蒼空の果てに

      朝凪さんへ。 (15−10−17)

 「最後の親孝行」の福田君の遺品展が小郡市の三国郵便局で、お盆をはさんで行われま
した。遺書や写真などが展示されました。私はご自宅にお伺いして佛前に焼香してまいり
ました。母上とは以前、甲飛会の慰霊祭などで何度もお会いしたことがあります。今回は
ご高齢のためお話はできませんでした。戦死されてから58年の長い間、どんなお気持ち
で過ごされたのでしょうか。親に先立つことが本当に親孝行なのでしょうか。考えさせら
れました。



 ある年の同期生の慰霊祭で、ある母親が申されました。
「利夫は本当に親孝行者でした。今でも欠がさずにあの世からお金を送ってくれます。
それなのに、他の兄弟はいい歳をして、時々小遣いをせびりにくるんですよ」
(あの世から送られるお金とは、遺族扶助料のことと思います)

  さて、本当の親孝行とは何でしょうか。金銭に代えられない、何かがあると思います。
私は戦没同期生のご遺族の方と今でも交流を続けております。ご遺族の皆様方もご高齢と
なられました。あの世とやらで、先に逝ったご子息に再会されたとき、どんな話をされる
のでしょうか。

 私の願いは、親子が抱合っての再会を喜ぶ姿を想像しております。私も間もなく、先に
逝った同期生と再会して、戦後の推移やわが国の現状を報告したいと思っております。
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