年越し蕎麦の由来
稲作は天候に左右されます。田植え時期の水不足。生育時の旱魃や冷害。それに害虫や台風の 被害。秋の取り入れの時期に収穫が見込めない場合、昔は早めに米を諦めて田圃に蕎麦を蒔いて いました。蕎麦は生育が早く、三月程度で収穫できます。そのうえ、土地も選ばず施肥の必要も ありません。 私の育った田舎では、杉や檜を伐採したあと地で小枝などを清掃して焼きます。そして、蕎麦 を蒔いていました。手入れもせず肥料を遣らなくても蕎麦は育ちます。そして蕎麦を収穫した後 に杉や檜の苗を植えていました。 どんな飢饉の年でも、蕎麦に不作はありません。年の瀬を迎え、蕎麦のお陰で今年も年を越す ことができますとの感謝の念で「年越しそば」を頂いたのです。 子供の頃は「引き臼」を使って蕎麦粉は自家製でした。これを熱いお湯で捏ねて「そばがき」 と言って食べていました。砂糖などを加えなければとても喉を通るものではありませんでした。 今はつなぎの工夫や味付けにより、美味しく戴くことができます。 蕎麦畑とお蕎麦