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火星で戦闘機を作るとどうなるかは雷電を見ると判りますよね。
速度と上昇力を最優先に考えた史実の火星搭載戦闘機が時速600km/hを超えられません。
となると、そこに燃料を増加すればどうにもならないことはよく考えれば誰にでも判ってしまします。
航続力=燃料搭載量ですから、栄クラスで時間当り120リットルから130リットル、金星クラスなら150リットル、それより上ならもっと、と馬力のある発動機であればあるほど燃料をたくさん必要とします。
要求が適当かどうかではなくて、できるか、できないか、の問題なんですね。
(あと、カッコよく見せるために1075浬といったメートル法から換算したことがバレるような数字は設定しないようにしましょう。浬の方を切りの良い数字にすると海軍らしく見えます。)
そして大切なのが、その計画要求をどんな立場の人がどんな戦いをするために必要としたのか、を考えることです。
私は爆装が非常に目立ちましたから、昭和16年度に艦上爆撃機を艦上攻撃機とではなく戦闘機と統合する着想なのか、と思いました。
でも、爆装は引っ込めちゃうんですよね。
兵装も20ミリと13ミリの組合せは烈風と同じですから昭和14年、15年頃の13ミリ機銃への期待を反映して13ミリ機銃が肝なのかと感じましたが、これも引っ込めて、20ミリ×4に7.7ミリ×2という大口径主義の20ミリ兵装に尾てい骨みたいな7.7ミリ×2が付いてしまうとまたまた何を主眼にそう要求されているのか判らなくなります。
昭和16年度に試作発注される艦上戦闘機というのは、もともと艦上戦闘機の試作発注が予定されていた16年度に零戦の後継機がスケジュールを守って計画されたら、という仮定なのだと思えるような設定ですから、普通なら零戦の延長線上に機体を考えることになりますし、何か別の方向性を付け加えるなら、それこそ250kg爆弾の装備など、面白い要素を生かして仕上げるのが楽しそうです。
航続力を1075浬にすると艦上戦闘機として運用に支障が出るかどうかも、どんな考えを持った人達が、どんな戦いができないから支障が出るのか、その代りに何を得るから良いと考えられたのか、といったことをまず、想像してみましょう。
架空の軍用機をリアルに考え出すのは面白いけれどけっこう大変な仕事なんです。
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