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日本の航空エンジン改善は? 青江 14/8/24(日) 13:33

二種類あった 14/9/7(日) 6:29
┣ Re:二種類あった ロク 14/9/7(日) 8:18
┃┗ 悩ましいところですが 14/9/7(日) 9:03
┃┗ ほかにはない 14/9/7(日) 11:07
┃┗ Re:ほかにはない ロク 14/9/8(月) 7:31
┃┗ 火星はどうも単発戦闘機用とは思われないままでいる 14/9/8(月) 11:50
┃┣ 発想の幅、あるいはなりふり構わぬといかないことについて ロク 14/9/8(月) 17:33
┃┃┗ 発想などということではなく、ひたすらに器が小さかったこと 14/9/8(月) 21:47
┃┃┗ 判った気になってはいけないのでしょうけれど ロク 14/9/9(火) 7:47
┃┃┗ 基礎研究が不足している状況では道を広げられない 14/9/9(火) 10:15
┃┃┗ Re:基礎研究が不足している状況では道を広げられない ロク 14/9/9(火) 18:09
┃┃┗ 思った以上に「流麗」なアメリカ機 14/9/9(火) 19:07
┃┃┗ 卵が先か ロク 14/9/10(水) 7:01
┃┃┣ Re:卵が先か 14/9/10(水) 13:26
┃┃┃┗ Re:卵が先か ロク 14/9/12(金) 8:31
┃┃┃┗ Re:卵が先か 14/9/12(金) 15:31
┃┃┃┣ Re:卵が先か ロク 14/9/13(土) 8:04
┃┃┃┃┗ 日本機の方がなりふり構わなくなってゆく 14/9/13(土) 10:16
┃┃┃┃┣ 追いつめられての改修ではなく ロク 14/9/14(日) 8:18
┃┃┃┃┃┗ 堂々巡りになってますが 14/9/15(月) 6:20
┃┃┃┃┗ エンジンの じゃま 14/9/14(日) 16:48
┃┃┃┃┗ Re:エンジンの 14/9/15(月) 6:58
┃┃┃┗ 胴体について じゃま 14/9/14(日) 16:28
┃┃┃┗ Re:胴体について 14/9/15(月) 7:02
┃┃┗ 想像ですが・・・ おうる 14/9/10(水) 20:51
┃┃┗ Re:想像ですが・・・ ロク 14/9/12(金) 8:51
┃┃┗ 再び、どういう時期だったのか 14/9/12(金) 18:47
┃┃┗ Re:再び、どういう時期だったのか ロク 14/9/13(土) 8:15
┃┃┗ Re:再び、どういう時期だったのか 14/9/13(土) 10:03
┃┗ 流線型至上主義? きっど 14/9/8(月) 19:43
┃┗ 事情は上の枝で書いたことではありますが 14/9/8(月) 21:46
┗ Re:二種類あった ロク 14/9/10(水) 7:32
┗ Re:二種類あった 14/9/10(水) 12:25
┗ Re:二種類あった ロク 14/9/12(金) 8:34
┗ Re:二種類あった 14/9/12(金) 9:56

二種類あった
   - 14/9/7(日) 6:29 -
  
>> 特別外径がちっちゃいエンジンをあえて作ろうとした
> 「保険」としてでも、より大柄で技術的なチャレンジが低い大排気量エンジンの開発が急がれなかった特段の理由は何かあったのでしょうか?

当時、第一線用の発動機は文書上で「小型高速機用」「中大型機用」などのように二大分されていて、性格を違えた二方向へ向かっていたことがわかります。
「小型高速機用」としては瑞星28L、栄28Lのようなもの、「中大型機用」としては火星42L、護45Lなどのようなもの。
栄と誉のあいだが3年余り空いている、というのは小型高速機用の話なのであって、その間にも大型機用大排気量発動機は着実に開発が進んでいるのです。

実は、栄になった中島十試空冷600馬力の次には、空倒V12の三菱十一試空冷700馬力や中島十一試空冷700馬力、空水倒V12の三菱十一試水冷800馬力や中島十一試液冷700馬力といった試作計画が続いていました。
こののち、石川島十三試イ号(空倒V12 500馬力)、瓦斯電十三試イ号(空倒V12 530馬力)、愛知十三試ハ号(空倒V12 700馬力)などの計画が並んで、水倒V12の愛知十三試ホ号34Lが来ます。
陸軍の方でも、川崎ハ19(水倒V12)、三菱ハ21(水倒V12)、さらには空倒V12の川崎ハ34(これはなんと水倒V12ハ19の発展型です)などが並んで、水倒V12のハ40に至ります。

複列星型小直径の栄の次期には、前面抵抗面積の小さな倒立V型を模索し、その際には冷却器の抵抗すら無くしてしまえる空冷倒立V型のようなものを目指そうとしていた。
そうした結果として、陸海軍ともがDB601にたどり着いているように見えます。

十四試局戦が当初DB601系の愛知十三試ホ号で構想されながら、結果として三菱十三試ヘ号すなわち火星で実現されています。
本来なら大型機用であった大排気量の火星が、機体側設計の進歩をもってして、戦闘機用発動機の「保険」としての役割を担えるようになっていたのです。
引用なし
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<Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/37....@nttkyo294131.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp>

Re:二種類あった
 ロク  - 14/9/7(日) 8:18 -
  
空白の3年について理解しました。火星とかドコいったのかなと思っていたのがスッキリしました。が、根本の疑問は解決されません。
尖った方向はよい挑戦として、保険の側。

> 本来なら大型機用であった大排気量の火星が、機体側設計の進歩をもってして、戦闘機用発動機の「保険」としての役割を担えるようになっていたのです。

担えていたのでしょうか?
火星積んだ雷電も、ハ5系の二式単戦も、その後継は誉搭載機ですよね。
保険として機能し得なかったように思えます。

基本設計が古い分排気量あたり出力は控えめにたとえば35〜40馬力/L、でも熟成できているぶん振動等少なく信頼性高く額面割れナシの40Lオーバーがもっと早期に求められなかったのはやはり不思議です。
引用なし
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悩ましいところですが
   - 14/9/7(日) 9:03 -
  
> 基本設計が古い分排気量あたり出力は控えめにたとえば35〜40馬力/L、でも熟成できているぶん振動等少なく信頼性高く額面割れナシの40Lオーバーがもっと早期に求められなかったのはやはり不思議です。

日本の場合、それにあたるのが金星32Lだったのではないでしょうか。

あるいは、ハ5−ハ41−ハ109の37.5Lなのでしょうが、こちらは素性がよろしくありません。

金星は複列星型としては最初期の成功作であるため、前述の小型高速機用としての性格を備えていないもので、どちらかといえば中型機用として絶やさないで作り続けていたものが、これもやはりDB601系や栄の保険として意味を持って来ています。
32Lで? といわれればそのとおりで、その辺が限界だったというしかないところなのではないでしょうか。

> > 本来なら大型機用であった大排気量の火星が、機体側設計の進歩をもってして、戦闘機用発動機の「保険」としての役割を担えるようになっていたのです。

> 担えていたのでしょうか?
> 火星積んだ雷電も、ハ5系の二式単戦も、その後継は誉搭載機ですよね。
> 保険として機能し得なかったように思えます。

おっしゃるように、そこで大直径化に走らず、あくまでDB601系を待っていれば・・・・・・という想像もしてしまうのですが、どうも良い結果が思い浮かべられません。
少なくとも、倒立Vでなければ小型高速機の機体設計ができない、という局面でその代打となり得て、そののち従来の小型高速機用としてはやや大直径の三菱A20へまでつなぐ道を拓いています。
とりあえず火星を積むことで強風の機体が成立していたからこそ、紫電改が存在し得た、と思うしかありません。
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ほかにはない
   - 14/9/7(日) 11:07 -
  
> 基本設計が古い分排気量あたり出力は控えめにたとえば35〜40馬力/L、でも熟成できているぶん振動等少なく信頼性高く額面割れナシの40Lオーバーがもっと早期に求められなかったのはやはり不思議です。

金星と中島ハ5系列以外だと、あとは三菱ハ6-震天くらいしか思いつけません。

複列星型は、金星以前には、中島ハ5、三菱ハ6しかなく、
金星以降だと、瑞星・栄か、火星・護になってしまう。

中島ハ5、三菱ハ6があまりうまくいかなかったのが、それ以降の高性能発動機の出現を招いたということでもあり、それ以上求めようがない話なのかもしれません。
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Re:ほかにはない
 ロク  - 14/9/8(月) 7:31 -
  
何度も詳しくありがとうございます。

> それ以上求めようがない話なのかもしれません。

ナルホド・・・

栄や金星の概ね同世代に、R−2800、R−2600、ハーキュリーズがあります。この中で最も小型のハーキュリーズでさえ、火星はむろん、誉をも置き換え可能に見えます。
言い替えると誉は、「3年遅れの信頼性低い18気筒版ハーキュリーズ」にすぎないのかもしれないと。
それを主力機に乗せてR−2800、R−2600と戦おうったって・・。

せめて保険サイドだけでも、基本レイアウトはアブハチ取らずを避けて各社ひとつにするとしても、開発当初から大きめ&18気筒のバリエーションを、(セントーラスのように)原型だけでも作っておくことはできなかったのでしょうか。言い替えると、R−2600やR−2800があるのが判っていて、野心的な系統の成功が約束されない中で、なぜ、その手当をしなかったのでしょうか。
持たざる者としては燃費その他考えれば大きいエンジンは嫌なのはわかりますが、「計算できる」系列を持てなかったものか・・・だって、大東亜共栄圏で「持てる者」になるつもりだったのですから。

ウイキペディアを信じてよいかどうかわかりませんが、A−20開発時に三菱は野心的な目標を掲げた・・・とあります。そういうのは戦争前の航研機時代に済ませておけよ、と思えます。A−18の完成と誉の計画がほぼ同時期ですから、挑戦と保険と整理するのなら、中島が護捨てて誉に走る挑戦担当なら三菱は保険担当、A−20に手をつけるぐらいなら火星・A−18熟成に注力とできなかったのかと。あっちもこっちも無理な挑戦して未完成ばかりでは・・・

3世代ぐらい遅れで国産化が始まり、頑張ったんだけど2世代遅れで戦争が終わってしまった、それが国力だった、といわれればそれまでですが、複数の適わぬ夢に憧れているかわりに、戦前の段階でリソース配分を考え、夢はひとつに絞り、早期に、愚直に、信頼できる大型エンジンに着手していれば、同じ国力でももう少し差が詰められなかったのかな、と思うのです。
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火星はどうも単発戦闘機用とは思われないままでいる
   - 14/9/8(月) 11:50 -
  
> ウイキペディアを信じてよいかどうかわかりませんが、A−20開発時に三菱は野心的な目標を掲げた・・・とあります。そういうのは戦争前の航研機時代に済ませておけよ、と思えます。A−18の完成と誉の計画がほぼ同時期ですから、挑戦と保険と整理するのなら、中島が護捨てて誉に走る挑戦担当なら三菱は保険担当、A−20に手をつけるぐらいなら火星・A−18熟成に注力とできなかったのかと。あっちもこっちも無理な挑戦して未完成ばかりでは・・


火星熟成、といいますか安定化は行われていて、それが火星二五型です。火星をなんとか1800馬力で安定して運転できるものにしたい、というものです。

誉の不足を埋めるために極光に載せられたりしていますし、紫電にもやはり誉の不足を埋めるために一部火星装備機を作るという案もあったとのことです。三菱として一式陸攻の性能向上型にはA20を載せたかったのですが、海軍はこれを却下して一式陸攻の発展型は火星二五型として哨戒機に使うと決定しています。


A20に関しては、2200馬力という目標出力が誉の2000馬力のさらに後継発動機となるべく考えられているわけで、性能向上を続けるのが軍用機の道なのだとしたら、こうしたものはいずれ必要であったはずだ、ということはさて置き。

A20は、wikiで引用されているとおり「馬力当たりの前面面積も世界一小さいものとする」という目標を掲げていて、必ずしも「外径1200mm以内に収める」などとはされていません。これは、戦闘機用発動機の直径について雷電でひとつのブレイクスルーがあったのちに始めて提示可能となった目標なのです。

それでいて、やはり前面面積の可能な限りの縮小を考えているのは、この時期の戦闘機用発動機に対する考え方の限界がそこにあったと思うしかないわけです。

銀河には火星を載せられても、紫電には載せすに済ませ、かえって誉に合わせて胴体を細らせる措置が取られています。いずれにせよ、火星程度の外径を持つ単発戦闘機は、当時の日本では難しかったのだと思わざるを得ません。
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発想の幅、あるいはなりふり構わぬといかないこと...
 ロク  - 14/9/8(月) 17:33 -
  
> 火星熟成、といいますか安定化は行われていて、それが火星二五型です。

これもいささか遅くはないでしょうか。
火星のスタートが遅かったから当然ではありますが。
機体でも「間に合っていない」例が多く、考えさせられますが。

> この時期の戦闘機用発動機に対する考え方の限界がそこにあったと思うしかないわけです。

> 火星程度の外径を持つ単発戦闘機は、当時の日本では難しかったのだと思わざるを得ません。

この「考え方の限界」はどんなところに由来すると思われますか? 「日本的な美意識」と済ませることもできますが、さすがにもう少し根拠、理論的な研究等があるのではないかと。

また、大直径空冷エンジン搭載戦闘機に対して、関係者が戦後になってから漏らした感想などご存じでしたら、お教えいただけないでしょうか?

タイフーン、テンペスト、トーネイド、フューリー系列は、セイバー、ヴァルチャー、グリフォン、セントーラスと手当たり次第積んでみています。
この伝で、A−20を待たず、A7MにとりあえずA18を積んでみるわけにはいかなかったのかなあ?
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流線型至上主義?
 きっど  - 14/9/8(月) 19:43 -
  
> それでいて、やはり前面面積の可能な限りの縮小を考えているのは、この時期の戦闘機用発動機に対する考え方の限界がそこにあったと思うしかないわけです。
>
> 銀河には火星を載せられても、紫電には載せすに済ませ、かえって誉に合わせて胴体を細らせる措置が取られています。いずれにせよ、火星程度の外径を持つ単発戦闘機は、当時の日本では難しかったのだと思わざるを得ません。

グラマン等では、機体が太くなったのであれば全長を短くして表面積を減らそう、というような設計思想があったように思われます。
しかし日本機の場合は、極力エンジン直径を絞った上で、流線型や紡錘型といった理想的な機体形状に纏めようとしているように思います。
そういう基本的な設計思想というか発想の差が、エンジン開発にも影響しているように思います(個人的な見方ですが)。
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事情は上の枝で書いたことではありますが
   - 14/9/8(月) 21:46 -
  
> しかし日本機の場合は、極力エンジン直径を絞った上で、流線型や紡錘型といった理想的な機体形状に纏めようとしているように思います。
> そういう基本的な設計思想というか発想の差が、エンジン開発にも影響しているように思います(個人的な見方ですが)。

ある種、機体設計における原理主義といいますか、自分も同様に感じています。
それ以外にあまり方法論を持ち得ていなかったわけです。
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発想などということではなく、ひたすらに器が小さ...
   - 14/9/8(月) 21:47 -
  
「発想」といってしまうと、アイディアだとかインスピレーションのようなところに矛先が向いてしまいますが、むしろデータの蓄積がものをいう世界です。
仮に有力なアイディアがあったとしても、きちんとしたデータに裏付けられなくては使うことすら出来ない分野なのです。

発動機の水メタ噴射などにしても、抵抗減少をもたらす機体形状にして、あまり多くの蓄積をもたないまま、戦時に突入してしまったわけでして、そうなった根本的な原因は、日本の航空工業会全体としての規模の問題、その内部で養いえる人口が小さかったことにあるのではないかと思います。

日本の航空工業が人的拡大を許されるようになったのは、満州事変により臨時軍事費が支出されるようになった昭和7年くらいからです。
そして対米戦が始まって本格的な戦時体制になると、さまざまに発生するアクシデントに対処するために人的リソースの大半は費やされてしまいます。
その間たかだか10年にも満たない時間でどれほどのものが蓄積できていたのか、考えるだにお寒い台所事情だったのです。
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判った気になってはいけないのでしょうけれど
 ロク  - 14/9/9(火) 7:47 -
  
「発想」といっても単なる思いつきではなく、データ蓄積含む解決法というつもりです。
翼面積を広げる縮めるといったA案B案でなく、
「(上等小麦の)パンが食べられないなら、(安い小麦の)菓子を食べればいいじゃない」的な、あるいは、
>機体が太くなったのであれば全長を短くして表面積を減らそう
といった、別の切り口で解決を目指す「発想」というつもりです。


>複列星型小直径の栄の次期には、前面抵抗面積の小さな倒立V型を模索し、その際
>には冷却器の抵抗すら無くしてしまえる空冷倒立V型のようなものを目指そうとし
>ていた。
>>理想的な機体形状に纏めようとしているように思います。
>それ以外にあまり方法論を持ち得ていなかったわけです。
といった受け入れる側の器の問題でしょうか。
>使うことすら出来ない
ハードルが日本では高かったのかな、という気もします。
日本には、成功作失敗作駄っ作問わず「変わった」機体は少なく、左右非対称、爆撃機から戦闘機吊す、砲塔装備、無尾翼、超小型、双胴、戦闘機をニコイチ・・・といった「ブッ飛んだ」ものはほとんどないようですし。


> 日本の航空工業会全体としての規模の問題、その内部で養いえる人口が小さかったことにあるのではないかと思います。

人的リソースが小さいなら小さいなりにうまく配分すれば多少マシですが、それもうまくいっていないのも、管理側の器、蓄積の問題でしょうか。
同程度の「リスク分散のための他機種(機体・発動機問わず)並立」でも、
・陸海軍の不協調やメーカー間競争を放置して結果オーライなのと、
・リソース全体を見渡して統制と競争を整理する
のとでは随分と差がありそうですが、気づくことが難しかったのか、判っていても組織のしがらみ等で出来なかったのか。

こうした管理の下手さは日本だけではなかったのかもしれない、という思いもあります。
試作機を贅沢に並列採用していた英空軍なのに、マーリン2機種、空冷機は不採用としています。マーリン不調による全戦闘機一斉飛行停止リスクをどう考えていたのか。
大所帯の米海軍でも、SB2Cではあのていたらく。
規模が小さい日本では傷が目立つだけなのかもしれません。
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基礎研究が不足している状況では道を広げられない
   - 14/9/9(火) 10:15 -
  
> 機体が太くなったのであれば全長を短くして表面積を減らそう
> といった、別の切り口で解決を目指す「発想」というつもりです。


胴体線図は翼型の回転形を基本に作られますから、まず、そうした翼弦長が小さくて矢高の大きな翼型で、かつ高速に適したものをあらかじめ持ち合わせていなければならないわけです。持ち合わせていなければ使えません。
設計というのは基礎研究ではありませんから、基礎研究部門が前もって用意可能であるデータの中から与えられた条件に最適と思われるものを選択して組み合わせていくのが仕事になります。

この点、NACAのように翼型研究の進んでいた研究部門を社会そのものの中に持ち合わせていたアメリカと日本ではまるで比較にならないわけです。
日本の航空工業界の場合、そうした持ち合わせのデータが少なく、それがデザインの自由度となって現れていたのです。

例えば、日本の層流翼研究は、その前駆的な研究として、海軍航空廠科学部の技術者が、様々な翼型の特性を風洞を使って系列的に調べて基礎データを整え、これを応用して彗星の主翼や胴体の設計が行えるようになっています。
ところが、この技術者が事故で亡くなってしまってからは、空廠科学部でこの先に研究を延長できる人がいなくなってしまいます。
そこで、空技廠は川西の技師に働きかけ、この技師の人脈につながる東大航研の所員を動かして、ようやく完成した層流翼型を手に入れます。これが使えるようになったことにより、ほとんど同じような雷電と紫電の間にやっといくらかの違いが生まれる。

それくらい、小さな所帯であり、研究に使える施設も限られていたのです。


発動機開発に関してもほぼ同じような感じです。
引用なし
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Re:基礎研究が不足している状況では道を広げられな...
 ロク  - 14/9/9(火) 18:09 -
  
> それくらい、小さな所帯であり、研究に使える施設も限られていたのです。

なるほど。。。エンジンでいえば、挑戦と保険をきちんと分けるだけのキャパがなかったのでしょうか。
ifを挿入したければ、WW1に参加、というぐらい大きなことになってしまいそうです。


> 胴体線図は翼型の回転形を基本に作られますから、まず、そうした翼弦長が小さくて矢高の大きな翼型で、かつ高速に適したものをあらかじめ持ち合わせていなければならないわけです。持ち合わせていなければ使えません。

ふたつ疑問です。
ひとつには、この縛りはどのぐらいキツいものだったのでしょうか? 日本では(慢性的な馬力不足を背景に)特にキツかった、ということはないでしょうか?
日本機は知る限り流麗ですが、イタリアやソ連、アメリカでもXSB2Dのように変に四角い飛行機(輸送機等でないのに)もありますし、F6FやP−47のように二階建てのものもあります。
NACAがあるアメリカ、使えるイギリス、中央流体研究所を持つソ連はともかく、イタリアとドイツではどの程度、このデータを持っていたのでしょうか? 両国とも、日本よりは機体形状がバラエティに富むように思えます。
日本人が生真面目すぎたような・・・

また、もうひとつは、データの持ち合わせがない時代から作っていた経験の影響はないのでしょうか? たとえば、高速化にはジービーレーサーのような方向性もあるという「アイディア」「勇気」を得られるかどうか、といった点で。F8Fの寸詰まりのモトがジービーだ、とは言いませんが・・・。無論のこと、次の段階ではアイディアを支えるデータが出てくるかがものを言うのでしょうが。
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思った以上に「流麗」なアメリカ機
   - 14/9/9(火) 19:07 -
  
> ひとつには、この縛りはどのぐらいキツいものだったのでしょうか? 日本では(慢性的な馬力不足を背景に)特にキツかった、ということはないでしょうか?

そのとおりです。飛行機の性能は「発動機出力の増大」「抵抗の減少」で決まる部分が大ですので、発動機出力に限界がありつつ過大な要求をされている場合には、徹底して抵抗源を潰してゆくしかありません。こうしたことは堀越奥宮『零戦』などからも、「何と何を整形したから、これで何ノット稼げた」というような話が盛んにされていることはよく読み取れるのではないかと思います。


> 日本機は知る限り流麗ですが、イタリアやソ連、アメリカでもXSB2Dのように変に四角い飛行機(輸送機等でないのに)もありますし、F6FやP−47のように二階建てのものもあります。

F6FもP-47も胴体の形状を平面形でご覧になってみてはいかがでしょう。
日本の機体とそれほど大きな考え方の違いは見いだせないはずです。
一言でいえば、F6FもP-47も胴体平面形は「流麗」なのです。

F6Fの場合、発着艦視界を確保するために風防を盛り上げ、その突出による抵抗を減らすため風防後方に背びれをつけています。
P-47の場合は排気タービンのためのスペースが必要です。

胴体断面を基本形状としての真円から楕円に引き伸ばしてゆくことは、内部にいろいろなものを仕込まなければならない都合上常道であることで、程度はともかくとして、日本の飛行機でもしばしば行われていることです。
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卵が先か
 ロク  - 14/9/10(水) 7:01 -
  
> 発動機出力に限界がありつつ過大な要求をされている場合には、徹底して抵抗源を潰してゆくしかありません。

細い胴体に合う小直径のエンジンにするから馬力が出ないのか、馬力が出ないからエンジン直径も胴体も細くしたいのか・・・


> 程度はともかくとして、日本の飛行機でもしばしば行われていることです。

その「程度」が結構ちがうなあ、という感じがしています。
YP−37では前後に並べたのを、P−47ではR−2800の全面投影面積からはみ出してもいいや、馬力が出るなら、と「割り切った」のではないか、この判断は日本では出来ただろうか・・・と。
引用なし
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Re:二種類あった
 ロク  - 14/9/10(水) 7:32 -
  
議論というより教えくださいになってしまっていますが、

> 冷却器の抵抗すら無くしてしまえる空冷倒立V型のようなものを目指そうとしていた。

冷却はどういう計算だったのでしょうか?
エンジン単体では細くできても、いざ機体と組み合わせた時、細い胴体から空気取り入れ口がぼこぼこ出っ張るようではだいなしですし・・・
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Re:二種類あった
   - 14/9/10(水) 12:25 -
  
> 議論というより教えくださいになってしまっていますが、
>
> > 冷却器の抵抗すら無くしてしまえる空冷倒立V型のようなものを目指そうとしていた。
>
> 冷却はどういう計算だったのでしょうか?
> エンジン単体では細くできても、いざ機体と組み合わせた時、細い胴体から空気取り入れ口がぼこぼこ出っ張るようではだいなしですし・・・

機首から空気を取り入れてV型に並んだ気筒列の真ん中を通し、バッフルプレートを使ってそれを12気筒それぞれに割り振って当てます。

もしくは、デ・ハビランド アルバトロスの用にダクトを使います。

この冷却をうまく設計できるなら、ラジエターがない分、水倒Vよりも「流麗な」機体が得られるはずでした。
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Re:卵が先か
   - 14/9/10(水) 13:26 -
  
> > 程度はともかくとして、日本の飛行機でもしばしば行われていることです。
>
> その「程度」が結構ちがうなあ、という感じがしています。
> YP−37では前後に並べたのを、P−47ではR−2800の全面投影面積からはみ出してもいいや、馬力が出るなら、と「割り切った」のではないか、この判断は日本では出来ただろうか・・・と。

雷電も紫電も、発動機の前面投影面積よりも胴体の最大厚の方がずっとある機体ですよ。
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想像ですが・・・
 おうる  - 14/9/10(水) 20:51 -
  
> 細い胴体に合う小直径のエンジンにするから馬力が出ないのか、馬力が出ないからエンジン直径も胴体も細くしたいのか・・・

 両方かと思いますが、どちらが最初かと言えば後者でしょう。
 考慮に入れるべきは液冷エンジン戦闘機の存在です。

 シリンダーの大きさはすでに限界に達しており、エンジンの出力を稼ごうと思えばシリンダーの数を増やすしかない。
 単列星型では7〜9気筒が限界だったところにV型エンジンが登場し、エンジン1基あたり12気筒までシリンダーを増やせるようになった。出力は単列星型の約1.5倍。
 その後、複列星型が実用化して14〜18気筒まで増やせるようになった。出力は(18気筒なら)V12の1.5倍にまで増やせるようになった・・・が、星型エンジンなので前面投影面積は2倍を軽く超えてしまう。前面投影面積と出力の比を液冷エンジン並みにしようと思えば、出力も2倍を超えてくれないと(少なくともエンジン単体で見る限り)勝負にならないが、そんな大出力は3列以上にしないと星型エンジンでは成り立たない。そして3列や4列なんてまだ誰も成功していない。
 1.5倍に満たない出力で半分の前面投影面積しかないエンジンを積んだ機体に対抗しなければならない・・・となると、一見無理のあるダイエットに挑戦してしまうのも致し方ないように思われます。

 そうなると、もしV型12気筒より先に複列星型が普及して世界の戦闘機の主流エンジンが空冷星型になっていたら、日本の星型エンジンの直径への要求も少し下がって、将来の出力向上を見越した余裕のあるものになったのだろうか?
 逆にV型よりも更に高出力で前面投影面積が小さいW型18気筒エンジンが成功していたら、日本のエンジン開発は液冷エンジンに対して史実よりも比重を置いたものになったのだろうか?
 というような疑問が湧いてきます。
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Re:卵が先か
 ロク  - 14/9/12(金) 8:31 -
  
エルエスの1/144でもふくよかさは覚えていますが、少なくとも雷電のそれは空力的な損を承知で、ではなかったのではないでしょうか。
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Re:二種類あった
 ロク  - 14/9/12(金) 8:34 -
  
> この冷却をうまく設計できるなら、ラジエターがない分、水倒Vよりも「流麗な」機体が得られるはずでした。

計画として残っているのなら、思いつきではなく、計算した上でのことだと思うのですが、どんな概算だったのでしょうか? 星形の複列三列の冷却、空冷列型の後ろの冷却が難しいという事例はまだ知られていないとしても、毎分2Lほどのガソリンを燃やし、熱量の概略8割を捨てるには・・・といった検討はなされていたと思うのですが。
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Re:想像ですが・・・
 ロク  - 14/9/12(金) 8:51 -
  
>  そうなると、もしV型12気筒より先に複列星型が普及して世界の戦闘機の主流エンジンが空冷星型になっていたら、日本の星型エンジンの直径への要求も少し下がって、将来の出力向上を見越した余裕のあるものになったのだろうか?
>  逆にV型よりも更に高出力で前面投影面積が小さいW型18気筒エンジンが成功していたら、日本のエンジン開発は液冷エンジンに対して史実よりも比重を置いたものになったのだろうか?
>  というような疑問が湧いてきます。

拝読して少し視野が広がった気がします。
ある時点における性能向上の制限要因と、その時点で予測されていた次世代での制限要因と、両方を上手く理解できればいいのでしょうが、特に後者には無知を恥じるばかり。

前面投影面積あたり馬力と、馬力当たり重量のどちらが重要かとか、
高過給への対応性の重要度とか、
最終世代ではプロペラ効率が制限要因になるから馬力さえ出ていればわりと何でも同じとか、

いろいろ移り変わり、予測もまた移り変わり、ということでしょうか。
そして、日本が踏ん張るべきだった30〜35年くらいに次世代液冷の基礎習得に挑戦したが実らず、と・・・
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Re:二種類あった
   - 14/9/12(金) 9:56 -
  
> 星形の複列三列の冷却、空冷列型の後ろの冷却が難しいという事例はまだ知られていないとしても、毎分2Lほどのガソリンを燃やし、熱量の概略8割を捨てるには・・・といった検討はなされていたと思うのですが。

気筒列の真ん中にクールな空気を通し、それを1気筒ずつに当てるわけですから、複列三列星形の場合のように前列で温められた空気が後列に向かうというのとは多少理屈が違うわけです。
違うからこそ注目する向きもあったのだと思っています。

ただまあ、うまくはいってないわけですね、これが。
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Re:卵が先か
   - 14/9/12(金) 15:31 -
  
> エルエスの1/144でもふくよかさは覚えていますが、少なくとも雷電のそれは空力的な損を承知で、ではなかったのではないでしょうか。

それは違います。
空力的な得失でいえば、高速機としての「得」をとろうとしてのことです。

あれはもともと、海軍航空廠科学部で栄のような星形空冷発動機を、DB601装備の場合と同じくらいまで抵抗を減らして装備できないか、という研究があって、その結果を火星に拡大したものです。

そのこと自体は雷電でも功を奏しているのですが、要求を実現できるところまで抵抗を減らそうそして操縦席を埋め込ませたり、表面積を減らそうとして胴体断面を円に近くしてしまったために、視界が問題になってしまったのです。
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再び、どういう時期だったのか
   - 14/9/12(金) 18:47 -
  
> いろいろ移り変わり、予測もまた移り変わり、ということでしょうか。
> そして、日本が踏ん張るべきだった30〜35年くらいに次世代液冷の基礎習得に挑戦したが実らず、と・・・

昭和10年頃というと「単葉」「密閉風防」「片持ち式一本脚」または「引込脚」「沈頭鋲」「表面平滑塗装法」と、機体設計における空力的な改善がひとときに訪れた時期です。これらは全然別個な技術なようで一体に関連したものだったのですね。
そうしたひとつひとつで稼ぎ出した何ノットかを総和して速度を向上させるという。

空倒V、水倒Vへの注目もそうした一連の中で起こったことだと理解しています。せめて星形空冷でそこへ近づけないかとした瑞星も、です。

日本では、そのようにして機体設計の流体力学的改善が実用的なデータを残し始めて、はじめて火星のような大直径発動機を搭載した上で同じことができる余地はないかとなって、雷電や強風、閃電のような方向性へ進んでみることも出来るようになったわけです。一足飛びに、ではなく。
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Re:卵が先か
 ロク  - 14/9/13(土) 8:04 -
  
> 空力的な得失でいえば、高速機としての「得」をとろうとしてのことです。

二重否定がわかりにくかったですね、ごめんなさい。

雷電は空力の得のため太くしたが、P−47は空力的な損を承知で熱対策を優先したのではないか、と言いたかったのです。
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Re:再び、どういう時期だったのか
 ロク  - 14/9/13(土) 8:15 -
  
> 日本では、そのようにして機体設計の流体力学的改善が実用的なデータを残し始めて、はじめて火星のような大直径発動機を搭載した上で同じことができる余地はないかとなって、

アイディアは(ジービーはともかく)I-15、I-16、F3Fなど見て知っていたが、横目で見るだけで自分たちでは単純な頭でっかちの大直径単胴は試作はしなかった。
A5MもP-26式に、あるいはブルドッグ等と同じく、胴体扱いはクランクケース、シリンダは突起物的扱いであった、このシリンダの出っ張りが嫌で嫌で細いエンジンに恋した。

データが紡錘理論としてまとまって初めて雷電的な太胴、という流れでしょうか。
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Re:再び、どういう時期だったのか
   - 14/9/13(土) 10:03 -
  
> > 日本では、そのようにして機体設計の流体力学的改善が実用的なデータを残し始めて、はじめて火星のような大直径発動機を搭載した上で同じことができる余地はないかとなって、
>
> アイディアは(ジービーはともかく)I-15、I-16、F3Fなど見て知っていたが、横目で見るだけで自分たちでは単純な頭でっかちの大直径単胴は試作はしなかった。
> A5MもP-26式に、あるいはブルドッグ等と同じく、胴体扱いはクランクケース、シリンダは突起物的扱いであった、このシリンダの出っ張りが嫌で嫌で細いエンジンに恋した。
>
> データが紡錘理論としてまとまって初めて雷電的な太胴、という流れでしょうか。

九七戦はノモンハンでI-16と対峙していますが、九七戦の方が水平最大速度で優速でした。
しかも、この九七戦は試作時に、翼の長い軽戦とするか、翼面積の小さい重戦とするかで議論があり、結果として翼の長い方(抵抗の大きい方)に寄せた設計で完成させられたものです。
なので、次のものとしては、さらに速度を向上させる方策として翼面積を小さくしたキ四十四へ向かっています。
I-16の胴体設計には特に魅力は感じられなかったのではないでしょうか。
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日本機の方がなりふり構わなくなってゆく
   - 14/9/13(土) 10:16 -
  
> 雷電は空力の得のため太くしたが、P−47は空力的な損を承知で熱対策を優先したのではないか、と言いたかったのです。

空気吸入をある程度優先して機首を短くした点では、紫電改、烈風A7M2も同様です。
最も原理主義的っといってよいかもしれない十五試水戦からスタートし、紫電、紫電改試作機と経て、紫電改量産機はカウリングの前の方を短縮して前面開口を大きく取るようになっています。
http://www.warbirdphotographs.com/NavyJB&W2/N1K-50.jpg
烈風もA7M1からA7M2にかけて同様なカウリングの形状変化があります。


それでもしかし、P-47の方がよほど空力的には上手くまとめてると思うのですが。

http://ja.wikipedia.org/wiki/P-47_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)#mediaviewer/File:Republic_P-47N_Thunderbolt_in_flight.jpg

そして、そのP-47はH型、J型、XP-72の方に向かうようになってゆきます。
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追いつめられての改修ではなく
 ロク  - 14/9/14(日) 8:18 -
  
開発は連続的ですから、たいていの新工夫は「改修」と解することもできてしまいますが、また、細かな空力処理の上手下手の話でもなく、

新規設計時の基本的な配置案について、

日本では狭い枠があったのかなあ、と思えるのです。

前面投影面積が小さいYP-37、YP-39だけでなくYP-43配置も試みた割り切り(XP-72でも子持ちシシャモのままですし)。
あるいは内翼ラジエターを諦め、液冷なのに空冷なみの前面投影面積として、でも早く戦力化できたタイフーン/テンペストのあごの割り切り。
タテに並べたF4Uと違って二階建てにしたF6Fの割り切り。
雷電はこちらに近いと感じてはおります。

その時はキ−27のほうが優速であっても、先々の事情によっては使えるかもしれないとて、「ああいう手もあるんだな」と研究しなかったのかなあ、と不思議なのです。
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胴体について
 じゃま  - 14/9/14(日) 16:28 -
  
> あれはもともと、海軍航空廠科学部で栄のような星形空冷発動機を、DB601装備の場合と同じくらいまで抵抗を減らして装備できないか、という研究があって、その結果を火星に拡大したものです。

空技廠の実験は、プロペラの無い状態で行われたのではなかったのでしょうか。
プロペラ後流は拡大流なので、ああいう飛行船みたいな紡錘形が最適とは言えない。

Fw190も二式単戦も、頭でっかちは承知の上で、後方をぎゅうぎゅう絞って
600km/hを超えている。
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エンジンの
 じゃま  - 14/9/14(日) 16:48 -
  
> > 雷電は空力の得のため太くしたが、P−47は空力的な損を承知で熱対策を優先したのではないか、と言いたかったのです。
>
> 空気吸入をある程度優先して機首を短くした点では、紫電改、烈風A7M2も同様です。
> 最も原理主義的っといってよいかもしれない十五試水戦からスタートし、紫電、紫電改試作機と経て、紫電改量産機はカウリングの前の方を短縮して前面開口を大きく取るようになっています。
> http://www.warbirdphotographs.com/NavyJB&W2/N1K-50.jpg
> 烈風もA7M1からA7M2にかけて同様なカウリングの形状変化があります。

空気吸入には、開口面積の影響はそれほど大きくない。
500km/hで飛んでいるときの動圧は750mmHg程度です。
過給器のギア比を変えたほうが簡単であるけど、それに喰われるパワーがもったいないから少しでも開口面積を増やす、でも空気抵抗は増える、という、なりふり構わない状況ですかね。

そして、空気抵抗と冷却のトレードオフですが、空気抵抗を減らすほうが、はるかに良い。
なぜかというと、空気抵抗は速度の2乗に比例して増えるが、冷却のほうは、だいたい0.8乗でしか良くならない。

空気抵抗を減らすのに注力する方が、ずっとお買い得です。
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堂々巡りになってますが
   - 14/9/15(月) 6:20 -
  
> 新規設計時の基本的な配置案について、
> 日本では狭い枠があったのかなあ、と思えるのです。

> 「ああいう手もあるんだな」と研究しなかったのかなあ、と不思議なのです。

・日本では、基礎研究が不足し、もっていないデータもあったので、使える「手」が少なかった。

・基本的に日本の航空工業会は器が小いものでしかなかったために、脇道へそれるような研究にまで動員できる人材の絶対数がなかった。

先に述べた以上2点でだいたい理解可能なことだと思います。
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Re:エンジンの
   - 14/9/15(月) 6:58 -
  
下の「胴体について」も同様ですが、じゃまさんの論は「なぜそうなってしまったのか」を解決しようとしないところに特徴がありますね。
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Re:胴体について
   - 14/9/15(月) 7:02 -
  
> 空技廠の実験は、プロペラの無い状態で行われたのではなかったのでしょうか。
> プロペラ後流は拡大流なので、ああいう飛行船みたいな紡錘形が最適とは言えない。
>
> Fw190も二式単戦も、頭でっかちは承知の上で、後方をぎゅうぎゅう絞って
> 600km/hを超えている。

その辺のことはこれまでにもあちこちで書かれてきたことですよね。

ちなみに、キ四十四の600km/h超えは外鈑の継ぎ目をパテ埋め、目張りするなどしたカスタム仕様の実験機によるものです。

キ四十四が胴体を絞っているのはまず間違いなく糸川英夫技師によるものですが、
・彼はそれをどこから得たのか。
・それはなぜ陸海軍全体で共有されなかったのか。
・キ四十四実機を見た空技廠科学部は特にはリアクションを起こしていないように見えます。なぜか。

これらの答えにはひょっとしたら合理的ではないものも含まれているのかもしれません。
しかし、そうした非合理まで含めて「歴史」なのです。
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