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 ▼米機動部隊VS米機動部隊  高村 駿明 02/11/19(火) 21:39
   ┣Re:米機動部隊VS米機動部隊  tac 02/11/19(火) 22:14
   ┃  ┗Re:米機動部隊VS米機動部隊  高村 駿明 02/11/20(水) 22:31
   ┃     ┣Re:米機動部隊VS米機動部隊  まなかじ 02/11/21(木) 1:27
   ┃     ┗Re:米機動部隊VS米機動部隊  tac 02/11/21(木) 13:01
   ┃        ┗Re:米機動部隊VS米機動部隊  BUN 02/11/21(木) 16:54
   ┃           ┗Re:米機動部隊VS米機動部隊  tac 02/11/22(金) 0:54
   ┃              ┗Re:米機動部隊VS米機動部隊  BUN 02/11/22(金) 6:27
   ┣Re:米機動部隊VS米機動部隊  タカ二飛曹 02/11/22(金) 0:58
   ┗Re:米機動部隊VS米機動部隊  高村 駿明 02/11/22(金) 18:39
      ┗Re:米機動部隊VS米機動部隊  まなかじ 02/11/22(金) 23:16
         ┗Re:米機動部隊VS米機動部隊  まなかじ 02/11/23(土) 0:18
            ┗Re:米機動部隊VS米機動部隊  高村 駿明 02/11/25(月) 18:41

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 ■題名 : 米機動部隊VS米機動部隊
 ■名前 : 高村 駿明 <c.ajiro@tgweb.net>
 ■日付 : 02/11/19(火) 21:39
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    もう一つ議題を考えたので、みなさん参加しませんか?
 一般に、日本軍機は防御力が弱いため、対空砲力の強い
米艦隊には攻撃が困難であった、と言われています。
 それなら重防御と言われる米艦載機なら、有効な攻撃
が加えられたのでしょうか?
 まったくの架空戦ですが、時期は昭和20年4月。兵力は
米機動部隊の一群同士(正規空母2 軽空母2 新型戦艦2
巡洋艦4 駆逐艦15程度)と仮定します。
 みなさまどう思われますか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米機動部隊VS米機動部隊  ■名前 : tac  ■日付 : 02/11/19(火) 22:14  -------------------------------------------------------------------------
   >  まったくの架空戦ですが、時期は昭和20年4月。兵力は
> 米機動部隊の一群同士(正規空母2 軽空母2 新型戦艦2
> 巡洋艦4 駆逐艦15程度)と仮定します。

 この規模で、空母機動部隊に空襲をかけるのであれば、有効な
打撃を与えられるとは思えないです。後先考えない全力攻撃をか
けたとしても、300機。戦闘機の迎撃を潜り抜けて艦隊上空に到
達できる攻撃隊はせいぜい100機というところでしょう。これで
対空砲火の中を突破して攻撃するとして……戦艦一隻沈めるのが
精一杯では?
#大和を沈めるために300機以上つぎ込んでますからね

 もう一撃できたとしても、二隻目の戦艦は沈まないでしょう
ね、多分。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米機動部隊VS米機動部隊  ■名前 : 高村 駿明 <c.ajiro@tgweb.net>  ■日付 : 02/11/20(水) 22:31  -------------------------------------------------------------------------
    返信ありがとうございます。

>  この規模で、空母機動部隊に空襲をかけるのであれば、有効な
> 打撃を与えられるとは思えないです。後先考えない全力攻撃をか
> けたとしても、300機。戦闘機の迎撃を潜り抜けて艦隊上空に到
> 達できる攻撃隊はせいぜい100機というところでしょう。これで
> 対空砲火の中を突破して攻撃するとして……戦艦一隻沈めるのが
> 精一杯では?
> #大和を沈めるために300機以上つぎ込んでますからね
>  もう一撃できたとしても、二隻目の戦艦は沈まないでしょう
> ね、多分。

 つまり、「戦艦は沈められるだろうけど、輪形陣の中心にいる
空母は沈められないだろう」ということでしょうか。
 攻撃側が防御力が強い米艦載機と仮定しても、300機の攻撃隊の
内、攻撃に移るまでに艦戦により200機は撃墜されるだろうと
いうことですね。その結論には、ちょっと賛成できません。
 あくまで私見ですが「まったく互角の米機動部隊同士の戦闘」と
いう仮定ですから、索敵力・攻撃範囲は同レベルだと思います。
 つまり、ガ島を巡る日米機動部隊の戦闘のような、「お互いに
直護機を残しての、攻撃隊同士の殴り合い」となるように思います。
 その場合、マリアナ沖海戦のような「全戦闘機での攻撃隊迎撃」
はできませんから、艦隊直衛に付けられる艦戦は50〜70機がいい
ところではないでしょうか。この程度の機数で、艦隊到達前に
敵の攻撃隊に大打撃を与えられるとは考えられないのですが(防御
が弱い上、練度も低い大戦末期の日本軍機相手ならまだわかります
が、この場合、防御力の強いとされる米艦載機であり、また時期を
昭和20年に仮定しているのは、ある程度の練度を持ったパイロット
による攻撃という仮定としたいがためです)。

 設問の動機としては「大戦末期の米機動部隊における対空防御は、
非常に強力であって、防御力の弱い日本軍機では、有効な攻撃が
不可能に近かった」とよく言われているけれど、では、防御力が
強いと言われる米艦載機なら、VT信管の迎撃を破り、敵主力艦
(つまり空母や戦艦)に有効な打撃が加えられたのか?
 つまり「充分な対空火器を備えた米機動部隊というシステムに、
航空攻撃は有効な攻撃方法だったのか」という点を検証したいと
考えているのです。よろしければ、ご意見を頂ければと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米機動部隊VS米機動部隊  ■名前 : まなかじ <ZUN01214@nifty.ne.jp>  ■日付 : 02/11/21(木) 1:27  -------------------------------------------------------------------------
   >  設問の動機としては「大戦末期の米機動部隊における対空防御は、
> 非常に強力であって、防御力の弱い日本軍機では、有効な攻撃が
> 不可能に近かった」とよく言われているけれど、では、防御力が
> 強いと言われる米艦載機なら、VT信管の迎撃を破り、敵主力艦
> (つまり空母や戦艦)に有効な打撃が加えられたのか?

そもそも、大戦後期の日本機の防御力は弱くありませんが。
防御力が弱かったのではなくて、数量が足りなかったのです。
それでも、沖縄近海では通常攻撃でエセックス級を沈没寸前まで持っていっていますし、低技量弱防御というイメージで語る前に、硫黄島や沖縄で低技量の乗員が操縦する弱防御の特攻機が命中した戦艦と空母の数をまず数えて御覧になられてみては?

防御力が強いというのは「落ちない」というだけのことで、損傷を受けてしまった飛行機は満足な攻撃はできませんよね。
ふつう、機体に損傷を受けたら搭載物件を捨てるものです。
艦戦に追われても捨てるかもしれません。
要するに、防御側の防衛手段を「すり抜けた」機体だけが攻撃できるのであり、すり抜ける機体を増やすには大量投入がいちばんの方策です。
少数だからよってたかって叩かれてしまうのです。
ですから、これは米国製機であるか否かを問いませんし、機体そのものの防御力の問題ではありません。
機体の防御力というのは、敵の防御手段にひっかかってしまった、つまり攻撃を阻止されてしまった機体がどれだけまた戻ってこれるかということには貢献しても、直接その攻撃隊の攻撃力を増大するということにはまるっきり貢献しないのです。
また、戻ってきたとしても大なり小なり損傷を受けているわけで、そのまま第二次攻撃隊に編入するわけにはいきません。
また、すぐさま再出撃可能な程度のかすり傷ならば、九七艦攻だろうとTBFだろうと大差ありません。

>  つまり「充分な対空火器を備えた米機動部隊というシステムに、
> 航空攻撃は有効な攻撃方法だったのか」という点を検証したいと
> 考えているのです。よろしければ、ご意見を頂ければと思います。

有効です、実際にかなり効いています。
戦果に対する損害が大きいのは、先にも述べたように数量不足ですり抜けられる機体が減ったことによります。
飛行機の防御力が問題なのではありません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米機動部隊VS米機動部隊  ■名前 : tac  ■日付 : 02/11/21(木) 13:01  -------------------------------------------------------------------------
   >  攻撃側が防御力が強い米艦載機と仮定しても、300機の攻撃隊の
> 内、攻撃に移るまでに艦戦により200機は撃墜されるだろうと
> いうことですね。その結論には、ちょっと賛成できません。
 すでにまなかじさんが書かれていますが、重要なのは「攻撃力を
持った機体がどれだけ突破できたか」であって、「どれだけ生き残
ったか」ではありません。
 極端な話、例え一機も落とせなくても、攻撃意図を挫くことがで
きれば迎撃隊の勝利です。

 全力出撃した300機の攻撃隊のうち、護衛戦闘機を除いた攻撃機
の数、そしてそれに対する迎撃を潜り抜ける確率を考慮すると、こ
んなものでしょう。

>  その場合、マリアナ沖海戦のような「全戦闘機での攻撃隊迎撃」
> はできませんから、艦隊直衛に付けられる艦戦は50〜70機がいい
> ところではないでしょうか。
 敵機を撃ち落とせなくても、とりあえず敵に爆弾や魚雷を投棄さ
せればいいわけです。あえて敵に初手を取らせ、全力で敵攻撃隊を
迎撃、その攻撃力を減殺してしまうことも戦術としてはありですよ。
#というか、先手を取られたと分かった時点で全力迎撃に切り替え
ると思う

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米機動部隊VS米機動部隊  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/11/21(木) 16:54  -------------------------------------------------------------------------
   > #というか、先手を取られたと分かった時点で全力迎撃に切り替え
> ると思う

何よりもまず、攻撃隊を発進させるのが定石だと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米機動部隊VS米機動部隊  ■名前 : tac  ■日付 : 02/11/22(金) 0:54  -------------------------------------------------------------------------
   > 何よりもまず、攻撃隊を発進させるのが定石だと思います。

 小規模で出しても無駄死にさせるだけ、ってのは自明ですよね。
 ましてや第二撃をかけられるかどうかも分からないから、全力を第一撃
に当てないとまずい(半数出撃だと有効な打撃を与えられないような気も
するが)。
 しかし、全力出撃させるのは時間がかかって、その間に敵がやってくる
かもしれない……と考えたら、攻撃を諦めて防御に切り替えるのは、それ
ほど異常な行動ではないと思います。これが例えば敵の方が三倍いるって
んなら別ですが……

 逆に、攻撃隊を発進させるのが定石であると敵も知っているならば、そ
の裏をかくのもありでしょう。
#結局、発見したときの相手の状況によって変化するとは思いますが

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米機動部隊VS米機動部隊  ■名前 : BUN  ■日付 : 02/11/22(金) 6:27  -------------------------------------------------------------------------
   「ああもあろう、こうもあろう」と考え過ぎるとつい奇策を思いつきますけれども、母艦同士の戦いの特徴と、攻撃重視、防御重視の立場それぞれの利点とリスクを考えれば答えは自ずと明らかです。
航空母艦の戦いが先制攻撃を重んじるのは、一発の被弾で突如として戦力を喪失しかねない大きなリスクを抱えながら戦っているからです。全戦闘機で防御に当る場合でも、もし仮に一編隊だけでも急降下を許してしまえば、それ以降、攻撃力が激減する可能性があるのですから、攻撃隊を搭載したまま敵の先制攻撃を許すという判断は何か別の要因が加わらなければ考え難いことでしょう。
機動部隊がしばしば戦闘機の掩護を受けない攻撃隊を発進させる事があるのはたとえ全滅しようとも先制攻撃には極めて大きな利点がある為なのです。少数機の攻撃隊が全滅する可能性は別に自明の事ではありませんし、やるべき理由があれば躊躇無く実施されるものではないかと思います。

この場での仮定のような場合、どちらが勝つかと言えば、
日本海軍が大東亜戦争戦訓で述べているように「もうひとつの機動部隊を後方に持っている方が勝つ」のです。戦争ですものね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米機動部隊VS米機動部隊  ■名前 : タカ二飛曹  ■日付 : 02/11/22(金) 0:58  -------------------------------------------------------------------------
   >  一般に、日本軍機は防御力が弱いため、対空砲力の強い
> 米艦隊には攻撃が困難であった、と言われています。

どこでそのように言われているのかは寡聞にしてわかりませ
んが、私はそのようには思いません。
兵器の性能の差異よりは、戦術的な要素と数量の問題が決定
的であると考えます。
全く同性能、同数の兵器、兵力であれば先制攻撃をかけたほ
うが有利であるのは明らかでしょう。
米機動部隊同士の図上演種であれば、指揮官の判断とサイコ
ロの目で結果がきまるだけですね。
仮に各艦種同数の日米艦隊が架空戦を戦ったとしても、指揮
官と参謀の作戦、指揮、兵員の錬度によって結果は様々だと
思います。
ついでに言わせてもらえば、20年4月の段階で日米は全く勝
負になっていなっかったと思いますが、それは飛行機の性能
や艦隊の防空能力とは全く関係ない次元の問題でしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米機動部隊VS米機動部隊  ■名前 : 高村 駿明 <c.ajiro@tgweb.net>  ■日付 : 02/11/22(金) 18:39  -------------------------------------------------------------------------
    たくさんのレスありがとうございました。
 時間がなく、すべてに返信ができず、大変心苦しいの
ですが、勉強になりました。
 あまり文章になれておらず、私の返信でご不快に
なられた方がおられましたら、ご容赦ください。
 総論として「戦いは数と練度なので、それが満たされて
いたなら、成果は上がる」とのように、理解しました。
 それはそうですね。
 しかし、防御力と指揮システムに優れる米機動部隊の
戦力をもってしても、同時期の米機動部隊を攻撃すると、
それほど成果は上がらないのですね。
 技術力も含めた戦力が互角と仮定すれば(大戦末期
の日本VS米機動部隊の仮定では、額面の兵力を互角に
しても、ハードの差で勝敗が決まってしまいそうなの
で)なら、昭和17年ごろのガ島を巡る機動部隊の戦い
のように、互いの主力艦に打撃を与えるような戦闘に
なるのか、と思ったのですが、防御側の対空力が大き
すぎるということですね。
 特攻機で成果が挙がっているので、航空攻撃は可能
という趣旨のご意見もございましたが、特攻は統率の
外道ですし、そもそも正攻法が通用しない状況が、
特攻を生みだしたと思うわけです。
 「米機動部隊ほど、日本側のハードが整っていたなら、
特攻を行わず、正攻法で米機動部隊に効果的な攻撃が
与えられたのだろうか。米機動部隊に日本機の攻撃が
ほとんど通用しない理由として、熟練パイロットの
激減がよく挙げられているけど、ベテランパイロット
なら、攻撃できたのだろうか」というのが、質問の
原点にあった事柄です。
 防御力・練度・指揮システムのすべてを兼ね備えて
いたのが、末期の米機動部隊だと思ったので、あえて
米機動部隊同士の戦闘を仮定させて頂いた次第です。
 総合して考えると「ハードの問題よりも、数と練度
の問題。仮に日本機でも「十分な機体数と練度があり、
先制攻撃を加えられたなら」有効な攻撃システム足り
得た」ということですね。
 とりとめのない文章で、失礼いたしました。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米機動部隊VS米機動部隊  ■名前 : まなかじ <ZUN01214@nifty.ne.jp>  ■日付 : 02/11/22(金) 23:16  -------------------------------------------------------------------------
   >  総論として「戦いは数と練度なので、それが満たされて
> いたなら、成果は上がる」とのように、理解しました。
>  それはそうですね。

もちろんそうです。
それが大原則であり、例外はほとんどありません。
例外に見えるものは、たいてい防者のとんでもないミスや油断あってのまぐれ当たりに過ぎません。

>  しかし、防御力と指揮システムに優れる米機動部隊の
> 戦力をもってしても、同時期の米機動部隊を攻撃すると、
> それほど成果は上がらないのですね。

それはそうです。
防衛システムであっても攻撃システムではないのですから。

>  技術力も含めた戦力が互角と仮定すれば(大戦末期
> の日本VS米機動部隊の仮定では、額面の兵力を互角に
> しても、ハードの差で勝敗が決まってしまいそうなの
> で)なら、昭和17年ごろのガ島を巡る機動部隊の戦い
> のように、互いの主力艦に打撃を与えるような戦闘に
> なるのか、と思ったのですが、防御側の対空力が大き
> すぎるということですね。

技術力といっても、戦術の基本を転換させるほどの革新は見せていないのではないでしょうか。
更に言えば、零戦五二型、天山、彗星は、実際、どのくらいF6F、TBM、SB2Cに劣っているでしょうか?
ハードの差なんて微々たるものではないでしょうか。

>  特攻機で成果が挙がっているので、航空攻撃は可能
> という趣旨のご意見もございましたが、特攻は統率の
> 外道ですし、そもそも正攻法が通用しない状況が、
> 特攻を生みだしたと思うわけです。

違います。
特攻という攻撃法が採用されるに至ったのは、レイテ作戦を成功させるのに、どうしても何が何でも一時的にでも制空権が欲しい、取れないまでも両者ともに持っていないという状態までには持ってゆきたいという重大な戦術的要請があったためではあります。
しかし、硫黄島や沖縄のあたりになると、正攻法をやってのけられる搭乗員が足りないので、飛行機があったとしても、やはり攻撃隊の持つ攻撃力の実数としてカウントされないという要素が、特攻を大規模化、恒常化させてしまうひとつの要因であったことは否めません。
沖縄や硫黄島でも、通常攻撃のできる部隊は通常攻撃で出していますし、その割合は特攻に比べても少ないものではありません。

わたしが特攻を持ち出したのは、要するに飛行機を昼間に限って自分の思うとおりに動かすのがやっと、将棋で言えば駒の動かし方を知っているだけという程度の未熟練搭乗員が操る飛行機が、その米軍の鉄壁の防空網とやらを、何機出撃して何機がかいくぐっているのかをみてみたらどうか、と提案しているわけです。

米軍の防空網といえども蚊柱に殺虫剤を振りまいたように日本軍機を叩き落すことができるようなものではありませんでした。
VT信管つきの5インチ砲よりも、頼りは既に攻撃コースに入った機体を狙う、ゴールキーパー役の40ミリボフォース機関砲であり、そのスコアの方がはるかに高いですし、実際ボフォースにそれほどまでに高いスコアが出るということは、レーダーに支援され迎撃誘導される戦闘機隊もかなりの数を討ちもらしていたということに他なりません。

>  「米機動部隊ほど、日本側のハードが整っていたなら、
> 特攻を行わず、正攻法で米機動部隊に効果的な攻撃が
> 与えられたのだろうか。米機動部隊に日本機の攻撃が
> ほとんど通用しない理由として、熟練パイロットの
> 激減がよく挙げられているけど、ベテランパイロット
> なら、攻撃できたのだろうか」というのが、質問の
> 原点にあった事柄です。

そうです、ベテランパイロットならば攻撃でき、特に沖縄近海での夜間攻撃には特に見るべきものがあります。
そして、こうした攻撃には、九六中攻や瑞雲といった弱っちい飛行機も投入されており、一定の成果を上げ続けています。
むろん、P-61やF6F-5Nといった夜間戦闘機や、レーダー照準の対空火器をかいくぐっての任務であり、損害も少ないとは言えないものでしたが。
昼は特攻、夜は雷撃で沖縄近海の米艦隊をこづきまわしていたのです。
米軍の沈没艦艇数で見るとそうでもないような気がしますが、損傷艦艇数を見るとずいぶん印象が変わると思います。
なかなか撃沈までいかないのは波状攻撃ができないことと、周辺の制海権を米軍が握っていることで救援活動やダメージコントロールに余裕を持って対処できるからですが、それにしても日本軍攻撃隊の阻止というのはなかなか完全にできるものではなかったし、かいくぐられてしまえば損害は出るものだったのです。
沖縄の海は米艦隊にとって決して楽な戦場ではなかったのです。

問題は、とにかく数であり、また、それを準備する時間です。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米機動部隊VS米機動部隊  ■名前 : まなかじ <ZUN01214@nifty.ne.jp>  ■日付 : 02/11/23(土) 0:18  -------------------------------------------------------------------------
   なんか偉そうな文だな、反省。

いや、わたしもそんなふうに思っていた時期はありました。

沖縄戦といえば悲惨悲壮というもので、陸海空ともに手も足も出なかった、大和は無駄に沈没するわ、航空攻撃といえば特攻だわ、ひめゆり部隊に鉄血勤皇隊と、もうまるでダメだと。
対する米軍は数もテクノロジーも戦法も技量も雲の上で、まるで歯が立ちそうもないように思えていたものです。

そういうふうに見えるのがふつうだと思います。

そう見えなくなるのは、より深くこの趣味というか道楽というか、実は泥沼のような気もしますが、そこへ足を突っ込み、知ってなくてもいいようなことばかり知るようになってはじめてそうなるので、たいして威張れたことではないですねえ。

ただ、上っ面だけを見て短絡するのは早計ですよ、とだけは言えます。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:米機動部隊VS米機動部隊  ■名前 : 高村 駿明 <c.ajiro@tgweb.net>  ■日付 : 02/11/25(月) 18:41  -------------------------------------------------------------------------
   > 沖縄戦といえば悲惨悲壮というもので、陸海空ともに手も足も出なかった、大和は無駄に沈没するわ、航空攻撃といえば特攻だわ、ひめゆり部隊に鉄血勤皇隊と、もうまるでダメだと。
> 対する米軍は数もテクノロジーも戦法も技量も雲の上で、まるで歯が立ちそうもないように思えていたものです。
> そういうふうに見えるのがふつうだと思います。
> そう見えなくなるのは、より深くこの趣味というか道楽というか、実は泥沼のような気もしますが、そこへ足を突っ込み、知ってなくてもいいようなことばかり知るようになってはじめてそうなるので、たいして威張れたことではないですねえ。
> ただ、上っ面だけを見て短絡するのは早計ですよ、とだけは言えます。

 そうですね、おっしゃる通りだと思います。
 きちんとした根拠を挙げられてのご返信、ありがとうございました。
 まさに、仰られるように「雲の上で、まるで歯が立たない」ものと思って
おりました。みなさまがご返信されたカキコには、内容的に存じ上げて
いたものもありましたが、そういった「知識」を活かすのは、総合的な、
裾野の広い知識量の裏付けであり、視点なのだな、と改めて思った次第
です(この辺り、軍事重視で民間の技術技術は弱かったとされる、戦前
日本と似ているかもしれませんね)。 

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