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 ▼米海軍空母機動部隊  (ヨーグモス) 02/11/29(金) 23:29
   ┣Re:米海軍空母機動部隊  SUDO 02/11/29(金) 23:34
   ┣Re:米海軍空母機動部隊  便利少尉 02/11/30(土) 3:02
   ┣Re:米海軍空母機動部隊  sinn 02/11/30(土) 3:29
   ┃  ┗Re:米海軍空母機動部隊  (ヨーグモス) 02/11/30(土) 18:47
   ┃     ┣Re:米海軍空母機動部隊  勝井 02/11/30(土) 19:10
   ┃     ┣Re:米海軍空母機動部隊  ooi 02/11/30(土) 19:21
   ┃     ┃  ┗米海軍空母機動部隊の将来(追記)  ooi 02/12/1(日) 9:24
   ┃     ┃     ┗Re:米海軍空母機動部隊の将来(追記)  (ヨーグモス) 02/12/2(月) 12:37
   ┃     ┣Re:米海軍空母機動部隊  便利少尉 02/12/1(日) 0:12
   ┃     ┣論点はわかる・・  アリエフ 02/12/1(日) 2:21
   ┃     ┣論点はわかる 2  sinn 02/12/1(日) 3:07
   ┃     ┗軍艦外交  ささき 02/12/1(日) 6:03
   ┣Re:米海軍空母機動部隊  ooi 02/11/30(土) 7:54
   ┣対ソ戦(核戦争)だけなら、空母どころか戦略爆撃機も要りません。  にも。 02/11/30(土) 8:01
   ┗Re:米海軍空母機動部隊  アリエフ 02/11/30(土) 13:06

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 ■題名 : 米海軍空母機動部隊
 ■名前 : (ヨーグモス)
 ■日付 : 02/11/29(金) 23:29
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    最近疑問に思うんですが、米海軍空母機動部隊って本当に採算にあうほど
強いんでしょうか?
 核爆弾の放り投げあいなら第一撃用ならICBM、報復用なら原潜の方が
優れていると思いますし。 
 対潜戦闘ならヘリ空母ないし地上からの対潜機で充分なきがします。
 艦隊防空なら開戦直後に戦略爆撃機で飛行場をたたいたほうがよいの
ではないでしょうか?空母をつぶしてこれらの代替物を作ったほうが
得な気がするのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米海軍空母機動部隊  ■名前 : SUDO  ■日付 : 02/11/29(金) 23:34  -------------------------------------------------------------------------
   似たようなことを考えて朝鮮戦争で困ったんです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米海軍空母機動部隊  ■名前 : 便利少尉  ■日付 : 02/11/30(土) 3:02  -------------------------------------------------------------------------
   採算が合うのかどうかは別として、
(ヨーグモス)さんが挙げておられるのは、どれも現在のアメリカ海軍の空母の
主たる任務ではないように思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米海軍空母機動部隊  ■名前 : sinn  ■日付 : 02/11/30(土) 3:29  -------------------------------------------------------------------------
   >  ・・・米海軍空母機動部隊って本当に採算にあうほど
この場合の「採算」の意味にもよりますが・・・

>  核爆弾の放り投げあいなら第一撃用ならICBM、報復用なら原潜の方が
> 優れていると思いますし。 
これは、保留としても・・・

>  対潜戦闘ならヘリ空母ないし地上からの対潜機で充分なきがします。
そしてこれは、ある意味、正論です。

>  艦隊防空なら開戦直後に戦略爆撃機で飛行場をたたいたほうが・・・
アメリカの艦隊出動とは、全世界へ向けて想定しており
その戦地での、戦術行動を目的としています。コチラが先手を取り
自由に攻撃オプションを採るために、米海軍空母機動部隊が存在するのだと思います。
その作戦中の艦隊防空は、いわば副次的に発生する任務であり、戦略爆撃機も加えて艦隊防空を図るにせよ・・・・
特に、適当な自軍(友軍)飛行場が無い戦域で、地上軍を支援するのは艦載機であり、
戦術爆撃を行うのも、この空母艦載機であり・・・
こうした戦力を(事実上)唯一もつアメリカだからこそ、世界を牛耳っているように思います。「強い」かどうかはともかく、その「存在」は採算に合っているのでは・・・?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米海軍空母機動部隊  ■名前 : (ヨーグモス)  ■日付 : 02/11/30(土) 18:47  -------------------------------------------------------------------------
   > >  艦隊防空なら開戦直後に戦略爆撃機で飛行場をたたいたほうが・・・
> アメリカの艦隊出動とは、全世界へ向けて想定しており
> その戦地での、戦術行動を目的としています。コチラが先手を取り
> 自由に攻撃オプションを採るために、米海軍空母機動部隊が存在するのだと思います。
> その作戦中の艦隊防空は、いわば副次的に発生する任務であり、戦略爆撃機も加えて艦隊防空を図るにせよ・・・・
> 特に、適当な自軍(友軍)飛行場が無い戦域で、地上軍を支援するのは艦載機であり、
> 戦術爆撃を行うのも、この空母艦載機であり・・・
> こうした戦力を(事実上)唯一もつアメリカだからこそ、世界を牛耳っているように思います。「強い」かどうかはともかく、その「存在」は採算に合っているのでは・・・?
 私が疑問に思うのは、いかに柔軟に運用できると言っても、一個航空団程度
の戦力を送り込むために「空母本体+護衛艦多数」を常日頃から用意しておく
意味があるのか?ということです。実際には空母自体を守るためにもつかわねば
ならず、現実に地上軍支援に振り向けられるのはもっと少ないでしょう。
 例えば、空中給油機で遠距離から遠征させる、という方法は、空母を送りつける
より確実に柔軟性に劣るのは理解できますが「空母本体+護衛艦多数」を用意する
意味があるほど大きな差とは思えないのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米海軍空母機動部隊  ■名前 : 勝井  ■日付 : 02/11/30(土) 19:10  -------------------------------------------------------------------------
   現在、護衛艦もまた強力な陸上投射火力を備えつつあり、
空母機動部隊の打撃戦力は単純に艦載機だけのものではなくなってきています。
行動圏が沿岸海域に指向された故のことですから、
ある意味空母機動部隊の生き残り策の一環、という見方もできますが。

そして何より、政治的には空母の存在は依然として非常に大きなものがあります。
空軍でしたら展開するためには現地に基地を確保しなければなりません。
そして確保した基地にゼロから大量の補給物資を備蓄しなければなりません。
これに比べれば現場に到着さえすれば即座に航空基地として機能すること、
公海上に在ることで下手に領海を侵さずにすむこと、
そして一航空拠点として見るなら破格の攻撃力を持つことなど、空軍に優越する利点は少なくありません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米海軍空母機動部隊  ■名前 : ooi  ■日付 : 02/11/30(土) 19:21  -------------------------------------------------------------------------
   >  私が疑問に思うのは、いかに柔軟に運用できると言っても、一個航空団程度
> の戦力を送り込むために「空母本体+護衛艦多数」を常日頃から用意しておく
> 意味があるのか?ということです。実際には空母自体を守るためにもつかわねば
> ならず、現実に地上軍支援に振り向けられるのはもっと少ないでしょう。

 逆に言えば、一個航空団程度の戦力を送りこむためにはあの程度の支援能力を持った戦力が要るのだと考えて見れば納得がいきませんか?
 しかも、ある程度持続性を持った支援を与えられるわけですよ。
 空軍基地からの出撃だけでは常にその能力が発揮出来るとは限らない(距離や規模等を考えると)訳ですから。

>  例えば、空中給油機で遠距離から遠征させる、という方法は、空母を送りつける
> より確実に柔軟性に劣るのは理解できますが「空母本体+護衛艦多数」を用意する
> 意味があるほど大きな差とは思えないのです。

 空母に匹敵するだけの航空団を送りこんだ上でその基地を防衛し、補給し、運用する手間を考えると、それなりの差が出て来るのでは無いでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 米海軍空母機動部隊の将来(追記)  ■名前 : ooi  ■日付 : 02/12/1(日) 9:24  -------------------------------------------------------------------------
   >  例えば、空中給油機で遠距離から遠征させる、という方法は、空母を送りつける
> より確実に柔軟性に劣るのは理解できますが「空母本体+護衛艦多数」を用意する
> 意味があるほど大きな差とは思えないのです。

 実際の所、兵力の投射方法としては他にもっとクレバーな方法があるのではないかと言う議論は、冷戦華やかなりし頃から行われていました、すべては戦略空軍でかたが付くとか、SLBMだとか、中型空母を整備するとか、もっと小型の制海艦(小型のV/STOL空母ね)ではどうだとか、多数のミサイルを備えた弾薬庫艦を作れとか、近い所ではDD(X)やオハイオ級改SSGN(これはどっちかっつーと廃品利用に近いですが)やら、また、脅威とされるものはソ連の軍事(海軍)力であったり地域紛争であったりテロであったり予算であったりとさまざまでした。

 それらを乗り越えて、何とか海軍の戦力の柱の一つとして空母機動部隊は存在し、それなりの実績を示し続けていった訳です。

 しかし、すべての状況に対応しうる方法や戦力等は未だありません、米海軍の戦力構成自体も今後どうなっていくのか余談を許さない状況です、空母機動部隊の存在意義そのものが問われる可能性もないとは言えません。

 今までの空母機動部隊はそれなりの実績を示してきました、しかしその実績が未来の戦場で通用するかどうかの予測ならともかく、正解なんて誰にも出せないんじゃないでしょうか。

 個人的に言うなら、それでも空母はしばらくの間存在意義が失われる事はないとは見てますけどね、でなきゃ英国海軍まである程度の大型空母の建造の検討を進めたりはしないでしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米海軍空母機動部隊の将来(追記)  ■名前 : (ヨーグモス)  ■日付 : 02/12/2(月) 12:37  -------------------------------------------------------------------------
   >  今までの空母機動部隊はそれなりの実績を示してきました、しかしその実績が未来の戦場で通用するかどうかの予測ならともかく、正解なんて誰にも出せないんじゃないでしょうか。
>
>  個人的に言うなら、それでも空母はしばらくの間存在意義が失われる事はないとは見てますけどね、でなきゃ英国海軍まである程度の大型空母の建造の検討を進めたりはしないでしょう。

空母機動部隊が政治的なことも含め重要なことは理解できました。
やはり、幾つかの国が新たに持とうとしていることが重要だということを示しているといえますし。
返答してくださった方々ありがとうございました。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米海軍空母機動部隊  ■名前 : 便利少尉  ■日付 : 02/12/1(日) 0:12  -------------------------------------------------------------------------
   >  例えば、空中給油機で遠距離から遠征させる、という方法は、空母を送りつける
> より確実に柔軟性に劣るのは理解できますが「空母本体+護衛艦多数」を用意する
> 意味があるほど大きな差とは思えないのです。
空母だったら、沖合い(公海上)をうろつかせるだけでも相手国に対する威圧になりますが、
戦略爆撃機を空中給油で長距離飛ばして滞空させていたら、露骨な挑発行為と呼ばれかねません。
また空母であれば必要とあらば1カ月間でも沖合いに滞在できますが、
毎日長距離爆撃機を飛ばしたらコストだけでも相当のものになるでしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 論点はわかる・・  ■名前 : アリエフ <ZVK11677@nifty.ne.jp>  ■日付 : 02/12/1(日) 2:21  -------------------------------------------------------------------------
   >例えば、空中給油機で遠距離から遠征させる、という方法は、空母を送りつけるより確実に柔軟性に劣るのは理解できますが「空母本体+護衛艦多数」を用意する意味があるほど大きな差とは思えないのです。

作戦地域によっても異なると思うんですよね。戦闘区域から遠く離れた陸上基地から遠征する方式だと、その陸上基地は戦闘区域に比較的近い空母に比べて敵からの攻撃に対する安全性が高く、かつ航空機運用において空母艦載機のような制約が少ない。しかし、長距離ミッションであるため乗員に疲労、負担を強いることになると共に、戦闘区域に辿り着くまでに第三国の上空を通過しなければ場合、その国の領空通過許可が必要となる。
例えば昨年のアフガン攻撃において空母艦載機を主に用いたのは、十分な作戦が展開できる条件を満たすだけの陸上基地が南西アジア方面に確保できなかったからではないか。
ディエゴ・ガルシアを用いるにしても燃料等、必要な補給物資を全て船で輸送しなくてはならないから、そのコストを考えると空母艦載機とあまり変わらない。
で、湾岸戦争の時のようにサウジアラビアの陸上基地から発進できないか、しかしアフガン紛争についてサウジは政治的に微妙な関係にあり、湾岸戦争の時のような協力はできなかった。トルコは遠い、タジキスタンも考えられるがここに相当数の米軍戦力を配備するには少し不安がある(ロシアの裏庭に当たる地域で米露関係に水を差したくない)。そしてイランは米軍機の領空通過は拒否する、こういう状況ですと、F15E等の米空軍機の効果的な運用が難しくなってくるわけです。
陸上基地を使わせてもらうための外交折衝に時間を取るくらいなら、さっさと空母艦隊を派遣して当面の火消し役に当たらせた方が良い。かなり政治的な問題が絡みますが、空母艦隊というのはこうした柔軟な展開が可能であるわけです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 論点はわかる 2  ■名前 : sinn  ■日付 : 02/12/1(日) 3:07  -------------------------------------------------------------------------
   >  例えば、空中給油機で遠距離から遠征させる、という方法は、空母を送りつける
> より確実に柔軟性に劣るのは理解できますが「空母本体+護衛艦多数」を用意する
> 意味があるほど大きな差とは思えないのです。
では、別の視点・・・
◇空母を送りつけられた側は・・・それだけでビビる!?
 位置が特定できない戦力単位が、近海に存在するだけ(出動を報じられただけで?)で・・脅威です。
◇今日び・・・パイロットの生存権?確保は、重要です。それこそ、コストを度外視して、被撃墜パイロットを救う努力をします。空軍が長躯攻撃するにせよ、近海ではレスキューがスタンバイの筈。・・・つまり艦隊(「空母本体+護衛艦多数」)の、別の存在意義もある。
◇そして艦艇内は、紛れもなく・・・米領土です(笑)。戦地へ、前線近くへ、ソレが移動出来る事は、将兵の大きな安心感を生む筈。士気の確保には意義ある事であり、「空母の存在感」は、素人にも実感できると思います。

とはいえ・・・兵器や軍は・・・冷静に考えれば?その国家にとって、大きな無駄かもしれず・・・それは、全て
>常日頃から用意しておく意味があるのか?
かもしれませんね?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 軍艦外交  ■名前 : ささき  ■日付 : 02/12/1(日) 6:03  -------------------------------------------------------------------------
    「柔軟な使い方ができる」というのは、軍艦を外交の道具として考えたとき非常に役に立つのですよ。確かに核装備した原潜の攻撃力は強大ですが、潜水艦は「見えない」ことに意義のある兵器であり、「お宅の沿岸にウチの原潜が行ってますよ」なんて言えません。まして空母艦載機のように示威飛行だとか威嚇攻撃なんてこともできません。

 ただ、空母艦隊がそのコストに見合う程の政治的カードとして機能しているのかどうか、そもそもアメリカという国が機動艦隊をふり回して世界中に難癖付けて回ることは有意義なのかどうか、という議論はあるでしょう。少なくとも現在のアメリカはそういう外交政策を取っていますので、「だからその為のカードとして空母艦隊は必須であり、従ってそのコストは見合っている」という、何だか自己完結した論理で空母艦隊の必要性が説明されているような気もします。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米海軍空母機動部隊  ■名前 : ooi  ■日付 : 02/11/30(土) 7:54  -------------------------------------------------------------------------
   >  最近疑問に思うんですが、米海軍空母機動部隊って本当に採算にあうほど
> 強いんでしょうか?
>  核爆弾の放り投げあいなら第一撃用ならICBM、報復用なら原潜の方が
> 優れていると思いますし。 

 米空母の主要任務からそれは外されて久しいです。(核攻撃出来ないって訳じゃないけどさ)
 それと、ICBMやSLBMはこれ以上作れないんです、条約があるから。

>  対潜戦闘ならヘリ空母ないし地上からの対潜機で充分なきがします。

 将来CVWの編成から対潜哨戒機は外される傾向にあります。
 搭載ヘリ及び随伴艦搭載のヘリで十分、それを越えるのは地上基地の対潜機に任せる訳です。

>  艦隊防空なら開戦直後に戦略爆撃機で飛行場をたたいたほうがよいの
> ではないでしょうか?空母をつぶしてこれらの代替物を作ったほうが
> 得な気がするのです。

 開戦初日の第一撃をかいくぐった敵の航空戦力をいつでも戦略爆撃機で叩ける訳ではありません、制空権を爆撃機だけで握るのは非常に困難です。
 第二次大戦後の米軍の空母や核戦力の扱いについて調べて見ると非常に参考になると思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 対ソ戦(核戦争)だけなら、空母どころか戦略爆撃機も要りません。  ■名前 : にも。 <BXE03021@nifty.ne.jp>  ■日付 : 02/11/30(土) 8:01  -------------------------------------------------------------------------
   戦略用途に使える弾道弾を直ぐ撃てるようになったのは60年代に入ってからで、キューバ危機の時ロケットを立てても、燃料を注入し終わる前に即応体制にあるB52が飛んできて殲滅されるだけだったって。
現在ですら、撃ったら目標を変えられない弾道弾に較べ、投弾する瞬間まで命令或は乗員の判断で目標を変更できる有人機は、大きな政治的アドバンテージを有すると言われる位ですから。
でケネディ=マクナマラの時に、アイク時代の核戦争(対共産圏全面戦争)中心の戦略から、限定戦争(専ら中小国相手の、核兵器を使わない戦争)も重視するよう戦略が変わりました。
主戦線(ヨーロッパ)だけではなく、云わば副戦線の、ソ連に較べれば纔な戦力しか持っていないがその軍事行動に対しモスクワが責任を取る事がない中小国に、核兵器を使うことなく柔軟に対応する事こそ、有人の戦闘用航空機の目的です。
ベトナム戦争では、60年代後半に退役予定だった改エセックス(ハンコック)級やB52前期型の就役が延長され、構造が強化されたbigbellyB52Dは80年代前半まで延びました。
インド洋などスエズ危機以前は英国の縄張りだったこともあり、91年の湾岸危機に至るまで米軍の拠点は赤道を10度も下ったディエゴガルシア唯一つ。
(因に英国政府は米軍が本土(area51?)並に使える様、策を弄してチャゴス諸島全体の住民を追放しています)
ぶっちゃけた話、「米帝の尖兵」ですな。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米海軍空母機動部隊  ■名前 : アリエフ <ZVK11677@nifty.ne.jp>  ■日付 : 02/11/30(土) 13:06  -------------------------------------------------------------------------
   この質問に関連して、何故旧ソ連軍は限定的な能力ながらもキエフ級空母(航空巡洋艦)を配備すると共に、Su27のような通常型固定翼機の運用も可能な空母の開発を行っていたのか、考えてみるべきではないでしょうか?
70年代後半以降において、戦略核戦力はICBMとSLBMの二本柱(アメリカと異なり長距離戦略爆撃機部隊は貧弱)、西欧や極東全域を攻撃するならば中距離ミサイルやバックファイアのような中距離爆撃機がある、そして比較的長射程の巡航ミサイルを搭載した水上艦艇がある、これらに加え「空母」開発に踏み切ったのは、艦載機戦力で多様かつ柔軟なミッションをこなせることに魅力を感じたためだと思いますが。
同じ航空機でも、遠く離れた陸上基地発進の中距離爆撃機で敵の防空網を掻い潜り反復ミッションで攻撃するのと、敵地に比較的近い空母から発進する艦載機戦力を用いるのと、どちらが総合的に見てコスト節約になるか、柔軟対応ができるかという比較問題です。
もちろん、米とソ連とでは海軍戦略や艦艇の機能・搭載武装も相当異なることを考慮しなくてはなりませんが、それでもソ連が米海軍の空母に似たようなものを指向していたわけです。
当時のソ連軍内部にもこのような金のかかる空母は不用だとする意見も強かったと思います。しかし、ソ連海軍が沿岸海軍から遠洋型海軍に拡大変化し、戦略的重要性が強くなるにつれて空母開発・保有をも指向するようになったわけです。

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