2001.11.13
本来なら、資料も揃い「タングステンと大日本帝国」を書かなければならないのですが、なんとな〜く書く気にならず、読書をしております。そこで気になる話が在り、家の本棚をゴソゴソと調べて見ました。
「潜水艦諜報戦」S・ゾンタク、C・ドルー、A・L・ドルー、平賀 秀明訳新潮OH文庫の中で、敵国潜水艦「ガジオン、SS-567」(タング級でしょうか。最近とんと世界の艦船を開く気力を失っている為、まあ〜どうでもいい。)が北太平洋でソ連の水上艦艇と鬼ごっこをして追い詰められてしまい、艦内の空気が汚れ、二酸化炭素と一酸化炭素が危険なレベルにまで達してしまい、二酸化炭素は薬剤に吸収させる事ができるのですが、一酸化炭素に対しては打つ手が無いという話がありました。これはシュノーケルで航行していても急速潜航時には少量ですが一酸化炭素が艦内に入り込むためらしいのです。先日、新宿歌舞伎町で起こったビル火災でも分かる通り、一酸化炭素は低濃度でも致命的な結果を引き起こします。
たしかに日本海軍でも二酸化炭素を吸収缶で除去する話はよく目にしますが、(大家さんが書いております。)一酸化炭素の話は記憶にありませんでした。
敵国でも艦内に入り込んでくるのですから、通常の急速潜航時やシュノーケル使用時には多少は日本の潜水艦でも一酸化炭素が入り込んだのではないでしょうか?
そこで、取り合えずこの話が載っていそうな海軍の軍医さんの回想記を調べてみました。潜水艦勤務の軍医さんたちの多くが酸素不足や二酸化炭素については書いているのですが、一酸化炭素についてはまったく言及していません。ただ、「日本海軍潜水艦史」においてシュノーケル使用時に一酸化炭素の発生が予想されると書いてありました。
引用・参考文献
- 「わだつみに戦う」 昭和十五年桜医会編集委員会
- 昭和53年8月発行
- 「温故知新」 桜医会出版部
- 平成5年7月24日発行
- 「海軍医務・衛生史」 柳原書店
- 昭和61年2月28日発行