|
> わかりました。
> もっと具体的に要求します。
> 「全ての燃料タンクに防漏ゴムを張る。
> 操縦席の風防前面に70mm厚の防弾ガラスならびに操縦者座席の頭当てと操縦席後方に13mm厚の防弾鋼板を装備すること。」
作ろうとしているのが艦戦なのだとしたら、この要求は下されないか、あったとしても極めて限定的なものとなったでしょう。
というのは、防弾に重量を割くことイコール搭載量の減少だからです。
操縦者防御と並んで重要なのは可燃物を中に詰めた燃料タンクの防御ですが、その防弾法は被弾孔をゴムで塞ごうとするのが一般的です。しかし、内袋式にすればその分タンクの容量は少なくなりますし、タンク外側へゴムをまとわらせるにしてもゴム分だけタンクを小さくしなければならなくなります。
実際に、烈風では艦戦型では防弾せずに燃料を多く積み、局戦型では燃料が減っても防弾に重きを置く方針が採られています。
その反対に紫電改は、局戦型ではあった防弾ゴムを、艦戦型では外して燃料容量を多く確保しようとされていました。
防弾があるに越したことはもちろんなのですが、洋上での攻撃距離、帰投距離の大きさへの配慮あるがゆえに、この時期の日本海軍の艦戦に防弾要求を持ち込むのはちょっと考えなければならないところなのです。
|
|
|