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開戦と日米中の三角関係 ダッチ・カイザー 14/6/8(日) 10:36

目的と手段と結果 ささき 14/6/15(日) 5:30

目的と手段と結果
 ささき  - 14/6/15(日) 5:30 -
  
> > 日本:「日本の生命線」と内外に喧伝した満州の保全が日本帝国の命題ですが、満州保全のために中国へ武力侵攻する必然性はよくわかりません
>
> わたしも、どうして日本が大陸に大兵力を展開していたのか、わからないでいますし、人にも説明できません。
(中略)
> その上で戦争をやれば、戦時需要ができて、全て解決できる。
> WW2は必然だったかもしれない。

日本の中国侵攻は結果的に国内景気の回復につながりました。京都で呉服屋をやっていた友人の御祖母が「中国で戦争が起こると、今まで売れなかった高価な着物がどんどん売れるようになって儲かった」と語っていた、とまた聞きしたことがありますし、これに類する話はあちこちで目にします。

ただ、それはあくまで結果論であって、「経済効果を狙って戦争を起こした」わけではないでしょう。日本にとって中国は(物凄く身勝手な話ですが)資源産地であり製品輸出国でもあって、その中国が各種勢力の勃興と内戦を繰り返す政情不安にあり、たびたび起こる外国人排斥運動で日本人居留区も襲撃を受け、それら反日勢力を鎮圧し日中関係を安定させることが目的で、その手段が軍事力の行使=戦争だったのではないでしょうか。
直結すると「経済効果を狙って戦争を起こした」ことになりますが、中国に安定した親日政権が出来るのであれば方法論は戦争でなくても何でも良かったはずです。しかし日本は現地関東軍の暴走にも引きずられて安易な方法論=戦争に走ってしまい、それは短期的には経済的効果をもたらしたけれど、長期的には中国内の反日勢力増加を招いたばかりか、アメリカを筆頭とする西欧諸国からも総スカンを食うことになった悪手でした(その結果が前スレッドの真珠湾攻撃=対米戦争です)。

> おもしろいことに、どの国でも産業革命をやると、かならず人口が増えるんですよ。
> 農村の余剰労働力は都市に移動すればよいが、都市で労働需要が無ければ行きどころがなくなって、スラムができたりする。
> 日本も、その例にもれず。
>
> だから、余剰労働力たる農家の次男坊、三男坊を大陸に送って自弁させていた、というのが支那派遣軍の実態だったのではないか。

日本の場合、以前から「余剰労働力たる農家の次男坊、三男坊」の海外殖民をやっていたことはご存知かと思います。ハワイに農業労働者として移民したり、ブラジルに開拓農民として移民したり。ただこれらの殖民運動は問題も多く、殖民先の日系人は劣悪な労働条件や人種差別で辛酸たる御苦労をなさっています。
日本が宗主国の立場にある殖民地が作れれば、こんな苦労は一挙に解消するはずです。そしてそれを実現した(筈だった)のが満州国でした。日本で職にあぶれる余剰労働力を満州国に開拓農民を送れば少なくとも自給自足の生活、あわよくば農産物輸出で利益まで上げられる(日本帝国にとっては格安で食料資源が輸入できる)体制が作れる目論見でした。

これに対し「中国で戦争を起こし、そこに兵隊を送り込んで現地調達でメシを食わせる」というのはいかにも効率が悪い方法です。食料だけは現地調達できても被服も兵器も税金調達の持ち出しです。戦死傷者が出れば遺族年金や傷痍保障も払わなければなりません。最初からそれ(戦争による経済活性化と国内食料需要の減少化)が目的だった、というのは私には納得しかねる仮説です。

それでは何故「満州自衛」というにはあまりにも多くの派遣軍を送り、満州国境からはるか離れた奥地まで戦争の手を広げたのか、というのは私にもわかりません。バカな話ですが、手段が自己目的化してしまったのでしょうか。
引用なし
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