双胴機といえば いうまでもなく左右2本の胴体をもち、主翼と尾翼でそれぞれ 結合された飛行機です。現在ではこの型式をあまりみかけませんが、黎明期から 第一次大戦にかけては多くが、エンジンを複葉中央においての推進プロペラ式であり 必然的に双胴型式を採っていました。 その後 牽引式時代になってもこの型式は、胴体を前半で切って尾部を別にする ことにより、そこに推進式動力や大型銃座、あるいは双発機の場合では機首部に 重武装を設ける事が可能となり、その他にもパラシュート部隊員や貨物の投下、燃料槽 の胴内増設等の利点がありました。 まぁ この型式で有名なのがロッキード P-38 ライトニングではないでしょうか。 米国はこの型式を戦闘機に好んで採用しており、その他にも夜間戦闘機ノースロップ P-61 ブラックウィドーがありました。 一方ドイツでは、視界性の利点をいかした偵察機や輸送機として運用されましたが どちらかといえば、米国と比較すると地味な存在であったようですね。 フォッケウルフ Fw189 ウーフー 1941 全周視界をもつ3座の観測機で、中央に前後に大きな透明部をもつキャビンを配した 双胴型式を採用した革心的な機体であったが、軍当局の無理解により生産に移行 するのが大幅に遅れますが、結局864機が完成し多用途機として活躍しました。 ブローム・ウント・フォス Bv138 1940 ハンブルグ航空機製造会社が1937年に開発した3発の飛行艇Ha138を、親会社の同社が 改良してBv138と改称したもので、牽引式のエンジンを高翼式の主翼の上に配置し、 その機体を大型化し、離着水性能の安定性を高めた双胴型式の哨戒艇です。 その信頼性と稼動率のよさで活躍した機体でした。 ゴータ Go244 1942 ドイツの主力侵攻グライダーとして用いられた、双胴の大型グライダーがGo242で、胴体は 鋼管フレーム構造で羽布張り、主翼は木製と簡単な構造でしたが実用性は高かった。 フランス戦が終了後に、同国製のノーム・ローン14Mエンジン、一部はソ連のI-16戦闘機のM-25 エンジンを装着して動力化されたのがGo244でしたが、馬力不足でGo242のような活躍 はできませんでした。