Page 126 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼もしも米英が…… 高村 駿明 02/11/19(火) 21:28 ┣単なる思いつき・・・ sinn 02/11/27(水) 12:57 ┃ ┗Re:単なる思いつき・・・ 高村 駿明 02/11/27(水) 15:56 ┃ ┣Re:単なる思いつき・・・ まなかじ 02/11/27(水) 18:28 ┃ ┃ ┣そういえば まなかじ 02/11/27(水) 20:03 ┃ ┃ ┣肝心なことを まなかじ 02/11/28(木) 22:43 ┃ ┃ ┗Re:単なる思いつき・・・ 高村 駿明 02/12/4(水) 12:53 ┃ ┃ ┣Re:単なる思いつき・・・ 大塚好古 02/12/4(水) 22:44 ┃ ┃ ┃ ┗Re:単なる思いつき・・・ 高村 駿明 02/12/9(月) 12:51 ┃ ┃ ┣Re:単なる思いつき・・・ SUDO 02/12/4(水) 23:19 ┃ ┃ ┃ ┗Re:単なる思いつき・・・ 高村 駿明 02/12/9(月) 13:34 ┃ ┃ ┃ ┗Re:単なる思いつき・・・ SUDO 02/12/10(火) 1:42 ┃ ┃ ┃ ┗Re:単なる思いつき・・・ 高村 駿明 02/12/21(土) 22:59 ┃ ┃ ┗遅レス・・・ まなかじ 02/12/22(日) 0:22 ┃ ┃ ┗Re:遅レス・・・ 高村 駿明 02/12/25(水) 11:21 ┃ ┃ ┗Re:遅レス・・・ SUDO 02/12/25(水) 19:35 ┃ ┃ ┗Re:遅レス・・・ まなかじ 02/12/25(水) 23:33 ┃ ┗Re:単なる思いつき・・・ sinn 02/11/28(木) 3:02 ┗Re:もしも米英が…… SUDO 02/11/29(金) 15:37 ─────────────────────────────────────── ■題名 : もしも米英が…… ■名前 : 高村 駿明 <c.ajiro@tgweb.net> ■日付 : 02/11/19(火) 21:28 -------------------------------------------------------------------------
こんにちは。ちょっと思いついたのでカキコします。 九十三式酸素魚雷の存在・性能を米英が事前に察知していたなら、 彼らの建艦計画にどんな影響を及ぼしたと思いますか? 察知した時期は、昭和10年(1935)。酸素魚雷の情報には信頼を 置いているものとします(日本が発表した、など)。 |
> 彼らの建艦計画にどんな影響を及ぼしたと思いますか? というより艦隊運動(戦術)の見直しを図ったかな?と・・・ |
> > 彼らの建艦計画にどんな影響を及ぼしたと思いますか? > というより艦隊運動(戦術)の見直しを図ったかな?と・・・ レスありがとうございます。 艦隊運動の見直しというのは、具体的には想像できませんが、 対抗手段として「空母艦載機で日本巡洋艦・駆逐艦を叩く」 なんて戦術が注目されるかもしれませんね。 建造計画への影響ですが、巡洋艦級では、酸素魚雷に対抗 できる設計は無理でしょうから、あまり考慮しないと思います。 逆に戦艦級は十分な魚雷防御を施すために(カタログデータ上 では、戦艦主砲以上の大射程魚雷・大威力なわけですし)、艦型 の大型化が図られるのではないかと思っているのですが。 駆逐艦級については、米英も酸素魚雷の開発を行うかもしれ ません(行わなかったとしても、搭載されたケースを想定する でしょうから、大和型戦艦の水雷防御は史実より強力になった かもしれないですね)。 航空母艦については、潜水艦搭載の酸素魚雷なども考え、 やはり水雷防御の強化(→低速化。日本空母については、 発艦を支援する機構(スキージャンプ甲板とか、カタパルト の実用化とか、無理ですかね))を招いたのではないかと、 勝手に考えております。 |
> 艦隊運動の見直しというのは、具体的には想像できませんが、 > 対抗手段として「空母艦載機で日本巡洋艦・駆逐艦を叩く」 > なんて戦術が注目されるかもしれませんね。 空母はまず敵空母を叩くのが最優先でしょう。 それで空母は残るかもしれないし残らないかもしれない。 主力の防空用にとっておく予備はともかく、決戦時に空母艦載機はあてにはできませんよ。 だから戦艦は自前の水上観測機を持っているのです。 > 建造計画への影響ですが、巡洋艦級では、酸素魚雷に対抗 > できる設計は無理でしょうから、あまり考慮しないと思います。 > 逆に戦艦級は十分な魚雷防御を施すために(カタログデータ上 > では、戦艦主砲以上の大射程魚雷・大威力なわけですし)、艦型 > の大型化が図られるのではないかと思っているのですが。 これまで作ってある分の戦艦の方がはるかに多いのですから、まずは艦隊運動と戦術の方で何とかしようとするのが常道でしょう。 ましてや、米艦艇にはパナマ運河通航という制約があります。 巡洋艦と水雷部隊の展開を広く速くとることで日本軍水雷部隊の突入を阻止する、それが叶わないとなれば針路妨害によって射点を外し、主力もそれに呼応する、というところでしょう。 なんにせよ、魚雷は命中させられてしまった時点でアウトという代物であり、そのあとは沈没したり艦隊から落伍してフクロ叩きに遭ったりしないように、できるだけ性能を保つようにするもので、水中防御というのはそのためにあります。 45センチの航空魚雷でさえかなりのダメージを喰うのですから、まずは魚雷を撃たせないようにすること、撃たれてしまったらかわすことが何よりも先で、水上部隊同士の正面決戦のような状況で当たってしまったら、それは既に2度のチャンスを失った大失敗なのです。 > 駆逐艦級については、米英も酸素魚雷の開発を行うかもしれ > ません(行わなかったとしても、搭載されたケースを想定する > でしょうから、大和型戦艦の水雷防御は史実より強力になった > かもしれないですね)。 米英の方が着手は先です。 なかんずく、日本が九三式魚雷の開発に手を出したのは、英国で24インチ(61センチ)魚雷を開発中(これは実際にでき、ネルソン級戦艦が艦首水中発射管に装備しています)しかもその魚雷は機関に酸素を使用するらしい(これも本当で実験を繰り返しましたがどうしてもモノにならなかった)という情報をキャッチしたためです。 米国は実験段階で早々に諦めて通常魚雷と電池魚雷の高性能化に力を入れることにしています。 後発の日本がコケの一念と発想の転換(機関着火時にはふつうの圧縮空気で発動し、燃焼が安定してから純酸素に切換える)で実用化にこぎつけたものです。 > 航空母艦については、潜水艦搭載の酸素魚雷なども考え、 > やはり水雷防御の強化(→低速化。日本空母については、 > 発艦を支援する機構(スキージャンプ甲板とか、カタパルト > の実用化とか、無理ですかね))を招いたのではないかと、 > 勝手に考えております。 ふつうに考えたら、やはりまず撃たせないことが優先ですから護衛を密にするほうが先です。 それこそ、空母なんてのは魚雷一発命中したら、一時的にもせよ全く戦力なくなります。 応急修理をやるだけの時間が常に与えられるとは限りません。 空母は基本的に攻撃性能第一で設計するもので、防御はとりあえず沈まなければいいや、という方向で作るもので、これはエセックス級でも変わっていません。 また、空母の第一の敵は急降下爆撃機であり、水中防御は優先順は低いものです。 それこそ、水中防御充実のために速度を落すなどというのは本末転倒、百害あって一利なしと判定されるのが落ちでは。 当時の潜水艦の性能からすれば、高速の正規空母を雷撃できるのはかなりのツキがなければできないと考えられていたことも見逃せません。 実際にはカレイジアス、アークロイヤル、サラトガ、ワスプ、大鳳、翔鶴、雲龍、信濃といった27ノット以上の空母も潜水艦の魚雷を喰って沈没したり大破したりしてますが。(ヨークタウンは大破したとこからなので除外) |
たとえばフォレスタル級みたいな空母では水中防御ってどうなっているんでしょうか 新しいフネのことにはあまりくわしくないのでよくわかりません(マテ) |
えーと、建造計画に対する影響ですが 米英ともに大型強力な駆逐艦の多数建造、及び軽巡の多数建造となるかと。 早い話、条約明けのフレッチャー級、クリーブランド級相当が繰上げで出てくる。 英軍は値段が高いとばかり言ってられず、トライバル級の増強とL級相当の早期登場、フィジー級相当の繰上げというところかな。 もし、九三魚雷の性能がだだ漏れになっていたとすれば、なおさら水中防御など考えないはずです。 あんな魚雷に抗堪することを考えたら、防禦設計が成り立たないでしょう。 その上武装も載せ、燃料も載せ、対弾装甲も張り、機関も乗せ、では、一体どのくらいまで膨れ上がるのか見当もつきません。 日本艦隊に魚雷を撃たせないことが最大最良の対水雷防御です。 ともかく、時期的にロンドン条約とからみます(1936年一杯まで有効)から、即時に何かが起きるわけではないでしょう。 |
みなさま、レスありがとうございます。おおむね納得がいきました。 ありがとうございます。 > 空母はまず敵空母を叩くのが最優先でしょう。 > それで空母は残るかもしれないし残らないかもしれない。 > 主力の防空用にとっておく予備はともかく、決戦時に空母艦載機はあてにはできません > よ。だから戦艦は自前の水上観測機を持っているのです。 太平洋戦争前の時点では、米空母は戦艦に航空機の傘を差すため の護衛用であり、積極的な航空攻撃を想定したものではない、という 記述を何かで読んだことがあります(だから、機動部隊の集中運用と その打撃力に注目した日本は先進的だった、と続くのですが)。 空母はまず空母を叩く、というようなドクトリンが米海軍にあった のでしょうか? また、英空母ですが、敵空母との交戦を考えている なら、あんな艦載機のラインナップになるとは思えず、やはり戦艦 部隊の防空用としての位置づけだったのかと思っておりました。 その辺りをご存じでしたら、ご教授頂けると幸いです。 > これまで作ってある分の戦艦の方がはるかに多いのですから、まずは艦隊運動と戦術の方で何とかしようとするのが常道でしょう。 > ましてや、米艦艇にはパナマ運河通航という制約があります。 > 巡洋艦と水雷部隊の展開を広く速くとることで日本軍水雷部隊の突入を阻止する、それが叶わないとなれば針路妨害によって射点を外し、主力もそれに呼応する、というところでしょう。 > なんにせよ、魚雷は命中させられてしまった時点でアウトという代物であり、そのあとは沈没したり艦隊から落伍してフクロ叩きに遭ったりしないように、できるだけ性能を保つようにするもので、水中防御というのはそのためにあります。 具体的な建艦計画についてのレスと合わせて読み、納得致しました。 つまり、酸素魚雷に水中防御を考えても仕方ないから、艦隊運動と、 阻止に必要な砲戦力を増強した艦型の建造で対抗するということですね。 水中防御については「考えても仕方ない」ということで、従来通りに 「欧州各国海軍や米英」との交戦を考えた、防御力のままだろうという ことだと理解しました。防御力に余裕がある戦艦級でもそうなのですか。 ちなみに、議題は「建艦計画への影響」なので、今まで作ってある艦艇 が多数あることは関係しないと思います。戦艦ドレッドノートを英国が 完成したとき「膨大に建造した前ド級戦艦が複数で攻撃すれば対抗でき るので、対策不要」なんて判断をくだした海軍はないと思いますよ。 九三式酸素魚雷の性能は、航空機を考えず、実戦で判明した信頼性を 考えないなら、ドレッドノートに匹敵する技術革新だと思うのですが。 そして1935年時点では、航空機優勢論は少数意見だと思います。 > 米英の方が着手は先です。 > 後発の日本がコケの一念と発想の転換(機関着火時にはふつうの圧縮空気で発動し、燃焼が安定してから純酸素に切換える)で実用化にこぎつけたものです。 それについては、承知しておりますが「開発に成功した」との情報及び、 カタログデータ(その点、SUDO様に指摘されておりますが、公表するなら、 何も「トラブル続出」なんて情報を発表しないでしょう。酸素魚雷を日本側 が発表するとしたら、抑止力としての効果を期待してのものだと思いますが) の発表があれば、自国も開発可能と考えて、開発に着手するのではないか、 着手して、完成したなら、建艦計画に影響するのでは、という意味です。 > それこそ、水中防御充実のために速度を落すなどというのは本末転倒、百害あって一利なしと判定されるのが落ちでは。 > 当時の潜水艦の性能からすれば、高速の正規空母を雷撃できるのはかなりのツキがなければできないと考えられていたことも見逃せません。 それはそうですね。おっしゃる通りだと思います。 |
米軍の1930年代における艦隊演習の幕開けは双方の空母艦隊同士の航空戦です。米海軍の戦前のドクトリンにおいて、既に偵察艦隊に所属する空母は、戦艦を含む戦闘艦隊から遥か遠方に進出し、作戦する事が求められています。 また一連の演習の結果から、1939年には最初の空母戦で勝利を収めたものが艦隊決戦で勝利を収めるだろう、と言う事は米海軍内部で十分に理解されていました。これらの点が理解されていたからこそ、彼等は1940年に二大洋艦隊整備法案が成立した際に、エセックス級空母の大量建造に踏み切っているのです(戦艦の新造計画が旧式艦の代艦を念頭に入れているのに対し、空母は完全な純増の計画です)。 …因みに海外では、「日本の空母集中運用は、戦前の米海軍の空母運用の情報に影響された結果」という評価がなされていますね。 |
最近ネット環境から離れておりまして、レスが遅れました。 申し訳ありません。 > 米軍の1930年代における艦隊演習の幕開けは双方の空母艦隊同士の航空戦です。米海軍の戦前のドクトリンにおいて、既に偵察艦隊に所属する空母は、戦艦を含む戦闘艦隊から遥か遠方に進出し、作戦する事が求められています。 > また一連の演習の結果から、1939年には最初の空母戦で勝利を収めたものが艦隊決戦で勝利を収めるだろう、と言う事は米海軍内部で十分に理解されていました。これらの点が理解されていたからこそ、彼等は1940年に二大洋艦隊整備法案が成立した際に、エセックス級空母の大量建造に踏み切っているのです(戦艦の新造計画が旧式艦の代艦を念頭に入れているのに対し、空母は完全な純増の計画です)。 それは知りませんでした。教えて頂いてどうもありがとうございます。 余談ですが、そうすると、真珠湾攻撃がなかったとして、米軍がフィリピン 攻略をオレンジ計画通り行おうとしたとしても、空母決戦となった可能性が 高そうですね。日本に対し、運用できる空母数が優位でないことは米軍も理解 していたでしょうから、大西洋艦隊の空母も増援しての、一大空母決戦になった のかもしれませんね。 |
> それについては、承知しておりますが「開発に成功した」との情報及び、 > カタログデータ(その点、SUDO様に指摘されておりますが、公表するなら、 > 何も「トラブル続出」なんて情報を発表しないでしょう。酸素魚雷を日本側 > が発表するとしたら、抑止力としての効果を期待してのものだと思いますが) > の発表があれば、自国も開発可能と考えて、開発に着手するのではないか、 > 着手して、完成したなら、建艦計画に影響するのでは、という意味です。 まず、93式魚雷の完成と量産・配備は1937年であるという事を理解して下さい(昭和12年、第四戦隊に配備) 開発成功とアナウンスするならば、それは当然ですが完成してからになるので、1935年に公表の可能性は有りません。 勿論、IFとして1935年にちゃんと完成して配備が進んでいたら、何等かの思惑で公表されるなり、諜報として欧米列強に伝わる可能性は有ります。 そして、それは欧米列強よりも日本の建艦計画が2〜3年前倒しというか変化する事を意味します。 例えば戦艦に多くを期待しないという戦略が通って第二次ロンドン条約に日本が参加するという可能性。 もしくはこのような魚雷は禁止にしようと欧米が言い出す可能性もありますね。そうなったら日本はそれを飲めますか? それで条約に加わらないと決めた場合、列強に酸素魚雷が有るという事を知られた後ですから、より一層不利ですね。殉職者まで出して開発して、そういう結果になる可能性は非常に高いのではないでしょうか? つまり、日本が公表する理由は無いし、それが1935年になる可能性は無いのです。 |
> まず、93式魚雷の完成と量産・配備は1937年であるという事を理解して下さい(昭和12年、第四戦隊に配備)。開発成功とアナウンスするならば、それは当然ですが完成してからになるので、1935年に公表の可能性は有りません。 > 勿論、IFとして1935年にちゃんと完成して配備が進んでいたら、何等かの思惑で公表されるなり、諜報として欧米列強に伝わる可能性は有ります。 > そして、それは欧米列強よりも日本の建艦計画が2〜3年前倒しというか変化する事を意味します。例えば戦艦に多くを期待しないという戦略が通って第二次ロンドン条約に日本が参加するという可能性。もしくはこのような魚雷は禁止にしようと欧米が言い出す可能性もありますね。そうなったら日本はそれを飲めますか? > それで条約に加わらないと決めた場合、列強に酸素魚雷が有るという事を知られた後ですから、より一層不利ですね。殉職者まで出して開発して、そういう結果になる可能性は非常に高いのではないでしょうか? > つまり、日本が公表する理由は無いし、それが1935年になる可能性は無いのです。 議題の設定が甘かったようで、申し訳ありません。 設定年代を1935年にしたのは、軍縮条約が1936年一杯で切れるということで、 設計面などを考えると、条約空けの建艦計画に影響する頃合いとしては、ギリギリ かと思ったからです。ただ、「公表する理由はない」とのことですが、歴史のイフと して酸素魚雷を駆け引きに使う、という可能性までは否定できないと思うのですが。 部隊配備されたのは、仰る通り1937年末ですが、発射実験が成功を収めたのは 1933年です。「これはいける」と考えて開発を継続していたわけでしょうし、トラ ブルがなかった場合の概算性能は、データとして持っていたのではないかと思う のですが(仮にも1935年には制式兵器として採用しているわけですから)。 そもそも、実用性の怪しいノドン・テポドンだって、交渉兵器としては充分役に 立っているわけで、公表する理由がない、と言い切られるのは同意しかねます。 酸素魚雷のイフとして考えられるのは、例えば、 ●「日本が酸素魚雷の開発を断念する代償に、対米英7割艦隊実現を主張した場合」 「対米決戦に7割なければ勝ち目なし」というのは、酸素魚雷が開発される以前から の根強い主張ですから「7割実現の代償に〜」という交渉はありえるのではないかと (無論、巡洋艦の7割、ではなく、主力艦も含めた7割ですが)。 この場合、米英が受諾したなら、日本側の建艦計画が変更されるでしょう(砲重視、 雷装縮小。対米コンプレックスが軽減されますから、歴史の流れも変わるかもしれま せん。あまりいい方向に行きそうにないですが)し、決裂したなら、米英は酸素魚雷 対策の艦艇計画を必要とするのではないかと思いますが。 ●「史実通りの歴史進行で、1937年以降に酸素魚雷開発を発表した場合」 この場合は、実用化しているわけですから、取引材料としてより具体性を持つかと。 タイミングにもよりますが、例えば1940年の日米交渉のさいに、酸素魚雷の性能と 開発・建艦計画(重雷装艦への改装など)、空母機動部隊の陣容(零戦など艦載機の性能)、 大和型戦艦(含む九一式徹甲弾の存在)の建造計画を公にしたなら、米国はある程度の 対抗兵備を完了するまで、対日譲歩を行ったかもしれません(スチムソン長官が、巡洋艦 の隻数劣勢から、対日戦争を避けるように指示した、という話があるくらいですし)。 「ハルノートより妥協した条件で交渉成立し、1941年に開戦しなかった」ならドイツ の劣勢は次第に判明するでしょうから、ドイツ頼りの戦争計画は破棄され、対米英開戦 は避けられた、という流れもあり得るのではないでしょうか。 もっとも、この時点で開戦を回避できても、現在のイラク交渉のように、米国があの手 この手で強引に開戦しようとしたなら、結局開戦せざるを得なかったかもしれませんが。 |
> かと思ったからです。ただ、「公表する理由はない」とのことですが、歴史のイフと > して酸素魚雷を駆け引きに使う、という可能性までは否定できないと思うのですが。 > 部隊配備されたのは、仰る通り1937年末ですが、発射実験が成功を収めたのは > 1933年です。「これはいける」と考えて開発を継続していたわけでしょうし、トラ > ブルがなかった場合の概算性能は、データとして持っていたのではないかと思う > のですが(仮にも1935年には制式兵器として採用しているわけですから)。 英国は20年代に発射実験を成功させてますが?(それが日本の開発開始になったわけです) 1933〜35の日本軍の酸素魚雷は、英国が既に戦艦に搭載したレベルでしかないんです。 英国が持ってるのを知ってて、それと同レベルを「持ってる」と言って如何するんですか? はっきり言って、1935〜36の第二次ロンドン条約に波風立ててみたいという結論を先に置いた、答えありきの話をしたいなら、もうちょっと関連するものの時系列をチェックして下さい。 |
> はっきり言って、1935〜36の第二次ロンドン条約に波風立ててみたいという結論を先に置いた、答えありきの話をしたいなら、もうちょっと関連するものの時系列をチェックして下さい。 色々調べてみましたが、おっしゃる通りだと思います。 お手をわずらわせて申し訳ありませんでした。 |
> ちなみに、議題は「建艦計画への影響」なので、今まで作ってある艦艇 > が多数あることは関係しないと思います。戦艦ドレッドノートを英国が > 完成したとき「膨大に建造した前ド級戦艦が複数で攻撃すれば対抗でき > るので、対策不要」なんて判断をくだした海軍はないと思いますよ。 まさに英国がドレッドノートを新規に作ったときに各国海軍が呆然とした理由が「今まで作ってある艦艇が多数あること」にあるのではありませんか? 前ド級戦艦の数からいっても英国は世界最大の「膨大な」保有量を持っています。 多数あるのは英海軍であって、他の国ではないでしょう。 そこへ加えてドレッドノートを持ち込まれたことで、戦術云々でどうにかできる可能性すら無くなってしまったので、とくに真正面から対抗するリスクを英海軍に強要することしか考えていなかったドイツなんかは恐慌を来したわけです。 また、フランスなんかは自軍の想定していた戦況であれば、必ずしもド級艦にド級艦で対抗する必要性を見出していなかったように思います。 フランスがのんびり構えていて、やっとクールベ級でド級に移行したのは、砲戦距離の延伸傾向により、想定距離での中間砲の貫徹力に期待が持てないな、と思ったからに他ならないのではないでしょうか。 また、日本も決して戦艦のド級化は急いでいませんし、アメリカに至ってはミシガンの着手自体はドレッドノートに遅れているわけでもなく、予定通りに更新を進めていけば良かったようなものです。 英国のド級艦就役で大いに焦って直接対抗策を打ち出そうとしたのは、よく見るとドイツだけなのではないかと思えますが? > 九三式酸素魚雷の性能は、航空機を考えず、実戦で判明した信頼性を > 考えないなら、ドレッドノートに匹敵する技術革新だと思うのですが。 つまり、ドレッドノートで恐ろしいのは単一巨砲を備えた戦艦そのものではなく、それによって可能となった主砲のみを以ってする遠距離からの一斉射法による、公算射撃の大口径砲弾命中率の飛躍的増大だったわけで、これをやられてしまうと、たとえ見かけ投射量の大きい準ド級艦であっても対抗できないわけです。 これまでどおりの各砲塔の各個撃方による直接照準であれば、準ド級艦で対抗できないものではないですね。 対抗できると思っていたからフランスは急がず、他の手段で対抗できないとわかったのでクールベを作った。 九三魚雷も同じことが言えます。 九三魚雷の特徴はその大射程と高速にありますが、ではそれを生かす方策としては遠距離隠密大量発射になるであろうことは容易に想像がつきます。 だから、わたしは性能が知られた時点での「建艦計画」として、主力の前程や周囲を警戒する巡洋艦戦力の増大でそれに対抗するだろうと予測しました。 つまり、特別なことをしなくても対抗はできるんです。日本の水雷戦隊は米巡洋艦に突っ込まれたら、持っている魚雷を使って反撃するしか方法がない。そこで魚雷を使ってしまったら、目的の米主力艦への雷撃は不可能になりますね。 要するに、在来兵器の数をちょっと増やして、使い方をほんの少しだけ変えるだけで容易にその威力を封じ込めることができてしまう程度の兵器でしかない。 だからこそ日本海軍は九三魚雷を秘密兵器にしていたのです。 そのカードを持っていることを知られてしまっては意味がないカードであり、ある意味大和の46センチ主砲よりも秘密にしておきたい兵器だったと思いますよ。 > そして1935年時点では、航空機優勢論は少数意見だと思います。 優勢であろうとなかろうと、現に航空魚雷というものは存在しており、命中すれば被害が出るものだということくらいは誰でもわかっていることだったのではないでしょうか? そして、現にある以上は命中する可能性というものも常に存在しているということも。 |
War Birdsの皆様には、いつも勉強させて頂いていると感じております。 いつも答えて頂いてばかりで、心苦しいです。皆様のお手を患わせて いなければいいのですが。 > まさに英国がドレッドノートを新規に作ったときに各国海軍が呆然とした理由が「今まで作ってある艦艇が多数あること」にあるのではありませんか? > 前ド級戦艦の数からいっても英国は世界最大の「膨大な」保有量を持っています。 > 多数あるのは英海軍であって、他の国ではないでしょう。 > そこへ加えてドレッドノートを持ち込まれたことで、戦術云々でどうにかできる可能性すら無くなってしまったので、とくに真正面から対抗するリスクを英海軍に強要することしか考えていなかったドイツなんかは恐慌を来したわけです。 > また、フランスなんかは自軍の想定していた戦況であれば、必ずしもド級艦にド級艦で対抗する必要性を見出していなかったように思います。 > フランスがのんびり構えていて、やっとクールベ級でド級に移行したのは、砲戦距離の延伸傾向により、想定距離での中間砲の貫徹力に期待が持てないな、と思ったからに他ならないのではないでしょうか。 > また、日本も決して戦艦のド級化は急いでいませんし、アメリカに至ってはミシガンの着手自体はドレッドノートに遅れているわけでもなく、予定通りに更新を進めていけば良かったようなものです。 > 英国のド級艦就役で大いに焦って直接対抗策を打ち出そうとしたのは、よく見るとドイツだけなのではないかと思えますが? そうですね。そういうものの見方があったかと、感心して拝見しました。 英国がドレッドノートを作ったことが、ドイツの恐慌を巻き起こしたとの ご意見は、大変腑に落ちました。 確かに、例えば第二次世界大戦の時点で、米国が実用的な酸素魚雷を保有 し(日本は保有せず)、保有艦艇が使用できる状態としていたら、水上艦隊に よる艦隊決戦構想は根底から覆り、日本は恐慌をきたしたとも思えますね。 > つまり、ドレッドノートで恐ろしいのは単一巨砲を備えた戦艦そのものではなく、それによって可能となった主砲のみを以ってする遠距離からの一斉射法による、公算射撃の大口径砲弾命中率の飛躍的増大だったわけで、これをやられてしまうと、たとえ見かけ投射量の大きい準ド級艦であっても対抗できないわけです。 > これまでどおりの各砲塔の各個撃方による直接照準であれば、準ド級艦で対抗できないものではないですね。 > 対抗できると思っていたからフランスは急がず、他の手段で対抗できないとわかったのでクールベを作った。 なるほど、予算がないから、なとではなく「対抗できる」と考えていたのですね。 確かに、射法の改善がなければ、防御などは、ほぼ「主砲と同一口径の中間砲が 装備されている従来型戦艦」であり、高速であることを除けば、数と戦術次第で 何とかなりそうですね。 > 九三魚雷も同じことが言えます。 > 九三魚雷の特徴はその大射程と高速にありますが、ではそれを生かす方策としては遠距離隠密大量発射になるであろうことは容易に想像がつきます。 > だから、わたしは性能が知られた時点での「建艦計画」として、主力の前程や周囲を警戒する巡洋艦戦力の増大でそれに対抗するだろうと予測しました。 > つまり、特別なことをしなくても対抗はできるんです。日本の水雷戦隊は米巡洋艦に突っ込まれたら、持っている魚雷を使って反撃するしか方法がない。そこで魚雷を使ってしまったら、目的の米主力艦への雷撃は不可能になりますね。 > 要するに、在来兵器の数をちょっと増やして、使い方をほんの少しだけ変えるだけで容易にその威力を封じ込めることができてしまう程度の兵器でしかない。 > だからこそ日本海軍は九三魚雷を秘密兵器にしていたのです。 > そのカードを持っていることを知られてしまっては意味がないカードであり、ある意味大和の46センチ主砲よりも秘密にしておきたい兵器だったと思いますよ。 なるほど、よくわかりました。 では資料ではなく、推理で申し訳ありませんが、こういう考え方はできますか? <重雷装艦は、護衛戦力が増えても魚雷発射数増大で押し切れる艦種として構想された> ※大井、北上は戦艦部隊に配属されているので、戦艦砲戦時に、敵戦艦の隊列を乱す 考えから配属されているという気もしますが、5500トン級の多数が重雷装艦なら、 高速戦艦と巡洋艦隊の雷撃で護衛戦力をこじ開け、駆逐艦で主力艦を雷撃するという 戦術もできそうですね。 <日本駆逐艦の次発装填装置は、護衛戦力を雷撃で排除した後も、主力艦への攻撃力 を保持する意図で設けられた> > 優勢であろうとなかろうと、現に航空魚雷というものは存在しており、命中すれば被害が出るものだということくらいは誰でもわかっていることだったのではないでしょうか? > そして、現にある以上は命中する可能性というものも常に存在しているということも。 その部分は、そんなに深い意図はなかったので、どのように答えたら適切 なのか、正直戸惑いますね。 「酸素魚雷の保有を発表することで、建艦計画にどのような影響があるか」を 検証したいというのが、トピックの意図でした。つまり、「1935年〜」の発言は、 航空魚雷の威力を否定する意図での発言ではなく、 「航空機優勢が証明された時代なら、酸素魚雷の保有や性能を公表しても、さして 交渉材料とはならないだろう。しかし1935年時点なら、艦隊決戦構想は現役の考え 方だから『海戦戦術を飛躍的に変え兼ねない画期的新型魚雷を、日本だけが保有 している』というのは、影響が大きいのではないか。大きいなら、仮想敵国は具体 的にどう対処するだろうか。建造計画変更以外にも、酸素魚雷の存在が外交交渉 での取引材料になったりはしないだろうか」 という考えの補強として書いた部分です。そして、建艦計画についてはまなかじ 様が、適切な交渉時期に、酸素魚雷は間に合わなかったということは、SUDO様が 解説してくださったので、この件に関して私から付け加えることはありません。 ご意見を頂けて、どうもありがとうございました。 |
> <重雷装艦は、護衛戦力が増えても魚雷発射数増大で押し切れる艦種として構想された> > ※大井、北上は戦艦部隊に配属されているので、戦艦砲戦時に、敵戦艦の隊列を乱す > 考えから配属されているという気もしますが、5500トン級の多数が重雷装艦なら、 > 高速戦艦と巡洋艦隊の雷撃で護衛戦力をこじ開け、駆逐艦で主力艦を雷撃するという > 戦術もできそうですね。 恐らく誤解されてると思うのですが、重雷装艦は沢山の命中魚雷を期待する存在では有りません(これは艦艇の武装の殆どがそうですが) 酸素魚雷は長い射程距離を持っています。ですが遠距離で当てるには沢山放つ必要があるのです。そこで一度に沢山放てる重雷装艦が登場するのですが、この艦は遠距離で雷撃をする事のみに特化した艦です。 であるから重雷装艦が遠距離砲戦する戦艦部隊に付随するわけで、近距離突進を企図した存在ではありません。 勿論、遠距離で敵護衛部隊に対して放つ事も可能ですが、それなら、その近くに居るであろう敵主力を狙っても良いですよね? 遠距離で放てるというのは、目標を好き勝手に選べる可能性が高いという意味でも有るのです。 > <日本駆逐艦の次発装填装置は、護衛戦力を雷撃で排除した後も、主力艦への攻撃力 > を保持する意図で設けられた> 日本軍駆逐艦は、敵護衛と交戦した後に主力に突入する事は考慮していません。 邪魔な敵護衛は、水雷戦隊に随伴する重巡戦隊(一個水雷戦隊に一個重巡戦隊が付く事になってます)と旗艦の軽巡が、強引に排除することになっていました。 ああ、アメフトで言うと、巡戦はオフェンスライン、重巡はタイトエンド、軽巡がクオーターバック、そして駆逐艦はランニングバックなんです(つまり誰が突っ走る可能性があって、誰が誰のために犠牲になるかって事です) この多重襲撃を何度も繰り返したい。先制夜襲、昼間決戦、そして夜間追撃戦と、休む間もなく何度も戦闘する予定だったのです。次発装填はこうした連続する戦闘で何度も雷撃出来る事が最初の出発点でした。 急速次発装填の登場によって、場合によっては一戦で二度の発射をする等の使い方も考えられていきますが、敵護衛に対して用いるというつもりはあまり無かったと考えられます。 というか、何を狙うかはその時の状況次第でしょう。ですが、先に述べたように、敵護衛に対処するのは巡戦や重巡の主砲であって、駆逐艦の魚雷は第一義ではなかったのです。 |
> 恐らく誤解されてると思うのですが、重雷装艦は沢山の命中魚雷を期待する存在では有りません(これは艦艇の武装の殆どがそうですが) > 酸素魚雷は長い射程距離を持っています。ですが遠距離で当てるには沢山放つ必要があるのです。そこで一度に沢山放てる重雷装艦が登場するのですが、この艦は遠距離で雷撃をする事のみに特化した艦です。 > であるから重雷装艦が遠距離砲戦する戦艦部隊に付随するわけで、近距離突進を企図した存在ではありません。 ちうか、本来は島風型(丙型)駆逐艦群の旗艦として考えていたものが、丙型の整備が間に合わないこと、及び、戦術の有効性自体への疑問から丙型主体の遠距離雷撃水雷戦隊の編成をできず(やらず)、とりあえず使えるとしたらここだろうということで第一艦隊への配属になっているんだろうと思います。 なんで使えると思ったのかは、SUDOさんの仰るとおりと思います。 > この多重襲撃を何度も繰り返したい。先制夜襲、昼間決戦、そして夜間追撃戦と、休む間もなく何度も戦闘する予定だったのです。次発装填はこうした連続する戦闘で何度も雷撃出来る事が最初の出発点でした。 特型の「予備魚雷」あたりから見ていくとわかりやすいですね。 > 急速次発装填の登場によって、場合によっては一戦で二度の発射をする等の使い方も考えられていきますが、敵護衛に対して用いるというつもりはあまり無かったと考えられます。 > というか、何を狙うかはその時の状況次第でしょう。ですが、先に述べたように、敵護衛に対処するのは巡戦や重巡の主砲であって、駆逐艦の魚雷は第一義ではなかったのです。 逆に言えば、駆逐艦の魚雷は戦艦主砲と並ぶ決勝兵器であって、敵主力を叩くために取って置くべきであると。 |
も、まなかじ氏の考察で理論武装されました。 素晴らしいです♪ > 艦隊運動の見直しというのは、具体的には想像できませんが、 私もよく分りませんが・・・ すぐ思ったのは、圧倒的な戦力(力量)差を認めた場合の米軍は ある意味、とても潔い?ところがあり、たぶん「逃げの一手」的な原則を貫くと思います。それは、例えば、初頭の「ゼロに対する、各種対策?」のように・・・ 戦闘よりも、生存を優先するスタンスではないかと・・・? もちろん、思いつきのレベルですが。 |
1935年だと93式魚雷は試験中でトラブルを多発してました。 正確な情報が得られてるなら、日本もコッチと同様に放り出すだろうと判断したでしょう。 |