空中戦闘教程からわかる陸軍航空隊空中戦闘の沿革


空中戦闘教程の沿革のページは実は半分以上が1次大戦の歴史だったりします。
ここにかかれているのは沿革の半分にも満たない所だったりするのです。
本当はそこも書きたいのですが時間と本人の怠慢により日中戦争以後で勘弁してください(^^;;

では以下空中戦闘の沿革を・・・


シナ事変前の状況(怠慢により概要メ モ)
戦闘機無用論・ドーウェ理論(爆撃万能)の台頭
裏にはアメリカの商業輸送機の速度増大
高高度爆撃
爆撃で戦艦を沈めれるかの研究

シナ事変後
満州上海事変に於いては真の空中戦なく敵又空中勢力微弱なりし為我が航空戦力は圧倒的なりしも
シナ事変勃発するやシナ空軍は特に「ソ」連の援助に恃む所在りて戦闘隊充実せしめ時として
大空中戦を生起せり常時シナ軍の使用せしはN15、N16(原文ママ)等なり
昭和14年春「ソ」満国境に所謂「ノモハン」事変発生するや約半年に亙り日「ソ」空軍
特に戦闘隊は「ホロンバイル」上空に死闘を演じ我が戦闘隊は常に数倍の敵に対し圧倒的の勝利を獲得せり
本事変に於ける最大の教訓は制空権なき所地上作戦の遂行は固より空中他分科の行動は殆ど不可能事たりしことなり

昭和16年12月8日大東亜戦開始せらるるや満を持せる我が陸海航空部隊は
一挙にして遠くマレー半島より比島ハワイに至る攻撃を慣行数日を出でずして制空権を獲得し
特に「ハワイ」真珠湾及び「マレー」沖に於いては一瞬にして空軍を以て不沈と称する戦艦を轟沈以て従来の定説を覆せり
「マレー」「ビルマ」「ジャワ」「スマトラ」「ソロモン」「アリウシヤン」の戦場に樹立せられたる赫々たる戦果は航空勢力の圧倒的優勢下於いてのみ能く実 施し得たるものなり
而して其の空中威力の根幹は賓に戦闘隊にして精強無比の戦闘隊が戦場上空に完勝し制空権を把握しあるときに於いてのみ空陸海の作戦は順調に実施し得るなり
制空権無き作戦の如何に困難且悲壮なりしやは「ガダルカナル島」「アッツ島」の戦史血涙を以て教わる所なり
又独軍の「ロンドン」攻撃の例に微するも亦明らかなり即ち現在に於いては
航空勢力無き所空陸海の作戦は成立為し得ず且戦闘隊無き所制空権も亦把握し能はあらざるものとす

わが国の戦法の変遷
空中戦闘は記述の如く同乗者相互の戦闘より遂に操縦者による格闘戦に移行せり
而して大戦間に於いて最も発達をとげ空中の覇者たりし戦闘操縦者すなわち「アス」(文面から見ても判ると思いますがエースのことだと思います)はわが国空 中戦闘に於いても厳然たる地位を占めたりき
而も其の格闘戦たるや我が国伝統の国民性に恰適なると兵力精強の必要に依る高度の訓練と相俟って一騎当千の空中戦士を排出せり
而してシナ事変までは克く第一次大戦の教訓を呪詛活用せり雖も空中戦法の変遷の見透かし未だ大戦の「アス」戦法の域を脱せず
空中戦闘兵力の増加に伴う部隊戦法の採用、訓練の進歩発達ありと雖も謂う所の部隊戦法はすなわち単機格闘戦闘の集合体に他ならず而して之が完成には更に高 度の訓練を必要とするの状況に在りたり。
シナ事変勃発以前に於ける空中戦闘は唯「スペイン」内乱戦の状況を遠くで観察するに止まる程度にして
真に身を戦火の中に投じ其の体験より発する戦法改変必要性を確認し之が具体的方策を樹立採用するに至らざりき
而して昭和12年シナ事変勃発するや我が飛行部隊の主力は北支の空に活躍するに至りしが
彼我空中戦力の格段適相違はシナ軍に対し常に圧倒的勝利を収め陸軍の北支、海軍の中支に於ける空中決戦は
従来の単機格闘戦法を以て克く之を達成したるを以て未だ格闘戦に対する危惧は深刻に論議せられざりき
然るに昭和14年春日「ソ」両軍が其の戦闘機の全力を挙げ「ホロンバイル」上空に死闘せる「ノモンハン」事件発生するや
我が軍は当初単機戦闘をの威力を以て克く「ソ」軍に対し絶対的勝利を獲得せるも
逐次我が方の損害の続出と敵の厖大なる兵力の使用に対し苦戦を交うるの止む無きに至り
大部隊に対する大部隊の戦闘は個々の力の集合にあらずして一貫せる組織力ある兵力を統合せる大部隊を以て運用せざれば不可能なるに至れり
尚厳に注意すべきは飛行機の速度の増加は従来の格闘戦即ち卍戦の生起を逐次困難ならしめたるのみならず
奇襲実施の公算大ならしめ単機行動の危険を増加せるの一事なり

昭和16年12月8日大東亜戦勃発するや緒戦に於いて赫々たる戦果を収めたりと
空中戦闘兵力の増加に伴う部隊戦法の採用・訓練・の進歩発達ありと雖も敵の量に依る反撃と飛行速度の増加(翼加重の増大)とは益々空中戦法の改革を決定な らしめ以て現在に於ける部隊戦法の発展に到達せり
而して部隊戦法は高速疎開戦にして部隊の戦力を一指揮官の下に有機体的に統合し各機の連鎖ある行動を以て戦闘を終始せしめ個々の戦闘行動(格闘戦)を禁じ 以て部隊の戦力を集中発揮せしむるのみならず
高速疎開を以て行動し奇襲的効果を発揮せしむると共に敵を包囲するの体制を整え敵を捕捉を益々確実ならしむるに至り現下に於ける戦闘機の発達の趨勢を克く 適合せるものと謂うべし





しかし陸軍の軽戦至上主義って一体誰が言ったんでしょうねえ・・・
まあ前線に隼しかないから仕方ないんでしょうが・・・