興国寺
北九州国定公園、福智山のふもと上野の里に、大きな山門のある寺があります。今から700年前、
足利尊氏が全国66か所に建立した安国寺の流れをくむ「興国寺」という曹洞宗の寺です。
開祖元晦禅師の像は、その眼の入れ方、顔の左右不均衡のつくりなどに、鎌倉時代の様式を色濃
く残しています。境内には、足利尊氏が身を隠したと言われる洞窟があります。上野村出身の童謡
作家、河村光陽氏はこの寺の思い出を「山寺」という曲に残しています。
また境内の古木「墨染めの桜」の由来は、蕾の風情とともに語り継がれています。興国寺に残る
足利尊氏の手紙や後醍醐天皇の綸旨は、昭和31年に、県の有形文化財に指定されました。
古刹「興国寺」