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> 細い胴体に合う小直径のエンジンにするから馬力が出ないのか、馬力が出ないからエンジン直径も胴体も細くしたいのか・・・
両方かと思いますが、どちらが最初かと言えば後者でしょう。
考慮に入れるべきは液冷エンジン戦闘機の存在です。
シリンダーの大きさはすでに限界に達しており、エンジンの出力を稼ごうと思えばシリンダーの数を増やすしかない。
単列星型では7〜9気筒が限界だったところにV型エンジンが登場し、エンジン1基あたり12気筒までシリンダーを増やせるようになった。出力は単列星型の約1.5倍。
その後、複列星型が実用化して14〜18気筒まで増やせるようになった。出力は(18気筒なら)V12の1.5倍にまで増やせるようになった・・・が、星型エンジンなので前面投影面積は2倍を軽く超えてしまう。前面投影面積と出力の比を液冷エンジン並みにしようと思えば、出力も2倍を超えてくれないと(少なくともエンジン単体で見る限り)勝負にならないが、そんな大出力は3列以上にしないと星型エンジンでは成り立たない。そして3列や4列なんてまだ誰も成功していない。
1.5倍に満たない出力で半分の前面投影面積しかないエンジンを積んだ機体に対抗しなければならない・・・となると、一見無理のあるダイエットに挑戦してしまうのも致し方ないように思われます。
そうなると、もしV型12気筒より先に複列星型が普及して世界の戦闘機の主流エンジンが空冷星型になっていたら、日本の星型エンジンの直径への要求も少し下がって、将来の出力向上を見越した余裕のあるものになったのだろうか?
逆にV型よりも更に高出力で前面投影面積が小さいW型18気筒エンジンが成功していたら、日本のエンジン開発は液冷エンジンに対して史実よりも比重を置いたものになったのだろうか?
というような疑問が湧いてきます。
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