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 ▼零戦について  小師 02/12/21(土) 18:37
   ┣Re:零戦について  SUDO 02/12/21(土) 21:38
   ┃  ┗Re:零戦について  まなかじ 02/12/21(土) 23:18
   ┃     ┗Re:零戦について  SUDO 02/12/22(日) 8:25
   ┃        ┗Re:零戦について  まなかじ 02/12/23(月) 22:56
   ┣Re:零戦について  高村 駿明 02/12/21(土) 22:57
   ┃  ┣Re:零戦について  BUN 02/12/21(土) 23:28
   ┃  ┃  ┣Re:零戦について  taka 02/12/23(月) 0:21
   ┃  ┃  ┃  ┗Re:零戦について  片 02/12/23(月) 1:32
   ┃  ┃  ┣Re:零戦について  khon khon 02/12/23(月) 2:35
   ┃  ┃  ┗Re:零戦について  高村 駿明 02/12/24(火) 11:56
   ┃  ┃     ┗Re:零戦について  BUN 02/12/25(水) 18:05
   ┃  ┣Re:零戦について  堀 02/12/22(日) 3:08
   ┃  ┃  ┣Re:零戦について  片 02/12/22(日) 7:11
   ┃  ┃  ┗Re:零戦について  BUN 02/12/22(日) 12:57
   ┃  ┃     ┗Re:零戦について  khon khon 02/12/23(月) 3:42
   ┃  ┃        ┣Re:零戦について  Ninja 02/12/23(月) 4:08
   ┃  ┃        ┣Re:零戦について  片 02/12/23(月) 6:26
   ┃  ┃        ┣それは逆です  BUN 02/12/23(月) 7:50
   ┃  ┃        ┣Re:零戦について  sorya 02/12/23(月) 13:52
   ┃  ┃        ┃  ┗Re:零戦について  khon khon 02/12/23(月) 16:04
   ┃  ┃        ┃     ┣理由は誰でも知っています  BUN 02/12/23(月) 17:34
   ┃  ┃        ┃     ┃  ┗理由は誰でも知っています か?  khon khon 02/12/23(月) 18:51
   ┃  ┃        ┃     ┃     ┗Re:理由は誰でも知っています か?  BUN 02/12/23(月) 19:34
   ┃  ┃        ┃     ┗Re:零戦について  sorya 02/12/23(月) 19:59
   ┃  ┃        ┃        ┗Re:零戦について  khon khon 02/12/24(火) 0:12
   ┃  ┃        ┃           ┣Re:零戦について  zono 02/12/24(火) 0:50
   ┃  ┃        ┃           ┗では、YesかNoかで答えてください。  sorya 02/12/24(火) 1:34
   ┃  ┃        ┃              ┗Re:では、YesかNoかで答えてください。  khon khon 02/12/24(火) 2:05
   ┃  ┃        ┣Re:零戦について  あるエンジニア 02/12/23(月) 16:10
   ┃  ┃        ┗Re:零戦について  tac 02/12/23(月) 21:29
   ┃  ┃           ┣その通りでしょう  BUN 02/12/23(月) 22:12
   ┃  ┃           ┗必要資源量 A<=B とはならない  khon khon 02/12/23(月) 23:53
   ┃  ┃              ┣分別ゴミの収集は大事ですよ。  無頼庵 02/12/24(火) 0:46
   ┃  ┃              ┗Re:必要資源量 A<=B とはならない  たc 02/12/24(火) 0:50
   ┃  ┃                 ┗話を原点に戻しましょう  khon khon 02/12/24(火) 1:46
   ┃  ┃                    ┣話をこじらせているのはあなたです  tac 02/12/25(水) 0:09
   ┃  ┃                    ┃  ┗Re:話をこじらせているのはあなたです  khon khon 02/12/25(水) 1:07
   ┃  ┃                    ┃     ┣見苦しいのはあなたです。  便利少尉 02/12/25(水) 2:45
   ┃  ┃                    ┃     ┣Re:話をこじらせているのはあなたです  tac 02/12/25(水) 10:41
   ┃  ┃                    ┃     ┗1940年のリサイクル。  無頼庵 02/12/26(木) 22:04
   ┃  ┃                    ┃        ┗Re:1940年のリサイクル。  NX 02/12/26(木) 23:37
   ┃  ┃                    ┃           ┗ちょっと横レス  だーくまたー 02/12/27(金) 0:57
   ┃  ┃                    ┗Re:話を原点に戻しましょう  だーくまたー 02/12/25(水) 1:41
   ┃  ┗Re:零戦について  片 02/12/22(日) 7:02
   ┃     ┗Re:零戦について  高村 駿明 02/12/24(火) 12:09
   ┃        ┣Re:零戦について  片 02/12/25(水) 4:06
   ┃        ┃  ┗繰り返してしまう疑問;なぜ栄なのか?  ささき 02/12/25(水) 11:20
   ┃        ┃     ┗それですよね・・・・  片 02/12/25(水) 12:46
   ┃        ┃        ┣Re:それですよね・・・・  タカ二飛曹 02/12/25(水) 16:59
   ┃        ┃        ┃  ┗それは受け継がれてゆく  片 02/12/25(水) 18:12
   ┃        ┃        ┃     ┗防弾装備  BUN 02/12/25(水) 19:05
   ┃        ┃        ┗理屈と結果  ささき 02/12/26(木) 3:55
   ┃        ┃           ┗話がそれるかもしれませんが、雷電について  片 02/12/26(木) 9:34
   ┃        ┃              ┗余裕が無かった設計陣  ささき 02/12/27(金) 3:11
   ┃        ┃                 ┗まさに  片 02/12/27(金) 5:50
   ┃        ┃                    ┗どうなんでしょ  片 02/12/27(金) 6:41
   ┃        ┃                       ┗営業的には新機種が必要だったのでは  印度総督 02/12/27(金) 7:50
   ┃        ┃                          ┗それです  片 02/12/27(金) 10:17
   ┃        ┗『三菱の認識』  片 02/12/25(水) 6:40
   ┃           ┣たとえば  片 02/12/25(水) 7:12
   ┃           ┗Re:『三菱の認識』  高村 駿明 02/12/25(水) 12:08
   ┃              ┗時系列の押さえが大事です  片 02/12/25(水) 13:50
   ┣Re:零戦について  sinn 02/12/24(火) 2:22
   ┗初飛行日時だけで見てみると…  ささき 02/12/25(水) 3:50
      ┣更に夢のないデータを貼ってみる  ささき 02/12/25(水) 5:12
      ┗Re:初飛行日時だけで見てみると…  錦単子 02/12/25(水) 15:03
         ┗Re:初飛行日時だけで見てみると…  ooi 02/12/25(水) 15:40
            ┗Re:初飛行日時だけで見てみると…  錦単子 02/12/25(水) 17:25

 ───────────────────────────────────────
 ■題名 : 零戦について
 ■名前 : 小師
 ■日付 : 02/12/21(土) 18:37
 -------------------------------------------------------------------------
   零戦についててです。零戦は当時の戦闘機と比べて大変に軽い(その分、防御が犠牲にしていましたが)これは旋回性能を上げる事と航続距離を伸ばすがあり、資源がないと言う理由があると思うのですが、実際の所どうっだのでしょうか?当時の日本海軍の考え方、米英の大戦初期の頃に戦闘機の性能から見て、皆様のご意見を聞かせていただきたいです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : SUDO  ■日付 : 02/12/21(土) 21:38  -------------------------------------------------------------------------
   P-36A 自重2000 全備2700 空冷 陸上機
P-39C 自重2300 全備3100 液冷 陸上機
P-40E 自重2800 全備4100 液冷 陸上機
Bf-109E 自重1900 全備2600 液冷 陸上機
F3F-3 自重1500 全備2200 空冷 艦上機
F4F-3 自重2400 全備3200 空冷 艦上機
F2A-2 自重2100 最大3100 空冷 艦上機

零戦21型 自重1700 全備2400

 まあ、大体同世代の飛行機で比較すると、そんなに極端に軽い訳でもないと思います。
 零戦21型は、F3F-3とF2A-2の間ぐらいの重量ですから、軽量化に努力したという点は兎も角として、世間一般のそれと極端には変わらず、まあ頑張ってダイエットしてるんだなという程度ですかな。

 また零戦は旋回性能は特別に求めていません。
 求めたのは、空母に離着艦するための低い翼面荷重で、結果的に旋回性能にも利点があっただけです。
 空戦性能で言うなら、零戦は速度と火力に注力した戦闘機で、主目的は味方艦隊に向かう爆撃機を迎撃することにありました。
 また航続距離も特別に求めていません。
 艦隊上空のCAP(戦闘空中哨戒)の便宜上、長い航続時間(滞空時間)が求められた結果、その時間を前進に用いれば航続距離に転換できるだけであり、この特性は現代の米海軍戦闘機でも同様で、艦上戦闘機とは長時間飛べることが重要な性能です。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : まなかじ  ■日付 : 02/12/21(土) 23:18  -------------------------------------------------------------------------
   >  零戦21型は、F3F-3とF2A-2の間ぐらいの重量ですから、軽量化に努力したという点は兎も角として、世間一般のそれと極端には変わらず、まあ頑張ってダイエットしてるんだなという程度ですかな。

F3Fはちと古いのではないかと思われ。
F3F-3はいちおう1939年型と思ってもいいかもしれませんが、所詮は1935年型の複葉戦闘機ですし。
これと比較してよいなら、九六式四号艦戦(自重1263)との直接比較も許されてしまうのではないかと。
こうしてみるとP-36にしろBf109にしろ、1935〜36年型の機体は軽いことがわかりますが、それでもやはり2トン前後はあることがわかります。
Bf109でも馬力の小さいB/C/Dあたりでは自重1500前後とかいう馬鹿っぽい数値ですが、DB601を積んでしまうと重量も跳ね上ります。
スピットMk.I(自重2049)もこのあたりの飛行機ですから同じような数値が出ています。
ハリケーンMk.Iは自重2300とやや重いですね。
フィアットG.50で自重1920、I-16のType24で自重1475です。

やっぱ、星型14気筒950馬力搭載の全金属製単発戦闘機、しかも艦上戦闘機としては、零戦二一型の自重1700は極度に軽いと言えるような気はしますが。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : SUDO  ■日付 : 02/12/22(日) 8:25  -------------------------------------------------------------------------
   でね、エンジンの重量も加味して欲しいなと。

R-1820:約600kg
R-1830:約700kg弱
栄:530kg

零戦はP-36AやF2Aよりエンジンが150kg以上軽いんです。

エンジンを除外して比べると
P-36A 約1300
F4F-3 約1700
F2A-2 約1400+
零戦21型 約1200+

どうでしょう?
確かにP-36やF2Aと比較して10〜20%軽いですが、日本の飛行機が元々軽量指向だったことを考えれば、従来の延長でこそあれ、極端という程なのかは難しいのではないかと・・。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : まなかじ  ■日付 : 02/12/23(月) 22:56  -------------------------------------------------------------------------
   > でね、エンジンの重量も加味して欲しいなと。

いや、それそれ。
Bf109を持ち出したのは、エンジンの重さと出力が機体各部に及ぼす重量増加は武装とか防弾どころの話じゃないよ、というアレも込めてのことで。

> 確かにP-36やF2Aと比較して10〜20%軽いですが、日本の飛行機が元々軽量指向だったことを考えれば、従来の延長でこそあれ、極端という程なのかは難しいのではないかと・・。

えーと、なんというか、スレの主題からはやや離れてしまった主張なのでわかりづらかったかと反省しとりますが、
つまり機体のドンガラじゃなくて、パッケージ重量として見ての話です。
軽量な機体というより「軽量な戦闘機」というニュアンスで。
栄をこれほど軽く作ったというのも、出力重量比に対する涙ぐましい中島発動機設計部の努力のあるところで。
栄という発動機の存在は、軽量な機体に軽量高出力の発動機で(海軍側の意向もあったとはいえ自社製の瑞星を捨ててまで)なにがなんでも500km/hを超えようという零戦のコンセプトからは切っても切れないものがあるんじゃないかなと個人的には思うのです。

また、基本的に戦闘機ってのは設計してる当人としてはギリギリだと思うところまで削ってあるのが普通なんじゃないかと、これまた個人的には思っております。
たとえば、グラマンの戦闘機のドンガラが重めなのは、余裕を見込んであるんじゃなくて、シュウェンドラーさんとしてはこのくらいの頑丈さは最低限必要だと思っていたのであり、その範囲内に於いて為し得る限り最大限に軽量化の努力はしているのだろうと思うのです。
堀越さんとシュウェンドラーさんの設計哲学の違いと言えばそれまでなのかもしれませんが、1割くらいならともかくも、同時期設計の同級機で2割がた軽いというのは、実は凄いことなんじゃないでしょうか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 02/12/21(土) 22:57  -------------------------------------------------------------------------
   >零戦は当時の戦闘機と比べて大変に軽い(その分、防御が犠牲にしていましたが)これは旋回性能を上げる事と航続距離を伸ばすがあり、資源がないと言う理由があると思うのですが、実際の所どうっだのでしょうか?当時の日本海軍の考え方、米英の大戦初期の頃に戦闘機の性能から見て、皆様のご意見を聞かせていただきたいです。

 直接の答えにはなっておりませんが……
 昔から、零戦を非難するさいに「防御を犠牲にしている」と言われるわけですが、
「防御を重視した零戦」が使い物になったのか、という観点から考えると、不当な
非難という気がしますね。絶対的なエンジンパワーで米英に劣る以上、防御を
重視したなら機体重量が増加するので、性能全般が低下すると思うわけです。
 言われているほどライバルたちが駄作とは思えないので、防御を施した零戦
は、速度・上昇力・旋回性能・航続力において、例えばF4Fと同等か劣り、優勢
に戦闘が行えなかったのではないかと思います。
 資料を持たないので、当時の日本海軍の考え方はわかりませんが「敵弾は旋回
性能で回避」は、そもそも長期持久戦を考えていない日本として、妥当な戦略方針
だったように思いますね。そもそも、防御をほどこした機体って、必然的に1機
辺りのコストは高くなるし、資源も浪費するので、そういった零戦だったら、
史実ほどの数が揃えられたものか、疑問ではあります。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/12/21(土) 23:28  -------------------------------------------------------------------------
   > そもそも、防御をほどこした機体って、必然的に1機
> 辺りのコストは高くなるし、資源も浪費するので、そういった零戦だったら、
> 史実ほどの数が揃えられたものか、疑問ではあります。

防御に重量を割くことは資源の浪費なのでしょか。
最初から防弾タンクを装備して登場した隼と比較すれば、
やはり零戦は特異な例と言うべきではないでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : taka  ■日付 : 02/12/23(月) 0:21  -------------------------------------------------------------------------
   > > そもそも、防御をほどこした機体って、必然的に1機
> > 辺りのコストは高くなるし、資源も浪費するので、そういった零戦だったら、
> > 史実ほどの数が揃えられたものか、疑問ではあります。
>
> 防御に重量を割くことは資源の浪費なのでしょか。
> 最初から防弾タンクを装備して登場した隼と比較すれば、
> やはり零戦は特異な例と言うべきではないでしょうか。

コスト云々ではなく、単に戦闘力の強化を求めたからではないでしょうか?
当時、手に入るエンジンは千馬力程度で、長滞空時間、大攻撃力、高速力を
求められれば必然と言えるのではないでしょうか。つまり大馬力エンジンが
手に入るのであれば、また違った性能になったと思います。

で推測ですが、海軍は防御力の低さには敢えて目をつぶったのではないかと
考えます。それは当時の海軍は基本的に艦隊決戦思想なので、戦闘機に求めら
れたのはのは、決戦時の制空、および防空戦闘です。戦闘の回数自体は少ない
ので防御が弱い事による損耗も許容されると考えられたのではないでしょうか?

それに対し隼が初期から防御を重視したのは、陸上基地同士の殴り合いは、長期戦に
なる事が多い事。また対地支援は反復する必要が多い事など、機体の損耗が海軍に
比べ許容しがたいからではないでしょうか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/23(月) 1:32  -------------------------------------------------------------------------
   > で推測ですが、海軍は防御力の低さには敢えて目をつぶったのではないかと
> 考えます。

防弾の欠落は本当に「海軍」の意図に基づくものであったのかどうか、そこの検証がまず必要でしょうね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : khon khon  ■日付 : 02/12/23(月) 2:35  -------------------------------------------------------------------------
   > 防御に重量を割くことは資源の浪費なのでしょか。
> 最初から防弾タンクを装備して登場した隼と比較すれば、
> やはり零戦は特異な例と言うべきではないでしょうか。

最初から隼に防弾性能を持たせよと陸軍より指示があったのに対して、
海軍は零戦の開発に当たってその指示を出さなかった。
と言うだけの事ですね。
 私は、「防御に重量を割くことは資源の浪費」とは思いませんが、
初期の零戦と共の活躍した他の機種においても「防弾タンク」
を装備した機種はなかったのではないか、と思いますので、
零戦だけが特異な例という事ではなく、
当時の考え方として、「防御に重量を割く」よりも、
軽量化の方が好まれたのではないかと考えます。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 02/12/24(火) 11:56  -------------------------------------------------------------------------
   > 防御に重量を割くことは資源の浪費なのでしょか。
> 最初から防弾タンクを装備して登場した隼と比較すれば、
> やはり零戦は特異な例と言うべきではないでしょうか。

 「浪費」という言葉には、マイナスイメージがありますね。
言葉使いに正確さがなく、申し訳ありませんでした。
 「消費」という以上の意味はありません。
 一般的な話として、戦闘機の防御が無駄だとか、資源の
浪費というつもりもありません。また、仰られるように
零戦(というか日本海軍機)は特異な例だと思います。

 発言の趣旨としては、零戦に要求された「大航続力で、
しかも戦闘能力で敵戦闘機を上回る」という能力を、機体
の大型化が許されない(母艦搭載の利便や、また九六艦戦
よりも大幅な大型化をすることは、パイロットの評価や、
格闘戦を考えると難しかったのではないかという意味です)
条件で、エンジンパワーも欧米より下回るという状況を
考えると、いちがいに「防御を施しておけばよかった」とは
言えないのではないか、という趣旨です。

 また、BUN様へのレスとは外れますが、重量軽減穴で軽量
化しても、総合的コスト削減にならない、というご意見も
多いようであり、それは同感ですが、常識的に考えて、
それでも、例えば「零戦と比べ、重量で2倍近いF6F」の
制作コストや、資源消費量が「零戦と同じかそれ以下」とは
ならないと思うのですが。
 ありえないことながら、日本海軍が零戦ではなく、F6F
を自主開発して採用したとしても、零戦以上の機数を用意
できなかったのではないか、と思うわけです。
 もちろん、以上の主張はコストパフォーマンスを考えない
ものですから、「零戦の性能が史実より多少低下しても、生
産性を重視していれば、多くの機数が用意でき、有利だった
のではないか」というご意見を否定するつもりはありません。

 さて、当時の中国戦線の状況などからも、日本海軍が、

「半端な防御を施して(発動機、機体サイズを考えると、
半端な防御しか施せないでしょうから)重量増加するなら、
その分、速力増加や機体の小型化を図ったほうが、結果と
して運動性能が向上し、落とされにくいのではないか」

 と考えたとしても無理はないかと思います。
 また、防御タンクを採用することで、大幅に航続力が
低下した飛燕を考えれば、「戦闘能力を犠牲にせず、さら
に防弾を重視した零戦」は、戦略戦闘機としての使い方が
できない局戦となっていたのではないかと思うのですが。

 そもそも、陸上攻撃機ですら、防御を重視せずに大航続力
を要求したのが日本海軍ですし、その大航続力は、大まかに
言うなら広大な太平洋を仮想戦域としていることが原因です。
 ですから、大航続力は譲れない一線だったのでしょうし、
発動機性能が劣り、まともな液冷発動機もなかったのですから、
防御軽視以外に、要求性能を実現する方法がないと考えたのは
ごく自然な考え方ではないかと思います(もちろん、空中給油機
の実用化など、他の道もあったのかもしれませんが)。
 そうした「防御がなくても、大航続力を」という日本海軍の姿勢
は、陸攻の設計でも同じですし、また「防弾を施して機体大型化
(機数・稼働率低下)を許容する」という考えがなかったのは、三菱
提案の一式陸攻4発案が相手にされなかったということからも、
伺えると思っております。

 資料的な裏付けがあるわけではありませんが、他の機体は
ともかく、零戦の防御を重視していたなら「性能はよかったが、
戦場までたどり着けなかった名機」か、「発動機で劣るのに敵国
と同一コンセプトで設計したことで、特徴のない機体となった」
 と評価されていたのではないでしょうか。

 総合的に考えて、零戦の場合は「防弾に重量を割く」ことで、
日本海軍の作戦に適しない戦闘機となった可能性が高いため、
「防弾を施せばよかった」とは言い切れないと思っております。
 陸攻の場合は、「航続力は零戦程度」として、防御力を重視
するという方向性もあったと思いますが(その場合も敵4発
重爆の航続力にアウトレンジされるのが嫌だったのかも)。

 もっとも、零戦や陸攻に大航続力がなければ、太平洋作戦
は行えないので、太平洋戦争は避けられたかもしれませんね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/12/25(水) 18:05  -------------------------------------------------------------------------
   > それでも、例えば「零戦と比べ、重量で2倍近いF6F」の
> 制作コストや、資源消費量が「零戦と同じかそれ以下」とは
> ならないと思うのですが。
>  ありえないことながら、日本海軍が零戦ではなく、F6F
> を自主開発して採用したとしても、零戦以上の機数を用意
> できなかったのではないか、と思うわけです。

F6Fと零戦の製造コストを比較する事は困難ですが、日本海軍単発戦闘機一機の価格は物価上昇にもかかわらず昭和20年に入っても大まかに10万円程度と試算されています。零戦の機体価格は16年に5万5千円という契約書が残っていますのでこれに発動機と各種装備品を加えた価格は開戦時で10万を超えたのではないかと思いますが、装備品が増え、総重量が増加した新型機が登場した戦争末期に一機あたりの価格が下がっている事になります。もちろんこれは精度の高い試算ではありませんが、他機種の場合でも戦争初期よりも戦争後期のほうが価格が下がる傾向が見られます(九九艦爆などには機体価格が大幅に低減されたという具体的な数字が残っています)。機体価格が下がる理由は色々ありますが、主に生産技術の向上と工数削減の結果であると考えられます。このように機体価格は機体重量に必ずしも比例しないのです。F6Fとは限りませんが工数の少ない大型の機体が工数の多い小型の機体より安価になることは十分に考えられる事です。

では、零戦が多少の重量増加を忍んで機体の製造過程での大幅な工数削減を実現したとして、生産機数は史実より増えたのかという問題についてはまた別の視点が必要になります。戦闘機は機体だけではなく発動機と各種装備品によって構成されていますので、発動機生産が目標に達していなければ生産は伸びませんし、各種装備品の供給が滞れば開戦直前の零戦のように機体が竣工しても戦力化できないという事態が発生します。戦時中の日本機の場合、機体の生産能力よりも発動機の生産能力が不足傾向にありましたから、総重量の30%程度の機体重量を多少軽減しようが増加しようが、生産そのものには大した影響は無かったかもしれません。

次に零戦が防御に重量を割き、その結果航続力が史実より低下したとして、その結果何が起きたかという問題です。
零戦の中国戦線派遣は本来、漢口基地の防空を目的として実施されたものです。局地戦闘機として防空を目的に派遣した零戦隊が折から強行された重慶爆撃を護衛したという形で零戦の長距離進攻作戦が始まるのです。零戦の長大な航続力が長距離進攻に応用できると軍令部が確信したのは中国戦線での戦訓を積んだ後の事です。長距離進攻用の戦闘機は別に開発されていたことですし、防弾を施した零戦の航続力が防弾装備を持つ隼以下に低下したとしても、結局、艦上戦闘機一機種の性能が多少変わった所で対米戦は戦われたことでしょう。ガダルカナルへの長距離作戦も当初から存在していた中間基地を本格的に拡張整備することでやはり実施されてしまったかもしれません。「戦略戦闘機」という言葉も後世の造語ですね。

海軍機の防弾装備に対する研究は決して遅れていた訳ではありませんが、結果的に防弾装備の充実が遅れた理由の一つに20mm機銃の採用が挙げられます。
当時、20mm機銃を標準装備しつつあった海軍にとって防弾の対象は「敵も装備するであろう20mm機銃弾」なのです。この大口径機銃に対抗できる防弾装備の重量見積りが海軍に防弾装備を諦めさせた理由のひとつになっています。一式陸攻の防弾装備が貧弱なのは防弾の対象を「敵の装備する20mm機銃」に置いている為であることがこの機体の構想段階での技術会議議事録等で確認できるのです。
実際には陸軍の採用した対7.7mm、対13mm防弾の水準で十分に効果があったのですが、その採用が上記のような将来予測によって遅れてしまったとすれば、これは惜しむべき事ではないでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : 堀  ■日付 : 02/12/22(日) 3:08  -------------------------------------------------------------------------
   空における戦闘は、空戦能力を第一とし、装甲は薄くても良いです。
装甲を施しても、弾が命中すれば結末は同じです。
空戦能力(格闘能力)を第一とし、装甲を薄くすることによって
機体の軽量化、資源の節約が行えるのです。
日本は資源に乏しい国ですから、零戦のような機体は適当であったと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/22(日) 7:11  -------------------------------------------------------------------------
   > 装甲を施しても、弾が命中すれば結末は同じです。

ほんとうにそんなふうに云い切って良いのでしょうか。
だとしたら、零戦以外の機体が防弾を取り入れている意味はなかったことになってしまいますね。

> 日本は資源に乏しい国ですから、零戦のような機体は適当であったと思います。

もっと資源が枯渇して来てから現れた日本の各機種からも防弾は省略されるどころかいっそう増強され、零戦にも防弾が付加されていった意味は何なのでしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/12/22(日) 12:57  -------------------------------------------------------------------------
   > 空戦能力(格闘能力)を第一とし、装甲を薄くすることによって
> 機体の軽量化、資源の節約が行えるのです。

零戦のが軽量な構造を採っている事が資源節約に直結しているのでしょうか。
むしろ逆ではないかと私は思います。
単純化してお話すれば、ある素材を肉抜きし削り込んで軽量な部品を製作する場合と仕上がりの重量は多少重くとも最小限の加工で済むような部品とでは、どちらが資源を節約しているのでしょうか。軽いから資源節約という訳では無い場合がありますよね。

また本当に資源を節約するのであれば、ESDなどの新素材を使わず戦争後期に実際に行われたように木製か鋼製で戦闘機を作るのが本筋でしょう。零戦という戦闘機は当時としてはむしろ豪華で贅沢な機体です。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : khon khon  ■日付 : 02/12/23(月) 3:42  -------------------------------------------------------------------------
   > 零戦のが軽量な構造を採っている事が資源節約に直結しているのでしょうか。
「軽め穴を開ける事により軽量化」という意味では、Yesだと思います。
例えば、同じ素材Aという部品を作った場合、未加工の場合1kg、軽量加工を施す事により700gになったとすれば、300gの資源節減(コストダウン)じゃないですか。

> むしろ逆ではないかと私は思います。
> 単純化してお話すれば、ある素材を肉抜きし削り込んで軽量な部品を製作する場合と仕上がりの重量は多少重くとも最小限の加工で済むような部品とでは、どちらが資源を節約しているのでしょうか。軽いから資源節約という訳では無い場合がありますよね。
 確かに、「軽いから資源節約という訳では無い場合がありますよね。」と言う事はわかりますが、、、
私は、BUN殿が言われる「資源節約」とは、部品加工による人件費なども含めての大きな意味での「資源節約」というに解釈しましたが、
単品物ならともかく、量産品では、金属部品の重量増加は、そのまま材料単価に跳ね返ってきます。 それは、金属の値段は、重量で決まるからです。 金属加工の値段も同様で重量で決まります。「トン当たり、いくら」という具合です。
 つまり、数を多く作ればそれに関わる人件費の比率はある程度まで小さくなり、部品一個の重量が価格を左右します。
 同一素材で、(部品強度など)同じ性能を維持できるのであれば、軽量化する事により、十分「資源節約」の役目を果たしていると思います。

> また本当に資源を節約するのであれば、ESDなどの新素材を使わず戦争後期に実際に行われたように木製か鋼製で戦闘機を作るのが本筋でしょう。零戦という戦闘機は当時としてはむしろ豪華で贅沢な機体です。
確かに零戦や他の戦闘機に限らず、飛行機というのは(一般的に)高価な物です。
 しかしBUN殿、貴殿はご存じなかったのかもしれませんが、
昭和18年頃(?)から設計された各種木製・鋼製「戦闘機」は、設計段階に材料変更による重量増加により各種性能が著しく低下する事がわかり、その多くは、計画のみで終わっております。
(注:小部品レベルでの「木製」「鋼製」部品の使用は、この限りではありません。)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : Ninja  ■日付 : 02/12/23(月) 4:08  -------------------------------------------------------------------------
   当時はキリコ集めて溶かして使ってたんでしょうかね?

> > 零戦のが軽量な構造を採っている事が資源節約に直結しているのでしょうか。
> 「軽め穴を開ける事により軽量化」という意味では、Yesだと思います。
> 例えば、同じ素材Aという部品を作った場合、未加工の場合1kg、軽量加工を施す事により700gになったとすれば、300gの資源節減(コストダウン)じゃないですか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/23(月) 6:26  -------------------------------------------------------------------------
   > 昭和18年頃(?)から設計された各種木製・鋼製「戦闘機」は、設計段階に材料変更による重量増加により各種性能が著しく低下する事がわかり、その多くは、計画のみで終わっております。

ということは、BUNさんの論旨と合致するということで、それはそれでいいんじゃないでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : それは逆です  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/12/23(月) 7:50  -------------------------------------------------------------------------
   > > 零戦のが軽量な構造を採っている事が資源節約に直結しているのでしょうか。
> 「軽め穴を開ける事により軽量化」という意味では、Yesだと思います。
> 例えば、同じ素材Aという部品を作った場合、未加工の場合1kg、軽量加工を施す事により700gになったとすれば、300gの資源節減(コストダウン)じゃないですか。

そう思うでしょうけれど、実際はそうじゃないし、コストダウン等とんでもない、と言う事です。
そのたとえ話はただ単に300gを加工時に無駄にしたという事で、資源節約とは正反対の行為なんです。元々軽め穴のような発想は資源節約を目的としたものではありませんし、資源節約とは遠いのです。切粉を再生するからいいじゃないか、という考え方も資源節約とは逆行しています。実際に行ってはいますがアルミ原料不足に単純に対応したもので、そこに更にコストをかけて製造した再生アルミの性能も満足ではなく、資源節約の面からも加工コストの面からも、材料からの加工を最小限にするに越した事はないのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : sorya  ■日付 : 02/12/23(月) 13:52  -------------------------------------------------------------------------
   > 単品物ならともかく、量産品では、金属部品の重量増加は、そのまま材料単価に跳ね返ってきます。 それは、金属の値段は、重量で決まるからです。 金属加工の値段も同様で重量で決まります。「トン当たり、いくら」という具合です。
>  つまり、数を多く作ればそれに関わる人件費の比率はある程度まで小さくなり、部品一個の重量が価格を左右します。

うーんと。もしかしたら、khonkhon氏は知ってって敢えて目を瞑ってるのではないか?とも思いつつなんですが、現代であっても加工費>>原材料費の関係が存在します。つまりは加工費、人件費は常に原材料費を激しく凌駕する傾向が今ですらあるんです。これを減らすためには部品の共通化、形状の簡易化、材質数及び部品点数の削減という、つまりは肉抜きのような小手先の工作よりも効果的な原材料の削減及び人的資源の削減が必要になるんです。紫電から紫電改の時に成された方向こそ(部品点数及び材質数の削減)がトータルコストの削減という点では王道であり、正しい道であると私なんかは思っています。

わたしゃ今もそれで苦しんでいますが。今でも量産図面を書くときは胃が痛ぇ(笑)

それはそれとして。こと、工業製品として零式艦上戦闘機を見た場合、真っ先に感じるのは、零戦は非常に特殊な戦闘機であるという点です。量産性を二の次とした性能重視という点、ESD という現代で言うところの未だ限界性能が良く判らない複合材にも似た、新材料を採用したという点を鑑みればなおさらです。少なくとも長期的な総力戦を前提とした戦闘機ではない事が覗えます。そうでなければ、程度の低い基礎工業力を手数をもって補填した芸術品ですね。

後者に関しては現代でもそのような装備品が各国に散見されます。現代であっても、量産効率さえ"全く"気にしなければ、どんな国でも一流の性能を捻り出す装備品を作り出すことが可能ですし、実際そのようなものがあるのですから。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : khon khon  ■日付 : 02/12/23(月) 16:04  -------------------------------------------------------------------------
   > 肉抜きのような小手先の工作よりも効果的な原材料の削減及び人的資源の削減が必要になるんです。紫電から紫電改の時に成された方向こそ(部品点数及び材質数の削減)がトータルコストの削減という点では王道であり、正しい道であると私なんかは思っています。
 話が飛ぶようで申し訳ないのですが、
私は、軽め穴を実施した一番の理由は、コスト削減ではなく、一番最初に小師氏が書かれているように運動性能を上げるとか、航続力をのばすとか、戦闘機そのものの性能を上げるために採用した一つの方法だと思っております。
 当時は、たとえ1個1円の部品が1.5円になろうとも、それが性能向上につながるのであれば、採用したと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 理由は誰でも知っています  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/12/23(月) 17:34  -------------------------------------------------------------------------
   > 私は、軽め穴を実施した一番の理由は、コスト削減ではなく、一番最初に小師氏が書かれているように運動性能を上げるとか、航続力をのばすとか、戦闘機そのものの性能を上げるために採用した一つの方法だと思っております。

それより、すぐ前で「軽め穴はコスト削減、資源節約になる」と断言している件はどうなんですか?みんなそれを問題にしていると思いますが・・・。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 理由は誰でも知っています か?  ■名前 : khon khon  ■日付 : 02/12/23(月) 18:51  -------------------------------------------------------------------------
   > それより、すぐ前で「軽め穴はコスト削減、資源節約になる」と断言している件はどうなんですか?みんなそれを問題にしていると思いますが・・・。
「私は、そう思う」と個人的意見を述べさせていただいたつもりですが、いけないのでしょうか?

ではお伺いさせていただきますが、
>単純化してお話すれば、ある素材を肉抜きし削り込んで軽量な部品を製作する場合と仕上がりの重量は多少重くとも最小限の加工で済むような部品とでは、どちらが資源を節約しているのでしょうか。軽いから資源節約という訳では無い場合がありますよね。
Q1:重くなって、資材節約となった、実用戦闘機の具体例を挙げてください。

また本当に資源を節約するのであれば、ESDなどの新素材を使わず戦争後期に実際に行われたように木製か鋼製で戦闘機を作るのが本筋でしょう。零戦という戦闘機は当時としてはむしろ豪華で贅沢な機体です。
Q2:木製零戦・鋼製零戦が出来なかった理由は?
Q3:ESDを使った理由は?
Q4:「豪華で贅沢な機体」という貴殿の説明と、小師氏の書かれている「零戦は当時の戦闘機と比べて大変に軽い(その分、防御が犠牲にしていましたが)これは旋回性能を上げる事と航続距離を伸ばすがあり、資源がないと言う理由があると思うのですが、実際の所どうっだのでしょうか?」という質問との因果関係は?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:理由は誰でも知っています か?  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/12/23(月) 19:34  -------------------------------------------------------------------------
   > ではお伺いさせていただきますが、
> Q1:重くなって、資材節約となった、実用戦闘機の具体例を挙げてください。

仕上がりの重量が軽い事が資源節約に直結しない事は諸氏が既に述べています。
それを理解できるかどうかの問題でしょう。

> Q2:木製零戦・鋼製零戦が出来なかった理由は?
> Q3:ESDを使った理由は?
> Q4:「豪華で贅沢な機体」という貴殿の説明・・

そのようなオーダーで造られた機体ではないからです。
零戦は当時考えられた必要とされる装備をほぼ全て搭載した上に製造上の手間を無視して更に未だその性能に疑問が残されていた新材料を採用してまで性能を追求した機体であることは他でもない堀越二郎氏自身がはっきりと語っています。

と言うよりも、軽め穴が資源節約だなんて勇み足に拘るから話がややこしくなるのでは?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : sorya  ■日付 : 02/12/23(月) 19:59  -------------------------------------------------------------------------
   >話が飛ぶようで申し訳ないのですが、
>私は、軽め穴を実施した一番の理由は、コスト削減ではなく、一番最初に小師氏が書かれているように運動性能を上げるとか、航続力をのばすとか、戦闘機そのものの性能を上げるために採用した一つの方法だと思っております。

えーと。思いっきり話が飛んだのでちょっと困っているんですが(^-^;)、最初に出た話がまさにそのコストの話では無かったの?そして、その原材料費の低減はコストに跳ね返ることが少なく、むしろkhonkhon氏が敢えて無視している手間数こそコストのコア部分ではなかろうか?少なくとも、実体験から言う限りでは。という話を私はしたはずなんですけど。。。何かおかしかったですか?

>当時は、たとえ1個1円の部品が1.5円になろうとも、それが性能向上につながるのであれば、採用したと思います。

それは今だってそうだよ。でも、その加工工費及び時間に見合うだけの能力向上が無ければ、普通は採用しません。それが工業製品というシロモノです。戦争だからといって、C/Pを無視して良いものではない。それは言い訳にしか過ぎんよ。しかも後付け的な。

しかも、その工数上昇のため、歩留まりが異様に低くなってしまった…なんていう選択は愚の骨頂にしか過ぎないというのが、私の考えです。普通に考えれば、そんな効率の悪い機体はマスプロ化してはならない部類です。

基本設計状態の機体をカリカリにチューニングする事で、後継機が出るまでの短期間を一時的に凌いでいこうという考えならいざ知らず、基礎設計状態から無理な肉抜き等を行った芸術品とも言える機体で戦いつづけようなんていう考えは理解することすらできません。私には。

しかしながら、そこまでして無理矢理特定の性能にこだわった背景には一体何があったのか?…という点こそ、私が知りたいところでもあります。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : khon khon  ■日付 : 02/12/24(火) 0:12  -------------------------------------------------------------------------
   > 最初に出た話がまさにそのコストの話では無かったの?
私は、第三者の方の
> 零戦のが軽量な構造を採っている事が資源節約に直結しているのでしょうか。
という御意見に対して、
「軽め穴を開ける事により軽量化」という意味では、Yesだと思います。
と、しているだけで、コストの話がこの議論の論点ではありません。

> 何かおかしかったですか?
おかしいとは決して申し上げませんが、一番最初の
小師氏のスレッドをお読み下さい。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : zono <zono@imcs.mse.kyutech.ac.jp>  ■日付 : 02/12/24(火) 0:50  -------------------------------------------------------------------------
   > 私は、第三者の方の
> > 零戦のが軽量な構造を採っている事が資源節約に直結しているのでしょうか。
> という御意見に対して、
> 「軽め穴を開ける事により軽量化」という意味では、Yesだと思います。
> と、しているだけで、コストの話がこの議論の論点ではありません。

 傍観していましたが、議論に加わらせていただきます。
 確かに「機体に使われている」資材に関しては穴あけなり特殊加工なりを駆使すれば削減できるでしょう。
 しかし、他の方々も指摘されていることですが、そのような工程で何がしか機械や人的資源、機械を動かすために使われる資源などが消費されますね?。

 本気で量産する気ならそんな面倒なことはしません。
 とにかく作りやすく簡単に、かつそれなりの性能を確保できるように作るでしょう。(対戦中のソ連機の多くは良い例です)

 つまるところ、零戦は一回の決戦において最大の打撃力を機体に与えるべく作られた機体なのです。
 だから贅を尽くした構造や工程も許されるのだと。
 もしかすると、いやおそらく要求でも設計側も零戦の弱点を理解していたはずだが、「それが露呈する前に戦争を終わらせればいい」と考えていたのかも。
(まさに艦隊決戦思想の延長ですね)
 そうでもなければ、開戦当初の活躍と弱点を知られてからの凋落(?)は説明できません。

 少々脱線しましたが、資源節約については日本全体のトータルでみて考えるべきと考えます。設計から製造、そのインフラ、さらには使用経過も含めて。
 そこまで考えると零戦の設計が、それほど資源の節約になりそうにないことも分かるかと。
(防弾の欠陥が露呈してからは、下手すると「即撃墜=アルミの無駄使い」になっているのですから。戦場から生還できるならまだなんとかなるのだが…。)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : では、YesかNoかで答えてください。  ■名前 : sorya  ■日付 : 02/12/24(火) 1:34  -------------------------------------------------------------------------
   > > 最初に出た話がまさにそのコストの話では無かったの?
> 私は、第三者の方の
> > 零戦のが軽量な構造を採っている事が資源節約に直結しているのでしょうか。
> という御意見に対して、
> 「軽め穴を開ける事により軽量化」という意味では、Yesだと思います。
> と、しているだけで、コストの話がこの議論の論点ではありません。
>
> > 何かおかしかったですか?
> おかしいとは決して申し上げませんが、一番最初の
> 小師氏のスレッドをお読み下さい。

コストの話はkhonkhon氏が最初に意義を唱えたのではないのでしょうか?
まぁ、いいや。じゃ、せめてこの部分だけはYes/Noで答えてください。

「零戦は贅を凝らした作りの戦闘機だと思いますか?」

Yesならば、今までのコスト話は終了。Noならばまだまだ続くことになります。
話が捩れすぎてます。そろそろkhonkhon氏が本当に話したい本題に戻りましょうよ?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:では、YesかNoかで答えてください。  ■名前 : khon khon  ■日付 : 02/12/24(火) 2:05  -------------------------------------------------------------------------
   > 「零戦は贅を凝らした作りの戦闘機だと思いますか?」
文才がないので、ごめんなさい。
Yes or No という事であれば、Yesです。
 「贅を凝らした」というよりも、皆さんも既にご存じのように、
「当時のもてるだけの(不確定要素も含めた)技術を導入した}戦闘機
っていうイメージなのですが、、、
 
> 話が捩れすぎてます。そろそろkhonkhon氏が本当に話したい本題に戻りましょうよ?
そうですね! 横道話には、こりごりです。
私の話したい本題は兎も角、皆さんは、
>当時の日本海軍の考え方、米英の大戦初期の頃に戦闘機の性能から見て、
零戦は、どうであったか? と、お考えですか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : あるエンジニア  ■日付 : 02/12/23(月) 16:10  -------------------------------------------------------------------------
   どこか製造会社に行って実際にモノを作ってみなさい。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : tac  ■日付 : 02/12/23(月) 21:29  -------------------------------------------------------------------------
   > > 零戦のが軽量な構造を採っている事が資源節約に直結しているのでしょうか。
> 「軽め穴を開ける事により軽量化」という意味では、Yesだと思います。
> 例えば、同じ素材Aという部品を作った場合、未加工の場合1kg、軽量加工を施す事により700gになったとすれば、300gの資源節減(コストダウン)じゃないですか。

 資源節約という点ではそう見えるかもしれませんが、実際にはそうはいきません。
 以下、Aを通常製法のもの、Bを軽量加工したものとします。

・必要素材量 A>=B
「穴開きを一発鋳造」でもしない限り、一度Aを作ってから肉抜き加工をするわけで、必要素材量は変わりません。Bは抜いた分を再利用できるから小さい、などと早合点しては駄目です。

・必要資源量 A<=B
 肉抜きで取り除いた部分を再利用できなくもないのですが、再利用するためにはそのためのコストが(素材へ戻すために工場稼働させるための電力や燃料が)かかります。したがって同じ素材量で同じだけ作る(その場合抜いた分は無駄になる)場合ですら、製造に必要なトータルの資源量はBの方が必要(肉抜き加工の工数分)なのです。

・製造コスト A<B
 明らかに手間のかかるBの方が製造コストは上です。

 したがって、よほど特殊な理由がない限り、肉抜きなどしないほうが量産には向くのです。今のように一発成形できれば別ですがね。
 零戦の場合、そこまでせねば所要性能を達成できないほど、他の部分の余裕がない、「特殊」なのです。

 仮にですが、初期型の栄が後期型なみの馬力を達成できていた場合、肉抜きなどせずにいたかもしれませんね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : その通りでしょう  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/12/23(月) 22:12  -------------------------------------------------------------------------
   >  仮にですが、初期型の栄が後期型なみの馬力を達成できていた場合、肉抜きなどせずにいたかもしれませんね。

その通りでしょう。軽量化を強行した零戦の設計には反省すべき点があり戦時の軍用機には向かない、という内容を堀越氏が烈風の計画説明書上で語っています。機体設計側で行える重量管理には限界がある、とも発言している点が興味深いのですが、それはさておき、仮に資源節約という視点まで含んで零戦が開発されていたらなば、史実とはかなり異なった機体となっていたことでしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 必要資源量 A<=B とはならない  ■名前 : khon khon  ■日付 : 02/12/23(月) 23:53  -------------------------------------------------------------------------
   > ・必要資源量 A<=B
>  肉抜きで取り除いた部分を再利用できなくもないのですが、再利用するためにはそのためのコストが(素材へ戻すために工場稼働させるための電力や燃料が)かかります。したがって同じ素材量で同じだけ作る(その場合抜いた分は無駄になる)場合ですら、製造に必要なトータルの資源量はBの方が必要(肉抜き加工の工数分)なのです。
 確かに、材料を再利用するために、「素材に戻すためのコスト」は必要です。
しかしそれは、今でいう「リサイクル業者」のコストです。 工場側は、廃材をそのリサイクル業者に渡すため、保管費用・処理費用も含めて、経費的にはプラスになると思います。

 又あくまでも副次的な事として、部品が軽くなれば、運搬・組み立てが容易になり工数削減になるという事を忘れてはなりません。 工場を稼働させるためのエネルギーまでも考慮するのであれば。

>  したがって、よほど特殊な理由がない限り、肉抜きなどしないほうが量産には向くのです。今のように一発成形できれば別ですがね。
異論はございません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 分別ゴミの収集は大事ですよ。  ■名前 : 無頼庵 <yoshino-@horae.dti.ne.jp>  ■日付 : 02/12/24(火) 0:46  -------------------------------------------------------------------------
   > しかしそれは、今でいう「リサイクル業者」のコストです。 
工場側は、廃材をそのリサイクル業者に渡すため、保管費用・処理費用も含めて、経費的にはプラスになると思います。

工場はともかく、当時の日本の資源状態で考えると、
「アルミ」と言っても、純アルミと普通のジュラルミンとESDを一緒に溶解して再生しても、
牛丼屋とラーメン屋と寿司屋の残飯をまとめて食え!と言うもので、いずれにも劣る材料しかできません。

現在の例ですと、空き缶のリサイクルには、単にリサイクルの体制作りでなく、
カンカンの全部分を、全部同じ素材で作る金属工学技術者の努力が不可欠です。
(そしてこれが難しい)。

当時の日本に、そのような組織的なリサイクル体制があったでしょうか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:必要資源量 A<=B とはならない  ■名前 : たc  ■日付 : 02/12/24(火) 0:50  -------------------------------------------------------------------------
   >  確かに、材料を再利用するために、「素材に戻すためのコスト」は必要です。
> しかしそれは、今でいう「リサイクル業者」のコストです。 工場側は、廃材をそのリサイクル業者に渡すため、保管費用・処理費用も含めて、経費的にはプラスになると思います。

 もともとでない廃材を、処分するためのリサイクル費用がかかっていて、どうして経費的にプラスになるんです?
 Aから肉抜きしたものがBなのですから、Bの製造は、「まずAを作る」ことから始まるんです。つまりこの時点でコストは(最低でも)一致するんです。そこから処分費用、リサイクル費用がかかれば、どうかんがえても経費削減にはなりません。

>  又あくまでも副次的な事として、部品が軽くなれば、運搬・組み立てが容易になり工数削減になるという事を忘れてはなりません。 工場を稼働させるためのエネルギーまでも考慮するのであれば。
 その軽くなったことで容易になって減らせる工数よりも、軽くするためにかかる工数の方が大きいのですが。運搬・組み立てに関して言えば、それ用に強化した機械を用意すれば事足りますが、肉抜きは「すべての部品に対して工数が必要」であることをお忘れなく。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 話を原点に戻しましょう  ■名前 : khon khon  ■日付 : 02/12/24(火) 1:46  -------------------------------------------------------------------------
   >  もともとでない廃材を、処分するためのリサイクル費用がかかっていて、どうして経費的にプラスになるんです?
生材から加工して、製品を造る時、廃材のでない物って有るのでしょうか?

>  Aから肉抜きしたものがBなのですから、Bの製造は、「まずAを作る」ことから始まるんです。つまりこの時点でコストは(最低でも)一致するんです。そこから処分費用、リサイクル費用がかかれば、どうかんがえても経費削減にはなりません。
 コスト:
(1)物を生産するのに要する費用。原価。生産費。「―高」
(2)物の値段。
つまり、処分費用・リサイクル費用もコストに含まれます。

>  その軽くなったことで容易になって減らせる工数よりも、軽くするためにかかる工数の方が大きいのですが。運搬・組み立てに関して言えば、それ用に強化した機械を用意すれば事足りますが、

ですから、「あくまでも副次的な事として」とさせていただいているのですが・・・
強化した機械・大型化した機械を導入すれば、その機械の価格も上がりますね。場所も広く必要ですね。(←維持費のアップ)
その機械が、電力で動く物であれば、使用電力量が上がりますね。(←エネルギー消費量アップ)
人力で運ぶにしても、バテる時間が早まりますね。(←人件費アップ)

>  肉抜きは「すべての部品に対して工数が必要」であることをお忘れなく。
 では、何故そこまでして、手間暇をかけて、肉抜きをしたのか、お考え下さい。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 話をこじらせているのはあなたです  ■名前 : tac  ■日付 : 02/12/25(水) 0:09  -------------------------------------------------------------------------
   > >  もともとでない廃材を、処分するためのリサイクル費用がかかっていて、どうして経費的にプラスになるんです?
> 生材から加工して、製品を造る時、廃材のでない物って有るのでしょうか?
 AとBとを比較して、どちらがより廃材が出るかといえば、Bだといっているのですが。Bを作る前段階にAが存在しなければならない以上。

>  コスト:
> (1)物を生産するのに要する費用。原価。生産費。「―高」
> (2)物の値段。
> つまり、処分費用・リサイクル費用もコストに含まれます。
 ええ。だからその分の費用がかかるBの方がコスト高ですね。つまり
(最良の条件下においても)A<=Bですよ。コストがかかれば経費もかかる。
どうやったって経費削減など無理。

> 強化した機械・大型化した機械を導入すれば、その機械の価格も上がりますね。場所も広く必要ですね。(←維持費のアップ)
> その機械が、電力で動く物であれば、使用電力量が上がりますね。(←エネルギー消費量アップ)
> 人力で運ぶにしても、バテる時間が早まりますね。(←人件費アップ)
 簡単化するために、一本10kgの桁材(A)と、3kg 肉抜きした桁材(B)を考えましょうか。ただし、Aを一本製造するのにのべ三日、AからBへの加工に一日かかる(まあ肉抜きの精度にもよりますが、自動工作機械なしだとこんなもんでしょうかね)とします。そしてAを製造するために原料が100kg 必要、それぞれの工程は重なることができない、としておきます。
 今原料が 100kg あったとして、ここから30日でAが10本完成します。では同じ30日間でBは何本できるでしょうか? 素材からBへの加工には四日かかりますから、30日間では7本しかできあがりません。
 もし30日間で10本作ろうとしたら、ラインを最低でも四割増しにしないと間に合いません。つまり必要な工数が四割増しなのです。工数が四割増しになるならば、それに関る労働者の賃金(生産費)も四割増しになります。
 それどころか、AからBへ加工するためのラインを用意するために必要な土地、設備、そのための人員が脹れ上がるのですから、どこをどういじったところでコストは四割増しではすまなくなるのです。
 これをもってまだ、肉抜きのほうがコストが安く押さえられると思うなら、どうぞご自由に。
#まさか、Bを作るためには 7kg の重さに耐えられる設備だけで済むと思ってるわけですか? Aを作ることができないでどうやってBを作るつもりで?

 むろん、「実際にはある程度流れ作業ができる」というのは確かです。しかし同時に、戦前の日本において能率的な流れ作業を発揮できる工場などほとんどなかったということも忘れてはなりません。

>  では、何故そこまでして、手間暇をかけて、肉抜きをしたのか、お考え下さい。
 単純明快な理由です。
「そうしなければ要求性能を達成できなかったから、手間をかけざるをえなかった」のです。後期型栄のようなより高出力のエンジンがあれば、あるいはもう少し要求性能が低くなっていたら、肉抜きなどせずに済んだのだ、とは設計陣も当初から理解しているのですからね。
 要求性能を達成することのみを目標に、それ以外の全てを切り捨てたのが零戦の設計なのです。本質的には F1 マシンやスーパーカーと変わりありません。
 そのような機体を、一万機以上も生産したというのは、むしろ奇跡ではないかとも思いますね(笑) 少なくともアメリカの軍需関係者が見たら卒倒しそうな気が……

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:話をこじらせているのはあなたです  ■名前 : khon khon  ■日付 : 02/12/25(水) 1:07  -------------------------------------------------------------------------
   当初の議事:
 零戦についててです。零戦は当時の戦闘機と比べて大変に軽い(その分、防御が犠牲にしていましたが)これは旋回性能を上げる事と航続距離を伸ばすがあり、資源がないと言う理由があると思うのですが、実際の所どうっだのでしょうか?当時の日本海軍の考え方、米英の大戦初期の頃に戦闘機の性能から見て、皆様のご意見を聞かせていただきたいです。

資源が少ないという意味で、
 例えば、同じ素材Aという部品を作った場合、未加工の場合1kg、軽量加工を施す事により700gになったとすれば、300gの資源節減(コストダウン)じゃないですか。
と、しているのですが。

 何方でしたかな? 人件費の事まで持ち出されたのは?
とにかくこの話はもう止めましょう。 見苦しいです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 見苦しいのはあなたです。  ■名前 : 便利少尉  ■日付 : 02/12/25(水) 2:45  -------------------------------------------------------------------------
   傍目八目で見ていると、khon khonさんが無益な主張を続けて、話がループしているとしか思えない。

別にみんなkhon khonさんが謝ったり、負けを認めることを期待しているのでもない。
khon khonさんが素直に省資源の主張を引っ込めて、
「零戦は当時の戦闘機と比べて大変に軽い(その分、防御が犠牲にしていましたが)これは旋回性能を上げる事と航続距離を伸ばす目的があった」
とさりげなく議題を修正すれば、スムーズに議論が進むはずなのです。
一度主張した省資源云々を引っ込めても、みなさん大人だからこれ以上は追求しないでしょう。

それを性懲りもなく、
> 資源が少ないという意味で、
>  例えば、同じ素材Aという部品を作った場合、未加工の場合1kg、軽量加工を施す事により700gになったとすれば、300gの資源節減(コストダウン)じゃないですか。
> と、しているのですが。
とさんざん論破された 当初の主張をそのまま繰り返しているようでは、
よっぽど頭が悪いか、むきになって無意味な主張を繰り返していると断定されてもいたしかたないでしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:話をこじらせているのはあなたです  ■名前 : tac  ■日付 : 02/12/25(水) 10:41  -------------------------------------------------------------------------
   > 当初の議事:
>  零戦についててです。零戦は当時の戦闘機と比べて大変に軽い(その分、防御が犠牲にしていましたが)これは旋回性能を上げる事と航続距離を伸ばすがあり、資源がないと言う理由があると思うのですが、実際の所どうっだのでしょうか?当時の日本海軍の考え方、米英の大戦初期の頃に戦闘機の性能から見て、皆様のご意見を聞かせていただきたいです。

 挙げられた理由がすべて勘違いだからですよ。

 零戦は確かに軽さを追求してはいますが、その理由はつまるところ「エンジンが非力だったから」です。結局パワーウェイトレシオを上げるためには、出力を上げるか機体を軽くするかしかなく、手に入るエンジンがなかったがゆえに軽くする道を取らざるをえなかった、のです。
 航続距離や旋回性能は、他の手で補いがつくのであれば(より大出力のエンジンが積めるなら、より大量の燃料を増槽の形で積むこともできるし、機動性も確保できる)それで済むことだったのです。
 ましてや資源がないから、などというのは、これまでの諸氏の発言を見るとおり、無駄にはなっても再利用にはほど遠いものであった、ということなのです。現代でさえリサイクルのコストは普通に作るより高いのですから。今より能率の悪い当時の技術では、リサイクルなど夢に近いものがあります。

> 資源が少ないという意味で、
>  例えば、同じ素材Aという部品を作った場合、未加工の場合1kg、軽量加工を施す事により700gになったとすれば、300gの資源節減(コストダウン)じゃないですか。
 資源節約=コストダウンという考えが間違い。
 コストを語るならばその製造に関る全てを勘案せねばならず、工数が増えることは立派にコスト増。ましてや現実には資源節約にすらなってない。

>  何方でしたかな? 人件費の事まで持ち出されたのは?
 そりゃそうですよ。コストを語るうえでは人件費は無視できない要素ですからね。
 原材料より遥かに比重高いですから。
 で、コストダウンという言葉を持ちだしたのはあなたですよ?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 1940年のリサイクル。  ■名前 : 無頼庵 <yoshino-@horae.dti.ne.jp>  ■日付 : 02/12/26(木) 22:04  -------------------------------------------------------------------------
   同じ主旨を12/24日にも述べたのですが、こっちの文章表現が下手なせいもあり、
回答を無視してらっしゃるようなので、再度伺います。
主旨としても、時系列的にも、
> 何方でしたかな? 人件費の事まで持ち出されたのは?
> とにかくこの話はもう止めましょう。 見苦しいです。
とは、抵触してないので、できれば御回答戴きたいです。

> 当初の議事:
>資源が少ないという意味で、
>  例えば、同じ素材Aという部品を作った場合、未加工の場合1kg、軽量加工を施す事により700gになったとすれば、300gの資源節減(コストダウン)じゃないですか。
> と、しているのですが。
>
それは、軽量加工した廃材を厳密に分別してリサイクル出来る体制が確立してての事です。
なんらかのミスで、ESDの屑材の中に通常のジュラルミン材が混じってしまって、そしてそれを溶融・再加工したばあい、
それは、組成が一定してない「質の劣るアルミ材」にしか、なりません。
ジュラルミン廃材から銅やマグネシウムを分離して、再び純アルミニウムに再生し、品質のそろったESDを再生するのは
実質的には今日でも不可能なのです。
往年とは比べ物にならないくらいリサイクル体制が充実した
現代でも、アルミ缶をリサイクルして出来たアルミ材は、もうアルミ缶にはなりません。
アルミ缶は、胴の部分とフタの部分では組成が違いますし、もちろんメーカーごとの違いもありますので
アルミ缶を溶かして再生した材料は、結局「再生アルミ」にしかならないのです。
大抵がアルミサッシなどに使用されます。
相当極論ではありますが、
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/cop3/special/earth28.html
を、一読ください。

さて、当時、ESDをキチンと回収し、他の材料が混合しないように
(または混合しても「再生材」としての品質が確保できるように)
リサイクル出来るシステムがあったかどうか、調べてみるのは一興かもしれません。
もし、当時、厳密なリサイクルのシステムが確立しておれば、
確かに零戦の打ち抜き孔と、資源節約とを結び付けて考える事は可能かも、と思います。

個人的には、一式陸攻のエンジン不調を「材料はオカマやナベを溶かしたものでございます」
とオチがつけられるのは、漫画やアニメの世界だけだと思ってますが・・・。
(おそらく、ナベやカマを溶かして作ったアルミニウムは、
キーパーツ材料としては、ほとんど役に立たなかったのでは無いでしょうか?)。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:1940年のリサイクル。  ■名前 : NX <yamame@mamegohan.net>  ■日付 : 02/12/26(木) 23:37  -------------------------------------------------------------------------
   孫引きですが

1943年9月に行われた藤原使節団による航空機工場の調査では、「多くの工場ではジ・アルミ屑が山と積まれていた」そうでして、「それらは再生会社の手を経て弁当箱や鍋、薬缶等に流用され、闇商人の懐を肥やしていることがわかった。藤原使節団は今後ジ・アルミは屑と見なさず、他の屑とは別途区分して大切に保管せよと細かく警告した。アルミで飛行機を作る場合、その20%は切り屑となり、この切り屑を再生してまた飛行機を作る。この行程を繰り返しつつ極度に屑を利用してゆけば、数理上では材料の95%までが飛行機になるということであった。」(戦史叢書「大本営陸軍部」<7> 256頁)

材料加工にかかるコストや再生されたアルミの品質の面から軍用機生産においてプラスだったかマイナスだったかはさておいて、少なくともアルミ屑は確実に再利用されて、「オカマやナベとなって」闇商人のフトコロを肥やしていたことは確実なようです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : ちょっと横レス  ■名前 : だーくまたー  ■日付 : 02/12/27(金) 0:57  -------------------------------------------------------------------------
   >この切り屑を再生してまた飛行機を作る。この行程を繰り返しつつ極度に屑を利用してゆけば、数理上では材料の95%までが飛行機になるということであった

無頼庵さんの懸念事項はこの当たりですよね?
再生に一定レベル以上の手間暇が掛かる場合、その労力を木製部品等の代用部材の準備にまわしたほうが結果として戦力の向上になるかもしれませんし。

> 材料加工にかかるコストや再生されたアルミの品質の面から軍用機生産においてプラスだったかマイナスだったかはさておいて、少なくともアルミ屑は確実に再利用されて、「オカマやナベとなって」闇商人のフトコロを肥やしていたことは確実なようです。

変なIFですけれど、そういった鍋や食器と言ったアルミ系素材を利用した民生品若しくはそれに近い物の生産、整備が当時の戦争遂行を左右する重要な事項だと言うのであれば、高価な素材に高価な手間賃をかけて採算度外視してでも原料を確保すると言う話も有りかもしれませんね。

以下ゴミレス
急速に消耗されて行く歩兵用の飯盒や水筒の整備は以外に重要案件かもしれない。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:話を原点に戻しましょう  ■名前 : だーくまたー  ■日付 : 02/12/25(水) 1:41  -------------------------------------------------------------------------
   > >  もともとでない廃材を、処分するためのリサイクル費用がかかっていて、どうして経費的にプラスになるんです?
> 生材から加工して、製品を造る時、廃材のでない物って有るのでしょうか?

一度大型の鉄工所に訪問されてみてはと思います。

たまたま、私は事務で鉄工所に勤めているのですが、工場の廃鋼材の処置って言うのはとても大変のものなのですよ。

拳大から車のドア程度の大きさの高張力鋼の何tにも及ぶ廃材の山を見るだけでも工場レベルの廃材がどんなに大変なものか判ります。
更にこう言う廃材は想像以上に重いのです、数十センチのものでも一人では持てません、製造工程の合間に人員やクレーン、フォークリフト、トラックの工程を捻り出して運ぶんです。
そうやって(文字通り)酷使すればそれらは早く使えなくなってしまいます。
数百人程度の中規模工場なのに構内車両用の廃バッテリーだけでまあ出ること出ること(笑)
クレーンなんかが故障したら笑い事じゃなくなります、レールの上を走らせる可動型の数t〜数十tの吊り下げ能力を持つ固定クレーンです、クレーン車なんかで簡単に代用出きる物では有りません。
それでも使わなくてはならないんです。

だからこそ弊社でも如何に廃材を出さずにうまく原材料の鋼板から部材を切り出すかが収支的コスト削減の問題点であります。
金で言えば買ったものを捨てるんですから当然マイナスですし、もし金銭的利益を無視したとしても浪費される資源は大変なものです。
重機を使って出るゴミはその重機を使わなければ容易に処置できないと言う部分は、60年前の工場でも同様でしょう。

また、これもたまたま(笑)隣の工場は自動車を中心として自動販売機やパソコンまで扱っているスクラップ工場です。
毎日何十台もの廃自動車などが運ばれてきていますが、磁石で何とか出来る(と言っても大変ですが)鉄を除いて大変な苦労をして分別しているようです。

今回の資源部分の最大の問題と思われるアルミですが、確かに製造するための精錬にかかる電力と、ボーキサイトが日本に無いことを考慮すれば、うまく溶かして再生できれば低コストで多少質の落ちる合金用等にまわせるかもしれません。
しかしどの程度の純度で廃材を回収できるかが問題です、ボーキサイトに含まれない物質(と言うか酸化アルミだからアルミと酸素以外は殆ど含まれていない)が混ざれば当然精錬原料には使えません、アルミ合金も高純度のアルミ(精錬アルミは、ほぼ純度100%です)有るからこそ出来るものが多いはずで、多くの金属非金属が混ざってしまったそれが元と比べてどの程度の価値を持つものかは押して知るべしです。

コストと言う言葉で十把一絡げに金銭的に言ってしまうことも多いですが、それが発生する過程で何が起きているのか考えてみて下さい、そして出来れば見てみてください。
私は文字通りの現物と言う物を見て柔な書生論は吹き飛びました、金属なら集めて溶かせば再生できるというレベルのものではないです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/22(日) 7:02  -------------------------------------------------------------------------
   > 防御をほどこした機体って、必然的に1機辺りのコストは高くなるし、
> 資源も浪費するので、そういった零戦だったら、
> 史実ほどの数が揃えられたものか、疑問ではあります。

では、18年夏頃から航空各社の機構・制度を全面的に見直し(例えばタクト式の普及)、機体の詳細設計も見直してあらゆる省力化を講じ、戦局が要求する大増産に答えて生産数を拡大する努力が行われるようになったのと同時に、零戦の防弾化に着手されているのは何故なのでしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 02/12/24(火) 12:09  -------------------------------------------------------------------------
   > では、18年夏頃から航空各社の機構・制度を全面的に見直し(例えばタクト式の普及)、機体の詳細設計も見直してあらゆる省力化を講じ、戦局が要求する大増産に答えて生産数を拡大する努力が行われるようになったのと同時に、零戦の防弾化に着手されているのは何故なのでしょう。

 それは、まさに戦訓あってのものだと思います。
 昭和18年夏であれば、太平洋戦線が、侵攻作戦ではなく、防御作戦
しか行えなくなった時期です。生産戦略の転換が行われるのは当然の
ことだと思うのですが。
 零戦のコンセプトは、本来あくまで「大航続力」にあると思います。
防弾があり、航続力のない零戦の任務の大半は、他の戦闘機でも
こなせるものだと思いますが。
 また、零戦という機体を評価するのであれば、「設計コンセプトが
合っていたか」で見るべきではないかと思うのですが。
 そういう観点から見れば、零戦は、零戦でしか行えない侵攻作戦を
数多く行っており、充分に成功した機体と言えると思います。
 設計の簡略化や防弾装備は、日本が勝ち目のない戦争を続けている
証であれ、零戦のコンセプトを否定する要因にはならないと思うの
ですが。「開戦時に昭和18年より後に戦争を継続して勝てる」なんて
思っていた人はいないでしょうし、勝ち目がない戦争において、
零戦に防弾があろうと、生産性が上がろうと、焼け石に水だったので
はないかと(機体数増加とは矛盾しませんよ。開戦前なら、限られた
資源で多くの機数を確保したい、と考えたでしょうから)。
 私は、あの戦争を勝ちに行くなら、零戦のコンセプトは理解でき
ますが。零戦のコンセプトが死んだ時点で、戦争を続けてもどうし
ようもない状況になっていたのではないかと思うわけです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/25(水) 4:06  -------------------------------------------------------------------------
   > 防御をほどこした機体って、必然的に1機辺りのコストは高くなるし、
> 資源も浪費するので、そういった零戦だったら、
> 史実ほどの数が揃えられたものか、疑問ではあります。

というご疑問に対して、やる気にこそなればそれは技術的には可能だ、という例を上げたまでなのですが。
つまり、今回の問題には「資源の浪費」といった観点だけからなどでは解き明かせないものが内包されているのではないかと。


>  昭和18年夏であれば、太平洋戦線が、侵攻作戦ではなく、防御作戦
> しか行えなくなった時期です。生産戦略の転換が行われるのは当然の
> ことだと思うのですが。
>  零戦のコンセプトは、本来あくまで「大航続力」にあると思います。
> 防弾があり、航続力のない零戦の任務の大半は、他の戦闘機でも
> こなせるものだと思いますが。
>  また、零戦という機体を評価するのであれば、「設計コンセプトが
> 合っていたか」で見るべきではないかと思うのですが。
>  そういう観点から見れば、零戦は、零戦でしか行えない侵攻作戦を
> 数多く行っており、充分に成功した機体と言えると思います。

議論ボードでの以前のやり取りの中で高村さんにはすでにご理解いただけていたと思っていたのですが、説明を繰り返させていただきます。

零戦の「本来の設計コンセプト」は「艦隊の防空戦闘機」であり、その大航続力は艦隊上空での直衛持続のため、20ミリ機関砲は殺到する敵機の1機1機を可能な限り短時間で粉砕するためのものなのです。
陸上基地から発進する陸攻の援護のために考案されたのは、陸攻改造の翼端援護機であり、陸上双発戦闘機でした。十二試艦上戦闘機の開発がすでに着手された後からそれらの機種の開発が始まっているということにもご注目下さい。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 繰り返してしまう疑問;なぜ栄なのか?  ■名前 : ささき  ■日付 : 02/12/25(水) 11:20  -------------------------------------------------------------------------
   > 零戦の「本来の設計コンセプト」は「艦隊の防空戦闘機」であり、その大航続力は艦隊上空での直衛持続のため、20ミリ機関砲は殺到する敵機の1機1機を可能な限り短時間で粉砕するためのものなのです。

 防空戦闘機は速度と上昇力に優れるほうが望ましいことは当時も理解されていたと思いますが、なぜ敢えて「栄」が指定されたのでしょうか。
 別表に挙げた初飛行と搭載発動機の一覧を書いていて、溜め息が出てしまったんですよ(^_^;)。昭和 12 年には米・英で既に 1000hp 級戦闘機が実用化されており、零戦が飛ぶ頃には 1500hp〜2000hp 級の新鋭機が試作されているであろう事くらい、軍にもメーカーにも予想が付いていたのではないでしょうか。

 堀越氏の著書(これが随分偏った見地から書かれている事は承知していますが)にあるように、将来遭遇するであろう敵機の全てに「必勝を期する」能力が零戦が求められたのであれば…そして、艦隊を脅かす高速爆撃機を迎撃抹殺する能力が求められたのであれば尚更…たかが1割程度の違いとはいえ、少しでも出力のある「金星」の搭載が指定されなかったのでしょう。

 堀越氏の著書にある「競争試作で中島に負けたくなかった」「軽快さを重んじるパイロットに受けの良い機体にしたかった」という話はどうも眉唾くさいですし…。

 単純に出力/重量比で当時の金星に何らメリットが無かったのか、金星より新しいエンジンである栄の能力向上に期待が持たれていたのか、母艦運用上の都合があったのか…旧弊主義とか資源節約とかいう抽象的な話ではなく、もっと具体的な理由があったと思うのですが。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : それですよね・・・・  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/25(水) 12:46  -------------------------------------------------------------------------
   >  防空戦闘機は速度と上昇力に優れるほうが望ましいことは当時も理解されていたと思いますが、なぜ敢えて「栄」が指定されたのでしょうか。
>  別表に挙げた初飛行と搭載発動機の一覧を書いていて、溜め息が出てしまったんですよ(^_^;)。

あれはよい比較でした。
なんだ、発動機は仏伊の水準だと思えばいいのか、と。
イタリア機にしては機体はがんばってるじゃないか、とも。

海軍では、
「将来は380ノットは出ると思う」
「5年後の380ノットは発動機は別個のものなるべし」
だなんて、十二試艦戦の要求書審議会で云っちゃってますものね。
soryaさんが述べておられる印象、

> 後継機が出るまでの短期間を一時的に凌いでいこうという考えならいざ知らず、

というものが案外正しいのかもしれません。新機種に対して「○○試の成果を検討し、更に発展させて後継機に至らしめる」という「様子を見る」という論法を海軍はもっています。
直後に計画される十四試局戦の方向付けがそれにあたりそうですし、将来的に栄の向上型と金星のどちらか適した方への積み替えする腹もかなり初めの段階からあったのかもしれません。ただ、金星はこの時点で九六陸攻、九七大艇、十二試陸攻、九九艦爆と云った主力機(しかも多発機が多い)への搭載が行われ、または搭載予定となっており供給難が予想された。こうした、計画生産の几帳面さも日本海軍の基本的性格のような気がします。
(あまり具体的事情になって来ていない(笑)のかもしれませんが、ただ、どうも合理性だけからではすべてが解決もしないような気がするのです。どこか「思考の慣性」のようなものがあってしまっているのではないかと。海軍にも会社側にも)

なんとなく思うのは、まずNAMという小型・大馬力・将来性を感じられる試作エンジンがあって、これを搭載させる戦闘機としての発案がそもそもの企画の出発点だったのではないだろうか、というものです。要求審議でも着速と航続力(燃料搭載量)が気にされています。発動機重量込みでの機体規模の問題は、空母艦上運用という前提から出発しているのではないか。そもそも、それに適する発動機として位置づけられた上で、NAMの開発が行われていたのではないか、と。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:それですよね・・・・  ■名前 : タカ二飛曹  ■日付 : 02/12/25(水) 16:59  -------------------------------------------------------------------------
   > なんとなく思うのは、まずNAMという小型・大馬力・将来性を感じられる試作エンジンがあって、これを搭載させる戦闘機としての発案がそもそもの企画の出発点だったのではないだろうか、というものです。

私も以前からそんな印象、つまり「栄ありきの零戦」という印象を持っていました。
三菱堀越氏の設計、中島のエンジン、沈頭鋲や増槽の採用など零戦はまさしく96艦戦の正常進化型といえるでしょう。
96艦戦A5Mは機体設計三菱、エンジン中島寿というパッケージで完成されていたわけですが、その後継機を考える場合、真っ先に検討されるのが寿に代わる次期発動機だと思います。もちろん金星も候補に上がらないわけではないでしょうが、全長、直径ともにより小型で軽量、かつ「金星並み」の高出力が見込めるNAMが本命として想定され、そのエンジンを搭載するための新しい機体として次期艦戦が企画されたのではないでしょうか。
たしかに「思考の慣性」なのかもしれませんが、やはり非常に自然な流れのような感じがしてしまうのです。

ちなみに私は、零戦の機体重量は資材やコストの問題とは全く無関係であると思っております。また、「防御が犠牲」という言い方もニュアンスが違うと思います。
当時の設計陣における「要求性能を実現するためのバランスの取れた設計」という概念の中に「防御力」に関する認識はさほど大きな位置をしめていなかっただけなのではないでしょうか。速度、滞空時間、火力に関してはすでに96艦戦では不足であるとの認識は広まっていたようですが、防御力に関しては問題として浮上していなかったと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : それは受け継がれてゆく  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/25(水) 18:12  -------------------------------------------------------------------------
   > 当時の設計陣における「要求性能を実現するためのバランスの取れた設計」という概念の中に「防御力」に関する認識はさほど大きな位置をしめていなかっただけなのではないでしょうか。速度、滞空時間、火力に関してはすでに96艦戦では不足であるとの認識は広まっていたようですが、防御力に関しては問題として浮上していなかったと思います。

その当時としてはそういうことだったのかもしれません。
しかし、防御を考慮に入れないところで性能を確保する、という思考様式はその後の三菱機体設計の中で定着していってしまいます。
17年度計画の烈風の翼内燃料槽を「セミインテグラルタンク」として発想するというのは、燃料搭載容積確保の「計算だけ」の問題に陥っているように思うのです。
そういう意味で、零戦は不幸な出発点になってしまっているのではないか、と。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 防弾装備  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/12/25(水) 19:05  -------------------------------------------------------------------------
   > しかし、防御を考慮に入れないところで性能を確保する、という思考様式はその後の三菱機体設計の中で定着していってしまいます。
> 17年度計画の烈風の翼内燃料槽を「セミインテグラルタンク」として発想するというのは、燃料搭載容積確保の「計算だけ」の問題に陥っているように思うのです。
> そういう意味で、零戦は不幸な出発点になってしまっているのではないか、と。

確かにキ83の翼内タンクも戦闘空域に侵入する際に窒素ガスを充填するという凝った策を採っていますけれども防弾は施されていませんね。
烈風については計画要求書補足事項に「差当り防弾は考慮しない」といった項目がありますから、記録が残されていない為に詳細は謎のままですけれども技術会議等のどこかの時点で防弾に関して討議されたのではないかと思います。その結果があの翼下面外板と一体構造の燃料タンクなのでしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 理屈と結果  ■名前 : ささき  ■日付 : 02/12/26(木) 3:55  -------------------------------------------------------------------------
   > あれはよい比較でした。
ありがとうございます(^_^;)

> なんだ、発動機は仏伊の水準だと思えばいいのか、と。
> イタリア機にしては機体はがんばってるじゃないか、とも。
えぇ…元号や皇紀ではなく西暦で並べると、技術力格差は歴然としてしまいますね。

で、本題に入りますと…。

>まずNAMという小型・大馬力・将来性を感じられる試作エンジンがあって
 戦記などの影響で「高い完成度のエンジン」という印象のあるNAM(栄)ですが、それまでのエンジンと時系列で比べると複列 14 気筒、一体型コンロッドや二速過給器や自動混合比調整装置など、当時の日本が実用化し得た最新技術の全てを投入したエンジンという印象を受けます。

>これを搭載させる戦闘機としての発案がそもそもの企画の出発点だったのではないだろうか、というものです。
 「まずエンジンありき」という開発は世界各国で見られますね。マーリンがあってスピットファイヤが生まれた訳ですし、アリソンがあって P-38, P-39 が生まれた訳ですし、R-2800 があって F4U が生まれた訳ですし。
 また、小型軽量で少々ピーキーだが高性能なエンジンを戦闘機用、重くて大型だが安定して大出力を出せるエンジンを爆撃機/輸送機用に割り当てることも世界各国で行われていました。十二試艦戦に栄を指定した「思考の慣性」にはこういう流れもあったかも知れません。

 しかし、こうした理屈のもとに零戦が生まれたあとで思考の練り直しが行われ、艦戦より陸戦を主力とする構想から次期主力機は「雷電」になってしまった…。学研「零戦2」に引用された議事録には「零戦に金星を搭載した場合、機体を強化しなければ戦闘機として実用に耐えない」という文句があります(いわゆる「零戦に余裕がなかった」説はこの意味において正しいのかも)。機体を強化した場合は航続距離2割減、速度 12kts(22Km/h)向上とありますが、これは「雷電に劣る」と評価されています。この時点で「雷電」実用化に忙殺されている三菱設計陣を煩わせることを考えても、零戦の金星換装は得策ではないと思われたのでしょう。

 栄のほうは栄で、単筒 100hp 以上を見込める実験(14 気筒なら 1400hp)から更に一歩進んで 18 気筒の「誉」になってしまいました。良いか悪いかは別にして、これによって中島エンジン設計陣は誉に全力を注入する事となり、「栄」のまま性能向上する道は絶たれてしまいました(後には水メタ噴射が試されていますが…)。まぁ前述の比較表を見れば欧米が 2000hp 級戦闘機の実用化段階に入っている頃に、わざわざ 1400hp 戦闘機を作る意義は薄いと判断するのは合理的とも言えるでしょう。

 しかし早急な戦力化が期待された雷電は失敗し、「零戦の後継機」烈風も誉搭載型は実用化の目処が立たず…。この後の話はよく知られている通りですね。

 開発時において最新技術をふんだんに投入した栄が「安定したエンジン」との評価を固め、多発攻撃機からの艦隊防衛と主力艦砲戦における敵観測機の排除という「起きなかった歴史」をコンセプトにした零戦が異なる用兵下で思わぬ成功を収めた一方、「実用最強エンジンを積んだ高速重武装戦闘機」というわかり易いコンセプトの雷電が惨めに失敗し、堅実な技術の積み重ねで早急に実用化しようとした誉が苦難の道を歩んだことは皮肉に思えます。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 話がそれるかもしれませんが、雷電について  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/26(木) 9:34  -------------------------------------------------------------------------
   > 「実用最強エンジンを積んだ高速重武装戦闘機」というわかり易いコンセプトの雷電が惨めに失敗し、

『雷電』というのはコンセプトがわかり安すぎたんだと思います。
あの道は、閃電を通り秋水に至る道です。(もうひとつ先にはナッターがあったかもしれない、というのは冗談としても)
結果として、設計技術者の執着すべきポイントが絞り込まれすぎ、夜間着陸が出来ないだとか、いろいろにいわれる汎用性の無さとして結実してしまっています。
技術的執着の置かれるポイントが極めて限定されていたため、周囲の工業技術とすら乖離して、全般的に見ると実用性を離れてしまった。前方に向けた平面部が小さな丸いのぞき窓でしかないあの最初の風防がそれを端的にあらわしているのだと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 余裕が無かった設計陣  ■名前 : ささき  ■日付 : 02/12/27(金) 3:11  -------------------------------------------------------------------------
   > 結果として、設計技術者の執着すべきポイントが絞り込まれすぎ、夜間着陸が出来ないだとか、いろいろにいわれる汎用性の無さとして結実してしまっています。

 堀越氏は著書で「視界不良の責任は我々にある」と認めながらも、信頼性のある大出力エンジンを得られなかった不遇(と、そのハンディを空力洗練で補うしかなかったプレッシャー)を延々と述べられていますね。エンジン屋もプロペラ屋も非協力的だった、軍は無定見に生産計画を2転3転させ、零戦には統制なき改良計画が矢継ぎ早に持ち込まれ、これが設計者の負担に輪をかけた…とも。

零戦の武装追加や防弾強化は出来ないことではなかったし…
機体強度の補強は21型や52型の段階で何度か行われているし…
性能低下を補うエンジン換装も何度も検討されて…
その度に次期新型機への引き継ぎだとか既存量産品のトラブル対策で流れ…

 余裕が無かったのは「零戦の設計」ではなく「零戦の設計陣」だったのではないか、と考えてしまいます。
 「設計だけは世界水準に達していた」と言われ、「国破れて風洞あり」と皮肉られるほど航空機メーカーが乱立していたにも関わらず、実際に「現場で使える」エンジニアはほんの一握りしか居なかったというのが実状なんでしょうかね…。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : まさに  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/27(金) 5:50  -------------------------------------------------------------------------
   >  余裕が無かったのは「零戦の設計」ではなく「零戦の設計陣」だったのではないか、と考えてしまいます。
>  「設計だけは世界水準に達していた」と言われ、「国破れて風洞あり」と皮肉られるほど航空機メーカーが乱立していたにも関わらず、実際に「現場で使える」エンジニアはほんの一握りしか居なかったというのが実状なんでしょうかね…。

三菱に限らず、各社の設計班の絶対数の少なさには呆然とする思いです。それに対して対応しなければならなかった機種の多さも。
そして、さらには生産施設におけるその問題もあります。
三菱は率先してタクト方式を導入するなどして機体生産数の確保に努めていますが、海軍機としては事実上、

『戦闘機一機種と双発攻撃機一機種』

を超えた以上のものを三菱は生産し得なかったのです。能力的な問題として。
戦局の求めるままにその二機種の増産に力を注いでみれば、今度は試作機が作れない、という状況にまで陥ってしまっています。
烈風の敗因のひとつに、

『試作機もまともに作れない状況下で試作を行ったこと』

が確実にあったと思っています。
それは、米軍による爆撃開始のはるか以前においてすでにそうだったのです。

三菱で生産すべき双発攻撃機一機種は、対米戦全期を通じて一式陸攻で固定されます。対して、戦闘機については、零戦、雷電、烈風、紫電改と振れまくります。零戦の生産は(九六陸攻の生産と同様に)すでに主体が中島に移管されています。18年以降の三菱での零戦生産は、次期に生産する戦闘機一機種が定まらぬゆえの暫定的なものに過ぎません。

航空産業全体を通じてこうした状況下にある中で、

『戦闘機を紫電改一機種に絞り、その生産安定にいたるまで零戦を(多少の改設計を行って)使い続けられるものとして保ちたい』

とするのは当然のものでした。それに逆らってまで烈風の試作を続行し労力を傾けていたことには、いったいどういう意味があっただろうと、考え込んでしまうのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : どうなんでしょ  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/27(金) 6:41  -------------------------------------------------------------------------
   大戦中、三菱でほかに開発を行っていた機種として、泰山があります。
これは「急降下爆撃も行える四座攻撃機」であり、「雷撃も出来る三座爆撃機」である銀河がすでに存在している以上、是が非でも無理に作らなくてはならないものではありません。もしやるのであれば銀河より相当向上した性能を持ち込むべきであり、その実現が不可能なら中止は当然です。

さらにもう一機種、東山・大洋。
この機種は、実は一式陸攻そのものの性能向上型として出発しています。一式陸攻をハ43に換装し、機体を木製化したものとして。
しかし、一式陸攻のようなものはすでに、攻撃機としてはせいぜい夜間雷撃程度にしか使用できぬものに成り下がっていました。実用上の位置づけは「一式陸上輸送機・哨戒機」です。(実際にそのように記された文書が存在します) したがって海軍航空当局では、一式陸攻の発動機をハ43のような新型高級発動機に換えることを否定します。それに対してあくまで食い下がるメーカー側。

海軍の意識では「一式陸上輸送機・哨戒機」の木製簡易版。
メーカーの方では「高性能大型雷撃機」。

この食い違いは何に由来しているのでしょうか。
大型雷撃機の時代がすでに終わったことが、メーカー側にきちんと伝わっていた結果だとは到底思いかねるのです。それは官側の意図徹底の努力不足かもしれないし、メーカーの受容力不足かもしれません。
しかし、これはよい例です。

すべての航空機種の開発が、メーカー技術者レベルにおいてきちんと目的を理解した上で行われていたと思い込むのは、実は見当違いなのではないか。

したがって、すべての設計内容に目的に即した合理的理由があったと後世の人が考えすぎるのも、ちょっとなあ、といったところなのであります。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 営業的には新機種が必要だったのでは  ■名前 : 印度総督  ■日付 : 02/12/27(金) 7:50  -------------------------------------------------------------------------
   > すべての航空機種の開発が、メーカー技術者レベルにおいてきちんと目的を理解した上で行われていたと思い込むのは、実は見当違いなのではないか。

 既存商品の改修と、他社商品の生産に甘んじる事が、先進的技術陣を売り物とする一営利企業の経営層にはがまんならなかったのではないでしょうか。

 営業の立場であれば、ユーザーのニーズが見えていれば、受注を獲りに動くべきでしょう。仕様も固まらないのに注文を取ってきたために、製造現場が苦労する話は、受注生産型の商売なら、ありうる話です(笑)。

 メーカー営業から見た歴史があっても良いと思うのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : それです  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/27(金) 10:17  -------------------------------------------------------------------------
   >  既存商品の改修と、他社商品の生産に甘んじる事が、先進的技術陣を売り物とする一営利企業の経営層にはがまんならなかったのではないでしょうか。

他社製品の生産のことを云えば、中島のようにきちんと引き受けて責任を持っている会社もありますから、企業ごとの体質の違いが相当大きいようです。

既存商品の改修については、初期開発に投じたものを回収する意味もあり、むしろ積極的に「出来るだけ長く使える機体」を作ろうとしていたことが実際に窺い知ることが出来ます。
先にあげた大洋の場合、
「ハ43搭載を求めるメーカー」に対し、
「火星で充分」と応える官側、さらに
「では、火星をとりあえず積み、将来的にはハ43に換装可能という余地も残す」とメーカー側は返し、
「求めているのはそういう飛行機ではない」
と一蹴されるに至る応答の経過が残されていて、まさしく、
>  メーカー営業から見た歴史
を形作っています。

>  営業の立場であれば、ユーザーのニーズが見えていれば、受注を獲りに動くべきでしょう。仕様も固まらないのに注文を取ってきたために、製造現場が苦労する話は、受注生産型の商売なら、ありうる話です(笑)。

まったくそのとおりなのですが、実際にメーカー側から出て打合せしているのが現場設計技術の担当者であるだけに、なんだかやりきれない思いにかられてしまうのです。
そうしたレベルの話と合わせて、さらに、企業体としてのプライドの問題が挟まり、さらに、技術者個人の「作家性」というか「自己実現」の問題が錯綜した後に現れたものが、機体開発にまつわるストーリーとして見えているのですが、後世の人間としてもっとも受け止めやすいのが「自己実現」のお話であるのは申すまでもありません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 『三菱の認識』  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/25(水) 6:40  -------------------------------------------------------------------------
   > 機体数増加とは矛盾しませんよ。開戦前なら、限られた
> 資源で多くの機数を確保したい、と考えたでしょうから

機数を求めよう、ということではありませんでした。

戦後、三菱では自社のそれぞれの機種がどのような契機で、どのような経緯で開発され、どこで挫折したかということについて、後に残すための社内資料を作成しています。当局の担当者の非(とメーカー側で認識したもの)をその個人名をあげても書き残す場合もあり、メーカー側の落ち度と思われる部分も率直に書き記す、という、概論ではあるけれど、ある意味で真摯で真剣な態度で書かれた文章です。
その中に、零戦について、今回の議論テーマに直接触れられた部分があります。
その文意は、

『海軍側の戦闘機関係者は、数は少なくとも、また制作は多少困難でも(=コストが高くとも)相反する速度・運動性・さらには航続力という諸要素の両立を要求し、「精兵主義」「日本刀的兵器」などの言葉でその思想を表現していた』
『これが打開策として、極力の重量軽減を行った。10kgの軽減は、300時間の工作時間の増加を償う(つまり、重量軽減はコスト高と吊り合う)という観念のもと、細かなところまで注意した』


それにしても、こうしたメーカー側の戦後の述懐の中には、発注主である軍側の史料からは明らかな「十二試艦上戦闘機は防空戦闘機であった」という視座がどうも欠けています。といいますか、要求仕様が審議された企画レベルで明らかだったことが、現場レベルの意識として完全に抜け落ちている。おそらく要求のあり方が個々の項目の細部や、こうしたスローガン的な思想の表明に止まり、総体としての兵器体系についてどうも合理的な説明が行われていなかった、ということなのではないか。あるいはされていたとしても、機体設計担当者が明確な意識で受けとめられる形ではなかったのではないか。また設計者の意識の側にもあえてそこまで踏み込もうというスタンスはなかったのではないか。

開発面の経緯について戦後流布しているのは機体設計メーカー側技術者の回想記事ばかりであり、それが『零戦とはこうしたものだった』という位置づけを作り上げています。ですから「零戦は長距離進攻用戦闘機として開発された」という認識に一般読者が至ってしまうのも無理ないのかもしれない。
それにしても、設計を行った当事者たちも、それら戦後の一般読者とそれほど変わらぬ程度でしか、その飛行機の企画意図を認知していなかったのではないか。
ゆえに、云ってしまえば小手先の技術論にとらわれ、「総体としての飛行機」「兵器体系の中での兵器」の完成に手を貸すことなく終わってしまっているのではないか。

どうもそういう感じを抱いてしまうのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : たとえば  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/25(水) 7:12  -------------------------------------------------------------------------
   本庄さんは、十三試で四発攻撃機が二機種も予定されていることを知っていながら、十二試の高速陸攻の企画に対して四発案を提示したのだろうか、とか。

なんで揃いも揃ってあんな危なっかしいインテグラル・セミインテグラルタンクを好んで設けたがったのか、とか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:『三菱の認識』  ■名前 : 高村 駿明  ■日付 : 02/12/25(水) 12:08  -------------------------------------------------------------------------
    長文レス、どうもありがとうございます。大変勉強となりました。

> 零戦の「本来の設計コンセプト」は「艦隊の防空戦闘機」であり、その大航続力は艦隊上空での直衛持続のため、20ミリ機関砲は殺到する敵機の1機1機を可能な限り短時間で粉砕するためのものなのです。
陸上基地から発進する陸攻の援護のために考案されたのは、陸攻改造の翼端援護機であり、陸上双発戦闘機でした。十二試艦上戦闘機の開発がすでに着手された後からそれらの機種の開発が始まっているということにもご注目下さい。

 それは知りませんでした。過去ログを読み返すと、SUDO様も同様のことを
書かれていますね。
 吉村 昭氏の「零式戦闘機」に、航空廠飛行実験部戦闘機主務者の柴田少佐が、
「(略。中国大陸の戦訓によれば)速度が速く防御砲火が強化されている優秀な
九六陸攻にも、絶対に戦闘機の援護が必要であることを示している。
 戦闘機の任務に爆撃機の援護が必要な限り、当然戦闘機にも大航続力が
必要とされる」と意見されたことや、計画要求書にクルーシ式無線帰投方位
測定機の装備が要求されていることなどから、大航続力は爆撃機援護としての
側面を持っていると理解しておりました。
 しかし、艦隊決戦時の滞空時間重視としての大航続力と20ミリだとすれば、
その目的に使用するには、携帯弾数が少ないですね。
 陸攻改造の援護機構想については「零戦や月光が間に合わないので、応急的
にそうした機体を制作した」と理解しておりましたが、違ったのですね。
 だとすれば、大滞空時間の零戦が完成しても、陸攻援護機や月光による
長距離作戦を考えていたということで、無駄の多い(零戦が失敗したなら保険
となるので、安全とも言えますが)航空行政だったのですね。

> それにしても、こうしたメーカー側の戦後の述懐の中には、発注主である軍側の史料からは明らかな「十二試艦上戦闘機は防空戦闘機であった」という視座がどうも欠けています。といいますか、要求仕様が審議された企画レベルで明らかだったことが、現場レベルの意識として完全に抜け落ちている。おそらく要求のあり方が個々の項目の細部や、こうしたスローガン的な思想の表明に止まり、総体としての兵器体系についてどうも合理的な説明が行われていなかった、ということなのではないか。あるいはされていたとしても、機体設計担当者が明確な意識で受けとめられる形ではなかったのではないか。また設計者の意識の側にもあえてそこまで踏み込もうというスタンスはなかったのではないか。

 片さまのご意見を拝見するに、そのような気がしますね。

> 開発面の経緯について戦後流布しているのは機体設計メーカー側技術者の回想記事ばかりであり、それが『零戦とはこうしたものだった』という位置づけを作り上げています。ですから「零戦は長距離進攻用戦闘機として開発された」という認識に一般読者が至ってしまうのも無理ないのかもしれない。
> それにしても、設計を行った当事者たちも、それら戦後の一般読者とそれほど変わらぬ程度でしか、その飛行機の企画意図を認知していなかったのではないか。
> ゆえに、云ってしまえば小手先の技術論にとらわれ、「総体としての飛行機」「兵器体系の中での兵器」の完成に手を貸すことなく終わってしまっているのではないか。
> どうもそういう感じを抱いてしまうのです。

 そうなのかもしれませんね。議題とはやや外れますが、

(1)零戦は艦隊防空機として20ミリと大滞空時間を要求された
(2)しかし、大滞空時間が大航続力であることから、侵攻作戦に使用された
(3)戦争中期以降になると、他に適切な機体が間にあっていないことから、
 局地戦闘機としての装備(滞空時間を犠牲にしての防弾や武装強化)が
 行われたが、機体コンセプトと合わず、適切な発動機もなかったので、
 さしたる成果を挙げなかった

 ということですね。(1)については、艦隊防空機として空母機動部隊
防空に活躍したので合格点。(2)については、想定されていない任務に
しては、活躍したので合格点(単座機での長距離侵攻での問題は、零戦
の設計云々ではないので、問題とならない)。(3)については、零戦を
別コンセプトの機体に変更するようなもので、失敗して当然、という
ことで、やはり「成功した機体」ということになりますね。
 防御の有無については、パイロットの生還率がわからないので、何
とも言えません。防弾で助かった人もいれば、旋回性能で助かった人
もいると思うので。硫黄島での坂井三郎氏の空戦は、明らかに後者で
しょうし。日本としては「やむを得ない選択」だったのではないかと。
 そもそも、無理なコンセプトの機体なわけですしね(マーリンとか
あれば別なんだろうけど)。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 時系列の押さえが大事です  ■名前 : 片  ■日付 : 02/12/25(水) 13:50  -------------------------------------------------------------------------
   >  吉村 昭氏の「零式戦闘機」に、航空廠飛行実験部戦闘機主務者の柴田少佐が、
> 「(略。中国大陸の戦訓によれば)速度が速く防御砲火が強化されている優秀な
> 九六陸攻にも、絶対に戦闘機の援護が必要であることを示している。
>  戦闘機の任務に爆撃機の援護が必要な限り、当然戦闘機にも大航続力が
> 必要とされる」と意見されたことや、計画要求書にクルーシ式無線帰投方位
> 測定機の装備が要求されていることなどから、大航続力は爆撃機援護としての
> 側面を持っていると理解しておりました。

時系列を整理されて見られると良いと思うのですが(自分もそれが最初の入り口でした)、中国大陸での海軍航空部隊の戦闘開始は、十二試艦戦の計画着手よりもあとなのです。(実戦経験を得る前には、高速攻撃機は敵戦闘機を退け得ると思われていましたし、実はその後にもその考え方は払拭されずに残り、十二試陸攻を防弾のない中途半端な機体に作り上げてゆくことになってしまうのですが)
無線帰投装置は、むしろ地文航法の出来ない艦上機のためのものです。

>  しかし、艦隊決戦時の滞空時間重視としての大航続力と20ミリだとすれば、
> その目的に使用するには、携帯弾数が少ないですね。

学研『零式艦上戦闘機2』をお読みくださることをお勧めいたします。『十二試艦上戦闘機計画要求書』の審議過程の議事録(公文書)がそのまま掲載されており、おっしゃるとおりの話がもたれていたことがわかります。20ミリの携行弾数は75発にすべきなのか、60発にすべきなのか。75発弾倉では翼厚がかさみすぎて会社(メーカー)が困るだろう、と。その時点で「60発はすぐ無くなる」と明確に指摘されていたことも、大事です。副任務として敵観測機との空戦が想定されており、7.7の携弾数とのバランスが取られたのです。零戦の空戦性能といわれるものは、この任務のためのものなのです。

>  陸攻改造の援護機構想については「零戦や月光が間に合わないので、応急的
> にそうした機体を制作した」と理解しておりましたが、違ったのですね。

十二試陸攻改は、十二試艦戦一号機の実機完成よりも半年以上遅れて始まった計画なのです。もちろん、その時点で十二試艦戦の真価がまだ見出されるに至っていなかったからだとも云えますが、零戦の機体自体はまったく間に合っておりました。G6M1一号機の完成はずっと遅く15年末であり、零戦が中国大陸へ渡ってから数ヵ月後のことです。

>  だとすれば、大滞空時間の零戦が完成しても、陸攻援護機や月光による
> 長距離作戦を考えていたということで、無駄の多い(零戦が失敗したなら保険
> となるので、安全とも言えますが)航空行政だったのですね。

大戦間再末期である当時はさまざまな理論が進み、高速攻撃機や、翼端援護機、双発戦闘機について、世界的に可能性が論じられていた時期です。そういう意味では、それらの開発は(敵も行うだろうから)自方としてやっておかなくてはならないことだったのではないでしょうか。それらの機種の有効性についての結論が出るのはもう少し後のことなのです。

> (1)零戦は艦隊防空機として20ミリと大滞空時間を要求された
> (2)しかし、大滞空時間が大航続力であることから、侵攻作戦に使用された
> (3)戦争中期以降になると、他に適切な機体が間にあっていないことから、
>  局地戦闘機としての装備(滞空時間を犠牲にしての防弾や武装強化)が
>  行われたが、機体コンセプトと合わず、適切な発動機もなかったので、
>  さしたる成果を挙げなかった

(2)については、零戦の結果を鑑みて、十七試で専用の新機種陸上進攻戦闘機が考案されてゆきます。この計画が陣風へと変遷してゆきます。だとすると、より零戦の後継機といえるのは十七試艦戦烈風なのか、むしろ十七試陸戦から発展した陣風なのか?
(3)については、二年遅れで登場して来るはずの十四試局地戦闘機が負うべきものだっただろうと思います。その時点で零戦の生産は縮小されるはずでした。しかし、十四試戦の開発が頓挫した。これが零戦が18年に至ってまだ主力であらねばならなかった理由です。失敗したのは雷電なのです。とりあえずの後継機を失った零戦の戦いは悲壮を極め、代替の後継機である紫電改が切望されることになります。
そして、紫電改は中止となった陣風の代替機としての役割をも背負い込みます。様々な意味で紫電改は零戦の後継機なのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:零戦について  ■名前 : sinn  ■日付 : 02/12/24(火) 2:22  -------------------------------------------------------------------------
   久しぶりに覗きました・・・
もちろん全ての性能を上げる訳にはいかず、優先度が下がる項目もアリ・・
その時点で持っている技術、パーツ、理論等を最大限、使い切っての最新鋭戦闘機だと思います。
>零戦は当時の戦闘機と比べて大変に軽い
戦闘機は、軽いに越した事はなく、実際軽いのですが、不当に重くならないよう最善以上!を尽くした、というニュアンスではないか?
それは、やはりエンジンとの兼ね合いで特に留意したのではないか?
>その分、防御が犠牲にしていましたが
直接的に?防御を犠牲にしたというより、軽量化の犠牲と評価されても仕方ない項目は他にも、例えば構造強度上の余裕、工作数、等他にも考えられるのではないか?
>これは旋回性能を上げる事と航続距離を伸ばすがあり
一概には言えませんが、これらを向上させるには、別のアプローチの方が効果的とも思え、軽量化そのものは旋回性能、航続距離を直接睨んだアプローチではないと思います。
>資源がないと言う理由があると思うのですが
・・・とりあえず、それは考えていないでしょう。
飛行機の軽量化は、全ての項目に効きます。なおかつ、周辺技術の飛躍的進展を待つまでも無く、取り組み易い(あくまでも比較論として)手法です。が、取り組むためには、多大な熱意と、手間を厭わぬ意思が必要なコトでもあります。こうした想いの下での「軽い」であって、あまりそれに捕らわれると、その飛行機が?見えにくくなるかもしれません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 初飛行日時だけで見てみると…  ■名前 : ささき  ■日付 : 02/12/25(水) 3:50  -------------------------------------------------------------------------
    零戦は昭和12(1937)年 10 月に発注、昭和14(1939)年 4 月に初飛行です。ライバルと言われる F4F(XF4F-2 の初飛行 1937 年 9 月)より2年弱新しく、F4U コルセア(初飛行 1940 年 10 月)より1年強古いことになります。
 米陸軍では P-36(1937 月 2 月)より2年、P-39(1938 年 4 月)や P-40(1938 年 10 月)より1年新しく P-38(1939 年 1 月)とほぼ同時期、P-51(1940 年 10 月)や P-47(1941 年 5 月)よりは約1年古いことになります。
 ちなみにスピットファイヤは 1936 年 3 月、Bf109 は 1935 年 9 月ですから零戦の計画開始より更に1〜2年古く、ハリケーンに至っては 1935 年 11 月です(笑)。一方 Fw190 の初飛行は 1939 年 6 月で、これは零戦とほぼ同時期です。
 では、1939 年に初飛行した者同士でエンジンを比較してみましょう。

XP-38 アリソン V-1710-11/15 液冷 V12 1100hp x 2
Fw190V1 BMW139 空冷 18 気筒 1500hp
十二試艦戦 瑞星13型 空冷 14 気筒 780hp

 零戦を軽く作った理由には「旋回性能の重視」や「長航続距離の実現」より、もっと単純で根源的なものがあったように思えませんか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 更に夢のないデータを貼ってみる  ■名前 : ささき  ■日付 : 02/12/25(水) 5:12  -------------------------------------------------------------------------
   1935.11 ホーカー・タイフーン R&R マーリン 液冷 12 気筒 960hp
1936.3 スーパーマリン・スピットファイヤ R&R マーリン 液冷 12 気筒 960hp
1939.10 ホーカー・トーネード R&R ヴァルチャー Mk.II 液冷 24 気筒 1800hp
1940.2 ホーカー・タイフーン ネイピア・セイバー Mk.I 液冷 24 気筒 2100hp

1935.9 メッサーシュミット Bf109 R&R ケストレル 液冷 12 気筒 625hp
1939.1メッサーシュミット Bf109E DB600 液冷 12 気筒 1100hp
1939.6 フォッケウルフ Fw190 BMW139 空冷 18 気筒 1500hp
1942.7 メッサーシュミット Me262 Jumo004 ターボジェット x 2

1937.2 フィアット G.50 フィアット A74-RC38 空冷 14 気筒 860hp
1940.8 マッキ MC.200 ダイムラーベンツ DB601A-1 液冷 12 気筒 1100hp
1939.5 レッジアーネ Re.2000 ピアッジオ P.XI-RC40 空冷 14 気筒 980hp

1938.8 ブロック MB.151 ノームローン GR14-N35 空冷 14 気筒 1000hp
1938.10 ドボアチーヌ D.520 イスパノスイザ 12Y-21 液冷 12 気筒 890hp
1939.5 アルスナール VG.33 スパノスイザ 12Y-31 液冷 12 気筒 860hp

1940.3 ラボーチキン LaGG-1 ミクーリン AM-35 液冷 12 気筒 1350hp
1940.4 ミコヤングレビッチ MiG-1 ミクーリン AM-35 液冷 12 気筒 1350hp
1940.1 ヤコブレフ Yak-1 クリモフ M-105 液冷 12 気筒 1200hp
1942.3 ラボーチキン La-5 ASh-82 空冷 14 気筒 1500hp

1937.9 グラマン F4F ライト R-1820 空冷 9 気筒 1000hp
1937.12 ブリュースター F2f ライト R-1820 空冷 9 気筒 1000hp
1940.10 ヴォート F4U P&W R-2800 空冷 18 気筒 2000hp
1942.6 グラマン F6F P&W R-2800 空冷 18 気筒 2000hp

1937.2 カーチス P-36 P&W R-1830 空冷 14 気筒 1050hp
1938.4 ベル P-39 アリソン V-1710 液冷 12 気筒 1100hp
1938.10 カーチス P-40 アリソン V-1710 液冷 12 気筒 1100hp
1939.1 ロッキード P-38 アリソン V-170 液冷 12 気筒 1100hp x 2
1940.10 ノースアメリカン P-51 アリソン V-1710 液冷 12 気筒 1200hp
1941.5 リパブリック P-47 P&W R-2800 空冷 18 気筒 2000hp

1939.4 三菱 A6M 十二試艦戦 瑞星 13 型 空冷 14 気筒 860hp
1940.6 中島キ-44 中島ハ-41 空冷 14 気筒 1250hp
1941.12 川崎キ-61 ダイムラーベンツ DB601A 液冷 12 気筒 1100hp
1942.3 三菱 J2M 十四試局戦 火星 13 型 空冷 14 気筒 1430hp
1943.3 中島キ-84 中島ハ-45 空冷 18 気筒 1800hp

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:初飛行日時だけで見てみると…  ■名前 : 錦単子  ■日付 : 02/12/25(水) 15:03  -------------------------------------------------------------------------
   >  零戦を軽く作った理由には「旋回性能の重視」や「長航続距離の実現」より、もっと単純で根源的なものがあったように思えませんか?

私も同意見ですわ。

でも、夢の無いデーターに二式単戦が無いのは、良い事なのか悪い事なのか?
「チョット書きたかっただけですが」

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:初飛行日時だけで見てみると…  ■名前 : ooi  ■日付 : 02/12/25(水) 15:40  -------------------------------------------------------------------------
   愛の無い突っ込みで申し訳無いすが。

> でも、夢の無いデーターに二式単戦が無いのは、良い事なのか悪い事なのか?
> 「チョット書きたかっただけですが」

夢の無いデーター、日本機の2番目に張ってあるキ−44って二式単戦とちゃいますか(^^;

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:初飛行日時だけで見てみると…  ■名前 : 錦単子  ■日付 : 02/12/25(水) 17:25  -------------------------------------------------------------------------
   > 夢の無いデーター、日本機の2番目に張ってあるキ−44って二式単戦とちゃいますか(^^;

あいう!!としか言えません(笑って誤魔化します)
私のデスプレーは多分「カナ」の表示が遅いのでしょう(言い訳して誤魔化します)
流石「ささきさん」は解ってらっしゃる(話の方向を変えて誤魔化します)

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