を無視するわけにはいきませんよ。 それに冷却器の構造は変わっていないと思いますが。 それに結果的に位置は変えたわけでしょう。 だから計算が誤っていたということになりますよ。 > > 「ラジエータ容積」とは具体的に何のことを指しているのでしょうか。 > > どのような物理量でしょう。 > > 余裕があるというのは、何の余裕でしょう。 > > ラジエータの放熱容量です。 どのような単位で表される放熱容量でしょうか。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
> またこの拡散してから絞るというのは、当然長いダクトを必要としますから、配置自由度がなくなるわけで、単純に構造体を突き出すなら機首に配置するのが最善なのは当たり前のことです。 「拡散」diffusionという用語は理工学では違う意味です。 おそらく「拡大」diffusionのことを言いたいのだと思いますが。 > だからP-40初期型のデザインに問題はありません。あれはあれで非常に良い配置なのです。問題だったのは、空気取り入れ口の容量が不足したことで(恐らくダクト内の喪失が大きかったんでしょう)結果的に無様に突き出す羽目になってしまい、全体の空力デザインを悪化させてしまったわけです。 「空気取り入れ口」は、周縁長さで一次元、面積として二次元の次元しかとれません。 「容量」なら三次元の話です。 混乱されていないでしょうか。 不足していたのは何だったのでしょうね。 > またタイフーンはダクトで拡散させずに素直に吸い込み、出口側を絞って加速させると言うデザインです。外側ではなく中のダクトを見てください。あれは非常に上手くできてます。出口が絞られてれば結局大した速度で入って来れないし、上手く絞って吐き出せば抵抗は大幅に削減できるのですから、短いダクトを加速側に上手く使いきった成功例といえるでしょう。 「出口が絞られてれば結局大した速度で入って来れないし」ということはないはずです。 収縮流れの圧力損失は非常に小さいはずだからです。 「上手く絞って吐き出せば抵抗は大幅に削減できるのですから」 いえ、そんなことはできないと思いますが。 > つまりP-40やタイフーンは、それなりに上手く狙った設計であり、ちゃんと理屈的な背景に則ったものだったのです。 いえ、それも違うと思います。 もしそうなら、P-40・タイフーン方式で収斂していたはずですから。 いろいろな形式が混在していたのは、それぞれ利得があったからだと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
> ラジエータと空気抵抗の関係は、単純化すれば、通過空気をなるべく遅くするのが有利なんです。冷却性能は通過空気量にほぼ比例しますから、速度にあわせた開口部面積(空気取り入れ口)であることと、それを上手く減速させてラジエータに導き、排出部を絞って最加速させて排気することが、抵抗の小さいラジエータの配備方法となります。 そうとも言えないのではないでしょうか。 「それを上手く減速させ」るのは不可能ですよ。 必ず圧力損失を生じます。 また、排出部を絞ったら、そのまま無限遠まで流せれば理想的ですが、実際には外部へ出たところで必ず外部の流れと合流し、圧力損失を生むことになります。 P-40は入り口でも出口でもまずいことをやっているわけで。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
> そうとも言えないのではないでしょうか。 > 「それを上手く減速させ」るのは不可能ですよ。 > 必ず圧力損失を生じます。 その損失が、ストレートにラジエータに気流をあてて生じるものよりも少なければいいのです。 > また、排出部を絞ったら、そのまま無限遠まで流せれば理想的ですが、実際には外部へ出たところで必ず外部の流れと合流し、圧力損失を生むことになります。 そうですよ。だから、その損失を如何に少なくするかの工夫を語ってるのです。 そのまま排出すると大きな速度差で出すから損失が大きい。ならば加速させたら損失は少なくなりますよね? そのダクト損失が、素直に排出するよりも少なく済むなら成功。それだけのことです。 抵抗の絶対値の有無ではなく、普通にラジエータを突き出して設置した場合に生じる抵抗よりも、トータルで少なくなれば成功なのだということを念頭に置いて考えてください。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
> その損失が、ストレートにラジエータに気流をあてて生じるものよりも少なければいいのです。 いいえ、それほど単純な話ではないと思いますよ。 損失が少ないということは、逆にラジエターが大きくなるわけですので。 トレード・オフの関係ですね。 > そのまま排出すると大きな速度差で出すから損失が大きい。ならば加速させたら損失は少なくなりますよね? そのダクト損失が、素直に排出するよりも少なく済むなら成功。それだけのことです。 いえいえ、そうではありません。 速度差が問題ではないのです。 ラジエター内部で全圧が小さくなっている以上、後ろ側のダクトで絞るのと、絞らないとでは差は出ないはずです。 もし、ダクトで絞らなければ、流速が下がって、そのぶん静圧は上昇して、結局同じことになります。 あれは気休めでしかない。 だから、Ju-87のように単にラジエターをぶら下げただけ、という解も、工学的にはありえるのだと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
> 損失が少ないということは、逆にラジエターが大きくなるわけですので。 > トレード・オフの関係ですね。 必要な冷却量は空気の量です。速度が高ければ、それだけ入り口は小さくてもよいのです。ラジエータは大きくても入り口(突出)は小さいのです。P-40とか彗星でも、中は広いんですよ。 だから「拡散」なんです。 > ラジエター内部で全圧が小さくなっている以上、後ろ側のダクトで絞るのと、絞らないとでは差は出ないはずです。 ラジエータの突出量が違うので、そのままでは比較になりません。狭い場所に出せば、当然周囲から受ける圧も小さいんです。 また気休めだろうと、それで僅かでも速度が上がるなら、それでよいのです。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
> 必要な冷却量は空気の量です。速度が高ければ、それだけ入り口は小さくてもよいのです。ラジエータは大きくても入り口(突出)は小さいのです。P-40とか彗星でも、中は広いんですよ。 それが間違いなので、入り口を狭くして中を広げれば、拡大流が起きて圧力損失が大きくなります。 > だから「拡散」なんです。 「拡散」という言い方は間違いですね。 「拡散」というのは何かの物理量が勾配によって輸送される現象のことです。 この場合は「拡大」と言うべきです。 > > ラジエター内部で全圧が小さくなっている以上、後ろ側のダクトで絞るのと、絞らないとでは差は出ないはずです。 > ラジエータの突出量が違うので、そのままでは比較になりません。狭い場所に出せば、当然周囲から受ける圧も小さいんです。 そんなことはありませんよ。 「狭い場所に出す」というのが曖昧なのですが、それだけ流速が高いのでしょう? であれば排出ガスの形成する等圧力線は後方に長く伸びて、interactionに関与する面積は変わらないはずです。 > また気休めだろうと、それで僅かでも速度が上がるなら、それでよいのです。 速度が上がるとは思えませんね。 どうせ速度が僅かしか上がらないなら、無意味ですよ。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
何か物凄い誤解がありますね。 入り口を狭くして、中を広くするのは、その圧力と速度を落とすためでもあるんです。 冷却器はあまり高速で気流を当てられても抵抗が無体に増えるのです。 つまりダクトで拡散することによる損失が、冷却器に高速でぶち当てること&無駄にでかい突出部を設けることによる損失より少なければ勝利なのです。 また排気側も同様でして、絞ることで加速させることで、冷却器全体の抵抗係数を、単純に突き出したものに対して3〜10倍もの改善を果たすことが、海軍航空技術廠研究実験報告に記されておりますし、その理論的背景や計算式は航空研究所の西脇先生の報告にもありますし、ドイツの航空界の論文でも同様です(というかドイツの論文を追試したのが日本の研究だというべきでしょうが) じゃまさんが独自の理論でそれは違うはずだと主張なさるのは構いませんが、当時の理論と理屈と実験では、こういうことだとされていたのです。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
> 何か物凄い誤解がありますね。 > 入り口を狭くして、中を広くするのは、その圧力と速度を落とすためでもあるんです。 どうやら、「圧力」を理解されていないようですね。 単純に圧力が落ちては困ります。 「入り口を狭くして、中を広くする」目的は、正確にいうと、動圧を静圧に変換するためです。 わかりやすくいいますと、空気の運動エネルギーを静圧に換えているのです。 全圧自体の大きさは確実に減少します。(それを承知でやっているのですが) ちょいと意地悪して黙ってみてみましたが、やはり理解されておられませんね。 > 冷却器はあまり高速で気流を当てられても抵抗が無体に増えるのです。 > つまりダクトで拡散することによる損失が、冷却器に高速でぶち当てること&無駄にでかい突出部を設けることによる損失より少なければ勝利なのです。 そう、だから圧力損失の2乗vs.熱伝達率の0.8乗のトレード・オフなのです。 やっとご理解いただけましたか。 それから、「ダクトで拡散」という表現は間違いです。 流体力学では「拡大」ないし「広がり」というのが正しい。 > また排気側も同様でして、絞ることで加速させることで、冷却器全体の抵抗係数を、単純に突き出したものに対して3〜10倍もの改善を果たすことが、海軍航空技術廠研究実験報告に記されておりますし、その理論的背景や計算式は航空研究所の西脇先生の報告にもありますし、ドイツの航空界の論文でも同様です(というかドイツの論文を追試したのが日本の研究だというべきでしょうが) 抵抗係数の定義を確かめたほうがよろしいかと。 「3〜10倍もの改善を果たす」とはどういう意味でしょう。 1/3から1/10に減少させられたというならわかりますけれど。 そして、改善(空気抵抗の減少)を果たしたのは冷却器単体ではなく、それを含む筐体のことですよ。 それを理解されたら、「その理論的背景や計算式」を読んでいけばよいでしょう。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
>ちょいと意地悪して黙ってみてみましたが 意見交換を通じて認識を深めたいのか、それとも、ご自身を認めて欲しい、誇示したい、どちらなのでしょうか? 「誰も興味を持たない」 「誰も相手にない」 「やっと相手にしてもらえた」というおっしゃりよう「にも関わらず」相手になってくださったかたに対して >ちょいと意地悪して黙ってみてみましたが というのはいかがなものでしょう? ラジエーター周りの「静圧と動圧」や「圧力損失の2乗vs.熱伝達率の0.8乗のトレード・オフ」などについてのじゃまさんのお考えがあればせび拝見したく思います。しかしそれは、じゃまさんの自意識を持ち上げる手段とは切り離して、論は論として伺いたく。 流速が落ちるからには圧は上がる、のを、圧も下がる、とされた誤記ひとつに、しかも「意地悪して黙ってみて」いた揚げ句に噛みついて得意げになられても周囲としても困るのです。もっと突っ込んで意見交換したかったこともあるのですが、それもできなくなってしまうかもしれません。 萩尾望都「マリーン」(ゴールデンライラック所収)に「それは一番いけない愛しかただ」とあるのを連想してしまいます。 <Monazilla/1.00 (cockcrow/2.5.5.6)@p93c38f.ngnont01.ap.so-net.ne.jp> |
> そして、改善(空気抵抗の減少)を果たしたのは冷却器単体ではなく、それを含む筐体のことですよ。 もちろん最初からそのつもりで述べております。 恐らくじゃまさんは「冷却器」の性能を固定して考えられてるのです。 即ち速度と熱の関係は固定されていないのです。それは冷却器単体の設計やデザインでかなり可変するのです(勿論ダクトの損失もですが) <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
空技廠やNACAの報告は、どういうものか、普通の学会の論文と違って専門の委員による査読を経ていないので、読むときには、かなり注意が必要です。 ときどき、素人同然の誤解が平気で書いてあったりするので。 またReferenceの先も結構いい加減なので、気をつけなければいけません。 (これは現在の論文も同じで、しばしば困らせられます。) <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
じゃまさんがお読みになった、「空技廠やNACAの報告」と「査読済みの学会の論文」を教えてください。 私も読んで見たいと思いますので、よろしくお願い致します。 <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.0.8) Gecko/2009032609 Fire...@218.33.212.74.eo.eaccess.ne.jp> |
論文を読むのなら、その背景と理論をきちんと押さえておかなければなりません。 まず、紙と鉛筆を用意して、式が書いてあったら、その導出をやってみること。 ときどき、間違っていることや、省略していることが見つかります。 その上で、結論が信じるに足ると思えたのなら、オモテに出すべきです。 「冷却器の背後で絞りをつけると抵抗が小さくなる」という結論だけ持ってきてもはじまりません。 自分で理解していないと、他人に説明できませんから。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
> 「拡散」という言い方は間違いですね。 > > 「拡散」というのは何かの物理量が勾配によって輸送される現象のことです。 > この場合は「拡大」と言うべきです。 英語では"diffion duct"、 断面積が下流に向かって拡大していくダクトに対しては普通に使われる用語です。 (因みにターボ機械では面積が拡大する流路を"diffuser"と呼びますが、日本語で「ディフューザー」とカタカナ表記で呼んでいます。) 航空機の世界では、"diffion duct"に対する日本語表記がどうなっているのかは存じませんが、土井武男先生も「拡散型冷却器」という表現をなさっています。(飛行機設計50年の回想 207ページ) KI-61の断面図をみると、冷却器前面の流路の拡大率が少し大きすぎる一方で冷却器下流の流路長さが冗長なように思えます。減速流路(上流側)は加速流路(下流側)に比べより境界層が剥離しやすいので、ちょいと気になります。この点、P-51の冷却器は上流側の流路を比較的長く面積拡大率を穏やかにとっており流路抵抗と冷却面の有効利用(空気圧力分布を均等にする)の点で合理的に見えます。 <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; ja; rv:1.9.0.8) Gecko/2009032609 Fire...@eAc1Ach208.osk.mesh.ad.jp> |
> ラジエータと空気抵抗の関係は、単純化すれば、通過空気をなるべく遅くするのが有利なんです。 いえ、通過空気を遅くすればラジエターがどんどん大きくなってしまいますので、そんなことはないと思います。 >冷却性能は通過空気量にほぼ比例しますから、速度にあわせた開口部面積(空気取り入れ口)であることと、それを上手く減速させてラジエータに導き、排出部を絞って最加速させて排気することが、抵抗の小さいラジエータの配備方法となります。 排出部を絞っても無意味だと思います。 そもそも全圧が低下しているのですから。 > 可変出し入れ式は、ラジエータを突き出すことで、ラジエータに当たる通過空気量を調整できますが、ラジエータに当たる空気の速度は飛行速度ですから、抵抗がでかくなっちゃうんです。少量の空気しか要らないけど、高速は要らないんです。 いえ、ラジエターにあたる空気は高速であるほど有利だと思います。 正確に言えば、mass flaxですね。 > またラジエータフラップで閉じると、排出空気は速くなります。それは周辺の雰囲気との速度差が小さい(上手くすれば雰囲気より速い)ので抵抗が減ります。 そんなことはないとおもいます。 排出空気は速くなりますが、静圧が低下するので、周辺の空気を巻き込んで損失を生じるのは同じです。 > 加速させるのに抵抗は生じますが、ラジエータからの熱量を上手く利用できれば、その損失も減らせますので、トータルでラジエータの齎す抵抗を弱めることが出来るわけです。 ラジエターからの放熱量で損失を減らせるとは思えません。 密度変化のことを言っているなら、むしろ話は逆で、加速損失を生じるはずです。 まあ、ベースブリード弾みたいなもんですな。ラジエータ後方に回り込もうとする周辺空気を押さえこめれば抵抗は減らせるということです。 ラジエター後方に回り込もうとする周辺空気を押さえ込むのは不可能だと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
前に読むことを薦めた、土井武夫氏の「飛行機設計50年の回想」、読みましたか? <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.0.8) Gecko/2009032609 Fire...@218.33.138.131.eo.eaccess.ne.jp> |
> 前に読むことを薦めた、土井武夫氏の「飛行機設計50年の回想」、読みましたか? 前にご紹介いただいた本ですね。 某ネットストアで取り寄せようとしているところです。 まだ読んでおりません。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
ドイツ式の機首の環状ラジエターや研三やP-38の胴体後部に左右に張り出しとかもありますね。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; WPS; SLCC1; .NET CLR 2.0.50...@161.241.12.61.ap.yournet.ne.jp> |
> ドイツ式の機首の環状ラジエターや研三やP-38の胴体後部に左右に張り出しとかもありますね。 機首の環状ラジエターはユンカース・エンジン搭載機の場合の特異な例ですね。 あれだけコンパクトにまとめられるのは、どういったワザを使っているのでしょうか、よくわかりません。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
> > ドイツ式の機首の環状ラジエターや研三やP-38の胴体後部に左右に張り出しとかもありますね。 > > 機首の環状ラジエターはユンカース・エンジン搭載機の場合の特異な例ですね。 ダイムラーベンツのエンジンでもその形式があります。 具体例Ta152C,Do335,He219A Ta152HでのJumo213Eの例だと冷却不足が指摘されているようです。 大塚様曰く「エンジンが煮える」 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 2.0.50727; .NET CL...@gw.tenmonkan.jp> |
試作機ですが、ドイツ以外での例として、 ホーカーテンペスト V (NV768) 環状ラジエターの次は、ダクテッドスピナーが追加されてなかなか迫力のある姿です。 (写真はこちら) http://www.flightglobal.com/pdfarchive/view/1948/1948%20-%201659.html 環状ラジエターは、胴体の正面面積を有効に使う方法としては合理的な配置ではないでしょうか。 また、ラジエターをリングにすると幅が小さくなりますので、前後方向に小さい空間で拡散ダクトを設計するのによろしいかと思います。 <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; ja; rv:1.9.0.9) Gecko/2009040821 Fire...@eAc1Ach164.osk.mesh.ad.jp> |
いや、非合理的配置です。 機首にラジエータを配置した場合の利点は、冷気取り入れダクトの設計に気を使わないで済む点なんですが、環状ラジエータですと、このダクトに気を使う余地すらなくなります。つまりダクトを設ける奥行きもなくなるんです。 またスピナーに阻まれ、外側は胴体サイズ内に納めようとする関係で、ラジエータの冷却管容積が非常に限られてきます。 そして致命的なのは、排出です。 奥行きが限られるので排気ダクトも適切に設定しづらく、またその排出量を制御するには多数のフラップを、カウルフラップのように機体外側に突き出して、抵抗を作らないといけません。 http://www.albentley-drawings.com/images/FW190D9F.jpg FW190Dですと、このように、小さいラジエータでありながら奥行きも小さく、そして吸排出ダクトも適切とは言いがたいものになってます。 テンペストの場合は、元から少し大きめのセイバーエンジンを、更にエンジン位置をアゴ型ラジエータのときよりも下げて、全体を太くしています。 http://www.albentley-drawings.com/images/Tempest%20GA2.jpg つまり前面投影面積的には、アゴ型と比べても同じぐらいで、正面面積の有効活用としては同レベル。ダクト設定の自由度、ラジエータの奥行き側での冷却容積確保といった点でアゴ型のほうが数段勝り、更には機体外形全体や、排出調整フラップによる抵抗等を考えた場合、環状ラジエータには利点はまずありません。 まあ、長大な延長シャフトでも用いれば、エンジンとプロペラの間の空間容積を大きく確保できますから、例えばP-39なんかだったら(機首武装をある程度諦める必要もあるでしょうけど)環状ラジエータでありながら、上手く機体の負圧になりやすい場所に排出口を作る等で効果的な仕組みを作れたかもしれませんが、ドイツ機のように長大な液冷エンジンの前の空間内だけで済ますのは、あまり有効な手ではないのです。かといってエンジンの後ろまでダクト伸ばしたら、エンジンより機首部が太くなって、何のための液冷機かわからなくなります。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
> いや、非合理的配置です。 環状ラジエターが普遍的に合理的という主張ではありません。 場合によっては合理的配置であるということを申し上げたかっただけです。 前面投影面積を抑えるという点では、V-1710、V-1650 などの正立V型エンジンと環状ラジエターは相性の良いものではないと思います。 これらのエンジンを積んだ機体ではプロペラ軸が胴体の上面に近い位置にありプロペラ軸周りに環状ラジエターを配置すると無用の前面投影面積増大を招きそうです。一方で、プロペラ軸の下側には比較的大きな隙間があるので顎型ラジエターとの相性がよさそうです。 カーチスP-40の初期型では、V-1710のエンジンラインの下の空間にストリームラインを乱すことなく冷却系がコンパクトにまとまっていると思います。 倒立V型エンジンを積んだFW-190ではプロペラシャフトが機体の中心軸に近い所に位置しており、環状ラジエターを配置することによる前面投影面積の増大が比較的小さいと言えるでしょう。ただし、ご指摘のようにFW-190Dのラジエターとダクト構造はあまり美しいとは言えません。内部でラジエターが機軸に垂直にセットされておりラジエターへの流入速度が大きく、圧力損失の増大を招きそうです。Ta-152などの後期のデザインでは、ラジエターは機軸に垂直に配置されており流入速度の減少が図られているようです。出口側のカウルフラップは長方形の板を外に開くヒンジ式です。最高速度付近では全閉状態になると思うのですが、ヒンジの継ぎ目が機体外面に露出しているだけでも抵抗が発生しそうです。 (http://www.airwar.ru/other/draw/ta152pkl.html) テンペストの試作機では、ラジエータは機軸に対して垂直に設置されその内側から外側に斜めに空気が流れるようになっています。出口面積の調整は出口の下流側のリングが前後に動くことにより行われます。環状ラジエターへの改造にあたりエンジンの軸は約3インチ下げられたということです。これに伴いプロペラ径を少し小さくしなければならなかったようですが、機体の外形と環状ラジエターの張り出しの調和をとったのだと思います。冷却系の変更により180lb(約45kg)の重量増大があったが、抵抗の減少により11-14mphの速度増大が得られたとのことです。 テンペストの場合、オリジナルの顎型ラジエターがエンジンの下側に収まりきらず機体のラインからはみ出しているので、環状ラジエターに変更して若干の抵抗減少が可能になっているのだと思います。 (テンペストの冷却機構造、抵抗値については、FLIGHT誌 1946年7/25日号を参考にしました。 http://www.flightglobal.com/pdfarchive/view/1946/1946%20-%201439.html ) ラジエター配置については、エンジンと機体の形状、ラジエターの容量と正面面積により、最適な解が違ってくるのだと思います。 <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; ja; rv:1.9.0.9) Gecko/2009040821 Fire...@eAc1Ach164.osk.mesh.ad.jp> |
環状というか、エンジン外周内に納めるというのが非合理なんです。 テンペストでも結局はエンジンより太くなってるんです。ましてや、前面の狭いVでは成立しないんです。 冷却気は排出しないといけないのです。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
> 環状というか、エンジン外周内に納めるというのが非合理なんです。 > テンペストでも結局はエンジンより太くなってるんです。ましてや、前面の狭いVでは成立しないんです。 エンジン出力増大にともない、ラジエターの放熱量も増大すると前面投影面積 の増大はどの形式の配置でも発生する問題ではないでしょうか。 機首環状に限らず、翼下、胴体下にラジエターを置いた場合は本来の胴体断面より冷却系がはみ出すことになります。 機首顎側にラジエターを置いた場合でも、タイフーン、テンペスト、P-40のD 型以降などではラジエターの収納部が胴体断面より突き出して前面面積の増大 要素になっています。 翼前縁にラジエター吸気口を設ける場合(P-39,P-63,テンペスト1など)は前面面積は増大しませんが、翼内にダクトを通すことにより揚力係数が若干低下するので、迎角、翼面積を増すなどの冷却系以外の抵抗増大要素は避けることができません。 *テンペストのラジエター配置について補足です。 Flight誌 1945年7月25日号 91ページより テンペストの風洞試験結果 R.A.E風洞試験(冷却器はコールド条件) 毎秒100ftでの冷却系抵抗をポンド表示 環状 6.3 顎型 11.7 主翼前縁 11.0 空冷星型 11.5 もともと胴体まわりがグラマーなテンペストについては、顎型にかえて環状配 置を選択するという合理性は成立していると思います。 ラジエターの抵抗とは関係ありませんが、顎型配置を主翼前縁配置としたMk1 ではMk2,Mk5よりも小さ垂直尾翼としています。空力中心より前方の側面積が小 さくなったので垂直尾翼の負担が減ったのだと思います。これも、ラジエター 配置変更による重量、抵抗減少にカウントしてよいでしょう。 「ラジエター配置はXXがベスト」という一般則はないように思います。 エンジン、機体の形状と必要なラジエター容量とミッションによって設計者の 方々が頭を使っているのでしょう。 このスレッドでは、「最高速度での抵抗最少」という観点からの議論が中心になっているようにも思えますが、実用機は「エンジン全開で上昇」、「巡航」、果ては「バリエーションXX種類を計画」などの条件もあるので、様々な面での妥協の結果がデザインに現れるのだと思います。 *XP-40の抵抗減少に関するNACAの勧告について NACAではXP-40 の抵抗を減少させようということで風洞試験を行っているので すが、(NACA Document ID: 19730065475 )、ラジエターダクトの 入口、出口面積の変更とラジエターラの位置をより機体側に押し込むように勧告 しています。勧告ではこのラジエター位置の移動のため、エンジン回りの配管 を移動させるように提案しています。 エンジンの出力増大に伴い、必要な放熱量が増大していけばエンジン下の空間に冷却系が収まらないようになると思います。(P-40の後期型の勇ましいプロポーションはそのせいでしょうか?) 「顎型配置が最適」というよりも、 「XP-40の動力冷却系でエンジン下に冷却系をコンパクトに収めることができ た」 というが実態ではないでしょうか。 *ラジエター配置に関する比較検討(同じ機体、エンジンで比較すると) (1)XP-46 NASAのレポート(NASA TN D-8026)にNACA時代のプロペラ機の抵抗減少に関 する風洞試験をまとめたレビューがあります。そのレポートの中で,XP-46について顎型配置と、主翼後ろの胴体下側にラジエータを置いた場合の抵抗の比較が紹介されています。ラジエターによる抵抗は後者の方が9%少ないとなっています。顎型 案と胴体後部案では、ラジエターの大きさと通過流速が違っており、顎型は小 さいラジエターに通過流速を大きく、胴体後部では大きなラジエターで流速を 大きく設定しています。ダクト長、吸気側、ラジエター、排気孔の断面積比な ど両者には大きな違いがありますが、結果として、機体全体の抵抗でみると1%以下の差にしかすぎません。 (2)仮想的な戦闘機 NACAでは、仮想的な単発液冷エンジンの戦闘機に対して、機首顎型、主翼内部、 胴体後部下面の3種類の位置についてラジエターの配置と抵抗、性能などを風 洞試験で検討した結果を報告しています。これをみると各形式のラジエータと ダクトの流れについて各部の断面積、流速設定などにかなり考え方の違いがあ るようです。ダクトの内部抵抗、機体の外部抵抗に分けて結果が分析されているので内訳をみると、 *顎型配置については、ラジエターとダクトの抵抗は大きいが、 ダクト容積を小さくして機首の胴体ラインに埋め込み外部抵抗の減少を図る。 *胴体後部下面配置については、大きなラジエターと長いダクトで 内部抵抗は小さいが、胴体からつきだすので外部抵抗は大きい。 同じ抵抗を実現するにしても両者の設計ロジックが異なっています。 主翼内部配置については、揚力係数の減少、迎角変化に対するマージン設定な ど更に複雑な要素があり面白いです。 機首顎型配置のラジエターについて NACA WARTIME REPORT L-115 主翼内部配置のラジエターについて NACA WARTIME REPORT L-407 胴体後部下面配置のラジエターについて NACA WARTIME REPORT L-438 (NACAのレポートはNASAで公開されています。 http://ntrs.nasa.gov/search.jsp ) <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; ja; rv:1.9.0.10) Gecko/2009042316 Fir...@eAc1Ach164.osk.mesh.ad.jp> |
その試験は、冷却性能を同一にしてません。オイルクーラーも入れてませんよね。 あくまでも数値的にはこのぐらいまで行けるんではないかという見積もりであって、実戦運用された実用機と試験機で同一の評価にはなりえません。 そして、最も重要なのは、吸った冷気は吐き出さなくてはいけないということです。 Fw190Dがカウルフラップを設けてるように、冷気をどのようにして排出するかなんです。またアゴ型は別に空力的に問題のある配置ではありません。 液冷機の最大の優位は、冷却系の配置を自由に出来るというところにあり、ペラとエンジンの間の狭い空間に入れる必要は無いし、大戦機のエンジンはそのような配置を前提にデザインされていないのです(例えば九五式戦闘機のBMWならアリですよ。排出部はエンジンの後ろになりますが) フライト誌の未来機のデザイン案のように、P-39類例にしてエンジンとプロペラの間空間を拡大しても、あのように屈曲の大きい損失のあるダクトを必要とし、更にはあれでは冷気は上手く排出できません(あれで可能なら、雷電はカウルフラップなんて追加しなくて良かったんです) 冷気を排出するには、前から押し込むか、後ろから引っ張り出すか、どっちにしても何らかの抵抗を齎すのです。残念ですが環状では、そのどちらもありません。この時点で駄目なんです(だから20年代にエンジン前にラジエータを置く配置が廃れたんです) ラジエータ配置の合理性とは、如何に上手く空気を導き排出するかであり、その排出するためのデバイスをどのように考えるかなのです。残念ですが環状にはその合理性がありません。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
>その試験は、冷却性能を同一にしてません。オイルクーラーも入れてません よね。 Flight誌掲載の表では、星型エンジンを除いて「オイルクーラーはラジエター に含む」となっています。 元の英語は"Oil Cooler incliuded in radiator" です。 雑誌記事の原資料となる試験結果を見ていないので、もしRAEの報告書番号をご存知なら教えていただけませんでしょうか。 NACAのXP-40 ,XP-46の試験では、必要放熱量に合わせて、ラジエターの大 きさから通過流量を設定して比較しています。(ラジエターを大きくする場合は通過流量は小さく設定する。) 風洞試験では、ラジエターは抵抗係数を調整した金網、バッフルプレートなど で置き換えることが多いようです。「XXラジエターと抵抗コンパチブルなプ レート」というのは別に試験をおこなって設計、調整します。NACAのレポー トでは、ラジエターの実物と等価抵抗プレートの圧力損失係数の比較が記載されて います。 > あくまでも数値的にはこのぐらいまで行けるんではないかという見積もりで あって、実戦運用された実用機と試験機で同一の評価にはなりえません。 「実機でどうなの?」というと ラジエター配置を変更した実用型を次々にリリースした例を探さなければなりませんが、何か適当な例をご存じでしょうか。 BF-109ではD型までの顎型からE型以降は翼下配置に変更していますが、エンジ ン,機体各部が大きく変化しています。「翼下配置で速度が向上した。」では なくエンジンを大出力、(Jumo211に比べて)大型化したのに伴い「翼下 にしかラジエターの移動先がなかった」というのが真相かと思います。(機首下はオイルクーラーで占有、胴体下は燃料タンクがありラジエターと拡散ダクトが入らない、翼は単桁、ドライウィングで後半にスペースがある。) ファイアフライは、顎型>主翼前縁内部>顎型という変遷を経ていますが、 戦闘機から哨戒機へのミッションの変更とエンジンの変更がリンクしていま す。「顎型配置の勝ち」とは言えないような,,, テンペストは顎型、翼前縁、環状とあちこち冷却器の配置を動かしていますが試験機レベルにとどまっています。絶対的な速度でいえば、翼前縁に冷却器をおいたMk1が最速のようですが、冷却系以外にエンジン、尾翼面積などの差もあり冷却器の配置が速度にどの程度寄与しているかは定量的な評価が難しいと思います。 各形式の空力面な評価に限っていえば、同一の基本形状の機体に対して風洞試験の結果はそれなりに尊重すべきかと思います。 >そして、最も重要なのは、吸った冷気は吐き出さなくてはいけないということです。 > Fw190Dがカウルフラップを設けてるように、冷気をどのようにして排出する かなんです。 環状配置の押し込み圧力源は、機体正面に向けた開口部の全圧、吐き出しの負圧源は機首側面の静圧で、顎型配置(と星型空冷エンジンのカウリング)と同じです。(前者は後者より必ず小さくなります。) 低速時に両者の差が不足する場合に、カウルフラップを開いてカウルフラップ の背面に負圧を発生させるとともに、出口側の面積を大きくしてダクトの出口 抵抗を小さくして流量を確保していることも、顎型配置と同じです。 最高速度状態で、カウルフラップをカウルフラップを機体のラインと一致させるところまで引き込みカウルフラップ下流側と胴体の間のスリットの隙間で十分な冷却空気の排出ができるように設計するのも星型エンジン、顎型などと同様です。 FW190Dでも最高速度時にはラジエターフラップは"Flush Position"となってい ます。FW190Dのカウルフラップの不細工なところは、フラップを全開にする (これは速度が小さい状態)とフラップより下流にあるエンジン吸気口の効率が下がることでしょう。(フラップと開くと「全開高度が定格より下がる。」と報告されています。) 例に挙げたテンペストでは、外開きのカウルフラップではなく前後スライド式 のシャッターで出口面積の変更のみで流量を調整しています。 (「環状冷却+外開きカウルフラップ+FW190Dは欠陥レイアウト」はセットで 議論しなければいけませんか?) 以上のように、環状配置でも基本構成は他形式(液冷、空冷星型など)と同様 です。冷却器を円環状にすることによりダクトの前後長を圧縮してプロペラ軸 周りに配置しているだけです。機体とエンジンの組み合わせによっては収まり のつかない場合もありますが、それは他形式も同様です。 >フライト誌の未来機のデザイン案のように、P-39類例にしてエンジンとプロペラの間空間を拡大しても、あのように屈曲の大きい損失のあるダクトを必要とし、更にはあれでは冷気は上手く排出できません(あれで可能なら、雷電はカウルフラップなんて追加しなくて良かったんです) 曲がり角に斜めにラジエターを置くというのは、直観的には抵抗が心配になる配置ですが、空気流量を確保する上で問題となる配置ではないようです。 Flight誌のコンセプト案は二重反転プロペラ用のギアボックス周りの空間を有 効に活用したデザインだと思います。(私は、プラモが出ても買いませんが,,,) 屈曲ダクトと斜めラジエータラジエターの組み合わせは、現在でもフォーミュラーカーF1、JAXAの宇宙往還機用予冷式エアブリージングエンジンなどに実施例があります。 この方式については、40年代前半までに、NACA(米)、ARC(英)などで研究されていました。(たとえば、NACA WarTime Report L-408など) NAPIER社での環状ラジエータの試験は、上にあげたテンペストでの試験にに先立ちタイフーンを用いたフライトテストが実施されています。この段階では、吸気側に冷却ファンがあったのですが、出口のスリット幅を大きくとれば重量のかさむファンは不要ということが判明し、次のテンペストでは冷却ファンは廃止されています。(Flight誌 1945年7/25号 91ページ) (Sabreエンジンとタイフーン、環状ラジエターの組み合わせは Flight誌 1945年11/22号 552ページに写真が載っています。) >またアゴ型は別に空力的に問題のある配置ではありません。 わたしもそう思います。 ただ、「普遍的にベストな配置」とは言えない場合もあるというだけです。 Jumo、DB系の倒立V型エンジンの低い出力軸と戦闘機の細い胴体、顎型ラジエターの相性はあまり良いとは思えません。プロペラ軸の下にラジエターダクトをコンパクトにまとめる空間が確保できないので、機体の上下断面が大きくなり前面面積が大きくなってしまいそうです。戦闘機ではありませんが、彗星の顎型冷却系は、胴体下の爆弾倉の正面に拡散ダクトをコンパクトにまとめており美しい合理的な配置 だと思います。 SUDOさまが 「FW190Dの環状配置は非合理」と判断されるのと同様に、 ある機体(テンペスト)の顎型配置をほかの形式に変更したいと(かなり合理 的に)考えた集団(Hawker社と英国空軍省)があり、試作機はそれなりの高速化を果たしたが生産には至らなかった。最終的に顎型の液冷エンジンの高速戦闘機の後継者は空冷星型エンジン型(テンペスト Mk2、SeaFurry)となった。(すべてが冷 却系の配置と最高速度によって決まった訳ではないと思いますが) という例があることを示すのみです。 (「クルトタンクが最初からDB60系の液冷エンジンで制空戦闘機の設計を計画したら何が出てきたか」という問題には非常に興味がありますが、、、) このスレッドお題である。 「ラジエターの最適配置は?」 という設問をひっくり返すようで申し訳ないですが、 「第二次大戦当時の実用戦闘機への適用候補としてメジャーな配置が数種あり、機体とエンジンに合わせて選んでいた。」 ということになるんじゃないでしょうか。 ベストを追及することとは別に、駄っ作機方面で 「これはちょっとまずいのでは?」 というスレッドも面白いと思いますが、 おまけ 冷却空気の排出とBoat-Tail Dragの解消を両立させた例 http://www.airracinghistory.freeola.com/aircraft/Napier-Heston%20Racer.htm (実力実証の機会がなかったのが残念です。) <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; ja; rv:1.9.0.10) Gecko/2009042316 Fir...@eAc1Ach164.osk.mesh.ad.jp> |
風洞試験の流量がアテにならないのは、実機の多くで明らかで、NACAの追試を行った航研の西脇先生の計算や空技廠の実験でも、合流部抵抗や気流剥離等による誤差の存在を指摘されてます(もちろん潜在的敵国に流れるような公表試験が肝心のところをぼかすのは常ですが) ラジエータとは空冷機のシリンダーと同様のことです。 つまり吸気と排気にいかに上手く圧力差を作るかが鍵であり、出口側に大きな負圧を作るのがカウルフラップであり、入り口側というか押し出す側に大きな圧力を作るのが、ダクトの前後開口面積比であったり強制ファンであったりペラ後流であるわけです。 つまり、入り口側だけではなく、出口側も見ないといけないのです。 出口側が元々負圧領域な場所であれば、入り口が小さくても流量は確保できます。 テンペスト試験機でスリットで間に合うのならば、そのスリットは負圧を作ってるということで、なんのこたあないカウルフラップ開いてるのと同じだってことです。もっというならタウネンドリングと同様のことになってるということで、ぶっちゃけ退化です。これを合理とはいえないでしょう(タウネンドリングが、登場時には非常に合理的なものであったということは肯定しますが) 何処に置こうが、エンジン出力が同じならば、冷却流量は同じになるわけで、それをいかにして少ない抵抗で流すか、それが冷却器配置です。 抵抗を小さくするのに有用な技術であるダクトの設定難易度を高め、排出に役立つ負圧を敢えて自ら作り、更には排出気の乱流に機体を覆わせるという点で、どこにも優れた点は無いのです。液冷は冷却器の接地自由度が大きいという利点があるのに、その優位な点を全く使わないわけですから、勿体無いだけです(Fw190のように、元々空冷機でデザイン的に選択肢が限られるというのならば妥協の一例として理解できますが) それでも敢えて環状の可能性を追求するというのなら、テンペスト試験機のようなデザインになるということは大いに理解しますが、立脚点が合理的ではないのですから、それは真っ当なものではないのです。 <Opera/9.64 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
突き抜けたこの発想に乾杯! http://www.flightglobal.com/pdfarchive/view/1946/1946%20-%201443.html 2ページ前から環状ラジエーターの話が載ってます。 <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.0.9) Gecko/2009040821 Fire...@218.33.211.105.eo.eaccess.ne.jp> |
ROMの私なんぞが言うまでもないかと思っておりましたが、一言。 まず > このうち、P-51の成功によって2.が最良とされていますが、 この前提がおかしくはありませんか。P-51が名機であった事と、ラジエータの可否とは別問題でしょう。せめて「翼下にラジエータを積んだところ性能が極度に悪化した」というのでもなければ。 また同じ理由でスピットのLFなんぞはラジエータの位置を変えれば恐るべき名機になるわけですか。既に名機なのに。Ta-152なんてどうなっちゃうんでしょう(ま、あれの性能は割り引く必要があるでしょうがそれでも)。そしてP-51と同じ配置でありながらパッとしない三式戦は? また流体力学に関してですが、P-51のラジエータ回りが現実に「内部で断面積が拡大し、しかるのちに絞られて排気される」構造になっている事を、是非とも「査読ずみの正しい論文に基づいて」解説して頂きたく存じます。もしP-51のラジエータの設計が宜しくないのであれば、そもそもP-51の成功を持って取り付け位置が最良とする前提が消滅しますので。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Mac_PowerPC)@dhcp213.um.u-tokyo.ac.jp> |
> また流体力学に関してですが、P-51のラジエータ回りが現実に「内部で断面積が拡大し、しかるのちに絞られて排気される」構造になっている事を、是非とも「査読ずみの正しい論文に基づいて」解説して頂きたく存じます。もしP-51のラジエータの設計が宜しくないのであれば、そもそもP-51の成功を持って取り付け位置が最良とする前提が消滅しますので。 ROMさまへの答えになっていませんが, ネットで入手できる公開文献の紹介をいたします。 液冷エンジンの冷却器の配置に関する、 「査読済みの論文」 http://protonet.org/doc/Liquid_cooling_5_A4.pdf "Review of Liquid-Cooled Aircraft Engine Installation Aerodynamics" 学会誌ではなく講演会原稿(学会誌より少し査読のハードルが低いのが通例)ですが,著者の方がご検討中の形式は、ドイツ風のリング冷却器のようです。 拡散冷却器の試験については、NACAの報告書が以下のサイトから入手できますので、”radiator”などのキーワードで検索すればよろしいかと思います。 http://naca.larc.nasa.gov/search.jsp たとえば、 " Investigation in the 7- by 10-foot wind tunnel of ducts for cooling radiators within an airplane wing ",NACA-TR-743 など 図面に描かれた機器の寸法や配置がどの程度正しいのか、判断がつきかねますが、 P51 のラジエータとダクトの構造が大体わかるものとして、 http://www.airwar.ru/other/draw/p51wita.html ここからは、私の疑問です。 上記のP51の断面図では、 アリソン装備のP51Aの冷却器の方が、P51Dのものより前面面積が大きいの(マーリンのものに比べ高さが大きいが、前後方向に薄い)にびっくりいたしました。 また、P-51のH型になって、冷却空気の排出孔がより後ろ側にうつされているように見えます。胴体後部の絞りの線を変えたかったのか、あるいはダクトの拡大率をゆるやかにするためか、どなたか理由をご存じの方はおられませんでしょうか。 それから、大塚先生がご指摘のP51Aの冷却空気取り入れ口が非常に小さい件について、世界の傑作機No75、16ページ、26ページの写真では取り入れ口の下面が「受け口」に開いています。いずれも地上で停止中の写真なのですが、この部分は飛行中にエアスクープとして開くことができるのでしょうか。最高速度域に合わせて、ぎりぎりまで取り入れ口を低くして、正面面積を絞っていると妄想しています。P51Aの飛行中の写真をみると空気取り入れ口の張り出しが少し大きくなっているように見えるものもあるのですが、はっきりとは確認できません。こちらも、どなたかご存じの方は取り入れ口の構造と動作を教えていただけませんでしょうか。 <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; ja; rv:1.9.0.8) Gecko/2009032609 Fire...@eAc1Ach208.osk.mesh.ad.jp> |
> それから、大塚先生がご指摘のP51Aの冷却空気取り入れ口が非常に小さい件について、世界の傑作機No75、16ページ、26ページの写真では取り入れ口の下面が「受け口」に開いています。いずれも地上で停止中の写真なのですが、この部分は飛行中にエアスクープとして開くことができるのでしょうか。最高速度域に合わせて、ぎりぎりまで取り入れ口を低くして、正面面積を絞っていると妄想しています。P51Aの飛行中の写真をみると空気取り入れ口の張り出しが少し大きくなっているように見えるものもあるのですが、はっきりとは確認できません。こちらも、どなたかご存じの方は取り入れ口の構造と動作を教えていただけませんでしょうか。 このマニュアルでわかりませんかねぇ。潤滑系統と、冷却系統のところ。 http://barella.mat.ehime-u.ac.jp/kumac/P51/ <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@HDOfa-05p6-74.ppp11.odn.ad.jp> |
アリソン装備のP51Aの冷却器は環状のラジエタ-で中央は円筒のオイルクーラーになってますね。 作動方式は知りませんが、後方のカバーも開きますね。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; WPS; SLCC1; .NET CLR 2.0.50...@161.241.12.61.ap.yournet.ne.jp> |
> アリソン装備のP51Aの冷却器は環状のラジエタ-で中央は円筒のオイルクーラーになってますね。 > 作動方式は知りませんが、後方のカバーも開きますね。 Kazzさま、KZさま 情報提供ありがとうございました。 冷却入口の下側リップを開いて運転している写真がありました。 http://www.mustang.gaetanmarie.com/photo%20gallery/us%20mustangs/early/999.jpg http://www.mustangsmustangs.com/p-51/p51variants/XP-51s/XP-51_4.html 世界の傑作機No75を読み返すと空気取り入れ側の可動機構は、A36、P51Aでは廃止となっているようです。 現存のXP51の写真を見ると、入口は固定で胴体下面からほんの少しだけ離してあるようです。境界層バイパスを大きくとっているB型以降との違いが気になります。 http://www.mustangsmustangs.com/p-51/p51variants/XP-51s/XP-51_4.html アリソン装備のA型までは胴体下面の境界層が薄いのか、あまり境界層の排除効果を気にしていなかったのか? 世界の傑作機の解説では、B型の試作機では、A型と同様の冷却機取り入れ口でオーバーヒートが発生したため形状変更(境界層バイパス用のオフセット、取り入れ口高さの両方が大きくなっている)となっています。これは、マーリンエンジンのインタークーラーを冷却器側に配置したためとも読めます。 イギリス側で試作したムスタングXでは、インタークーラー用の空気は機首下面に大きな顎型インテイクを設けて気化器と共用し、エンジン冷却器用の空気取り入れ口はアリソン装備のものと同じになっているように見えます。こちらの方は順調に運転できたのでしょうか。 P51Aの胴体下の小さな空気取り入れ口で、1500馬力クラスの液冷エンジンが冷却できるのか、P51の可変機構は不要だったのか?P51Aにくらべかなり大きなKI-61の胴体下の張り出しは無駄だったのか?疑問に思っております。 <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; ja; rv:1.9.0.8) Gecko/2009032609 Fire...@eAc1Ach208.osk.mesh.ad.jp> |
い 様 御教示、ありがとうございました。 私の素養では流体力学を定量的に理解する事はできそうにないですが、 御紹介のサイトで勉強させて頂きます。 定性的(というかイメージというか・専門家には怒られそうだが)にはSUDO様の説明(および、本サイトの関連リンク)に納得しております。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Mac_PowerPC)@dhcp173.um.u-tokyo.ac.jp> |