作戦要務令

第四部


上陸戦闘

第2章 上陸戦闘実施

第1節 上陸戦闘一般の要領
第4款 上陸指導勤務
  1. 第71
    上陸海岸は、軍隊、荷物、材料等の為甚だしく混雑を来し易きを以って、之が指導、整理を適切ならしむるは上陸戦闘に於いて特に緊要なり
  2. 第72
    師団長は速やかに幕僚を重要なる上陸海岸に先遣し、上陸及び上陸後の戦闘を指導せしむ
    戦闘進捗し、師団長海岸付近より前進するに方りては、幕僚を残置して前項に準じ其の業務を継承せしむるの外、引続き上(揚)陸する軍隊(軍需品)を適切に区処し、其の第一線への追及をして密に作戦の要求に即応せしむ
    此等幕僚の位置は之を標示するを可とす
  3. 第73
    主要なる各部隊の指揮官は、適任の将校を第1回上陸部隊と共に上陸せしめ、部下部隊の連絡員を指揮し、先遣幕僚、揚陸作業隊、要すれば輸送指揮官と連絡して、各部隊の上陸ならびに戦闘進捗の状況を明らかにし、当該部隊の上陸を指導せしむ。而して、上陸指導将校の位置は之を標示するを可とす
  4. 第74
    各部隊長は引続き上陸する部下部隊との連絡の為、海岸附近に所要の連絡員を配置し、第72に準じ部隊上陸後の行動、特に戦闘加入を適切ならしむ
  5. 第75
    輸送指揮官は既に上陸せる兵力、上陸終了の予定時刻等を、適時揚陸作業隊、上陸指導将校に通報するを要す
    状況に依り、輸送指揮官は上陸指導勤務の為、所要の陸上勤務員を派遣することあり