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 ▼レイテ沖海戦の「栗田艦隊謎の反転」は正しいか  TAKA 02/1/14(月) 21:13
   ┣本当の姿は・・・  BUN 02/1/14(月) 22:14
   ┃  ┗Re:本当の姿は・・・  TAKA 02/1/17(木) 22:56
   ┃     ┣「反転」は謎でも重要でもない  BUN 02/1/17(木) 23:59
   ┃     ┃  ┗Re:「反転」は謎でも重要でもない  TAKA 02/1/19(土) 17:29
   ┃     ┃     ┗Re:「反転」は謎でも重要でもない  ルージュ 02/1/19(土) 19:13
   ┃     ┃        ┗Re:「反転」は謎でも重要でもない  TAKA 02/1/19(土) 22:05
   ┃     ┃           ┗「死に花を咲かす」  BUN 02/1/20(日) 0:21
   ┃     ┃              ┣Re:「死に花を咲かす」  ルージュ 02/1/20(日) 2:02
   ┃     ┃              ┗Re:「死に花を咲かす」  TAKA 02/1/20(日) 2:02
   ┃     ┃                 ┗「台湾・・」前からあった「囮」と「戦艦突入」  BUN 02/1/20(日) 9:27
   ┃     ┃                    ┗Re:「台湾・・」前からあった「囮」と「戦艦突入」  ルージュ 02/1/20(日) 12:36
   ┃     ┣Re:本当の姿は・・・  tackow 02/1/18(金) 8:37
   ┃     ┣Re:本当の姿は・・・  大塚好古 02/1/18(金) 9:59
   ┃     ┣ちょっとお遊びですが・・・  k-mine 02/1/19(土) 1:59
   ┃     ┃  ┣Re:ちょっとお遊びですが・・・  12式戦爆 02/1/19(土) 16:10
   ┃     ┃  ┗Re:ちょっとお遊びですが・・・  TAKA 02/1/19(土) 16:40
   ┃     ┗連合艦隊の栄光  ささき 02/1/20(日) 3:05
   ┃        ┗Re:連合艦隊の栄光  TAKA 02/1/20(日) 3:33
   ┃           ┗Re:連合艦隊の栄光  ささき 02/1/20(日) 6:54
   ┃              ┗栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  k-mine 02/1/20(日) 21:00
   ┃                 ┣Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  S.H 02/1/20(日) 22:04
   ┃                 ┃  ┣Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  SUDO 02/1/20(日) 23:20
   ┃                 ┃  ┃  ┗Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  S.H 02/1/20(日) 23:49
   ┃                 ┃  ┃     ┗Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  JN6XLM 02/1/22(火) 23:00
   ┃                 ┃  ┗Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  TAKA 02/1/20(日) 23:52
   ┃                 ┃     ┣Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  S.H 02/1/21(月) 0:40
   ┃                 ┃     ┣人物論で判断すると俗論に傾く  BUN 02/1/21(月) 1:46
   ┃                 ┃     ┣ピントはずれ  BUN 02/1/21(月) 4:57
   ┃                 ┃     ┣突っ込んだからって成功したとはかぎらない  k-mine 02/1/21(月) 22:29
   ┃                 ┃     ┃  ┣Re:突入回避がすべてではないのでは?  TAKA 02/1/22(火) 21:23
   ┃                 ┃     ┃  ┃  ┣物を考える手順  BUN 02/1/22(火) 21:54
   ┃                 ┃     ┃  ┃  ┣Re:Re:突入回避がすべてではないのでは?  北見 02/1/22(火) 23:29
   ┃                 ┃     ┃  ┃  ┗なんつーかですね  まなかじ 02/1/23(水) 0:02
   ┃                 ┃     ┃  ┃     ┣時代遅れだって構わないけれど  BUN 02/1/23(水) 7:11
   ┃                 ┃     ┃  ┃     ┣話がずれてしまいますが  んがんぐ 02/1/24(木) 2:23
   ┃                 ┃     ┃  ┃     ┃  ┗Re:話がずれてしまいますが  BUN 02/1/24(木) 6:25
   ┃                 ┃     ┃  ┃     ┗あっ、それには異論ありです  k-mine 02/1/24(木) 23:21
   ┃                 ┃     ┃  ┃        ┣Re:あっ、それには異論ありです  SUDO 02/1/25(金) 2:52
   ┃                 ┃     ┃  ┃        ┗整理整頓  BUN 02/1/25(金) 5:41
   ┃                 ┃     ┃  ┃           ┣追加と感想  BUN 02/1/25(金) 5:51
   ┃                 ┃     ┃  ┃           ┗Re:整理整頓  k-mine 02/1/26(土) 0:56
   ┃                 ┃     ┃  ┃              ┗Re:整理整頓  TAKA 02/1/27(日) 1:06
   ┃                 ┃     ┃  ┗論点を整理します  ささき 02/1/23(水) 9:45
   ┃                 ┃     ┗Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  tackow 02/1/21(月) 23:28
   ┃                 ┣細かいツッコミ失礼  どんべ 02/1/20(日) 23:47
   ┃                 ┗それも結果論だと思います  ささき 02/1/21(月) 5:13
   ┣大和に同居した二つの司令部  weasel 02/1/20(日) 15:26
   ┣レイテに突入して名を残すのはオルデンドルフ少将になる気も・・・。  ルージュ 02/1/21(月) 9:35
   ┃  ┗Re:レイテに突入して名を残すのはオルデンドルフ少将になる気も・・・。  SUDO 02/1/21(月) 18:08
   ┃     ┗冷静に見ると別に不思議でも何でもない行動  ルージュ 02/1/21(月) 19:49
   ┃        ┣Re:冷静に見ると別に不思議でも何でもない行動  山家 02/1/22(火) 21:07
   ┃        ┃  ┗逆に第二艦隊が水雷戦隊の突撃を受ける羽目に??  ルージュ 02/1/22(火) 22:16
   ┃        ┗Re:冷静に見ると別に不思議でも何でもない行動  SUDO 02/1/23(水) 19:50
   ┗私見としての「栗田艦隊謎の反転」とこの一連の議論の結論  TAKA 02/1/27(日) 22:58
      ┣栗田提督の証言  tackow 02/1/28(月) 9:24
      ┗お疲れ様でした  BUN 02/1/28(月) 18:35

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 ■題名 : レイテ沖海戦の「栗田艦隊謎の反転」は正しいか
 ■名前 : TAKA
 ■日付 : 02/1/14(月) 21:13
 -------------------------------------------------------------------------
   あまりにも有名なレイテ沖海戦の「栗田艦隊謎の反転」は正しいのでしょうか。
確かに栗田は豊田長官から「機動部隊を発見したときにはレイテに突撃せず
機動部隊に向かう事も可」という内示を受けていますが、栗田艦隊しか受けていない
未確認の無電だけで反転して何処にもいない機動部隊へ向かったのは、正しかった
のでしょうか、皆様の賛否両論をお聞かせ下さい。

ちなみに私の私見を述べておきます。「私の考えは間違っている」です。理由は、
1.あくまでも公式命令は「レイテに突入せよ」です。自分しか受けていない
 未確認の無電だけで、自分の考えだけで命令変更するなんて独断専行である。
2.目の前に敵艦隊が居るのに反転するなんて、「見敵必殺」の精神に反する。
 臆病であると言われても仕方がない。
3.目の前に居る敵艦隊は自分の艦隊より劣勢であり、ましてや無防備の上陸部隊・
 補給物資・輸送船団が居る状況であり(これは栗田艦隊では完全に把握して
 いなかったが・・)大戦果が上げられる状況で反転するなんて、利敵行為
 で有ると言える。(ちょっと強硬な意見ですが・・)
の3つに有ります。みなさんのご意見を聞かせてください。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 本当の姿は・・・  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/1/14(月) 22:14  -------------------------------------------------------------------------
   何度も繰り返される話題ですが、この問題を考える時の勘所みたいなものがあります。
それは大雑把にまとめるとこんな感じです。

1.当時、現地では状況をどう把握し、どう考えていたか?
2.内地の高級司令部はそれをどう評価していたか?
3.現代の我々にとって自明のことである事実が当時果たして自明であったか?
4.当時信じられた海戦の結果はその後の戦闘にどう影響しているか?

こうした視点に立たない限り、本当のことは見えないでしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:本当の姿は・・・  ■名前 : TAKA  ■日付 : 02/1/17(木) 22:56  -------------------------------------------------------------------------
   >確かに何度も繰り返して話題になる問題ですが、物事の結論はキーパーソンの
栗田中将が、死んだ今結論は難しいでしょう。
只下記の項目について、私の私見を述べておきます。
>
> 1.当時、現地では状況をどう把握し、どう考えていたか?
> 現地司令部は(連合艦隊司令部を含めて)状況を殆ど把握していない
 状況だった事は間違い有りません。それが栗田の誤判断を招いた原因でしょう。
 又栗田は輸送艦撃滅は馬鹿らしい、と考えていて、機動部隊発見の電報に
 飛びついたのでしょう。(作戦開始前に豊田長官から「機動部隊発見時は
 機動部隊撃滅に向かって良し」との言質も取ってますし・・)
 2.内地の高級司令部はそれをどう評価していたか?
> 連合艦隊司令部は戦況を把握していない以上評価の仕様がなかったと思います。
 只「天佑を確信し全軍突撃せよ」という有名な電報を栗田艦隊のシブヤン海での
 反転後打電している事を考えると、栗田に戦意無し、当初作戦を完遂せよ
 と考えていたのは間違えないでしょう。
3.現代の我々にとって自明のことである事実が当時果たして自明であったか?
 自明ではなかったが、ある程度推測は出来たでっしょう。
 たとえば空襲が途絶えた状況から、機動部隊の誘因が成功したとか、
 護衛空母部隊攻撃時に駆逐艦しか出てこなかったら、これは機動部隊に
 あらず、敵と接触しても攻撃してこないなら、近くにいないとかは、
 当時であっても、推察は可能だと思います。思考力に優れた司令官なら
 現在私たちに知っている事のかなりの部分を推察できたはずです。
 (特に戦局の中心にいる栗田艦隊の司令部の立場なら)
> 4.当時信じられた海戦の結果はその後の戦闘にどう影響しているか?
 はっきり言ってもし栗田艦隊がレイテに突入した場合、艦砲射撃用の砲弾が
 殆どで、徹甲弾を西村艦隊に大量に使ったオルデンドルフの第七艦隊を
 大和の46cm砲他戦艦戦力でうち破るのは可能だったでしょう。
 (敵は旧式戦艦、46cm防御を40cm砲や36cm砲でうち破るのは
 かなり困難だと思いますが・・)第七艦隊を撃滅していれば、輸送船団撃滅は
 赤子の手をひねる様な物です。只部隊揚陸を終わらせた輸送艦を沈めても
 意味無いし、レイテの陸上戦力は日本1個師団対米4個師団では勝ち目ないし
 栗田艦隊は、戻ってきた機動部隊に撃滅されておしまいでしょう。
 だからレイテ周辺の局地的な部分を見ても戦略的には殆ど影響無しです。
 (待機場所のブルネイ・リンガ泊地が遠すぎました)作戦開始が3日ぐらい
 早ければ別ですが・・だから突入の意義は「連合艦隊は敵と差し違え
 艦隊決戦で敵を撃滅し連合艦隊の名を栄光の下に不朽ならしめる」という
 浪花節的な意義しかないと思います。(私はこれも又良しと思います)
 だから殆ど影響無しですよ。 
>
> こうした視点に立たない限り、本当のことは見えないでしょう。

是非お考えをお伺いしたいですね!

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 「反転」は謎でも重要でもない  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/1/17(木) 23:59  -------------------------------------------------------------------------
   > 是非お考えをお伺いしたいですね!

身も蓋も無い言い方かもしれませんが、
今まで繰り返されてきた典型的な栗田批判だと思います。

これに対しての典型的な反論はレイテに居た米戦艦部隊の残弾は
十分にあり、日本艦隊を撃滅するのに不足は無かったという事実を挙げて
栗田艦隊の突入不成功を主張するものですが、
そろそろそこから出るべきではないかとは考えませんか。

レイテ沖海戦の結果から下された判断により、
「新局面」と表現された本当の比島決戦は開始されたのです。
三日間の戦闘の現状が即時、正確に伝わったかではなく、
海戦の結果がその後の作戦指導をどう変えたかが問題だということです。
栗田艦隊の反転そのものの意味は実のところ大したことではないのです。
むしろ第二艦隊が敵機動部隊に手を掛けたと認識されたことのほうが
レイテ湾目前での反転よりも遥かに大きな影響を残しています。
戦記と戦史の視点の違いはこのあたりにあります。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:「反転」は謎でも重要でもない  ■名前 : TAKA  ■日付 : 02/1/19(土) 17:29  -------------------------------------------------------------------------
   > > 是非お考えをお伺いしたいですね!
>
> 身も蓋も無い言い方かもしれませんが、
> 今まで繰り返されてきた典型的な栗田批判だと思います。
>
> これに対しての典型的な反論はレイテに居た米戦艦部隊の残弾は
> 十分にあり、日本艦隊を撃滅するのに不足は無かったという事実を挙げて
> 栗田艦隊の突入不成功を主張するものですが、
> そろそろそこから出るべきではないかとは考えませんか。

確かに、それこそ何度も繰り返されてきている議論である事は、指摘の通りだと
思います。あくまでも「IF」の話であり、堂々巡りの話である事は事実です。
それに今何を言っても、戦史が変わる物でもないのは、又事実です。
只太平洋戦争の戦史の中で、戦術的内容で「IF」の話を出来るのは、
それこそ「ミッドウェー海戦」「レイテ沖海戦」の2つしか無いですし、
(マリアナ沖海戦はどう考えても無理ですから・・)
だからこそ、ミッドウェー海戦の「南雲の兵装転換命令」とレイテ沖海戦の
「栗田の謎の反転」はずっと議論され、堂々巡りの話となるのでは
無いでしょうか・・
> レイテ沖海戦の結果から下された判断により、
> 「新局面」と表現された本当の比島決戦は開始されたのです。
> 三日間の戦闘の現状が即時、正確に伝わったかではなく、
> 海戦の結果がその後の作戦指導をどう変えたかが問題だということです。
> 栗田艦隊の反転そのものの意味は実のところ大したことではないのです。
> むしろ第二艦隊が敵機動部隊に手を掛けたと認識されたことのほうが
> レイテ湾目前での反転よりも遥かに大きな影響を残しています。
> 戦記と戦史の視点の違いはこのあたりにあります。
必ずしもそういえるでしょうか・・
海洋に浮かぶ島々の攻防戦では、制海権と制空権が非常に重要である事は
自明の通りであり、戦力をすり減らして「特攻攻撃」しかできなくなった
台湾沖・レイテ沖海戦での喪失、最後の決戦兵力の消失をもたらした
「栗田の謎の反転」により、比島決戦は事実上終了したと考えていた
と思いますが・・(少なくとも海軍では)
確かに陸軍の第14方面軍の山下は、レイテ沖海戦後レイテに虎の子の
第1師団を含む大戦力を投入して激戦を繰り広げていますが、
これは南方軍の判断・命令に基づく物で、山下は少なくとも敵機動部隊に損害を
与えたと言う判断の下に作戦指導をかえたわけではなく、当初のレイテ決戦という
捷一号作戦の内容に基づく、規定の方針に屈したというのが正しいでしょう。
少なくとも山下の考え方は「ルソン決戦」だったのですから・・
そういう考え方からすると、反転は重要では無いとも言えます。
何故なら、直接作戦指導する山下の「ルソン決戦」は、陸上部隊の決戦を
意図した物であり、海軍の勝利を信じていればフィリピンに足場を築かせない、
「レイテ決戦」を取っていたでしょうから・・
逆に反転しなければ、敵支援艦隊とマッカーサー軍に大打撃を与える可能性が
出てくるのですから、反転による敗北は規定の方針が正しい事の証明になる
事になります。そう考えると反転による海戦の結果は作戦指導をかえる事にはならず、
反転しなければ、大きく作戦指導をかえる要素が発生した事になります。
そこまで考えて栗田は反転したのか、を後世の視点から考える事が歴史を考え
学ぶ意味でも重要であるといえます。
只どちらにしても、最終的に戦争全体に流れを変える様な大逆転は、
当然不可能であると思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:「反転」は謎でも重要でもない  ■名前 : ルージュ  ■日付 : 02/1/19(土) 19:13  -------------------------------------------------------------------------
   敵機動部隊に損害を与える事ができれば米軍のエアカバーが減少しますし
制空権を得られれば航空部隊の行動も楽になるでしょう。

>制海権と制空権が非常に重要である事は自明の通りであり

だからこそ近くに機動部隊がいるのであれば戦果拡大を狙って其方に向かう方が
重要だという判断だったのではないでしょうか?
レイテに突入して輸送船を沈めても制海権、制空権が米軍にある限り
後から補給できますのでレイテの日本軍が全滅するのを先送りにするだけですし、
それよりも制空権奪還の可能性がある方向に進んだとしてもおかしくないと思います。
連合艦隊司令部が機動部隊攻撃の許可を出していたのもこういう認識があったのでは。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:「反転」は謎でも重要でもない  ■名前 : TAKA  ■日付 : 02/1/19(土) 22:05  -------------------------------------------------------------------------
   > 敵機動部隊に損害を与える事ができれば米軍のエアカバーが減少しますし
> 制空権を得られれば航空部隊の行動も楽になるでしょう。

その件に関しては、私もその通りだと思います。
全面的に同意します。

> >制海権と制空権が非常に重要である事は自明の通りであり
>
> だからこそ近くに機動部隊がいるのであれば戦果拡大を狙って其方に向かう方が
> 重要だという判断だったのではないでしょうか?
> レイテに突入して輸送船を沈めても制海権、制空権が米軍にある限り
> 後から補給できますのでレイテの日本軍が全滅するのを先送りにするだけですし、
> それよりも制空権奪還の可能性がある方向に進んだとしてもおかしくないと思います。
> 連合艦隊司令部が機動部隊攻撃の許可を出していたのもこういう認識があったのでは。

この件においても基本的には、正しいと思いますし、推測で考えれば栗田の反転の
根拠にこの考え方があった可能性は高いと思います。
只私は後世から物を見ているから、言えるとも思いますが、空母が戦艦を沈める事は
艦載機が残っていれば簡単ですし、空母の攻撃範囲は戦艦の10倍以上です。
只戦艦が空母を沈めるには、相手を先に発見し築かれない様に懐に忍び込まないと
不可能です。又事実栗田艦隊は、米護衛空母部隊(栗田は機動部隊と思っていたが・・)
を撃滅するのに苦戦する事実が有りますし(上記条件をほぼクリアできた遭遇戦
で有るにもかかわらず・・)果たして機動部隊撃滅に向かうのが適当だったの
でしょうか? 私は基地航空部隊が未だ1回ぐらい攻撃できる200機ぐらいの
攻撃戦力を持ち、完全に敵を確認していれば、命令を変更しての栗田の判断は
正しいと思いますが、それだけの戦力がない孤立無援の状況で、しかも栗田は
一度攻撃した空母部隊の追撃をあきらめている状況では、当初作戦の貫徹による
レイテ突入が正しかったと思いますが・・
只成功しても大局に影響を及ぼさなかっただろうと言うのは、何回も言っている
私の意見ですが・・

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 「死に花を咲かす」  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/1/20(日) 0:21  -------------------------------------------------------------------------
   比島決戦は連合艦隊の戦いではなく、陸海軍の航空兵力による航空決戦です。
第二艦隊は泊地突入を命じられていますが、それが決戦の主体では無いのです。
そこに誤解があると11月以降の作戦が理解できません。
十八年夏のZ作戦計画以降、日本海軍の主力は戦艦部隊でもなく
更に空母機動部隊でもなく、陸上の第一、第二航空艦隊です。
この部隊のみが米進攻兵力を撃破できる可能性をわずかに秘めていました。
そしてこれらの航空艦隊はその為に「海軍の主力」として編成された決戦部隊なのです。
水上艦艇の戦いは確かにドラマチックではありますが、だからといって
栗田艦隊の突入の成否に比島作戦そのものがかかっていた訳でもなく
それが「連合艦隊の死に花」ですらない、ということです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:「死に花を咲かす」  ■名前 : ルージュ  ■日付 : 02/1/20(日) 2:02  -------------------------------------------------------------------------
   その辺りは過去ログ等を見て理解していました。
肝心の第一航空艦隊がまだ戦力不充分で直前の台湾沖航空戦で台湾の部隊が
大損害を蒙った直後の状態での第二艦隊の役割は何だったかが気になりますが・・・。
この時期の部隊の移動の資料が無いので確認できないのですが、
水上部隊が米軍と戦っている間に航空部隊の戦力増強を図っていたのではないかと
思ってますがどうでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:「死に花を咲かす」  ■名前 : TAKA  ■日付 : 02/1/20(日) 2:02  -------------------------------------------------------------------------
   > 比島決戦は連合艦隊の戦いではなく、陸海軍の航空兵力による航空決戦です。
> 第二艦隊は泊地突入を命じられていますが、それが決戦の主体では無いのです。
> そこに誤解があると11月以降の作戦が理解できません。
確かに当初の作戦計画では、「捷一号作戦」の主力は基地航空部隊であったのは
間違いない事実です。只あの時の現況を考えたら、台湾沖で消耗した基地航空部隊
や、乗せる艦載機のない機動部隊に作戦の主体が勤められるのか?
と言う問題から、機動部隊をおとりとした戦艦部隊の殴り込みという作戦を立てたの
ではないですか?そう考えたら、時代遅れでも戦力を保っていた戦艦部隊(第二艦隊)
が決戦の主体でないではなく、主体にせざる得ない(連合艦隊内では)と言う事
でしょう。比島でまともな航空戦力は陸軍の第4航空軍と福留の第二航空艦隊しか
無いのですし、第二航空艦隊は300機ぐらいしか保有機無かったはずですし、
決戦とは言っても決戦前に戦力を消耗させていたんですから。ある意味では、
決戦自体がかけ声倒れだったんですから、第二艦隊も決戦主体ではないといえます。
十八年夏のZ作戦計画以降、日本海軍の主力は戦艦部隊でもなく
> 更に空母機動部隊でもなく、陸上の第一、第二航空艦隊です。
> この部隊のみが米進攻兵力を撃破できる可能性をわずかに秘めていました。
> そしてこれらの航空艦隊はその為に「海軍の主力」として編成された決戦部隊なのです。
でもそれはマリアナ沖と台湾沖までの話ですよ!唯一勝利の可能性があったのは、
マリアナ沖海戦の時でしょう。あの時なら上手く戦力を集め、もう少し訓練等の
準備を行っていて、ビアクだのパラオだのに振り回されずマリアナに絞り込み
(これは十分予想できたと思いますが)、身の程知らずの机上の空論の「アウト
レンジ戦法」を捨てて、差し違える覚悟の「決戦」を小沢・角田共同で行っていれば、
1回ぐらいは勝てたかもしれません。比島決戦の時の第1・第2航空艦隊あわせて
330機ぐらいしかない航空艦隊ではとてもではないですが、決戦兵力とは言えません。
第4航空軍は司令官が逃げ出す様な部隊ですし・・(戦力的には決戦部隊足り得ましたが
艦隊への攻撃は陸軍航空部隊では・・・です)そう考えると連合艦隊は第二艦隊を
決戦兵力にせざる得なかったと言えます。(決戦するなら・・)
> 水上艦艇の戦いは確かにドラマチックではありますが、だからといって
> 栗田艦隊の突入の成否に比島作戦そのものがかかっていた訳でもなく
> それが「連合艦隊の死に花」ですらない、ということです。
確かに時代遅れの部隊ではありますが、第二艦隊の戦力は使い方次第では無視できない
のは事実です。決戦にかける作戦・兵力は連合艦隊としてはおとり作戦と第二艦隊に
かけざる得ないでしょう・・又「死に花」の話で言えば、アメリカに戦果を上げて
一泡吹かせると言う意味では、レイテへの突入と言うのは、感情論的に言えば
まさしく「死に花」でしょう!ある意味でははなからレイテ突入は玉砕覚悟の
万歳突撃だったのですから、(連合艦隊司令部は連合艦隊をすりつぶす覚悟は
存在していたはずですから)それこそレイテで敵戦艦部隊(旧式でも)と戦い
をすると言う事は「連合艦隊の名を不朽ならしめる」死に花であったことは、
事実だと思います。(確かにそれが機動部隊ならもっと理想でしょうが)
確かに感情論に傾斜しているかもしれませんが、それぐらいはいいのではないですか!
そこに意義を見いださないと、第二艦隊の突入・おとりとなってなぶり殺された
小沢艦隊の戦った意義は何処のあるというのですか?逆に言えばどうやっても勝てる
決戦ではないのですから、局地的な戦術的勝利と精神的な所に意義を見いだして
あげないと、英霊に申し訳が立たない無駄死にになってしまいます。
(戦略的には第二艦隊の犠牲はいらなかったかもしれませんが・・)
そういう意味から、結果的に敵前逃亡になってしまった、栗田艦隊の反転に
異議ありと声を大きくして言っています。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 「台湾・・」前からあった「囮」と「戦艦突入」  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/1/20(日) 9:27  -------------------------------------------------------------------------
   > 只あの時の現況を考えたら、台湾沖で消耗した基地航空部隊
> や、乗せる艦載機のない機動部隊に作戦の主体が勤められるのか?
> と言う問題から、機動部隊をおとりとした戦艦部隊の殴り込みという作戦を立てたの
> ではないですか?

このあたりは全くの誤解です。
機動部隊と戦艦部隊の任務は台湾沖航空戦の結果とは完全に無関係です。
十九年八月十日の機動部隊捷号作戦要領には既に捷一号二号作戦の具体的作戦方針として、

「第一遊撃部隊 敵が上陸企図を有する事判明次第出撃、ブルネイ又は比島中部に進出
補給の上・・・我が基地航空部隊の総攻撃に策応して機動部隊の攻撃を廃しつつ突入し
まず阻止せんとする敵水上部隊を撃滅したる後、上陸地点に於て敵船団及び上陸軍を
攻撃撃滅す。

本隊 第一遊撃部隊に呼応して出撃し敵機動部隊を北東方に牽制して第一遊撃部隊の
突入を容易ならしめつつ敵機動部隊の一翼に対して攻撃を加う。」

といった史実のレイテ海戦そのものの計画が具体的に記されています。
これで事実関係に全くの誤解があることがわかるでしょう。
戦艦部隊は水上部隊を撃破した後に輸送船団に向うこと、機動部隊は敵機動部隊撃破
という任務が最初から無く、その一翼に反撃することのみを期待されていること。
そして、これらの作戦行動は基地航空部隊即ち第二航空艦隊を中心として、
機動集中する海軍航空兵力と陸軍航空兵力の総攻撃の支作戦である事は、
台湾沖航空戦の前後で何も変更されていません。
予め策定された作戦計画がそのまま実施されただけのことで、
第二艦隊のレイテ突入は最後の死に花でもなければ主作戦でもありません。

> > そしてこれらの航空艦隊はその為に「海軍の主力」として編成された決戦部隊なのです。
> でもそれはマリアナ沖と台湾沖までの話ですよ!唯一勝利の可能性があったのは、
> マリアナ沖海戦の時でしょう。

第二航空艦隊の作戦計画「第六基地航空部隊捷号作戦要領」にはその作戦目的として

「捷号作戦の主力部隊として決戦に臨み敵の進攻兵力、就中敵航空母艦群をまず撃滅
すると共に友軍各部隊と協力して敵艦隊及び攻略部隊を撃滅」

とあり、マリアナ以降も昭和十八年に構想されたZ作戦計画の概念が健在であることが
わかります。Z作戦計画の骨子である「邀撃帯」構想が初めて大規模にその環境を
整えたのが捷号作戦だとも言えるでしょう。

> あの時なら上手く戦力を集め、もう少し訓練等の
> 準備を行っていて、ビアクだのパラオだのに振り回されずマリアナに絞り込み
> (これは十分予想できたと思いますが)、身の程知らずの机上の空論の「アウト
> レンジ戦法」を捨てて、

アウトレンジが机上の空論かどうかはまた別の話です。マリアナ沖海戦についての
お話はまた後で伺いたく思います。

> レイテへの突入と言うのは、感情論的に言えば
> まさしく「死に花」でしょう!ある意味でははなからレイテ突入は玉砕覚悟の
> 万歳突撃だったのですから、(連合艦隊司令部は連合艦隊をすりつぶす覚悟は
> 存在していたはずですから)それこそレイテで敵戦艦部隊(旧式でも)と戦い
> をすると言う事は「連合艦隊の名を不朽ならしめる」死に花であったことは、
> 事実だと思います。


全然違う事は上記の通りです。
危険な作戦ではありますが、常識の範囲で策定された計画である事は明らかで
栗田艦隊が玉砕を覚悟していたということではありません。
栗田艦隊が機動部隊攻撃を指向したのは機動部隊を攻撃圏内に捉えた場合の
優先順位として妥当なのです。
事実、栗田艦隊は作戦後「敵機動部隊に一大痛撃を与えた」と評価されています。
これは事実の誤認に基づく判断でしたが海軍側としては栗田を責めてはいないことに
注目するべきでしょう。

> 確かに感情論に傾斜しているかもしれませんが、それぐらいはいいのではないですか!

よくはありません。事実無根のことなのですから。

> 英霊に申し訳が立たない無駄死にになってしまいます。
> そういう意味から、結果的に敵前逃亡になってしまった、栗田艦隊の反転に
> 異議ありと声を大きくして言っています。

「英霊云々」などという言葉は軽率に使うべきではないでしょう。
栗田艦隊は敵前逃亡ではありませんし、実際に反転して生還された方々には
「あなた方はあそこで死んだほうが良かった」等とは私には言えません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:「台湾・・」前からあった「囮」と「戦艦突入」  ■名前 : ルージュ  ■日付 : 02/1/20(日) 12:36  -------------------------------------------------------------------------
   >既に捷一号二号作戦の具体的作戦方針として

既に作戦として行動が決められていたのですね、全くの勉強不足でした。
機動部隊への攻撃許可を求めた話だけしか知らなかったので
時間稼ぎの為の出撃かと思っていたのですが全面撤回します。

それにしても世の中に流布されている話のいい加減さには悲しくなりますね・・・。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:本当の姿は・・・  ■名前 : tackow <ikku@rb3.so-net.ne.jp>  ■日付 : 02/1/18(金) 8:37  -------------------------------------------------------------------------
   AnsQ戦史258番に書かれている様な事だったと思います。

傍若無人に振る舞っていた敵機動部隊一個をほぼ壊滅させた(と思っていた)のですから、これはもう大戦果でしょう。
また、レイテ湾に突入するには燃料が逼迫していた(特に駆逐艦)と思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:本当の姿は・・・  ■名前 : 大塚好古  ■日付 : 02/1/18(金) 9:59  -------------------------------------------------------------------------
   3について

 サマール沖の時点で第二艦隊の各艦は正規空母・巡洋艦・駆逐艦を含む機動部隊と喧嘩していると思ってますよね。また同時にF6F/FM-2/TBMからなる敵艦載機群と交戦しています。この状況から交戦した機動部隊の他に敵機動部隊が付近に居ると判定するのはある意味当然の事ではないですか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : ちょっとお遊びですが・・・  ■名前 : k-mine  ■日付 : 02/1/19(土) 1:59  -------------------------------------------------------------------------
    当時の状況を野球に例えてみたいと思います。
 試合も大詰め、8回、7点差を追う日本は小沢の虚を突いたセーフティバントの成功でアメリカの動揺を誘い、その後ハルゼーのエラーもあり1アウト満塁のチャンスに、迎えるバッターは栗田。ところが栗田はなんとも中途半端なバッティングをしてダブルプレーとなり、結局点が取れずに試合に負けてしまいます。
 試合後、解説者はお約束でこう言うでしょう。「8回のあの攻撃、栗田のプレーで勝負は決まった。あそこでヒットが出ていたらまた試合は変わっていただろう」と。
 しかし、↑こんなお決まりのセリフもしょせんは結果からものを見たに過ぎないのです。つまり「結果から見てあのプレーは重要だった」に過ぎないのです。この試合で、もし、栗田にヒットが出ても日本には続くバッターがいませんでした。仮に同点にしても投げるピッチャーがいませんでした。一方、アメリカにはゲンバクという強力な抑えピッチャーがいたのです。1点2点取られたところで痛くも痒くもありません。

 しかしそうは言うものの、「あそこで一本出ていればなあ」と嘆くのがファン心理なのかもしれません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ちょっとお遊びですが・・・  ■名前 : 12式戦爆 <cacib907@hcn.zaq.ne.jp>  ■日付 : 02/1/19(土) 16:10  -------------------------------------------------------------------------
    ダブルプレーはちょっとキツクありませんか?

 一死満塁で、打者は外野フライを打ち上げたものの、三塁走者の栗田は十分な距離でないと判断して、走らなかった。そして、結局ゲームセット。
 試合後解説者は、
「あそこは、ダメでも一か八か突っ込んで欲しかったですね。次の打者では……」
 といった感じではどうでしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ちょっとお遊びですが・・・  ■名前 : TAKA  ■日付 : 02/1/19(土) 16:40  -------------------------------------------------------------------------
   >  当時の状況を野球に例えてみたいと思います。
>  試合も大詰め、8回、7点差を追う日本は小沢の虚を突いたセーフティバントの成功でアメリカの動揺を誘い、その後ハルゼーのエラーもあり1アウト満塁のチャンスに、迎えるバッターは栗田。ところが栗田はなんとも中途半端なバッティングをしてダブルプレーとなり、結局点が取れずに試合に負けてしまいます。
>  試合後、解説者はお約束でこう言うでしょう。「8回のあの攻撃、栗田のプレーで勝負は決まった。あそこでヒットが出ていたらまた試合は変わっていただろう」と。
>  しかし、↑こんなお決まりのセリフもしょせんは結果からものを見たに過ぎないのです。つまり「結果から見てあのプレーは重要だった」に過ぎないのです。この試合で、もし、栗田にヒットが出ても日本には続くバッターがいませんでした。仮に同点にしても投げるピッチャーがいませんでした。一方、アメリカにはゲンバクという強力な抑えピッチャーがいたのです。1点2点取られたところで痛くも痒くもありません。
>
>  しかしそうは言うものの、「あそこで一本出ていればなあ」と嘆くのがファン心理なのかもしれません。

まさしくその通りですね!
太平洋戦争全体を1試合にたとえても、フィリピンでの一連の戦いを1試合に
たとえても、野球で言えば、ベンチ入りの選手を出し尽くして、8回でもう駒が
無い状況だったと思います。
日本は、1点もやれない状況でしたし、アメリカは10点ぐらいリードしている
状況でしたから・・ たとえ栗田が満塁ホームランで4点とっても、所詮
差が縮まり、一矢を報いたとしか言えない状況です。
只私の心理は、「コールド負けするなら、せめて一矢をあそこで報いて欲しい」
「最後に一花咲かして欲しい」というのが、考え方です。
それが前に書き込んだ文の「レイテに突入して敵艦隊を撃滅して、玉砕と引き替えに
連合艦隊の名を不朽とならしめる」と言う事なのですが・・
こういう浪花節的な考え方はまずいですかね〜

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 連合艦隊の栄光  ■名前 : ささき  ■日付 : 02/1/20(日) 3:05  -------------------------------------------------------------------------
   >  早ければ別ですが・・だから突入の意義は「連合艦隊は敵と差し違え
>  艦隊決戦で敵を撃滅し連合艦隊の名を栄光の下に不朽ならしめる」という
>  浪花節的な意義しかないと思います。(私はこれも又良しと思います)

大和の沖縄特攻はまさにそれを地で行ったと思いますが、
果たして「連合艦隊の栄光」は「不朽」となったでしょうか。
「沖縄では手後れだ、レイテではまだ勝算があった」とおっしゃられる
かもしれませんが、勝算があるのに自ら全滅を選ぶのは
それこそ愚劣な作戦ではないでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:連合艦隊の栄光  ■名前 : TAKA  ■日付 : 02/1/20(日) 3:33  -------------------------------------------------------------------------
   > >  早ければ別ですが・・だから突入の意義は「連合艦隊は敵と差し違え
> >  艦隊決戦で敵を撃滅し連合艦隊の名を栄光の下に不朽ならしめる」という
> >  浪花節的な意義しかないと思います。(私はこれも又良しと思います)
>
> 大和の沖縄特攻はまさにそれを地で行ったと思いますが、
> 果たして「連合艦隊の栄光」は「不朽」となったでしょうか。
> 「沖縄では手後れだ、レイテではまだ勝算があった」とおっしゃられる
> かもしれませんが、勝算があるのに自ら全滅を選ぶのは
> それこそ愚劣な作戦ではないでしょうか。

では、逆に言うとあの時レイテに襲いかかってきた米軍に日本はどうすれば良かった
のでしょうか?確かに全滅を自ら選ぶのは愚劣であるとも言えます。
(沖縄は私もそう思います。あれは天皇の「連合艦隊に船はないのか」の一言と
連合艦隊のメンツが起こした意義のない作戦であるといえます)
レイテが落ちると言う事は比島全域が米軍の影響下に落ち、南シナ海の
通商路が断絶の脅威にさらされ(事実南シナ海の日本の通商路は、ルソンに
米軍上陸直後に断絶しています)日本の戦争遂行能力の危機の状況にあった事は
事実です。そのような状況で手を打たずに艦隊を朽ち果てさせる事は、
正しかったのでしょうか?確かに全滅覚悟でも、勝算が1%もなかったわけでは
有りません。一泡吹かせる事は可能だったでしょう。(事実かなり良い線までは
行ったのですから)そのような状況であの作戦は採れる最善であったと思います。
あの時には戦術的奇跡で、戦略的劣性をくい止め、何とかなる可能性を探る
しかなかったと思いますが・・・
で、あの時どの様な行動を取るべきであったかご意見をお聞かせ下さい。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:連合艦隊の栄光  ■名前 : ささき  ■日付 : 02/1/20(日) 6:54  -------------------------------------------------------------------------
   > では、逆に言うとあの時レイテに襲いかかってきた米軍に日本はどうすれば良かった
> のでしょうか?確かに全滅を自ら選ぶのは愚劣であるとも言えます。
「どうすれば良かったか」は海戦のドシロートである私にはよくわかりません。
後知恵で考えれば、日本海軍が実際に取った行動よりも良い選択肢を指摘
することは可能でしょう。そういう意味では「レイテの反転」も批判の
対象ともなり得ると思います。
しかしミッドウェイの勝敗が「5分の発艦の遅れ」だけで決したわけでは
ないように、レイテも「栗田艦隊の反転」だけで戦機が変わったとは
私には思えないのです。

> 事実です。そのような状況で手を打たずに艦隊を朽ち果てさせる事は、
> 正しかったのでしょうか?
朽ち果てた…すなわち温存した艦隊を再び使う機会は結局来なかった、
というのはやはり結果論でしょう。
当時の日本海軍はフィリピン水上戦において米軍に痛打を与えたと信じており、
引き続く航空攻撃に呼応して第二・第三撃をかけるつもりがありました。
艦隊を温存したのは当然の決断だと思います。

> あの時には戦術的奇跡で、戦略的劣性をくい止め、何とかなる可能性を探る
> しかなかったと思いますが・・・
艦隊と引き換えに「一泡吹かせ」た場合、日本は次の一手を打つ力を失い
ますよね。「戦争継続能力を維持」するためレイテを攻撃しているのに、
そこで残存戦力の全てを使い果たすというのは矛盾していないでしょうか。
「俺達は暴れまわって斬り死にし敵に一泡吹かせてみせる。その結果日本は
反撃能力の全てを失い丸裸で残されるが、それは何とかしてくれ」というのは
まともな作戦とは思えません。

> で、あの時どの様な行動を取るべきであったかご意見をお聞かせ下さい。
海戦に詳しい某氏と話したところ、レイテの栗田艦隊は既に燃料の過半を失い
帰還できなくなる寸前にまで追い込まれていたという話を聞きました。
あれ以上の追撃を強行した場合、例え何がしかの戦果を挙げたとしても
燃料を失って洋上に取り残され、それこそ嬲り殺しにされる船が多数出た
ことでしょう。
その場合も「レイテ謎の突入」としてやはり栗田提督は責められるのでしょうか。

別スレッドで野球の例え話をしていましたが、日本にとってのレイテは
シーズン最後の最終日だったわけではないのです。明日・明後日また試合を
やるつもりでいるのに、肩を壊してまで投手に投げさせるでしょうか。

最初から全面戦争で勝てる筈のない相手と戦い、しかもレイテのあの状況では
何をやっても日本有利に戦局を転じることは不可能だったでしょう。
それはTAKAさんも何度も繰り返されていますよね。
絶望的な状況だからこそ最後の水上戦闘の機会に全てを賭けるべきだったのか、
絶望的な状況だからこそ一日でも長く持ちこたえる為の方法を手探りで探すか、
そこに「正解」は無かったのではないかと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  ■名前 : k-mine  ■日付 : 02/1/20(日) 21:00  -------------------------------------------------------------------------
    ささき氏の言うとおり仮に突入すればしたで「栗田艦隊謎の突入」と批判されていたような気がします。
 極めて結果論的な私見にしか過ぎませんが、レイテで失われた戦艦は武蔵1隻。武蔵乗艦の何人かは救出され日本へ帰り着き、戦争に生き残った人もいたでしょう。もし全滅していれば1万を超える将兵が死んでいたことは確実で、すでに戦争の帰趨が明らかな状況では「最も損害が少なかった」結果がベストであったと考えます。

 恐らく栗田は「いつ突っ込むか」というより「いつ引き返すか」を考えていたのではないでしょうか。自らの率いる部隊の規模を考えればさすがにみすみす全員を殺すには忍びなかったのでは。

 またもし突入に成功し全滅と引き換えに大戦果を挙げたとしましょう。しかし米軍の進撃を止める事は不可能で、史実に比べてせいぜい数ヶ月進撃を止めたに過ぎないでしょう。しかし歴史に与えた影響は少なくなかったと私は考えています。
 思わぬ損害を出した米軍は原爆の使用に躊躇する事はなかったでしょう。とするとポンポンと景気よくきのこ雲が立った可能性は充分にありえるわけで、とすれば、彼は自らの名誉と引き換えに数十万の人命を救った、というのはいささか考えすぎでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  ■名前 : S.H  ■日付 : 02/1/20(日) 22:04  -------------------------------------------------------------------------
   >「栗田艦隊謎の突入」と批判されていたような気がします。

 栗田艦隊(厳密には第一遊撃部隊のうち第一、第二部隊)と西村祥治中将の第三部隊(第二戦隊基幹)の戦い方は対局に置かれると思います。最近ではどうかわかりませんが、アメリカでは西村の突入を批判するのが一般的だと聞いています。これが「謎の突入」なんでしょうね。

 しかし、日本では、もし、栗田の替わりに西村が指揮を執っていたらレイテ突入は成功していただろうという見方も一部でされています。もちろん、現実に西村が指揮を執っていても成功したかどうかはわかりません。西村はスリガオ沖で戦死するまで大規模な艦隊を率いた経験もありませんし、水雷屋が本職ですから戦艦の昼間砲戦は未知数ですね。

 ただ、いえることはわが海軍には西村のように、一旦命令が下されたらその正否は別として、生死を省みず遂行に向かって全力を尽くすというタイプの提督があまりにも少なかったように思います。近代戦を情緒的に捉えるのは非科学的であるという批判は甘受しますが、レイテ沖海戦を見るとき、家康の命により伏見城に籠城、討ち死を遂げた鳥居元忠のような提督がもう一人日本には必要ではなかったかと思うのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  ■名前 : SUDO  ■日付 : 02/1/20(日) 23:20  -------------------------------------------------------------------------
   >  ただ、いえることはわが海軍には西村のように、一旦命令が下されたらその正否は別として、生死を省みず遂行に向かって全力を尽くすというタイプの提督があまりにも少なかったように思います。近代戦を情緒的に捉えるのは非科学的であるという批判は甘受しますが、レイテ沖海戦を見るとき、家康の命により伏見城に籠城、討ち死を遂げた鳥居元忠のような提督がもう一人日本には必要ではなかったかと思うのです。

臨機応変って言葉知ってます?
状況に応じて変更する事が否定されるなら、指揮官なんて要らないのでは?

しかも、栗田艦隊は「敵機動部隊」が近いという報告に従って行動を取ったのです
これは当時としても常識的な行動ではないでしょうか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  ■名前 : S.H  ■日付 : 02/1/20(日) 23:49  -------------------------------------------------------------------------
   > 臨機応変って言葉知ってます?

「軍人は命令必勤」、これもひとつの処し方です。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  ■名前 : JN6XLM  ■日付 : 02/1/22(火) 23:00  -------------------------------------------------------------------------
   > 「軍人は命令必勤」、これもひとつの処し方です。

それはそうですが、海軍軍人の規範のようなもの
である、シーマンシップにも臨機応変はあります。
また、上級指揮官は命令必勤だけではならないと
教育されていたはずですが…(現在もですが)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  ■名前 : TAKA  ■日付 : 02/1/20(日) 23:52  -------------------------------------------------------------------------
   > >「栗田艦隊謎の突入」と批判されていたような気がします。
>
>  栗田艦隊(厳密には第一遊撃部隊のうち第一、第二部隊)と西村祥治中将の第三部隊(第二戦隊基幹)の戦い方は対局に置かれると思います。最近ではどうかわかりませんが、アメリカでは西村の突入を批判するのが一般的だと聞いています。これが「謎の突入」なんでしょうね。
 う〜んアメリカでの批判の話は今まで聞いた記憶がなですね〜(忘れてるだけか・・)
確かにあれだけの戦力での突入というのが無謀という批判は分かりますが・・
確か当初の作戦計画は栗田艦隊の突入に合わせての突入だった記憶がありますが・・
確かに洗浄では錯誤が起きやすいですから、当初の命令に忠実に従っていた
西村中将を批判する事は出来ないでしょう。批判するなら中途半端な戦力を
別働隊として派遣した作戦立案者でしょう!

>  しかし、日本では、もし、栗田の替わりに西村が指揮を執っていたらレイテ突入は成功していただろうという見方も一部でされています。もちろん、現実に西村が指揮を執っていても成功したかどうかはわかりません。西村はスリガオ沖で戦死するまで大規模な艦隊を率いた経験もありませんし、水雷屋が本職ですから戦艦の昼間砲戦は未知数ですね。
 私も西村が指揮を執っていても、第一戦隊司令官の宇垣中将が指揮を執っていても
突入に成功していただろう、と言う見方があるのも知っています。
又私は同感だと思います。特に宇垣中将は第二艦隊の次席司令官であり、栗田が愛宕
と一緒に沈んで戦死していたら、逆に突入に成功していたであろうと私は思います。
(栗田が戦死していたら、指揮権は次席の宇垣に継承されるから)
>
>  ただ、いえることはわが海軍には西村のように、一旦命令が下されたらその正否は別として、生死を省みず遂行に向かって全力を尽くすというタイプの提督があまりにも少なかったように思います。近代戦を情緒的に捉えるのは非科学的であるという批判は甘受しますが、レイテ沖海戦を見るとき、家康の命により伏見城に籠城、討ち死を遂げた鳥居元忠のような提督がもう一人日本には必要ではなかったかと思うのです。
 まさしく同感です!!(この議論開始以来初めて完全に同意できる書き込みが・・)
確かに臨機応変も必要ですが、軍人の基本は命令に忠実に従う事です!
栗田にはそれがかけていたと思います。確かに感情論・精神論で歴史を考察する事は
問題有りというのは分かりますが、確かに栗田は反転する事で人命を救った
とも言えますが、それなら戦争を始めた事自体に問題があるのです。
(人命を無駄に失わない戦争はないのですから!)
あそこでは、確かに機動部隊撃滅という甘い誘惑に惑わせられるというのも
分かりますが、連合艦隊司令部の意志は「連合艦隊をこの一戦にすり減らしても良い」
と公言している様に、艦隊特攻による一発逆転にあったんですから、それに忠実に
従い国運と帝国海軍と連合艦隊に殉ずる司令官が必要であったといえます。
(只海軍内にいなかったとは言いません。これは人事のミスです)
もっと言えば、連合艦隊の総力を投入した決戦なら、連合艦隊司令長官を先頭に
突入すべきではなかったのでしょうか!!!
指揮官先頭は、帝国海軍の伝統であり、又日本の情報力・通信力ではアメリカと違い
後方から複数の部隊を効率よく指揮する事は困難なのですから!
本当にそう考えると、司令官一人の人選でこうも変わってしまうのか、
と言いたいです。多数いた命令に忠実に従い、死を省みず任務遂行に邁進した
多くの帝国海軍の将兵が浮かばれない様な機がします。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  ■名前 : S.H  ■日付 : 02/1/21(月) 0:40  -------------------------------------------------------------------------
    誤解されると困るのですが、あくまで「栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った」とする見方は一方的であり、もう一つの典型である西村中将のケースを引き合いに出したまでのことで、現在の倫理観で当時を見るのがどうかということがいいたいだけなのです。捷号作戦における水上部隊の突入作戦自体の是非については敢えて賛否を差しはさむものではありません。
 同様に、「臨機応変」や「独断専行」は結果によって評価もされ、批判もされるものだということも付け加えておきたいと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 人物論で判断すると俗論に傾く  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/1/21(月) 1:46  -------------------------------------------------------------------------
   もう少し事実関係を調べてから断言してはどうでしょうか?
栗田艦隊の反転はそんなにドラマチックなものでもなければ、
意外なものでもありません。
まして中央の意思に反したものでも無いのです。
というよりも、むしろ、連合艦隊司令部がその行動と意思を容認したとも
言えるものです。

サマール島での敵空母との遭遇戦を打電して来た栗田艦隊に対して
豊田長官以下の司令部は、

「一.第一遊撃部隊は〇六五三サマール島北東海面に於て敵空母発見
   〇七〇〇砲戦を開始せり。

 二.全軍右に策応し敵を猛攻せよ」

との電文を打って全軍を激励しています。
更にこの戦闘は直ちにその日の戦況奏上の際に大戦果として
天皇に報告されているのです。

そして傍受電により栗田艦隊が敵機動部隊に重囲されている、との認識も
中央は持っていました。
この状況下では栗田長官以外の指揮官が居たとしても果たして
レイテ湾への突入を行ったかどうか疑問が残ります。

> あそこでは、確かに機動部隊撃滅という甘い誘惑に惑わせられるというのも
> 分かりますが、連合艦隊司令部の意志は「連合艦隊をこの一戦にすり減らしても良い」
> と公言している様に、艦隊特攻による一発逆転にあったんですから、それに忠実に
> 従い国運と帝国海軍と連合艦隊に殉ずる司令官が必要であったといえます。

それでは返って命令違反ではないでしょうか?
栗田艦隊の目標は敵を撃破して後の泊地突入です。
まして作戦は機動部隊の撃滅に重きを置いていたのですから本来脇役の栗田艦隊が
敵機動部隊に接触しているのなら、その攻撃は奨励されるものでこそあれ、
否定されるものではありません。
そして栗田艦隊の反転に対して連合艦隊司令部は前日の反転とは打って変わり
特に何の措置もとっていません。
そして栗田艦隊の状況認識と大和田通信隊の傍受情報を元にした連合艦隊司令部との
状況認識にはほとんど齟齬がありません。
また妙に拘っているようですが、前に書いたように艦隊特攻などではありません。
「国運と帝国海軍と連合艦隊に殉ずる」などグロテスクな言葉を何故使うのでしょうか?

> もっと言えば、連合艦隊の総力を投入した決戦なら、連合艦隊司令長官を先頭に
> 突入すべきではなかったのでしょうか!!!

これもいわゆる俗論です。当時の連合艦隊司令部は開戦当初よりもはるかに権限を
拡大しており、ただの艦隊司令部では無いのです。
まして主攻撃力は第二航空艦隊以下の現地航空部隊と陸軍航空隊、そこに増強される
本土の航空部隊の計1000機(「台湾沖航空戦後」の見積りです。お忘れなく。)
なのですから何で攻略部隊攻撃の為の一艦隊を現地で直率する必要があるのでしょうか。

> 指揮官先頭は、帝国海軍の伝統であり、又日本の情報力・通信力ではアメリカと違い
> 後方から複数の部隊を効率よく指揮する事は困難なのですから!

私には貴殿の情報力が疑わしく思います。

> 本当にそう考えると、司令官一人の人選でこうも変わってしまうのか、
> と言いたいです。多数いた命令に忠実に従い、死を省みず任務遂行に邁進した
> 多くの帝国海軍の将兵が浮かばれない様な機がします。

栗田中将は「司令官」ではありませんが、誰が指揮を執っても
同じ結果になる可能性が存在するのは上記の通りです。
単純な人物論でこの海戦を判断することはできません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : ピントはずれ  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/1/21(月) 4:57  -------------------------------------------------------------------------
   >  う〜んアメリカでの批判の話は今まで聞いた記憶がなですね〜(忘れてるだけか・・)

西村中将を低く評価しているのはおそらくモリソン戦史の記述の事でしょう。

> もっと言えば、連合艦隊の総力を投入した決戦なら、連合艦隊司令長官を先頭に
> 突入すべきではなかったのでしょうか!!!

同じような批判が実は存在します。
それは海戦後、連合艦隊司令部について大本営海軍部が下した評価です。
そこには

「連合艦隊長官ハ『航空作戦ノ指揮中枢タリシ比島又ハ高雄』ニ
 進出スベカリシモノト認メザルヲエズ」

とあります。大きく違う点はこの作戦が水上部隊の作戦ではないと言う事です。
GF長官が第二艦隊に乗るなどということは、如何にピントはずれか解るでしょう。
誰も第二艦隊旗艦に乗れとは言っていません。
戦後の戦艦マニアが幻の戦果を惜しんでつぶやくのみです。
それはそれでどうでもいい事ですが、声高に叫ぶことではありません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 突っ込んだからって成功したとはかぎらない  ■名前 : k-mine  ■日付 : 02/1/21(月) 22:29  -------------------------------------------------------------------------
   > >  しかし、日本では、もし、栗田の替わりに西村が指揮を執っていたらレイテ突入は成功していただろうという見方も一部でされています。もちろん、現実に西村が指揮を執っていても成功したかどうかはわかりません。西村はスリガオ沖で戦死するまで大規模な艦隊を率いた経験もありませんし、水雷屋が本職ですから戦艦の昼間砲戦は未知数ですね。
>  私も西村が指揮を執っていても、第一戦隊司令官の宇垣中将が指揮を執っていても
> 突入に成功していただろう、と言う見方があるのも知っています。
> 又私は同感だと思います。特に宇垣中将は第二艦隊の次席司令官であり、栗田が愛宕
> と一緒に沈んで戦死していたら、逆に突入に成功していたであろうと私は思います。
> (栗田が戦死していたら、指揮権は次席の宇垣に継承されるから)
> >

社会人になるとたいがい誰でも経験するのですが、失敗に終わったプロジェクトを他人が「俺だったら成功させていたね」と言うことはよくあることです。

> >  ただ、いえることはわが海軍には西村のように、一旦命令が下されたらその正否は別として、生死を省みず遂行に向かって全力を尽くすというタイプの提督があまりにも少なかったように思います。近代戦を情緒的に捉えるのは非科学的であるという批判は甘受しますが、レイテ沖海戦を見るとき、家康の命により伏見城に籠城、討ち死を遂げた鳥居元忠のような提督がもう一人日本には必要ではなかったかと思うのです。

 ただ上司に言われた事を忠実にこなすだけなら、(別レスでもあったように)指揮官なんて必要ありません。部隊を任される上級指揮官は自分の頭で考え、決断し、行動する事が求められるのです。
 オーストリア帝国だったかどこだったかの話で、ある将軍が戦いに破れ皇帝の前に出たときに「私は与えられた命令を忠実に守ったのです」と申し開きました。すると皇帝は「ただ命令に従うだけならば兵士と同じだ。お前は将軍だ。余はお前に独断専行できる権限を与えてあるのだ」と言ったといいます。
 ついでに言えば私は社長が「やれ」と言えば部下の犠牲も省みず実行する支店長の下では仕事はやりたくないっすね(笑)。実際、そういう上司の下で仕事をしましたが、「ただ忠実なだけの」上級司令官ほど無能な存在はない、と断言できます。

> もっと言えば、連合艦隊の総力を投入した決戦なら、連合艦隊司令長官を先頭に
> 突入すべきではなかったのでしょうか!!!

 熱い気持ちは判りますがね、お若いの。いくら戦争だからって大統領が戦闘機に乗って先頭で戦ったら、その国は負けますよ。人にはそれぞれの立場があります。大きな会社の社長が店頭で販売やっていたら、仕事が滞って仕方ありません。

> 指揮官先頭は、帝国海軍の伝統であり、又日本の情報力・通信力ではアメリカと違い
> 後方から複数の部隊を効率よく指揮する事は困難なのですから!

 この言葉にキッツイレスを付けられましたね(笑)。つけた気持ちが分かります(笑)。ルンガ夜戦で田中提督が「指揮官先頭」に立たなかったのは「真ん中にいれば前にも後にも目配りがきくから」だったそうです。遠足を思い出してください。一番の責任者、例えば校長先生などはたいてい集団のほぼ中央部にいたはずです。先頭に立っていると前は良く見えますが後ろはどうなっているかほとんどわかりません。
 ところがルンガで先頭に立たなかったばっかりに、田中提督は更迭されてしまいます。「伝統にのっとらなかった」ことに対する反発が大きかったからです。合理的であるより情緒的であることが求められたのです。なんとも馬鹿らしいかぎりです。

> 本当にそう考えると、司令官一人の人選でこうも変わってしまうのか、
> と言いたいです。多数いた命令に忠実に従い、死を省みず任務遂行に邁進した
> 多くの帝国海軍の将兵が浮かばれない様な機がします。

 とはいえ突入したからって将兵が浮かばれたとは到底思えません。

 どうも気になったのですが、どうやら「突入すれば大戦果は間違いがなかった」と確信して疑いがないようですが、はたして本当にそうでしょうか。サマール沖では鈍足の護衛空母にてこずり、米駆逐艦の果敢な突撃に思いのほか翻弄されています。これは日本軍指揮官の問題というより戦場ではこのようなことは日常的に起こると理解したほうが良いでしょう。
 実際レイテに突入しても、鈍足の輸送艦とはいえ逃げもするでしょうし護衛艦は必死で戦うでしょう。大戦果の可能性もありましたが「突入して全滅したのにロクな戦果が出なかった」可能性もありました。サマール海戦が良い例だと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:突入回避がすべてではないのでは?  ■名前 : TAKA  ■日付 : 02/1/22(火) 21:23  -------------------------------------------------------------------------
   > 社会人になるとたいがい誰でも経験するのですが、失敗に終わったプロジェクトを他人が「俺だったら成功させていたね」と言うことはよくあることです。

私だって「結果論」であり、「IF」の話である事は百も承知しています。
歴史にはIFも存在せず、後から何でも言えるのは確かです。
只歴史の事実のみを成功であれ失敗であれ只受け入れるだけでは、
何も意味がありません。無責任に言うのも問題ですが、失敗の事例をいかにすれば
成功するか考えるのも必要ではないのですか?
それが「建設的な議論」であり、それを一言で否定するのはどうかと思います。 

>  ただ上司に言われた事を忠実にこなすだけなら、(別レスでもあったように)指揮官なんて必要ありません。部隊を任される上級指揮官は自分の頭で考え、決断し、行動する事が求められるのです。
>  オーストリア帝国だったかどこだったかの話で、ある将軍が戦いに破れ皇帝の前に出たときに「私は与えられた命令を忠実に守ったのです」と申し開きました。すると皇帝は「ただ命令に従うだけならば兵士と同じだ。お前は将軍だ。余はお前に独断専行できる権限を与えてあるのだ」と言ったといいます。
>  ついでに言えば私は社長が「やれ」と言えば部下の犠牲も省みず実行する支店長の下では仕事はやりたくないっすね(笑)。実際、そういう上司の下で仕事をしましたが、「ただ忠実なだけの」上級司令官ほど無能な存在はない、と断言できます。

それはケースバイケースではないのですか?
独断専行ばかりを容認すれば、組織は成り立たないのではないのですか?
組織の中では、独断専行をしなければならない状況も確かに存在しますが、
基本的には命令には、意見具申をしても従うべきだと思いますよ!
社会人の第一歩の新入社員の時「仕事の基本は報告・連絡・相談」だと
言われませんでした? 私は独断専行は「報告・連絡・相談」が出来ないときに
行うべきだと思いますよ。


>  熱い気持ちは判りますがね、お若いの。いくら戦争だからって大統領が戦闘機に乗って先頭で戦ったら、その国は負けますよ。人にはそれぞれの立場があります。大きな会社の社長が店頭で販売やっていたら、仕事が滞って仕方ありません。

それは平時の話です。大会社でいつも社長が陣頭に立つのは確かに異常です。
非常時に陣頭に立ち、部下に模範を示し、リーダーシップを発揮して、
危機を突破するのこそ、本当に優れた指揮官・リーダーではないのですか?
そういう状況に当たった事のない人には分からないかもしれませんが、
そうでなければ、部下は付いてこないと思いますよ。
私はそうやって模範を示さないトップがいては、部下の士気は維持できないと思います。
又士気が低ければ、危機を突破できるほどの力は出てこないでしょう。
そう考えたら、捷号作戦時の連合艦隊は危機的状況にあったのではないですか!
私はそういう危機的状況で一発逆転しかない様なときにこそ、指揮官先頭が
重要だと思いますが・・

> > 指揮官先頭は、帝国海軍の伝統であり、又日本の情報力・通信力ではアメリカと違い
> > 後方から複数の部隊を効率よく指揮する事は困難なのですから!
>
>  この言葉にキッツイレスを付けられましたね(笑)。つけた気持ちが分かります(笑)。ルンガ夜戦で田中提督が「指揮官先頭」に立たなかったのは「真ん中にいれば前にも後にも目配りがきくから」だったそうです。遠足を思い出してください。一番の責任者、例えば校長先生などはたいてい集団のほぼ中央部にいたはずです。先頭に立っていると前は良く見えますが後ろはどうなっているかほとんどわかりません。
>  ところがルンガで先頭に立たなかったばっかりに、田中提督は更迭されてしまいます。「伝統にのっとらなかった」ことに対する反発が大きかったからです。合理的であるより情緒的であることが求められたのです。なんとも馬鹿らしいかぎりです。

確かにルンガ夜戦の時の田中頼三提督の更迭は問題があると思います。
全体を見渡す為には、「指揮官先頭」がすべてではないと思います。
状況が許せば指揮官はすべてを見渡せる位置にいるのがベターです。
只ルンガの場合、戦術単位が小さくそれこそ通信能力や情報能力が低くても
全体を見渡せ、把握できたから夜戦で大戦果を上げられたのです。
只レイテの場合、豊田提督は後方ですべてを把握していましたか?
豊田提督が作戦中に栗田艦隊に発した指示は「天佑を確信し全軍突撃せよ」
の一言だけでないですか?
私は指揮官が現場を知らず、上から指示だけしている状況こそ最悪だと思います。
(それこそ私も現場を知らない企画(戦争で言えば作戦ですよね)を基に
業務命令を受け、死にものぐるいで業務をした事がありますが、
それこそ企画立案者を今でも恨んでいますよ!!)
そう考えたら、作戦を立て決済し命令した司令官が、現場を含めすべてを把握
した上で、すべてを見渡せる後方より指揮をするのは当然でしょうが、
捷号作戦の時の豊田長官はそのような立場だったのでしょうか?
私は連合艦隊の通信力・情報力を考えたらそうではなかったと思います。
それなら情報の一番集まる現場に指揮官が立つべきではなかったのですか?
その現場こそ、私は栗田艦隊であったと思います。
(情報が現場に一番集まるというのは、それこそ社会一般の常識ですからね
その情報が伝わらない様な状況が存在するから、今みたいに急につぶれる会社が
存在するのです)
私なんか新入社員の時には「現場を重視せよ」「現場を把握し情報を集める事
こそ重要」と言われましたけど・・古いのですかね〜
只私は現場を軽視しているからこそ、今みたいに日本の経済(特に製造業・一部の
サービス業)は衰退していると思うのですが・・
上記の豊田長官の話こそ、教訓にすべきだと思います。

>  とはいえ突入したからって将兵が浮かばれたとは到底思えません。
>
>  どうも気になったのですが、どうやら「突入すれば大戦果は間違いがなかった」と確信して疑いがないようですが、はたして本当にそうでしょうか。サマール沖では鈍足の護衛空母にてこずり、米駆逐艦の果敢な突撃に思いのほか翻弄されています。これは日本軍指揮官の問題というより戦場ではこのようなことは日常的に起こると理解したほうが良いでしょう。
>  実際レイテに突入しても、鈍足の輸送艦とはいえ逃げもするでしょうし護衛艦は必死で戦うでしょう。大戦果の可能性もありましたが「突入して全滅したのにロクな戦果が出なかった」可能性もありました。サマール海戦が良い例だと思います。

少なくとも戦争をしているという現実を考えれば、将兵の「死」が存在するのは
仕方がありません。それを否定するには戦争の全否定しか有りません。
只その「死」という現実にせめてもの救いを与える物が「意義」ではないですか?
それこそ無駄死にでは浮かばれません。
又戦争での「意義」は、勝利・戦果に求めるしか無いでしょう。
帝国陸海軍の将兵は国を守る為に戦ったのですから・・
だから下記の理由により突入すべきではないのかと、この「四面楚歌」の状況でも
主張を続けているのです。

なぜレイテ突入に固執するかと言えば、少なくともハルゼイの機動部隊に
突撃するより勝算があったからです。少なくともハルゼイの機動部隊は、帝国海軍が
必死になって作った主決戦兵力の「T攻撃部隊」を筆頭とする基地航空部隊を
台湾沖で、一蹴しているのですから、戦艦の天敵の航空戦力を主兵としている敵に
対し、味方の航空支援がゼロの第二艦隊が突入しても勝算はゼロに近いのでは
無いですか! またもし戦艦部隊を突入させ勝てるのなら、小沢艦隊の囮作戦は
不要ではないのですか、そうでなければ戦死した小沢艦隊の将兵はまさしく
「無駄死」になります。 確かに一発逆転をねらうなら敵の主戦力の撃滅も
条件ですが、それが困難だからこそ機動部隊を囮にして、より戦いやすく戦果の
望めるレイテに突入する作戦を立てたのではないですか!
只レイテに突入すれば勝利は間違いなしとまでは言いません。
確かにサマール海戦では苦戦したのは事実ですし、第七艦隊も旧式とはいえ
戦艦も持っていますし、その戦艦は改装により戦力も上がっています。
又第七艦隊をうち破っても、第七艦隊とも戦闘中に輸送艦は待避している可能性も
十分あると思います。只それでもハルゼイの機動部隊に突入するより
勝算は一桁ぐらい高いでしょう。
もうあの時の日本には、日本を救うには無条件降伏以外には、敵に戦果を与え
日本本土攻略には、大きな犠牲がある事を悟らせ、それを基に講和(実質的には
有条件降伏でしょう)を引き出すしか無いのですから・・
そう考えたら、より確実に敵により大きな犠牲を与えるには、ハルゼイの機動部隊に
突入するより、レイテに突入すべきだったでしょう。
確かに何事もやってみないと分かりません。「IF」の中では、結論を出す事は
不可能だと思います。只歴史を考え、今このような状況に似た状況になったら
どの様に行動すべきか考え、過去に学ぶ事こそ重要であると考えます。
だからこそこのような議論を続けるのは大切なのです。
社会においても、議論がなければ良い方針は出てきません。
この議論を有意義に活用すればいいのです。
それだから「四面楚歌」になろうとも多数意見のアンチテーゼとして
私の持論のレイテ突入に固執しているのです。
(只みなさんの意見に当然納得する物も多くあるとは思っていますが
私の考えも全部合っているとの傲慢な考えはありませんが
間違ってはいないと思います)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 物を考える手順  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/1/22(火) 21:54  -------------------------------------------------------------------------
   > それが「建設的な議論」であり、それを一言で否定するのはどうかと思います。

前提が誤解に満ちていれば、建設的な議論はできません。
作戦の基本命令が既定のものであること、
栗田艦隊の任務が何であったか、
当時の情勢分析がどうであったか、
作戦の主兵力は何だったか、
それを誤解していてはどんなifも成り立たないでしょう。 
> 只レイテの場合、豊田提督は後方ですべてを把握していましたか?

栗田艦隊が把握していた情勢は後方でもほぼ同様に分析されていますよ。
栗田が知っていて、GF司令部が知らなかった重大事とは何でしょうか?

> 豊田提督が作戦中に栗田艦隊に発した指示は「天佑を確信し全軍突撃せよ」
> の一言だけでないですか?

違います。

> それなら情報の一番集まる現場に指揮官が立つべきではなかったのですか?
> その現場こそ、私は栗田艦隊であったと思います。

全く違います。大和の艦橋は海戦の期間中「集まった情報の一部を受け取る場所」でしかありません。
連合艦隊の通信能力が限られているなら、尚更第二艦隊にGF司令部が乗り込む訳には行きません。

> それだから「四面楚歌」になろうとも多数意見のアンチテーゼとして
> 私の持論のレイテ突入に固執しているのです。

気持ちはわかりますが、「私の持論」ならばもう少し「私」なりの解釈なり視点が
あってしかるべきだと思います。
失礼ながらこのご意見にはあまりオリジナリティを感じません。
仮説を立てる場合、その前提をもう少し確固たるものにしてから行わないと
何も得る所が無いでしょう。
せっかく深く考えようとしたのですから、物を考える手順としてまず「色々と調べてみる」ことをお奨めします。今は栗田艦隊や米戦艦部隊の残弾数まで判明しているのですから。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:Re:突入回避がすべてではないのでは?  ■名前 : 北見  ■日付 : 02/1/22(火) 23:29  -------------------------------------------------------------------------
   >無責任に言うのも問題ですが、失敗の事例をいかにすれば成功するか考えるのも必要ではないのですか?
それが「建設的な議論」であり、それを一言で否定するのはどうかと思います。 

何が成功で、何が失敗だったか? の段階での意見の相違が問題の様な気がします。
「突入=成功」と、取られかねない発言が「建設的な議論」の阻害要因に成りつつある気がします。

>独断専行ばかりを容認すれば、組織は成り立たないのではないのですか?
>組織の中では、独断専行をしなければならない状況も確かに存在しますが、
>基本的には命令には、意見具申をしても従うべきだと思いますよ!
>社会人の第一歩の新入社員の時「仕事の基本は報告・連絡・相談」だと
>言われませんでした? 私は独断専行は「報告・連絡・相談」が出来ないときに
>行うべきだと思いますよ。

新入社員の時の「報連相」と責任や権限を持つ様になってからの「報連相」は意味が違いますよね。十分な判断力の無い若い時分に相談もせずに「独自の判断」を行えば怒られる事が多いと思いますが・・・。しかし、責任の有る立場の「報連相」とは、独自の判断を下し(その為に、同僚や部下とも相談や連絡を取ります)、責任の所在を明確にする為の物です(事を曖昧にしない様に報告します)。
時に応じて、独自の判断(独断とも言えます)を取れないような人物は、かえって組織にとって有害とも言えると思います。まして、多くの事柄が相対的な戦場では、判断の下せない「仕官」に存在意義は無い気がしますが。
繰り返しますが、栗田提督は新入社員ではありません。

>(上記略)…私はそういう危機的状況で一発逆転しかない様なときにこそ、指揮官先頭が重要だと思いますが・・

連合艦隊が100人規模の組織なら指揮官先頭も良いかも知れませんが・・・組織の中での役割を疎かにされては困ると思いませんか?
個人的には、連合艦隊司令部にそんな暇は無いと思いますが。

>確かにルンガ夜戦の時の田中頼三提督の更迭は問題があると思います。
  ・・・中略・・・
>上記の豊田長官の話こそ、教訓にすべきだと思います。

情報の一番集まる場所が、ある1艦隊の旗艦艦橋てのはどんなものかと・・・。
ならば、なぜ国内に大規模な指揮通信施設を造ったのか理解できなくなります。
しかも、情報は「生」では役に立たない物が多いものです。しっかりとした分析と整理が必要不可欠な物です。これは、1旗艦の中だけでこなせる物では無いはずです。(なにせ、100人程度の産廃現場(工事中)の書類でもへばりそうだし(^^; )


>(それこそ私も現場を知らない企画(戦争で言えば作戦ですよね)を基に業務命令を受け、死にものぐるいで業務をした事がありますが、それこそ企画立案者を今でも恨んでいますよ!!)

私は逆のケースに遭った事あるよ。現場しか知らない上司が上意下達でね。朝7時から灯油を買う人が多く居るかよ(涙 結局、その会社はやめましたが。

>少なくとも戦争をしているという現実を考えれば、将兵の「死」が存在するのは仕方がありません。それを否定するには戦争の全否定しか有りません。
只その「死」という現実にせめてもの救いを与える物が「意義」ではないですか?
それこそ無駄死にでは浮かばれません。
(以下略)

歴史を考え、過去に学ぶのであれば、「何故、あのような戦争になったのか?」との、視点から見直されてはどうでしょう。
戦争に拠る死が無意味かどうかは、戦後の社会が後付けで付ける物のような気がします。
戦死であれ、死は死に過ぎません。「意義」が有ろうと無かろうと、一つの生命、その可能性が消えてしまうのです。
それが現実です。
個人的には「武器もしくは、それに類したもの」の使用に拠る死が無くなる事は今後も無くなる事は無い。と思っています。
だからこそ、強制された死を特に意味付けしない方が良いとも思います。
冷たい物言いかとも思いますが、死に意味を見出す社会は、ある一面において怖さを感じてしまうので。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : なんつーかですね  ■名前 : まなかじ  ■日付 : 02/1/23(水) 0:02  -------------------------------------------------------------------------
   要するに、TAKAさんのふっかけている議論は、既に完全に「時代遅れ」なんですよ。

ここで回答なさっておられる人たちの多くは、十ン年以上も前から、もうこの議題でさんざんやり尽くしてるんです。
当然、TAKAさんが考えているような状況はすっかり考慮済みの上、もう外した、ということなのです。
BUNさんの「今は栗田艦隊や米戦艦部隊の残弾数まで判明しているのですから。」という発言は、そういったことがわからないうちからやってるんだよ、ということです。
そしてまた、いまはそういうこともわかっていて、それを踏まえて話をしているんだよ、ということでもあります。
その結果として、ifの余地がほとんどないということなんです。
レイテのときに限らず、調べれば調べるほど日本海軍はよく戦っていて、ちょっとした後知恵で思いつくようなことは、どこかでやっているか、あるいはちゃんとしたできない理由、やらない理由というものがあったりします。

新しい資料がたくさん手に入る時代に、後から来てヘンな道を通らずに済むはずの人が、あまり資料も手に入らない(あるいは発掘されていない)ころにやっていたような話をしているのは、歯がゆいというかなんというか(苦笑

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 時代遅れだって構わないけれど  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/1/23(水) 7:11  -------------------------------------------------------------------------
   > 要するに、TAKAさんのふっかけている議論は、既に完全に「時代遅れ」なんですよ。

時代遅れだって一向に構いません。
知らない事実があっても恥かしくはありません。
それでも発言は「自分の言葉で」「自分で考えて」しなければなりません。
しかし、どんな本を読まれて発言されているのかすぐ判ってしまうのは
正直言ってどうかな、とは思います。
たとえ古いテーマであっても、そこに自分自身の言葉と考えで
新しい視点を加えることはできるはずです。
そうであれば「栗田艦隊」についてもう一度取り上げる価値もあるというものです。
「英霊に申し訳が立たない」「国に殉ずる」(実はこういう調子が大嫌いです。)
などとグロテスクな事を言い出す前に、無際限に自分を語り出してしまう前に
落ち着いて考えてみて欲しいと願います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 話がずれてしまいますが  ■名前 : んがんぐ  ■日付 : 02/1/24(木) 2:23  -------------------------------------------------------------------------
    ド素人ですので市販の本しか読む機会がないし,マメにチェックしてるわけでもないので新しい資料でこの話題を取り上げているものは知りませんが,「レイテ戦記」からは台湾沖での航空攻撃による戦果にかけられた期待,フィリピンでも執拗に繰り返される日本軍の航空攻撃,飛行場建設に駆り出される歩兵,レイテ沖海戦後も偽電や韜晦行動によって積極的にフィリピン近海の米軍にとっての不安要素となるべく行動する第2艦隊,などが描かれてます.栗田中将はこの時点で更迭されていなかったはず.2水戦の田中提督とは違う扱いに感じられます.古い資料もやはり陸海軍は航空部隊を決戦兵力として期待し,連合艦隊は水上部隊の過早な消耗を望んではいなかったことを示すのではないでしょうか.ifの余地がほとんど無いというのも気にかかります.レイテ戦は予定外だったのではないでしょうか.レイテのときに限らずそう感じます.大恐慌から条約時代にかけて設計された小艦艇とか,第一次大戦の戦訓は何処へいったのかとか,勝ち負けは変わらないでしょうが聞き分けが良ければ非戦闘員の死者数は大幅に減らせそうなifとか,調べるほど出てきそうです.第一師団の輸送の成功も現実に起きてしまったifくらいに思ってます.ほんとに絶妙の一瞬だったのを大本営が「いける!」と思ってしまったのがその後の悲劇の元だと.
 ところで,歯がゆいというかジンマシンが出る思いは重々承知,真に申し訳なく思いますが,その,日本陸海軍の調べに調べた「よく戦った」ところや,「後知恵」をやってるとこやできない理由できなかった理由をなんか,こう,まとまった形にしてお求め安くして頂くと我々不精な素人はとても有難く,幸せいっぱいになれると思うのです.TAKAさんもきっと溜飲を下げることでしょう.

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:話がずれてしまいますが  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/1/24(木) 6:25  -------------------------------------------------------------------------
   >  ところで,歯がゆいというかジンマシンが出る思いは重々承知,真に申し訳なく思いますが,その,日本陸海軍の調べに調べた「よく戦った」ところや,「後知恵」をやってるとこやできない理由できなかった理由をなんか,こう,まとまった形にしてお求め安くして頂くと我々不精な素人はとても有難く,幸せいっぱいになれると思うのです.TAKAさんもきっと溜飲を下げることでしょう.

ifの余地が無いというのは栗田艦隊の行動についてでしょう。
まなかじさんはそう主張しています。
レイテ上陸が予想外かどうかですが、基本的には予想の範囲にあると見て良いでしょう。
基本命令に変更なく対処できる状況であったからです。
捷号作戦は陸軍航空隊各隊の装備する各機種の運用まで定めているものだからです。
その後の陸戦に関しては海戦の結果を反映していますので、海空戦の結果によって日本側が新局面を迎えたと判断した為に発生した事と捉えて良いと思います。陸戦方針は栗田艦隊とはまた別の問題なのです。ここで陸海軍の協同がもう少し密接ならばと考えたくなりますが、それではifの数が多すぎるのです。

私はifを考える時、少なくとも真面目に論ずる価値のあるのはある局面でのある行動が一つだけ違っていたら、という程度までだと思っています。幾つものポイントを変更して得られる可能性というものはどちらかというと夢の類に入ってしまうようです。
安直にifを設定するよりも現実の背景をよく眺めたほうがより確実に色々な事がわかりますし、通俗的なifではなく誰も気がつかないifのポイントに至る事もできるかもしれません。逆に今まで言われていたifがifではないことまでも判るかもしれません。まなかじさんが言っている「理由がある」とはそういうことなのでしょう。

それから資料に関して言えば、今回取り上げた内容は全て二十年前から出版物で読むことができますので、別に誰も知らない新情報を取り上げて説教している訳ではありません。
ただ、ものの考え方の問題なのです。こんな大きな作戦なら、なぜ誰がいつ何処でどのように計画を定めて命令したのか、と考えて欲しいのです。大きな軍隊が動くには計画もあれば命令もあるのですから、まずはその辺りを調べてみれば「何だ、こんなことだったのか」と思う事は沢山出てくるでしょう。

このように昔から市販されていた本で読める事柄だけ述べていますので「調べに調べた」と揶揄されても答えに困ります。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : あっ、それには異論ありです  ■名前 : k-mine  ■日付 : 02/1/24(木) 23:21  -------------------------------------------------------------------------
   はたして、本当に「時代遅れ」なんでしょうか。はっきり言って議論ボード久々の盛り上がりだと思います。これだけ議論が盛り上がっていると言うことは、やはり、この作戦にはそれだけ我々の心を惹きつける何かがあるのでしょう。

あまりそうやって「議論され尽くした事だから」と、さくっと却下されるのには反発を感じてしまいます。なぜなら、議論し尽くしたのは先輩方であり、私たちではないのですから。
それに、フェルマーの最終定理のように名だたる数学者が散々考え尽くして「解けない問題」とまで言われていながら解けちゃった問題もあることですし、手垢がついた事柄でも大いに議論するべきではないでしょうか。第一、そんな事言い出したら第二次大戦ネタで議論出来ることなんて何もないっスよ。

後から来てヘンな道を通らずにとおっしゃいますが、理系の学生だってオウムにハマる奴はハマるのです。それにTAKAさんの周囲には彼の話に付き合える人がいないのでしょう。まあ私もBUNさんと同じく彼の情緒全開の理論展開には賛同は出来かねはします。しかし、「議論され尽くした」と言い切るなら、もっときちんと体系的に論破するのが先達の説明責任だと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:あっ、それには異論ありです  ■名前 : SUDO  ■日付 : 02/1/25(金) 2:52  -------------------------------------------------------------------------
   > はたして、本当に「時代遅れ」なんでしょうか。はっきり言って議論ボード久々の盛り上がりだと思います。これだけ議論が盛り上がっていると言うことは、やはり、この作戦にはそれだけ我々の心を惹きつける何かがあるのでしょう。

果たしてこの一連のスレッドは「議論」なのでしょうか?
私にはそう思えません

> 後から来てヘンな道を通らずにとおっしゃいますが、理系の学生だってオウムにハマる奴はハマるのです。それにTAKAさんの周囲には彼の話に付き合える人がいないのでしょう。まあ私もBUNさんと同じく彼の情緒全開の理論展開には賛同は出来かねはします。しかし、「議論され尽くした」と言い切るなら、もっときちんと体系的に論破するのが先達の説明責任だと思います。

体系的と申されましても

栗田提督も聯合艦隊も殆ど同じ物を見、感じており
提督の判断は当初の予定に反する物ではなく
是認され肯定されるものであったことはBUNさんが述べられてます

また物理的に見ても、また双方の兵力配置から見ても突入の成功確率は非常に低かった事

レイテ・キャンペーンという一連の軍事行動において
第二艦隊の行動は全体の一部でしかなく
その前にも後にも、各種の行動が連なっていた事が既に述べられています

つまり、多数の観点で、栗田提督と彼の艦隊の行動は軍事的常識の範疇であり
謎でもないし、また絶大なIFでも無いと述べられていませんか?

TAKAさんの個人的な想いは別として(これは個人の鑑賞の問題ですから)
何も目新しくも無ければ、何か覆すような発想も主張も無いのです

BUNさんが「自分の言葉で延べよ」と主張するのはそれなのです
TAKAさんの主張は、何を見て影響されたのかも想像が付く程度の
良くある、もう見飽きた、つまらない、主張なのです

ですか、間違いを指摘するのも簡単ですし、当然ですが議論にもなっていないのです

もう一度書きます
「この一連のスレッドは議論になってません」

個人的心情の吐露は、議論の対象にはなりませんし
立脚点の誤りは既に多くの人が指摘しています


眠れないので暴論書いちゃった(笑)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 整理整頓  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/1/25(金) 5:41  -------------------------------------------------------------------------
   >しかし、「議論され尽くした」と言い切るなら、もっときちんと体系的に論破するのが先達の説明責任だと思います。

別に「先輩」じゃないんですけれどもおっしゃることはわかります。
頭ごなしに「議論し尽くされた」という態度をとるまなかじさんも気持ちは解りますが
誤解を招くでしょう。でも、今までの流れを読むだけでさえ、少なくとも、以下の点は、かなり「体系的に」はっきりしたのではないでしょうか。

1.機動部隊の囮作戦と第二艦隊の突入作戦は台湾沖以前に決まっていた。
  (機動部隊は第二艦隊だけではなく、基地航空部隊の為の囮でもあります。)
  「台湾沖の結果、発案された特攻作戦ではない」

2.栗田艦隊への基本命令の内容。
  (敵攻略部隊への攻撃任務は基地航空隊の任務にも数えられています。)
  「遮二無二レイテ湾へ突入する訳ではない」

3.栗田艦隊の「謎の反転」は司令部から容認されていた。
  (前日の反転のような批判めいた電文は無い上戦果として天皇に奏上されている。)
  「反転は卑怯でも意外でも何でも無い」

4.栗田艦隊の米機動部隊に対する戦果は即日、非常に高く評価された。
  「臆病といった評価ではなく海戦直後、栗田はある意味凱旋している」

5.その結果栗田艦隊が切り拓いた「新局面」として11月以降の作戦は決定している。
  「海戦の三日間は捷号作戦の全てではない。むしろその後が激戦だった」

6、第二艦隊旗艦に栗田司令部ではなくGF司令部が乗れば良いというのは俗論。
  GF司令部が進出すべきと批判された場所は主作戦の指揮中枢=陸上基地だった。
  「第二艦隊旗艦の艦橋は情報中枢でも指揮中枢でもない場所だった」

7.捷一号作戦の主兵力は台湾沖航空戦後でも1000機と見積もられた陸海軍航空兵力。
  そして基本計画上も捷一号の主体は航空作戦だった。
  「在比島の300機が全てではなく増援兵力の見積りの上で計画されている」

8.主体となる第二航空艦隊は海軍の主力として位置付けられている。
  「海軍の主力は機動部隊ですらない」

以上の事は文書で確認できる。

こんな所で一回まとめてはいけませんか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 追加と感想  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/1/25(金) 5:51  -------------------------------------------------------------------------
   あと、感想ですけれど、
知らない事実があるなんてことは少しも恥じゃない。
現在手に入る主要な戦記にはそう書いてあるのだから当然と言えば当然のこと。
だから何にも気にする必要はない。
「本当かよ?」との感想があっても当たり前。
問題は何も無い。無いんだけれど、論ずる倫理とマナーはあるはず。
ある意味、将棋の棋譜を読みながら論じているような後世の我々が
「英霊」だの「国と何とかに殉ずる」のといった事は絶対に口にすべきではない。
二度言ったらまた怒るよ、ということです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:整理整頓  ■名前 : k-mine  ■日付 : 02/1/26(土) 0:56  -------------------------------------------------------------------------
    非常に分かりやすい説明ありがとうございます。

私見ですが、この海戦には現在の日本の抱える問題と非常に共通したものを感じてしまいます。

1.出口の見えない状況
 マリアナ海戦に破れた時点で戦争の帰趨は明らかで、もはや「いつ敗戦を受け入れるか」という絶望的な状況でした。先の見えない時代に、当時の日本と現在の日本がダブって見えてしまいます。
2.国民に隠される真実
 戦況は絶望的であるものの、国民には一切知らされず「勝った勝った」とウソをつき続けました。あまつさえ台湾沖航空戦では陸軍にさえウソをついていました。「資料がない」と言っていたのに大臣に一喝されるとあっさり資料が出てきた薬害エイズ事件や未だ明らかにされない不良債権問題を考えると一体当時の国民と我々に違いがあるのかどうか考えさせられます。
3.末端に押し付けられる責任とリーダーの不在
 本来、レイテ海戦の敗北の責任は最高司令官である連合艦隊司令長官であるはずです。なにより輸送艦隊への攻撃優先にも機動部隊への攻撃優先にもどっちにもとれる曖昧な命令を出しているのですから(考えてみるとこの「どっちにも取れる内容」は役人とサラリーマンの常套手段といえます)。
 おまけに現代に至るも非難されるのは現場指揮官です。現代でも大企業が不祥事を起こしても「あれはいち社員が勝手にやったことだ」と社長は知らぬ存ぜぬをいけしゃあしゃあとしているのは枚挙にいとまがありません。
4.未だ私たちの心に巣食う精神至上主義
 TAKA氏の主張は言ってみれば「断固たる精神を持って突撃に次ぐ突撃をすれば鬼神もこれを避くものだ」と何の根拠もなく言っていた昭和軍人と同じです。こんな時代遅れどころか化石的な主張が若い人から出てくるなんて私は未だ信じられません。彼の思想は陽明学(結果を考えず思い立ったら行動する事を至上とする考え)に通じるものを感じます。

 TAKA氏ひとりをつるし上げるのは誠に失礼なのですが、どうも最近このような主張を持つ若者がチラホラ増えているようで、どうもその影には彼らを煽るマンガ(明言はしませんがばればれですね)の存在があり、あの戦争であれほどの犠牲を出しながら一体我々は何を学んだのか自分自身を含めて考えさせられてしまいます。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:整理整頓  ■名前 : TAKA  ■日付 : 02/1/27(日) 1:06  -------------------------------------------------------------------------
   まあ正直言って今の此処での私は「包囲殲滅寸前」状態ですから
もう書き込みする機はありませんでしたが、ちょっと言わせて貰います。
まあ日本は今では「言論の自由」が保証されているので、こういう議論で
意見をぶつけ合って結果論的につるし上げになっても、合法の範囲内なら
文句は言えませんし言う気もありません。まあ私も過激な事を言っていますが
納得する意見も多々有ります。
但し一つだけ強く否定させてください!!
私のこの考え方はK氏の漫画に触発された物では有りません。
私は中学時代(15年近く前)から基本的な考え方は一貫しているつもりです。
(それで中学の担任(社会科担当)と夏休みの宿題の内容で大議論になったのが
初めてですから・・)
それに確かに私の意見は旧軍的な精神主義であるのは否定しません。
只K氏の漫画みたいに少なくとも戦争を肯定するつもりはございません!!
私は太平洋戦争はアジアに対し侵略戦争で日本は忠実に謝罪すべきだと
考えています。
精神主義と侵略肯定主義や戦争肯定は一緒ではありません。
確かに精神主義は「イケイケドンドン」主義ですから、似たもの同士と言われる
かもしれませんが・・
私は此処の議論で一度も侵略を肯定した事は無いはずです!!
確かに「死んでこい」的な事を言いましたが、
少なくとも私の議論の域は戦術的な物と精神的な所を出ていなかったと
思いましたよ。(あなたとの1回を除いて、あれは一般論ですから)
只戦死を引き起こす戦争に対する責任の議論は、レイテに関する
この議論とは又別にテーマを作るべき物でしょう。
議論ですからあなたの上記以外の議論について、反論しても全否定する気は
有りませんが、K氏の漫画は私は決して好ましい漫画だとは思っていません。
(日本は先にも行った様に言論自由の国ですからそれ以上言えませんが・・)
私は非常の好ましくない否定すべき物だと思っています。
それだけ否定させて頂いて此処での議論を終わらせます!!

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 論点を整理します  ■名前 : ささき  ■日付 : 02/1/23(水) 9:45  -------------------------------------------------------------------------
   >  どうも気になったのですが、どうやら「突入すれば大戦果は間違いがなかった」と確信して疑いがないようですが、はたして本当にそうでしょうか。

それは「わかりません」としか言いようがないですね。
突入していたら大戦果を挙げることができたかも知れません、その可能性は
ゼロではないです。突入後奇跡的に追撃も受けず帰還できたかも知れません。
その可能性はかなりゼロに近いと思われますが、しかしゼロだったわけでも
ありません。
TAKAさんは誤解されているかも知れませんが、そのことはここの常連は
だいたい理解しています。

問題は突入が成功したかどうかではなく「何故突入しなかったのか」ですよね。
そして「ゼロではない可能性に賭けなかった」ことで栗田提督は、連合艦隊は
責められるべきなのかどうか?という事でしょう。

ここの常連にとってフィリピン戦を取り巻く状況、栗田艦隊に与えられていた
任務、当時把握されていたデータ、後世に判明したデータ、それらを突き
合わせて考えると、栗田艦隊の行動は理性的で当然の判断に基づいたものと
判断できるのです。

それでも「突入すべきだった」と主張されるのは別に構いません。
しかしここは「議論ボード」でなのですから、持論を主張される以上それなりの
根拠が必要です。そして「成功の可能性がゼロではかった」という点なら、
大和特攻だってインパール作戦だって同じことになってしまうのです。

TAKAさんが「大和特攻は反対だがレイテ突入には意義があった」と
おっしゃる気持ちはわかるつもりです。ですが、その感情論をそのまま
議論の俎上に上げても矛盾を生むばかりではないでしょうか?
栗田提督を批難するのであれば、「なぜ突入すべきだったのか」を
(感情的にではなく)論理的に説明できなければ議論になりません。
感情論ならば大和特攻を「日本民族の精神的昇華」などと美辞麗句で
褒め称えることだって可能になってしまいますよ。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:栗田は自らの名誉と引き換えに人命を救った?  ■名前 : tackow  ■日付 : 02/1/21(月) 23:28  -------------------------------------------------------------------------
   >特に宇垣中将は第二艦隊の次席司令官であり、栗田が愛宕
と一緒に沈んで戦死していたら、逆に突入に成功していたであろうと私は思います。
(栗田が戦死していたら、指揮権は次席の宇垣に継承されるから)

 よく言われる説ですが、これは怪しいです。

 というのも、リンガ泊地での宇垣司令官は終始「泊地への突入」よりは「敵主力との決戦」を指向していましたし。なによりも、サマール沖での戦闘が終結に向かい、栗田艦隊がレイテ湾に向かおうとした時(そう、一度は栗田長官もレイテ湾へと突入しようとしたのです)に「なにを考えてか針路を二二五度としてレイテ湾に突入すると信号せるが」と、レイテ湾へと突入するのを批判的に捉えています。
 
 これから推察するに、もし、宇垣司令官が艦隊を率いていたならば、レイテ湾へと突入する可能性はかなり薄いのではないか、というか突入しないのではないか。と思えます。

 BUNさんが既に書かれていますが。10月20日に出された豊田長官が発した電文でも「〜三、第一遊撃部隊は二十五日(x日)黎明時「タクロバン」方面に突入。先ず所在海上兵力を撃滅、次いで敵攻略部隊を殲滅すべし〜」となっております。
 命令がそうなのですから、「艦隊決戦派」である栗田艦隊が、なにがなんでもレイテ湾へと突入する必然性は無いと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 細かいツッコミ失礼  ■名前 : どんべ <donbe@mx1.tees.ne.jp>  ■日付 : 02/1/20(日) 23:47  -------------------------------------------------------------------------
   >思わぬ損害を出した米軍は原爆の使用に躊躇する事はなかったでしょう。
>とするとポンポンと景気よくきのこ雲が立った可能性は充分にありえるわけで、

 誤解を招きそうな表現ですので、少々突っ込ませて頂きます。

 米国の中で原爆の使用に賛否があったのが事実ですが、
結果的には米軍は最大限に急いだ形で原爆を投下しています。

 玉音放送の前日、8月14日には、「スプーク」と「ジャビット3世」の2機が、
まだ完成していない「3発目」の空輸のために米本土に向かっており、
「ザ・グレート・アーティスト」には観測機器が搭載されたままです。

 「米軍は原爆の使用に躊躇」してなどいないのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : それも結果論だと思います  ■名前 : ささき  ■日付 : 02/1/21(月) 5:13  -------------------------------------------------------------------------
   >  恐らく栗田は「いつ突っ込むか」というより「いつ引き返すか」を考えていたのではないでしょうか。自らの率いる部隊の規模を考えればさすがにみすみす全員を殺すには忍びなかったのでは。

「私が」栗田提督の立場に立てば、きっとそういう観点から判断を下すでしょう。
しかしあくまで想像ですが、軍人である提督が人命の軽重という感情論的な
視点から決断を行うことは無かったと思います。

>  思わぬ損害を出した米軍は原爆の使用に躊躇する事はなかったでしょう。とするとポンポンと景気よくきのこ雲が立った可能性は充分にありえるわけで、とすれば、彼は自らの名誉と引き換えに数十万の人命を救った、というのはいささか考えすぎでしょうか。

逆に栗田艦隊が突入によって全滅していたならば、日本の降伏は
数ヶ月早まり、原爆投下も沖縄戦もソ連侵攻もなかったかも知れません。

歴史に if は禁物、という言葉の意味を痛感します。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 大和に同居した二つの司令部  ■名前 : weasel  ■日付 : 02/1/20(日) 15:26  -------------------------------------------------------------------------
   大和通信科の予備士官(名前失念)の著書で「宇垣が受け取った電文を栗田は受け取っていなかった」とする説を読んだことがあるのですが皆さんはこの説についてどう思われますか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : レイテに突入して名を残すのはオルデンドルフ少将になる気も・・・。  ■名前 : ルージュ  ■日付 : 02/1/21(月) 9:35  -------------------------------------------------------------------------
   ちょっと本題からは外れるのですが気になる事が一点あります。
よく言われるのが突入すれば米艦隊を突破して上陸部隊を攻撃できたという意見ですが
本当に米艦隊を突破できたのでしょうか。
残った護衛空母部隊からの空襲もありえる状況で第七艦隊を本当に突破できたのか
突破したとしてその時どれだけの戦力が残っているのか
米軍側は第二艦隊を仕留められなくても時間が稼げれば勝ちです。
TF38は第二艦隊を探す必要も無く攻撃可能圏に入れば攻撃隊を出せば良い訳ですし
第二艦隊に与えられた時間は結構少ない気がします。

米軍側のPTボートも含む魚雷の残存数次第では米第七艦隊が単独で阻止しかねない
と言うのは暴論でしょうか?(汗)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:レイテに突入して名を残すのはオルデンドルフ少将になる気も・・・。  ■名前 : SUDO  ■日付 : 02/1/21(月) 18:08  -------------------------------------------------------------------------
   > 本当に米艦隊を突破できたのでしょうか。
> 残った護衛空母部隊からの空襲もありえる状況で第七艦隊を本当に突破できたのか

無理ですね
まだ護衛空母群が2つ残ってますし、陸軍航空隊の重爆も残っています

あの一日の前半だけで栗田艦隊は
鳥海、鈴谷、熊野、筑摩が脱落しました
反転したときに残っていたのは
ボロボロになった羽黒と利根に、能代と矢矧、そして能代をこの後失います
つまり前進した場合、栗田艦隊の巡洋艦は全滅します
脱落艦艇の救援に駆逐艦が向かうでしょうから、駆逐艦も居なくなります
(この時点でも残ってる駆逐艦は少ない)

残る戦艦4隻だけでは索敵も哨戒も出来ません
栗田提督が非常な幸運の持ち主でもなければ、敵水上艦と接触する前に艦隊の手足と目を全て失います
つまり、前進は出来ません

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 冷静に見ると別に不思議でも何でもない行動  ■名前 : ルージュ  ■日付 : 02/1/21(月) 19:49  -------------------------------------------------------------------------
   >栗田提督が非常な幸運の持ち主でもなければ、敵水上艦と接触する前に艦隊の手足と目
>を全て失います
>つまり、前進は出来ません
ええ、突入出来るのかと疑問に思って使える戦力を調べると重巡は全て損害を受けていて
駆逐艦、軽巡の数もも2.5倍の差がついていました。
これだと例えレイテ湾入り口まで辿り着いても米駆逐艦らの襲撃を切り抜けるのは
大変というか無理なのではと思った次第で、この状態だと機動部隊発見の誤報が無くても
空襲で更に戦力を失ったり、戦艦にも被害が出ると撤退せざるを得なくなったでしょうし
菊水作戦のような特攻作戦なら兎も角、冷静に考えれば別に非難されるような状況とは
思えないですね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:冷静に見ると別に不思議でも何でもない行動  ■名前 : 山家  ■日付 : 02/1/22(火) 21:07  -------------------------------------------------------------------------
    大和の戦力を低く見積もり過ぎといわれるかもしれませんが。
 単純に、戦艦の数と能力を比較しても、栗田艦隊のレイテ湾突入は、困難ではないで
しょうか。栗田艦隊の戦艦は、大和、長門、金剛、榛名の4隻に対し、米艦隊は、メリ
ーランド、ウエストバージニア、テネシー、カリフォルニア、ペンシルバニア、ミシシ
ッピーと6隻の戦艦を保有しています。主砲の門数等を比較すると、栗田艦隊は、18
in砲9門,16in砲8門,14in16門ですが,米艦隊は16in砲16門,1
4in砲48門です。これに対しては、米艦隊は、主砲弾が不足気味だったという主張
等があります。しかし、栗田艦隊が、頻繁に空襲を受け、疲労しきっていたことを考え
ると、仮に栗田艦隊が、レイテ湾に突入しても、米艦隊を突破できたとは、私には考え
づらいです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 逆に第二艦隊が水雷戦隊の突撃を受ける羽目に??  ■名前 : ルージュ  ■日付 : 02/1/22(火) 22:16  -------------------------------------------------------------------------
   >  大和の戦力を低く見積もり過ぎといわれるかもしれませんが。
それも考えなくも無かったのですが、果たして大和でも戦艦級相手となると
そう簡単に勝負が付くものだろうかと疑問に思ったりもしたのです。
大損害を受けても沈まないでいられれば雷撃の時間ぐらいは稼げそうですし。
大和もそう簡単には沈まないでしょうが気がつくと大和しか浮いてなかったという
状況になっているかもしれませんね。
何だか戦前に日本がやろうとしていた事を逆にやられている場面が浮かんできます(汗)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:冷静に見ると別に不思議でも何でもない行動  ■名前 : SUDO  ■日付 : 02/1/23(水) 19:50  -------------------------------------------------------------------------
   他の皆さんも同様に考えているのかもしれませんが

栗田艦隊の戦力、オルデンドルフ艦隊の戦力は、実際問題として余り意味はありません
過去多くの海戦がそうであったように、水上戦闘なんてのはどうなるか判らない部分が非常に大きく
また、栗田艦隊の持つ戦艦の潜在能力はオルデンドルフ艦隊を殲滅する事だって不可能ではないのです
問題は、栗田艦隊の戦艦がその状況に持ち込む事ができるのかという点なのです
サーマルでそうだったように、また多くの海戦で事例があるように
不十分な体勢からでは有利な位置を取るのは困難で、よい結果を生みません
スリガオのように、日本海海戦のように
入念な布陣が出来ていたならば結果は大きく変わったでしょう

そしてそういった状況を作り出すには、索敵等が非常に大事になってきます
水上戦、特に大規模な物が、意外と中途半端な結果に終わる事が多いのは
こういった戦術機動面の問題が避けて通れないからです(だから航空機が魅力なのですが)

そして、あの時
双方のどちらが、多少大きめの次元で見た場合
より有利な布陣を行える可能性を持っていたのでしょうか

殆どの戦艦は戦艦主砲弾や魚雷を複数受けたら戦闘能力を喪失します
そして、どちらの陣営にも潜在的に敵戦艦に複数の砲弾魚雷を叩き込めるだけの残弾は抱えていました
どちらにも同じだけの機会は与えられています
違うのは
オルデンドルフ側には優勢な航空戦力の支援と優勢な軽艦艇数量から
事前準備をする時間と機会があり、栗田側には無いという事なのです

戦いは火蓋を切る前に大半が決まっている物ですし
そして、栗田側はその次元で既に敗北しているのです
大和がどれほど強くても、袋叩きです
あの戦艦は強力ですがオルデンドルフ艦隊の潜在能力から見たら
大破させる事は充分に可能であり
そうなったら大和はブルネイに辿り着くことなく妹の後を追ったでしょう

戦いは既に決していたのです

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 私見としての「栗田艦隊謎の反転」とこの一連の議論の結論  ■名前 : TAKA  ■日付 : 02/1/27(日) 22:58  -------------------------------------------------------------------------
   私の最初の書き込み以来、表記仁件に着きまして色々と議論頂きましたが
一応私の議論の節目として此処で「私見」と前置きした上で、多少長くなりますが
結論について書きたいと思います。今後とも皆さんご自由に議論して下さい。
(今まで袋叩きに有ってきましたが、今後よっぽど反論しなければならない
事が出てこない限り、書き込みをする気はございません)
(1)「栗田艦隊謎の反転」についての結論
 この問題に関して私以外の殆どの方は反転を肯定なされていますが、
私は下記の理由によりやはり反転は間違えており、レイテに突入すべきで
あったと考えます。
1.栗田提督自身が反転は間違いだとコメントしている事
 この問題の核心の人物栗田中将は、戦後も殆ど表に出ず特のこの問題には私の
記憶の限り殆どコメントをしていませんが、唯一海軍の従軍記者にして著名な
ジャーナリストである伊藤正徳氏に対し昭和30年頃にインタビューに応じています。
その事は伊藤氏の著書「連合艦隊の最後」の中に詳しく書かれていますが、
要約して言うと「その時は最善と信じ命令したが、今考えると僕が悪かったと思う
何しろ命令だったのだから。その命令を守らなかったのは軍人として悪かったという
他はない」「その判断も今から思えば健全でなかったと思う・その時はベストと
信じていたが、考えてみると非常に疲れている頭で判断したのだから、疲れた判断と
言う事になろう」「それを(敵機動部隊)捕捉できると思っていたが、つまり判断の
間違いなんだ。敵は100マイルぐらいの遠方で戦うのだから、いくら追っても
捕まえる訳はないのだが、それを捕捉して潰してやろうと考えたのが間違えだった。
何しろ敵空母撃滅が先入観になっていたのでそれに引きずられた訳だ」
と言っています。このコメントは栗田中将と伊藤氏が戦前からの旧知の間柄であった
事を考えると、かなり栗田中将の本心を掘り出していると思います。
上記のコメントを見れば、何が有れども本人がこのようにコメントしているので
それ以上言う必要はないでしょう。本人が一番分かっているのですから・・
(2)あくまでも命令は「レイテ突入」にあった点
 栗田中将も上述のインタビューで「レイテは動かずにあった。機動部隊は動いていて
会敵は未知数であった。命令もそうだが未知数の方へ反転したのは拙かったと
言われれば弁解は出来ない」と言っています。又上述の様に「命令を守らなかったのは
軍人として悪かったと言うほか無い」とも言っています。確かに連合艦隊司令部は
小柳第二艦隊参謀長に口頭で「機動部隊発見時には機動部隊に向かう事も可」
と言っていますが、結果は歴史が示している通りになり、その事を栗田中将も
認めているのですから、やはり司令官による現場の判断は誤りであったと
言えると思います。 判断時に命令にだけ従い、独断専行できない司令官は
意味が無いという意見はたくさんありましたが、私は独断専行は、成功したなら
褒められる事ですが、失敗したならその判断を司令官が追うべきだと思います。
だから独断専行は、成功してこそすべての物であり、ケースバイケースであり
組織の中では命令が重要であると言えると思います。
(2)栗田中将の「敵前逃亡」という私のコメントについて
このコメントについては、私の思いこみによる誤った見解であり、歴史上の故人に
謝罪するとともに全面的に撤回致します。確かに栗田中将は海軍にあった
「左に行くか右に行くか不明の時には死ぬ方へ行け」という考えと「死を意義
あらしめる為に慎重に行動せよ」という考えの中で、後者に有ったのは間違い
有りません。栗田中将は「九死一生を限度とする」考え方であり、ガ島の
ルンガ湾殴り込みの時にもその趣旨の事を言っています。 確かに「謎の反転」
も見方によれば「敵前逃亡」に見えますが、上記に栗田中将の考え方を見れば
「死を意義あらしめる為に、空船しかおらず操艦の自由のないレイテ湾につっこむ
より、本命の敵機動部隊を撃滅する行動を取るべき」という考えも当然理解できます。
よって此処に謹んで謝罪すると同時に、発言を撤回させて頂きます。
(3)捷一号作戦の中での「第二艦隊の位置付け」について
 確かに最初の捷一号作戦の前提はフィリピンに近づいた敵部隊に対し、1.基地    
航空部隊は、遠方にて索敵しこれに雷爆撃を加え、敵が近接するや陸軍機と共同して
これを撃滅する。2.第二艦隊はブルネイ湾に集結待機し情報次第出撃して敵の護送艦隊
と船団を洋上にて捕捉撃滅する。3.万一遅れて敵が上陸開始後になる時には、
艦隊は全軍港湾内に強行突入してこれを撃滅する。4.小沢中将の航空部隊は
瀬戸内海から出撃南下し敵機動部隊を北方に誘導してもって第二艦隊を援護する。
と言う作戦を立てています。この作戦の中では、確かに皆さんの言うとおり1.の
基地航空部隊が本命であるのは私も否定しません。只基地航空部隊は台湾沖で
捷一号作戦発動前のフライングの「台湾沖港空戦」で壊滅的打撃を受けて、
戦力を消耗した状況なのですから、捷一号作戦発動時には主戦力の1.が存在
しなかったのですから、第二艦隊を使い2.3.の作戦をするしか無かったのでは
無いでしょうか?だから本来とは異なる物の捷一号作戦では栗田艦隊を主戦力に
据えざる得ない状況に陥り、その為に空母機動部隊撃滅への願望が連合艦隊司令部
と第二艦隊に広がり上述の連合艦隊司令部は小柳第二艦隊参謀長に口頭で
「機動部隊発見時には機動部隊に向かう事も可」と言う様な口頭の命令を
与える事となり、それがレイテの謎の反転の付箋となったのではないでしょうか」?
そう考えれば、第二艦隊は必然的に捷一号作戦の主戦力に押し上げらてしまった。
と言うのが正しい位置付けではないのでしょうか?
(4)この一連の議論の位置付けについて
確かに私はこの議論で「英霊」だの「死に花を咲かす」というリベラルな人々にとって
問題のある表現を使いましたが、私の意図する事を表現するには不適であったとも
言えると思います。只愛国心と犠牲心により国難に殉じた幾百万の将兵の方々を
「英霊」と表現するのも、「死を意義あらしめる為に戦果を求めた戦う」と言う事に
「死に花を咲かす」というのも問題があってもあながち間違えてはいないと思います。
只歴史を議論してこれを現在に行かす事、歴史の犠牲と現実を忘れない事は、
非常に需要であり、私の発言をきっかけにして、皆さんに色々な事を考えて
いただいたこと良しと考えます。最後に少し長くなりますが、前述の「連合艦隊の
最後」の序文に書かれた伊藤氏の文章を私の考えの象徴として書き込んで
終わりにしたいと思います。
「戦争を決めた少数の犯人は万死に値するが、戦った幾百万の犠牲心は時代が
どう変わろうとも、不滅の尊い記録として永々に民族史の上に染められるべきである。
連合艦隊とその人々。艦隊は再び還らないが、日本と日本人は残った。問題は、
『還らぬ人々』の愛国心と犠牲心を記憶して、よく己の戒めとするかどうかに懸かる」
今の日本人全体にこの考えが足りないんではないでしょうか?
では長くなりましたが私の議論を終わりに致します。
さようなら。またこの議論ボードの他のところでお会い致しましょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 栗田提督の証言  ■名前 : tackow <ikku@rb3.so-net.ne.jp>  ■日付 : 02/1/28(月) 9:24  -------------------------------------------------------------------------
    栗田提督は、レイテ沖海戦について、戦後、連合軍への意見陳述を行っています。
 殆どの事はその陳述に含まれているといっても良いでしょう。結構長い文章なので全文をアップするのは控えますが、もし、ご希望であればメールでも頂ければと思います。あと、随分以前に(伊藤氏とは別の)インタビューも見かけましたが、それは見つかるかどうか・・・

 栗田提督が作家の伊藤氏に話した事はあくまでも一般論であって「行けと言われたのだから行かなければ」というのであれば、誰がやっても駄目だった。という事になると考えます。「すべきであった」事が出来ないのが戦場なのですから。勿論、これは、この海戦だけに当てはまる事では無いと思いますが・・・

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : お疲れ様でした  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/1/28(月) 18:35  -------------------------------------------------------------------------
   素晴らしい。
よくぞ落ち着いて反論して戴きました。
最初からこう書いてもらえれば石頭の私も理解できます。
「!」や「!!」が無くなったのも更に結構。好感が持てます。
またお話しましょう。

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