航空兵操典空中戦闘抜粋


今回は航空兵操典第2部 昭和16 3 30、81ページからの抜粋です。
ただし、これは昭和16年3月、現場に並んでるのが2単はおろか隼すら無い、未だ97戦の頃のものです。
やっぱノモンハンはショックだったのでしょう・・・

第2章空中戦闘

第220
空中戦闘は速戦即決を以って本旨とす而して奇襲、制高及び近迫攻撃は之が要道なり

第221

攻撃方向は奇襲の能否、彼我の態勢及び速度、敵機種及び兵力、太陽の位置、気象等に依り差異あるも敵の弱点に乗じ旦最もわが射撃効力を発揚し得るごとく選 定す

第222
敵機を撃墜するには操縦者を射殺するを最も利とす油槽及び発動機も亦有数なる射撃部位なり
射撃は其の特性上近距離において精密に照準したる場合にあらざれば効果を期し難く且敵に近接するに従い
其の命中は益々良好なり故に敵を奇襲し得たる場合においては至近距離にて射撃を開始すること緊要なり

第223
戦闘間は相対する敵以外に対しても警戒を厳ならしむこと緊要なり追撃戦闘に於いて特に然り
不意に敵に射撃を受けたるときは直ちに急激なる機動に依り射撃を回避すると同時に機を逸せず主動的戦闘に転ずること緊要なり

第224
弾薬は常にこれが節用に勉め縦い至近距離に在りても精密なる射撃を持続し必中を期し得る場合の外妄りに射撃すべからず

第225
単座機相互の戦闘に方りては主動先制を以て其の機動を律すると共に特に旺盛なる攻撃精神を持続し敵機の性能に応じ我が最も利とする特性を遺憾なく発揮する こと緊要なり
単座機に対しては状況を要する場合の外低位より戦闘を開始するは厳に之を戒む

第226
敵単座機単機を攻撃するには急降下攻撃に依るを最も利とす

第227
急降下攻撃は第1撃を以て敵機の撃墜を期す若し我が攻撃に対する敵の機動適切にして一挙に敵に近迫し致命的打撃を加えざる場合においては爾後攻撃を反復続 行し速やかに之を撃墜す

第228
急降下攻撃に方りては適切なる突進を以て終始敵を圧迫し之に動作の自由を興へざるを要す之が突進には常に速度を保有して敵に近迫し且其の余力を以て上昇し つつ爾後の突進に有利なる態勢を獲得するに勉む

第229
攻撃続行中我が態勢急降下攻撃に依る能はざるに至るや機を失せず一挙に敵の後方至近距離に追随占位し以て死命を制せざるべからずこの際好機を逸せる時は残 余を残存高度の優越を活用して逐次に圧迫し飽くまで追随占位を企図す

第230
敵単座戦闘機の攻撃を受け低位より戦闘する場合に於いては我が速度の保有、距離及び機動の経路を適切にして敵の過速、失速等に虚に乗じ先ず方向上有利なる 態勢を獲得し以て敵をして高度の優越を放棄し追躡に移るを止む無きに至らしめその追躡企図を機先を制して態勢を逆転し死命を制す

第231
敵単座機編隊を攻撃するには勉めて奇襲に依り然らざれば十分制高の利を占めたる後、一撃を以て敵編隊長機を撃墜し其の混乱に乗じ逐次敵機を撃墜するを可と す状況に依り攻撃容易なる敵機より攻撃するを可とすることあり而して戦闘間は敵全機の態勢に注意し有利なる態勢を保持して迅速に戦闘の目的を達成すること 緊要なり

第232
敵単座機編隊の攻撃を受けたるときは我に最も危害を及ぼす敵機に対して戦闘しこの間絶えず全般の態勢に注意しつつ敵を分離又は撞著混乱せしむるに勉め 好機に乗じて各個に之を撃墜す



複座機相手の時も書かれていますがめんどいので省略します(ぉ
まあ機動性を生かし旋回戦やれだそうで・・・