全翼機の試作はドイツ独自の分野ではなく、その他の国の例を紹介します。 ノースロップ XP-56 ブラック・ブリット 米国 全翼機の研究していたジョン・ノースロップが開発した、尾部に二重反転式プロペラと マグネシューム合金骨格を全面的に採用した ユニークな形状の機体でした。 主翼端ちかくから下半角をつけて そこにエレポンを設け、尾端のコントラ・プロペラの 前方上下に垂直尾翼を持った構造でした。 所定の性能がだせずに計画は中止となりました。 ボート XF5U-1 米国 円型主翼の両端に大直径プロペラを突き出し、逆方向に回転させることにより、 ヘリコプターなみのSTOL性能をもつ機体で、離空滑走距離6mという大成功をおさめた。 この円型翼後端の両側に突き出しているのは、水平尾翼ではなくエレポンです。 海軍むけに開発が進められたが、初飛行をみずに計画は中止された。 また その独特のスタイルから「フライング・パンケーキ」と呼ばれました。 カリニーン K.12 ファイアバード ソビエト 1936年に設計された異様なスタイルの全翼機で、胴体中央部から前はふつうの双発機 だが、後部は尻きれトンボで 主翼両端に小さな垂直尾翼をつけた機体です。 それでいて安定性はよかったようで、胴体前後に砲塔を設けて爆撃機とする予定 だったが、スターリンの粛清の嵐の中で消えていきました。また「火の鳥」の愛称は、 機体全体に羽根模様、機首側面に目玉が描かれた事に由来してます。