Page 150 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼果たして日本人は世界戦略を構築できるのか? 業者 03/4/3(木) 11:50 ┣仮想敵 まなかじ 03/4/3(木) 15:52 ┃ ┣士気についてチョット アルトリ 03/4/4(金) 2:30 ┃ ┃ ┗現代戦の士気 ささき 03/4/4(金) 10:41 ┃ ┃ ┗Re:現代戦の士気 アルトリ 03/4/4(金) 11:48 ┃ ┣Re:仮想敵 タカ二飛曹 03/4/4(金) 11:11 ┃ ┗Re:仮想敵 業者 03/4/4(金) 11:51 ┃ ┣Re:仮想敵 まなかじ 03/4/4(金) 14:42 ┃ ┃ ┗Re:仮想敵 業者 03/4/4(金) 16:10 ┃ ┃ ┗Re:仮想敵 まなかじ 03/4/4(金) 23:59 ┃ ┃ ┣早い話が・・・ dg 03/4/5(土) 10:33 ┃ ┃ ┗Re:仮想敵 業者 03/4/7(月) 11:29 ┃ ┃ ┗Re:既に結論が出ているのかもしれませんが T216 03/4/7(月) 21:40 ┃ ┣奇襲についてちょっと アガスティア 03/4/6(日) 3:35 ┃ ┣奇襲について その2 アリエフ 03/4/6(日) 23:34 ┃ ┣奇襲について その3 ? 03/4/7(月) 12:43 ┃ ┗湾岸戦争における奇襲 ポトマック 03/4/7(月) 15:21 ┣たいていの集団には、一定比率でおかしな人が存在する dg 03/4/5(土) 10:38 ┗Re:果たして日本人は世界戦略を構築できるのか? アリエフ 03/4/5(土) 14:40 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 果たして日本人は世界戦略を構築できるのか? ■名前 : 業者 ■日付 : 03/4/3(木) 11:50 -------------------------------------------------------------------------
みなさんどうも。 実は先日ショッキングな出来事がありました。仕事の関係上、本庁にいる尉官クラス の方としばしば話すのですが、待ち時間の雑談中にこんな話をしてくれました。 「中国だの北朝鮮だの言っているけど、心の中では海自は今でも仮想敵国はアメリカだ と思ってるし、陸自はロシアなんですよ。あはははは。」 まだなんとなく旧軍的な「もっと強い奴と戦いたい」みたいなものがあるのかな?と、 思ったんですが、その方が戦史を研究している人(海幕)にこんなことを言われたこと があるとも言っていました。 「陸さんはどうか知りませんが、うち(海)はまだ1回も負けたことありませんから。」 要するに、「日本の海軍史に負けは無い。」と言ったと言うのです。 防大出身のエリートが集まって研究した結果が「帝国海軍は負けてない」とは・・・。 いくら余談とはいえ、他幕の人にそこまで言うんですから、これは海幕のほぼ公的な見解 だと思います。 まぁ、確かに、この人が前線の隊長になったら絶対全滅するな・・・って思う頭でっかち な人はたくさん居ます。戦争がそんなセオリーどおりに行ったら負ける奴いねーよと言い たくなるのは我慢できても、あれだけコテンパンにのされてもまだ「負けてない」といえ る神経は我慢なりません。説教したくなるね。 そもそも日本人は外国を相手にした「世界戦略」を構築する能力があるのか? こんなプライドだけで客観的な判断さえも出来ない人材が当たり前に上位に存在してい られる集団が戦争なんてできるのか非常に疑問で情けなくなってきました。 漠然と太平洋戦争も負けるわけだ・・・と思ったのは私だけではないと思います。 |
> 「中国だの北朝鮮だの言っているけど、心の中では海自は今でも仮想敵国はアメリカだ > と思ってるし、陸自はロシアなんですよ。あはははは。」 > > まだなんとなく旧軍的な「もっと強い奴と戦いたい」みたいなものがあるのかな?と、 > 思ったんですが、その方が戦史を研究している人(海幕)にこんなことを言われたこと > があるとも言っていました。 近所でいちばん強い相手を「仮想敵」とするのは基本でしょう。 軍はまず「最もありそうな事態」に対して備えますが、「最も悪い事態」というものに対しても対応策を準備しておかなければなりません。 戦前の米海軍の第一仮想敵は日本海軍ではなく英海軍だったともいいます。 また、第一次大戦でドイツ海軍が不覚をとったのは、宿敵フランスばかりを見ていて、ナポレオン以来ずっと友好国だった英国への備えを怠った面が大きいと思います。 > 「陸さんはどうか知りませんが、うち(海)はまだ1回も負けたことありませんから。」 > > 要するに、「日本の海軍史に負けは無い。」と言ったと言うのです。 > 防大出身のエリートが集まって研究した結果が「帝国海軍は負けてない」とは・・・。 > いくら余談とはいえ、他幕の人にそこまで言うんですから、これは海幕のほぼ公的な見解 > だと思います。 ある意味で、調べれば調べるほど負けてない気がしてくるのはもっともじゃないかという気もしますが。 大戦略は自分のところの仕事ではない、技術に関しても自分のところの仕事ではない、として、作戦と戦術と戦闘について調べると、ちっとも負けてないんですよ(笑 私的見解としては、攻防ともに潜水艦の分野では大敗しているようには思えますけれどね。 > まぁ、確かに、この人が前線の隊長になったら絶対全滅するな・・・って思う頭でっかち > な人はたくさん居ます。戦争がそんなセオリーどおりに行ったら負ける奴いねーよと言い > たくなるのは我慢できても、あれだけコテンパンにのされてもまだ「負けてない」といえ > る神経は我慢なりません。説教したくなるね。 それはそれで士気が高くてよろしいのではないかとも思われますが(笑 軍の根幹は装備でも兵力でも予算でもなく、士気にあるはずです。 上層部からして士気が低くてやる気のない軍というものがどういうものかは第二次大戦のイタリアを見れば明らかかと。 戦場で弱いというだけではなく、国家戦略そのものをも危険に晒します。 ムッソリーニの戦略自体の是非は別として、イタリア王国軍は政府に対して忠誠を持たず、勝手に独自の国益基準を置いて政府に反逆しています。 その国益基準には一理あるというかムッソリーニのものよりはマシでしたが、それでも十分なものでもなく、また国王の意思を忠実に反映したものでもなく、基本的に戦えば負けるから、負けて国軍の恥を晒すのはいやだという駄々っ子的発想にあとから理由をつけたものでしかないように見えます。 つまり、自分とこの軍隊は戦うのはいやだが負けるのもいやだから戦争しないでくれと。 それで国王を担ぎ出して単独講和に走るわけです。 > そもそも日本人は外国を相手にした「世界戦略」を構築する能力があるのか? > こんなプライドだけで客観的な判断さえも出来ない人材が当たり前に上位に存在してい > られる集団が戦争なんてできるのか非常に疑問で情けなくなってきました。 > > 漠然と太平洋戦争も負けるわけだ・・・と思ったのは私だけではないと思います。 自衛隊は世界戦略を考える立場にありませんが。 これはあくまで内閣の担当すべき分野であり、その範囲内において軍事戦略以下の部分を考えるのが統幕の役割ではないかと思います。 むしろ、自衛隊が世界戦略を策定して、自らの「帝国国防方針」をもとに客観的に所要兵力と作戦を定めるようになってはまずいように思いますが。 で、戦後歴代内閣の「世界戦略」はそうまずいものではなかったし、今でもそうまずいものではないと思います。 |
> それはそれで士気が高くてよろしいのではないかとも思われますが(笑 > 軍の根幹は装備でも兵力でも予算でもなく、士気にあるはずです。 ちょっと質問です。 これは前々から思っていたのですが「士気を鼓舞する」なんて言葉は 太平洋戦争中でもしばしば耳にしますがこれは現代戦ではどうなんでしょうか? なるほど陸軍は今も昔も士気というものに大きく左右されるだろうなぁというの は何となく想像できます、しかしながら海軍における士気ってなんかピンと こないんですよね。 もちろん日露戦争時は弾込めから照準合わせ、機関室では汗達磨、双眼鏡片手 に索敵などいくら近代戦の始まりとはいえ、まだまだ人頼みと言う印象が否めなく、 その「士気」の重要さが伝わってきますが戦争末期から今日までの「士気」に注目 してみると航空機の搭乗員は別として、弾込めからボイラーまで多少の 労働ですむ上に実際に手を下すのもわずかのコンピュータ命令ですむように改良され、 ますます士気の必要性が無くなってきたように思うのですがどうなんでしょうか? そりゃあ、やっつけで公務をこなすくらいまで士気が下がってるのなら問題ですが、 太平洋戦争中なんかの艦内生活を垣間見ますと帝国海軍の艦隊勤務は連合軍のそれに比べると遥かに整然と規則正しかったとききます(逆に比較的自由時間を認められていたから連合軍は士気を維持できたのかな?)。与えられた最低限の仕事をしっかりとこなすくらいの「士気」を保っている乗員をさらに鼓舞する必要ってあるんでしょうか? |
> 太平洋戦争中なんかの艦内生活を垣間見ますと帝国海軍の艦隊勤務は連合軍のそれに比べると遥かに整然と規則正しかったとききます(逆に比較的自由時間を認められていたから連合軍は士気を維持できたのかな?)。与えられた最低限の仕事をしっかりとこなすくらいの「士気」を保っている乗員をさらに鼓舞する必要ってあるんでしょうか? 士気が下がれば「与えられた最低限の仕事をしっかりこなす」ことは望めなくなるのではないでしょうか。自動化の進んだ現代艦艇であっても、艦長がワンマン操作している訳ではありません。航空母艦から発進するジェット攻撃機は現代戦の華かも知れませんが、それを支えているのは何百名もの地味な任務に就く下級兵士です。彼等は船底の狭い船室で寝起きし、毎日毎日変わり映えのしない地味な任務を何ヶ月も続けねばなりません。しかし彼等がネジ1本を締め忘れたり、メーター1つの検査を忘れたりすれば誰かが死ぬかも知れないのです。 ほとんど娯楽のない軍艦で、まだ血気盛んな20そこらの若年兵が毎日毎日退屈な任務を「きちんと」続けられるかどうかは、彼等に巨大なチームの一員としての自覚があるかどうか、自分にとっていかに退屈で飽き飽きするような作業であっても、それが時として数百名の人名にかかっていることを自覚しているかどうかでしょう。それはまさに「士気」と呼ばれるものではないでしょうか。 |
> 毎日毎日変わり映えのしない地味な任務を何ヶ月も続けねばなりません。しかし彼等がネジ1本を締め忘れたり、メーター1つの検査を忘れたりすれば誰かが死ぬかも知れないのです。 > 彼等に巨大なチームの一員としての自覚があるかどうか なるほど、考えてみれば何ヶ月ですものね。「士気」を一定期間に限った点として捉えてしまい、線で捉えなければならなかったですね、私の想像力不足でした。つまり与えられた最低限の仕事が惰性に陥るのを避けるために「士気」を保つ必要があるのですね。 そう考えるとやっぱり今でも士気って大事なんだなぁ。ありがとうございました。 |
> 大戦略は自分のところの仕事ではない、技術に関しても自分のところの仕事ではない、として、作戦と戦術と戦闘について調べると、ちっとも負けてないんですよ(笑 単純にミッドウエーやあ号作戦などは戦術的にも負けだと思っていましたが、負けていないというのは何か別の意味があるのでしょうか。 わかりやすく解説していただけるとありがたいです。 |
> ある意味で、調べれば調べるほど負けてない気がしてくるのはもっともじゃないかという気もしますが。 > 大戦略は自分のところの仕事ではない、技術に関しても自分のところの仕事ではない、として、作戦と戦術と戦闘について調べると、ちっとも負けてないんですよ(笑 > 私的見解としては、攻防ともに潜水艦の分野では大敗しているようには思えますけれどね。 それはおかしくないですか? 「作戦と戦術と戦闘」に負けてないのにどうして「無条件降伏」しなければならないん でしょうか? いえ、わかります、わかりますとも! おっしゃりたいことはよーくわかります。 たとえばミッドウェー。 「南雲がヘタレなだけで、作戦も兵器も兵員も悪くない!」とおっしゃるかもしれませ んが、結局「作戦目標を達成できなかった」のですから「そもそも指揮官にはその能力 が無かった。」というべきで、その指揮官を任命した軍令部は戦略を立てる能力が無い のはないですか? 「運が悪かった。」というなら「運任せで戦争するなちゅーの!」と突っ込ませて頂き ます。 そして現実に紛争相手に「無条件降伏」したわけであり、 無条件降伏したのは「もう勝ち目が無い」からであり、 勝ち目が無いのは戦略的な「目標達成が不可能」になったからであり、 目標達成が不可能になったのは物質・政治的「達成能力が無くなった」わけであり、 能力が無くなったのは「戦闘(作戦)で失われた」ためであり、 失われたのは「戦闘(作戦)に負けた」からであり、 戦闘に負けたのは「技術・物質的に劣っていた」からであり、 技術・物質的に劣っていたのに戦闘(作戦)を行ったのは「見識が甘かった」わけであり、 それは結局、大戦略を立案・遂行する能力が無かったわけであり、 ミッドウェー以降、「米軍が再編に時間を要した。」以外の優勢は一度も無く、それが 無くなると一方的な戦況に陥ったじゃないですか。 「作戦と戦術と戦闘」も加えて「技術」も負けまくりなんですよ。 状況把握できない、そういう体質を今でも引きずってるんですよ、自衛隊は。 あるニ海佐の方が「最良の攻撃は奇襲だ、ガハハハハ。」 何百キロも遠くからお互いモロ見えでミサイルバンバン飛ばしてる時代に、どうやって 奇襲するんだちゅーの! そういうのを聞いてると、本当に不安になるんですよ・・・大丈夫か?って。 |
> > ある意味で、調べれば調べるほど負けてない気がしてくるのはもっともじゃないかという気もしますが。 > > 大戦略は自分のところの仕事ではない、技術に関しても自分のところの仕事ではない、として、作戦と戦術と戦闘について調べると、ちっとも負けてないんですよ(笑 > > 私的見解としては、攻防ともに潜水艦の分野では大敗しているようには思えますけれどね。 > > それはおかしくないですか? > 「作戦と戦術と戦闘」に負けてないのにどうして「無条件降伏」しなければならないん > でしょうか? ええ、各論ではおかしいです。 グランドストラテジーが自分のところの仕事ではないからといって見ないでいれば、戦前の海大、陸大となんら変わるところがありません。 つまり、「与えられた情況」というものを意図的に狭めて見ているのではないかという疑いはわたしも持っています。 しかし、戦略の失敗は作戦でも戦術でも戦闘でも取り返すことは出来ません。 早い話、アメリカという国家と戦争しなければならないほどの衝突を起こす国家政策のグランドデザインをした時点で大日本帝国は敗れたわけですよね。 たとえば、作戦と戦術と戦闘で負けてなくても、やはりドイツは無条件降伏しています。 総統大本営が悪いのだ、作戦でも戦術でも戦闘でも負けてないとドイツ軍が主張したら(してませんが)、なんとなく納得できるような気がしませんか? よくよく見ていけば、大戦略だけでなく軍事戦略でもドイツ軍はミスを重ねているわけですし、技術面でも米英に敵わなかったわけですが、作戦と戦術と戦闘では負けてないですよね。 > いえ、わかります、わかりますとも! おっしゃりたいことはよーくわかります。 > たとえばミッドウェー。 > 「南雲がヘタレなだけで、作戦も兵器も兵員も悪くない!」とおっしゃるかもしれませ > んが、結局「作戦目標を達成できなかった」のですから「そもそも指揮官にはその能力 > が無かった。」というべきで、その指揮官を任命した軍令部は戦略を立てる能力が無い > のはないですか? > 「運が悪かった。」というなら「運任せで戦争するなちゅーの!」と突っ込ませて頂き > ます。 さあ? 南雲長官はちっともヘタレじゃないと思いますけれど。 ミッドウェーはGFの方針と1AFの方針の擦り合わせが不十分だったことが全てだと思います。 状況からすればミッドウェーを本気で奪るつもりでなければ米空母は出てこないでしょう。しかし、ミッドウェーを奪取することはあくまで米空母の釣りだしが目的なのですから、1AFは米空母の撃滅が最優先であったはずで、結果から言えばミッドウェーという「島」にリソースを割きすぎたと。 しかしそれはGFの作戦計画と事前の作戦会議で十分な擦り合わせがなされていなかったことによる、つまり戦務上の問題であって作戦も戦術も戦闘も問題はないと。 ミッドウェー奪取が至上命題であるならば、GF主力と1AFを分離しておく意味はないですね。合同して圧倒的戦力で踏み潰せばよい。しかし、これでは米艦隊が出てくるかどうかわからない。戦力差がありすぎますから。 米側が各個撃破のチャンスに賭けて1AFとの決戦に出てくるように、わざと隙を見せた布陣で餌を撒き、ミッドウェー島を人質にとって「出てこい」というのがAF作戦なわけですよ。 運に関して言うならば、5Sfが参加できなくなったのだから4Sfはアリューシャンに回している場合ではなかったとだけ。 普通にやっていれば5Sfも4Sfも要らなかったでしょうが、運が悪かったですから4Sfは手元に欲しかったですね。 > そして現実に紛争相手に「無条件降伏」したわけであり、 > 無条件降伏したのは「もう勝ち目が無い」からであり、 > 勝ち目が無いのは戦略的な「目標達成が不可能」になったからであり、 > 目標達成が不可能になったのは物質・政治的「達成能力が無くなった」わけであり、 > 能力が無くなったのは「戦闘(作戦)で失われた」ためであり、 > 失われたのは「戦闘(作戦)に負けた」からであり、 > 戦闘に負けたのは「技術・物質的に劣っていた」からであり、 > 技術・物質的に劣っていたのに戦闘(作戦)を行ったのは「見識が甘かった」わけであり、 > それは結局、大戦略を立案・遂行する能力が無かったわけであり、 > ミッドウェー以降、「米軍が再編に時間を要した。」以外の優勢は一度も無く、それが > 無くなると一方的な戦況に陥ったじゃないですか。 そもそもの問題として、戦略がまともであればアメリカに勝つことは出来たのでしょうか。 わたしは不可能だと思っています。 国家総力戦の時代に、制限戦争でまとめられる範囲というか規模を超えて戦争を開始してしまった時点で、何をどうやっても勝てる見込みはありません。 その限りにおいて、対米戦の大戦略を云々しても意味がないという意味合いで統幕がそれを無視するというのであれば十分に納得できます。 また、繰り返しになりますが、大戦略の立案は軍の仕事ではありませんし。 大戦略策定に軍がかかわるとすれば、軍はこれだけの能力があるということを政府内閣に明確に示しておかなければならないということです。 アメリカが第一仮想敵であることと、戦場でこれを打ち破ることによって戦争に勝とうということはイコールではないでしょう。 それをイコールにしてしまったのが戦前の帝国海軍であるとするならば、確実に教訓は生かされているんじゃないでしょうか。 アメリカと戦っては勝ち目がないから、大戦略としてはアメリカとは同盟国でいる。 しかし、潜在的脅威として最大なのは変化がないので第一仮想敵は米国である。 それに対して対応策は準備しておく。 何か矛盾や問題点があるでしょうか。 > 状況把握できない、そういう体質を今でも引きずってるんですよ、自衛隊は。 > あるニ海佐の方が「最良の攻撃は奇襲だ、ガハハハハ。」 > 何百キロも遠くからお互いモロ見えでミサイルバンバン飛ばしてる時代に、どうやって > 奇襲するんだちゅーの! 実際に海自がどの程度の手段を持っていてどういう方法を以ってやるのかは知りませんが、意図はバレても相手の対応が間に合わないという状態になれば奇襲は成立しますね。 奇襲、いわゆる不意打ちの本質というのは、相手の用意していないところを衝くところにあります。 「そこへ来るか!」だけではなく「その手で来るか!」とか「そこまでするか!」というのも奇襲なんですよ。 例えば真珠湾は、宣戦布告前に仕掛けたこともそうですが、わざわざハワイまで出張っていくこと、空母を6隻も集めて行った(300機を超える攻撃隊を出した)こと、浅海面魚雷を持っていったこと、80番徹甲を持っていったこと、戦略的にも作戦的にも戦術的にも技術的にもあらゆる面で奇襲だったわけです。 |
> 早い話、アメリカという国家と戦争しなければならないほどの衝突を起こす国家政策 >のグランドデザインをした時点で大日本帝国は敗れたわけですよね。 ただ、当時の陸軍も海軍も勝てないことを知っていたと言うところがポイントだと思い ませんか? そして、天皇も近衛首相も当初は戦争という選択肢はまったくなかった。 > 南雲長官はちっともヘタレじゃないと思いますけれど。 > ミッドウェーはGFの方針と1AFの方針の擦り合わせが不十分だったことが全てだ > と思います。 > しかしそれはGFの作戦計画と事前の作戦会議で十分な擦り合わせがなされていなかっ> たことによる、つまり戦務上の問題であって作戦も戦術も戦闘も問題はないと。 結果論で言うのはフェアじゃないかもしれませんが、指揮官として明らかに重大なミス を犯しています。 そしてその戦務上の問題さえもクリアできない組織が大戦略を語る資格は無いでしょう。 (要するにそういう系列に上にある自衛隊、すなわちそれを構成する日本人は、今でも 世界と戦えないのではないか?と主張したい。) そもそも指揮官が自分が何をやるのかわかってない、そんな軍隊って一体なんなんで しょう?敵空母を釣る為の作戦なのに索敵を怠り(故障して出撃が遅れたなんて問題外) 挙句にあの体たらく。 > そもそもの問題として、戦略がまともであればアメリカに勝つことは出来たので >しょうか。 > わたしは不可能だと思っています。 確かに不可能です。 しかし、それは陸軍も海軍も分かっていましたし、天皇も近衛 首相も平和解決を第1として必死の外交努力を続けていました。いざ、是非に及ばず という時に至っても「緒戦で優勢に進めて早期に有利な条件で講和」という段取りだっ たはずです。(ここまでは最良の大戦略だった。) しかし、だれも止めようとしなかった。止められなかった。 (結果論で言えば、あの負けが今の日本を作ったと思いますが・・・) > 実際に海自がどの程度の手段を持っていてどういう方法を以ってやるのかは知りませ >んが、意図はバレても相手の対応が間に合わないという状態になれば奇襲は成立します >ね。 > 「そこへ来るか!」だけではなく「その手で来るか!」とか「そこまでするか!」と >いうのも奇襲なんですよ。 はい、しかし私が知る限りでは海自には「偶然訪れた幸運」以外の奇襲手段は持ち合わ せておりません。 > しかし、潜在的脅威として最大なのは変化がないので第一仮想敵は米国である。 > それに対して対応策は準備しておく。 > 何か矛盾や問題点があるでしょうか。 このモトネタである脳内敵国の話はまぁ、笑って済ませて良いと思います。 駄菓子菓子! 多少なりともこの業界にいる人間ならば、既に日米の軍事的な繋がりは切りようがない もので、自衛隊、特に海自はまさに米軍の一部であると言っても過言ではないと知っているはずです。(自衛官なら尚更)当の本人は認めないでしょうが、自衛隊は米衛隊だとか 第7艦隊支援隊だの言われるのは、はっきり言って正しいです。 (イラク戦争は反対だが、そういう観点から小泉首相の大戦略は正しい。) なので、たとえ妄想でも張り合うのは、非常に馬鹿馬鹿しい話です。 |
> > 早い話、アメリカという国家と戦争しなければならないほどの衝突を起こす国家政策 > >のグランドデザインをした時点で大日本帝国は敗れたわけですよね。 > > ただ、当時の陸軍も海軍も勝てないことを知っていたと言うところがポイントだと思い > ませんか? そして、天皇も近衛首相も当初は戦争という選択肢はまったくなかった。 中国との戦争がアメリカとの戦争に直結するのだ、という意識をどこまで持っていたかですよね。 仏印進駐も、どこまで狙ってやっていたのか怪しい限りです。 つまり、陸軍も海軍も戦略眼は全く持ち合わせていなかっただろうという点に関しては基本的に同意です。 そしてまた、戦前日本においては内閣もまた戦略を打ち出す能力を欠いていたことにも同意です。 というより、内閣の戦略不在っぷりは現代日本の比ではないでしょう。 ある意味、自民党一党独裁状態にあるのは幸せなのかもしれません。 戦前、たった8年間でしたが憲政会と政友会の二大政党制をとったときのことを考えれば。 あの時期にこそ、陸軍は文民政治家を見限り、海軍は政治に本格的にノータッチになってしまったように思えます。 統帥権が独立している制度下に、軍が政治に協力する姿勢を失ってしまえば先は見えています。 > 結果論で言うのはフェアじゃないかもしれませんが、指揮官として明らかに重大なミス > を犯しています。 わたしにはミッドウェーでの南雲長官の判断に「重大なミス」を見つけることができませんが、いったいどれを指しておられるのでしょうか。 また、そうでなくてもミスを犯すのは戦場にあって当然のことと思います。 ハルゼーもスプルーアンスもキンケイドもターナーもフレッチャーも、それぞれ何度か重大なミスを犯しているようです。 それが敗退に直結していないのは、戦力でぎりぎりのときにやらかしちゃったわけではなかったからです。 わたしが4Sfが欲しかったというのは、1AFの戦力だけではミスをしたときの余裕がないからです。 その意味で、5Sf参加を前提に組んだ作戦を変更せずに5Sfを単に欠いた状態で作戦を強行したのはGF司令部の怠慢ともいえるでしょう。 とはいえ、それはあくまで冗長性の範囲であり、保険としてです。 普通にやっていれば1AFの戦力で足りないわけではありません。 > そしてその戦務上の問題さえもクリアできない組織が大戦略を語る資格は無いでしょう。 何度も言いますが、語る立場にありませんが。 海軍に戦争のグランドデザインがなかった、というのは的外れな批判だと思います。 要するに、それは内閣が怠っていたのです。 確かに一定の範囲内で時の政府と協力して、作戦計画より上の段階の「戦争計画」を考えておく必要はあったであろうし、そうすべきであったとは思います。 しかし、基本的な職掌としてそれを考えるのは内閣であるべきで、内閣の諮問において軍はそれに可能な限り全面的に協力する、但し作戦計画の内容には一切触れさせないというのが帝国憲法で許される戦争計画策定のあり方であり、また日清日露にあってはその方向で戦争計画らしきものが出来ていたはずです。 昭和においては海軍大臣どまりで、総長海相とも天皇に話はするが内閣や陸軍とは話をしない。 そりゃ憲法には天皇を輔弼すべしとはありますが、総理も輔弼せねばならず、その任務には海軍の協力が必要だという意識がなかった、この点で海軍無罪というわけにはいきませんが、そもそも近衛さんに現役海軍上層部と話をする気があったのか。 OB連中としか話をしなかったんじゃないかという「重大なミス」があるように思えます。 海軍はアメリカという強大な敵と当たるので「作戦計画」で既にいっぱいいっぱいになっており、戦略に関しては内閣に任せた、という状態にあります。 これが、中国で陸軍の専横に散々苦労してきた近衛さんとはいえ、戦争のことだからそれは軍に任せた、となってしまったのがまずかったと思います。 戦略は「譲り合い」というか「たらいまわし」の結果、誰も見てなかったんじゃないかと思いますが。 > (要するにそういう系列に上にある自衛隊、すなわちそれを構成する日本人は、今でも > 世界と戦えないのではないか?と主張したい。) 世界と戦う必要はそもそもないと思いますが。 現憲法下に、しかも現世界情勢下で日本が剣を抜かなければならなくなったとすれば、それはもう8〜9割方負けてるってことです。 逆にいえば、日本に剣を抜かせるところまで追い詰めることができるのならば、ほとんど勝ったも同然ということです。 > そもそも指揮官が自分が何をやるのかわかってない、そんな軍隊って一体なんなんで > しょう?敵空母を釣る為の作戦なのに索敵を怠り(故障して出撃が遅れたなんて問題外) > 挙句にあの体たらく。 利根4号機問題ですか。 あれはどうも発進が遅れたから敵艦隊を捉まえられたようなのですが。 しかも、発見時刻はそんなに遅くないです。 何がまずいって、報告してきた敵艦隊の位置が大幅にずれていて、それに気がつくのに1時間半もかかったってことです。 本来利根4号機が飛んでるわけのない位置にまでずれていたのですから1AFの方で気づいても良さそうなものだと思わなくもないですが、戦闘中で頭に血が上っているわけですし、天から索敵機のコンパス較正なんてのはちゃんとやってるもんだという頭があるわけですから、そう責められるものでもないでしょう。 「良くある」思い込みじゃないでしょうか。 また、索敵線にしても本来の5Sfがいたら、あるいは4Sfを1AFに配属していれば、少なくとももう2本は増やしたものと思われます。 > > そもそもの問題として、戦略がまともであればアメリカに勝つことは出来たので > >しょうか。 > > わたしは不可能だと思っています。 > 確かに不可能です。 しかし、それは陸軍も海軍も分かっていましたし、天皇も近衛 > 首相も平和解決を第1として必死の外交努力を続けていました。いざ、是非に及ばず > という時に至っても「緒戦で優勢に進めて早期に有利な条件で講和」という段取りだっ > たはずです。(ここまでは最良の大戦略だった。) > > しかし、だれも止めようとしなかった。止められなかった。 > (結果論で言えば、あの負けが今の日本を作ったと思いますが・・・) 講和、アメリカが受けたでしょうかね・・・? アメリカが受けなければ、イギリスは脱落しませんね。 アメリカが受ければ、日本に限ってイギリスは落ちたかもしれませんが。 > はい、しかし私が知る限りでは海自には「偶然訪れた幸運」以外の奇襲手段は持ち合わ > せておりません。 たぶん、まだ奇襲という言葉を狭く解釈しておられると思います。 > このモトネタである脳内敵国の話はまぁ、笑って済ませて良いと思います。 > 駄菓子菓子! > 多少なりともこの業界にいる人間ならば、既に日米の軍事的な繋がりは切りようがない > もので、自衛隊、特に海自はまさに米軍の一部であると言っても過言ではないと知っているはずです。(自衛官なら尚更)当の本人は認めないでしょうが、自衛隊は米衛隊だとか > 第7艦隊支援隊だの言われるのは、はっきり言って正しいです。 > (イラク戦争は反対だが、そういう観点から小泉首相の大戦略は正しい。) > なので、たとえ妄想でも張り合うのは、非常に馬鹿馬鹿しい話です。 そうですか? 在日米軍は、ほぼ100%の確度で自衛隊が攻撃してきた場合に備えて作戦計画を準備しているはずですが。 馬鹿馬鹿しくても、ありそうもないことでも、常識はずれでも、軍というのはあらゆる事態に備えて計画を用意しておかなければなりません。 それこそ奇襲というのは常に常識はずれな方法でやってくるからです。 そこにそれだけの潜在力を持った武力が存在している以上、最悪の事態としてそれに対応する計画を準備しておくのが「正しい軍隊」というものです。 わたしはむしろそれを聞いて、まっとうにやってるじゃないかと安心する者です。 また、多少極端な例ですが、ワルシャワ条約機構各国とソ連の軍事的なつながりは切りようがないもので、ことNATOと対戦する限りにおいてはポーランド軍や東ドイツ軍なんてのはソ連軍の外人部隊も同然でしたが、どっちの国も第一仮想敵はソ連でした。 もちろん、訓練も作戦計画も、NATO軍と戦うことがメインであって基本的にはそれしかやっていません。 けれども、国境を越えてくるかもしれない大軍としては西ドイツ軍や駐欧米軍よりもソ連軍の方がでっかいし、後ろはがら空きなわけですしね。 |
> > ただ、当時の陸軍も海軍も勝てないことを知っていたと言うところがポイントだと思いませんか? > 中国との戦争がアメリカとの戦争に直結するのだ、という意識をどこまで持っていたかですよね。 > 仏印進駐も、どこまで狙ってやっていたのか怪しい限りです。 > つまり、陸軍も海軍も戦略眼は全く持ち合わせていなかっただろうという点に関しては基本的に同意です。 > そしてまた、戦前日本においては内閣もまた戦略を打ち出す能力を欠いていたことにも同意です。> あの時期にこそ、陸軍は文民政治家を見限り、海軍は政治に本格的にノータッチになってしまったように思えます。 > 統帥権が独立している制度下に、軍が政治に協力する姿勢を失ってしまえば先は見えています。 dg:横レス失礼します. あなたの、この部分の論旨について賛成です. > 海軍に戦争のグランドデザインがなかった、というのは的外れな批判だと思います。 > 要するに、それは内閣が怠っていたのです。 > 確かに一定の範囲内で時の政府と協力して、作戦計画より上の段階の「戦争計画」を考えておく必要はあったであろうし、そうすべきであったとは思います。 > しかし、基本的な職掌としてそれを考えるのは内閣であるべきで、内閣の諮問において軍はそれに可能な限り全面的に協力する、但し作戦計画の内容には一切触れさせないというのが帝国憲法で許される戦争計画策定のあり方であり、 dg:・・・というような状況においては、「内閣」は戦略を一本化することは不可能でしょう.となれば、陸軍は陸軍の、海軍は海軍の、それぞれやりたいことをやるための予算と権限獲得に夢中になってしまう. 時の日本が、国力との相談で、米国やソ連と戦って勝てる可能性が極めて低いことを認識していたなら、戦争への道を選択せざるを得なくなった時点で、既に負けなのです. |
> そしてまた、戦前日本においては内閣もまた戦略を打ち出す能力を欠いていたことに > も同意です。 この同意の時点でこの議論は終わったような・・・ 一つ、誤解があると思われるんですが、私は別に自衛隊に世界征服しろと言っているわ けではありません。たまたま、私の身近なところに自衛隊があって、そこには行政府とは 違う分野でのひとつの大戦略があるわけで、そこでは戦略も戦術も大失敗の旧軍の風土や プライドが受け継がれていて、ちょっと頭の切り替えが必要なんじゃないのか? と、言 う不安から立てた議論です。 > わたしにはミッドウェーでの南雲長官の判断に「重大なミス」を見つけることができ > ませんが、いったいどれを指しておられるのでしょうか。 私が戦史云々を語るべきではないと思いますが、根本的に勝てる(当たり前ですが)と判 断して行った作戦で負けた時点で重大なミスを犯していると思います。特に、参謀の意 見を指揮官の責任をもって採用する当時のシステムでは、まさに指揮官の責任において 負けたのです。あそこがミスとかそういう細かい指摘はナンセンスだと思いますので致 しません。 > わたしが4Sfが欲しかったというのは、1AFの戦力だけではミスをしたときの余裕 > がないからです。 > (中略) > 普通にやっていれば1AFの戦力で足りないわけではありません。 しかし、アタリ前田のど真ん中として、まず最悪の場合を前提とした布陣を考えるべき であったと思います。しかも、ミッドウェーではまさにその最悪の場合で敗れたのです。 しかも、その後の作戦においても「詰めが甘い」が為に決め手にかける結果ばかりです。 (余談ですが、栗田艦隊の反転については謎でもなんでもないと思います、なぜなら同じ 立場なら私もそうしたと思う。) 戦略や戦術や作戦のまずさを現場が必死にフォローしていて、現実が見えてなかった。 いや、その後のアジアの独立を鑑みれば、陸軍の東南アジアでのもくろみは、的は外して しまったがすばらしい戦略だったのかもしれません・・・が、これも結果論です。 > 何度も言いますが、語る立場にありませんが。 すいません、これは最初の通りです。 > 海軍に戦争のグランドデザインがなかった、というのは的外れな批判だと思います。 > 要するに、それは内閣が怠っていたのです。 > (中略) > 任務には海軍の協力が必要だという意識がなかった、この点で海軍無罪というわけには> いきませんが、そもそも近衛さんに現役海軍上層部と話をする気があったのか。 1つ近衛首相を弁護するとすれば、現役海軍と話をしています。近衛首相が「万が一戦争 になった場合」について協議したところ「海軍が回りくどい言い方で明確に負けると表現 しなかった為に、軍事にうとい首相は勝てると受け取った。」と記録があったはずです。 そして、海軍には「やるからには勝つ」という漠然とした志だけで、確固たるグランド デザインは無かったと私は断言したい。どうやって勝つか、どうしたら負けるか、内閣 に至っては、具体的な戦争終結の条件も講和の方法もなーんにも無かった。 もしあったならば、ミッドウェーにおいて敵空母撃沈の暁には終戦に向けた何らかの働き かけを行うはずで、しかしそういった準備は行われていなかった。 > 世界と戦う必要はそもそもないと思いますが。 > (中略) > また、索敵線にしても本来の5Sfがいたら、あるいは4Sfを1AFに配属してい > れば、少なくとももう2本は増やしたものと思われます。 待ち伏せなのに策敵に全力を注がないなんてすっとこどっこいの極めつけだと思いません? いつもの2倍や3倍の密度で策敵すべきじゃないですか。まぁ、これ以上の指摘 はご容赦。 > 講和、アメリカが受けたでしょうかね・・・? > アメリカが受けなければ、イギリスは脱落しませんね。 > アメリカが受ければ、日本に限ってイギリスは落ちたかもしれませんが。 アメリカの記録においても、議会や国民は戦争回避の流れが主流でしたがハルノートで 有名なあのハルが対日強行策を強く主張した為に一気にハルノートの提出にまで行った とあります。(大統領の差し金かと思いますが) 当時の人種差別やプロパガンダを考慮に入れても、日本がミッドウェイで目論見どおりに 行けば、むしろそれによって講和の可能性が少しなりとも出てきたと思います。すぐには 無理でも、その次の作戦に繋がったでしょうし。 > 馬鹿馬鹿しくても、ありそうもないことでも、常識はずれでも、軍というのはあらゆ > る事態に備えて計画を用意しておかなければなりません。 > (中略) > けれども、国境を越えてくるかもしれない大軍としては西ドイツ軍や駐欧米軍よりも > ソ連軍の方がでっかいし、後ろはがら空きなわけですしね。 でも、そのありそうも無いことを無視しつづけた結果があの悲惨な結果をもたらしたの ではないでしょうか? 私が接した某尉官の方は「そんなことはある分けない。 いい から言った通りに突撃しろ!」とか言いそうなんですよ、ホント。 軍隊を作るならアメリカ人の司令官、日本人の参謀、ロシア人の兵卒にしろというのは 言い得て妙だと思うんです。 |
> アタリ前田のど真ん中として、まず最悪の場合を前提とした布陣を考えるべき と仰っていますよね? であるなら、まなかじさんが指摘されている様に、自衛隊が >「最も悪い事態」というものに対しても対応策を準備 するために、 > 近所でいちばん強い相手を「仮想敵」 のは何の問題もないのではないでしょうか? (ちょっと次元の違う話ですが、基本は同じだと思いますので) 普通にそして合理的に考えたら旧軍と同じ方向性だっただけではないかと思います。 別に旧軍の全てが間違っている訳でもないでしょうし。 結論が出ているようでしたら申し訳ありません。 |
> 何百キロも遠くからお互いモロ見えでミサイルバンバン飛ばしてる時代に、どうやって > 奇襲するんだちゅーの! 何百キロ?フェニックスですか?あれでも 200km も飛ばないような?違ったかな? もろ見え?そんなに目のいいパイロットがいたらびっくりですね。 ようはこれは電子的な索敵範囲の問題ですね。 ようは広大な索敵範囲と強力なミサイルを持ってるほうが勝つと。 実質、米軍は空中戦に関する限りしょっちゅう奇襲しているようなものですから。 よけられません、AMRAAM。 あと、ステルスってのありますが、どうでしょう。 ちなみに、陸上戦闘、ことに市街地のように限られた状況では、現代においても十分奇襲は成立し得ます。 民間人かと思ったら戦闘員だったりね。 以上、揚げ足取り、失礼いたしました。 ちょっと気になったもので。 (でも、自分もぜんぜん詳しくないのに… 恐縮です。) |
> 状況把握できない、そういう体質を今でも引きずってるんですよ、自衛隊は。あるニ海佐の方が「最良の攻撃は奇襲だ、ガハハハハ。」何百キロも遠くからお互いモロ見えでミサイルバンバン飛ばしてる時代に、どうやって奇襲するんだちゅーの! 何百キロも遠くから見えている時代なのに、どうして米軍はサダム・フセインの居場所突き止められないんでしょ。 で、奇襲と言っても完全に寝込みを襲うものだけでなく、軍事演習と見せかけていきなり本格的攻撃をかけるもの、あるいは大規模かつ急速に軍を集結、作戦準備を展開し敵が怪しいと気づき対応準備を始めてももう手遅れ、というようなケースも含まれます。 冷戦期によく議論されていた「ワルシャワ条約機構軍の奇襲攻撃」は、相手の対応準備のが間に合わないところを突く、と言うものですね。大体、数十個師団といった大規模の部隊の移動、集結を完全に隠し通すことは今も昔も困難です。しかし、相手を欺瞞させることはできる。偽情報流すとか、あるいは別の方向に移動する予定だと見せかけるとか。 偵察衛星で監視されていることを承知の上で、偽の部隊移動を行って本物のように見せることも考えるでしょうし。 ともかく、その自衛官の方は極めて常識的なことを語ってますね。 |
> 何百キロも遠くからお互いモロ見えでミサイルバンバン飛ばしてる時代に、どうやって > 奇襲するんだちゅーの! 同時多発テロ! あれは、奇襲攻撃なのでは? |
現代戦における奇襲の例として、湾岸戦争の例を。 地上戦開始前、アメリカは、 「海兵隊の上陸作戦によってクウェートを奪回する」という情報をリーク。 ご丁寧に上陸作戦の訓練映像を流したり、 戦艦で艦砲射撃したりしてもっともらしく見せました。 そして、そのリークにのせられて、 イラクは、主力をクウェートの海岸エリアに移動、迎撃体制をとりました。 しかし、実際には、多国籍軍は、 サウジ・イラク国境の内陸部分を突破し、 旋回機動して(最近話題のシュリーフェンプランみたいなもんですね) 海岸部に配備されたイラク軍を包囲殲滅したわけです。 これはイラクにとっては完全な奇襲攻撃でしたね。 |
と、いうことで、あなたのお会いになった方々は、恐らく、ヘンな人たちだったのでは ないか・と思います.形而上世界に閉じこもるようなね. 戦前、特に統帥権うんぬんを言い出したあたりからの陸海軍を抱えた政府にくらべれば、現代の小泉内閣のほうが数段まともだと思います. |
何かこの尉官クラスの方、半分冗談でしゃべってたんでは? 大体、戦史研究者の話と言っても、貴方が直接聞いたわけではないですよね。 また、その研究者が誰かということも特定できてない。 防衛庁防衛研究所の研究紀要なら東京・目黒まで行かなくても大学の図書館に置いてあったりします。また、戦史研究の学会があり防衛研究所の研究者もそれに寄稿してたりしてますから、そこの戦史研究の刊行物や資料をいくつか読んでどのような評価を下しているのか調べてみたら? |