日本の艦戦は一貫して零戦一点ばりであったが、米海軍はF4F、F6F、F4Uと三段
構えで質的にも量的にも、着々と発展、充実させてきました。
発動機の馬力からいっても、開戦当時の零戦21型は940馬力で最後の52型が1130
馬力であるから その発展性はしれたものですが、一方アメリカはF4Fが1200馬力で、
終戦時のF6F、F4Uは2400馬力であり ちょうど2倍に強化されています。
また戦闘機に対する戦術的な概念から、設計開発思想、操縦術、整備法まで、
あらゆる点で大き差がありました。
例えば軽快な機体による巴戦法は日本人パイロットの得意であったけれど、飛行機の
速度がはやくなるにつれ この戦法はつうじなくなっていきます。
特に高速チームワーク戦闘機の時代に移った太平洋戦争中旬頃からは、近接旋回による
追尾戦術には米軍側がのってこなくなりました。
日本の九六艦戦から続く零戦は、たしかにすばらしい発展をした機体であった
が、米英の立場からみると 依然とした空戦性能の良い軽戦闘機でした。
米国は日本からみれば あきらかに重戦である機体を、一貫して能率的に量産し
東西の戦線に投入しながら、戦局を挽回していきます。
その後 真のZEROキラーとして開発されたF8Fですが、すでに日本には空母が無く、
未完成のライバル烈風も戦力化しないうちに終戦となります。
F6Fを小型化したF8Fと、零戦を大型化した烈風の決戦・・・さてどちらに軍配が?
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