のびのびと手足の運動〜!

暑さに負けるな34000おまけ


 <夏>と云えば<ラジオ体操>である。ラジオ体操と云えば<第二体操>であり、「手足の曲げ伸ばし」と相場は決まっている。日本放送協会は何も云わないが、私が今決めた。
 この、「手足の曲げ伸ばし」運動は、第二体操の二番目の運動であるが、妙齢の女性が絶対に真面目にやらない動作として、日本全国のラジオ体操体験者の間では極めて有名なものである。さあ、想い出してごらん…あの子もこの娘も誰一人として頑なに膝を閉じていた、あの夏の日の事を…。


 それではイカン!と怒っている読者諸氏の便宜をはかるべく、印度総督府では厚生省考案の「厚生体操」を以て諸氏の不満を解消せんとするものである。

 これが「アサヒグラフ」昭和16年3月19日号に掲載された「厚生体操」の紹介記事である。


 どこでも出来る 疲労恢復の「厚生体操」

 厚生省では、国民保健のため、体力局体育課栗本体育官が主となって厚生体操を考案、来る4月を期し、その伴奏音楽と共に発表することになった。
 この体操は、従来のラヂオ体操国民体操などのように鍛錬的なものではなく、疲労恢復を主目的としたもので、我々が仕事に疲労したとき、無意識にやる動作を、体育的に改良組立を行ったものだという。どんな場所でもやれるのがその特徴である。−日本体育会体操学校にて


  <日本体育会体操学校>とは、今の日本体育大学の前身の事。と云うわけで、この写真に写っているお嬢さん達は、まがう事なき<女学生>なのであります。いわば、帝国日本の女子体育教育を担う逸材と云えるわけである。
 しかし!そう云う彼女たちですら、軽くひらいた足を曲げるレベルで留まっているのである。第二体操の「手足の運動」が、いかに昔から女子に忌み嫌われていたか、をまざまざと知らしめる一枚である。

 学習のポイント:丈の短い体操着の下はどうなっているのか、想像してみよう。
          ネットサーフィンで疲れを感じたら、実際に試してみよう。
          おとうさんや上司に教えてみよう。

 「無意識にやる動作を、体育的に改良組立」とあるわけだから、おそらくは「体育的に鼻毛を抜く」などの隠れた研究も存在したに違いない。