時局対応25000おまけ

F8いんあくしょん


 米国の電子偵察機と、中国戦闘機との接触事件は、読者諸氏の記憶に新しいところである。
 中国空軍についての情報は、極めて少ない。使用航空機のプラモデルも、中国にて細々と生産されている程度であるから、気の違った模型雑誌が一度きりの特集を組んだのみである。

 そう云うわけで、読者諸氏におかれては、「F8戦闘機って何じゃらホイ」と疑問に思われている事と思う(と云うか疑問に思っていただかないと、後が続かないのである)。


 よって今回の「おまけ」は、中国国内で流通しているF8戦闘機の写真をいくつか選んで掲載する次第である。
 どのみち4月末になれば、各種航空雑誌が慌てて特集を組むであろうから、例によって内容はいいかげんなモノである事は、あらかじめ御了承いただきたい。

 大都会の上空を飛行するF−8 2M戦闘機。全天候空戦能力と、対地(海)攻撃能力を向上させたタイプである。

 これはF−8 2型の01号機。米軍機と接触・墜落したのは、恐らくこの系列と思われる。

 「中国飛機 1951−1997」(航空工業出版社)の記述によると、2型は1984年6月12日初飛行とある。
 全長20.53米、翼幅9.33米、最大速度はマッハ2.2。

 「中国名機珍蔵」(中国民航出版社)によれば、中国に於いては、第二次大戦後のジェット戦闘機を<第一代>(F−86、Mig−15、ホーカーハンター等)、<第二代>(センチュリーシリーズ、ライトニング、Mig−21、25等)、<第三代>(F−14、15、16、トルネードミラージュ2000、Su−27等)、<第四代>(F−22、ラファール、ユーロファイター、SU−37等)に分類しており、その分類によればこのF−8は、<第二代>に属するものだと云う。84年初飛行かつ中国製にしては、えらく控えめな態度に出たものであるが、当然ウラはあるのであった。

 この、今は亡きオータキの1/144 MIG−23のような、F−8 1型が存在しているからなのであった。初飛行は1969年7月5日である。F−8 2型は、これの改良型であるから、<第二代>と云う扱いになっているのであった。中国初の独自開発による、マッハ2級戦闘機である。MIG−21を大型化して、発動機を双発にしたんだろう、などと云うと、多分怒られます。
 ちなみに、例の文化大革命のあおりを受けて、部隊配備は1980年12月からである。

 おとくいの「まるで無数にあるかのように見えるアングル」で撮影されたF8。なあに画面に見えるのは、たかだか16機に過ぎません。胴長で、運動性能は低そうに見える。もちろん実際のところは分かりません。


 F−8 2型は第一線機のため、実物を見るのは困難であるが、1型の方は、航空博物館、軍事博物館に実機が展示されているので、その大きさを実感する事が出来る。異様な大きさである。

 時局便乗企画とは云え、笑いが取れないのも淋しいので、「中国新型武器大展示」(兵器工業出版社)より。

 別にトリック撮影をしているわけではない。双子パイロットである。握った手の<軍手>に注目! そう、中国空軍の戦闘機パイロットは<軍手>をして戦闘機を操縦しているのだ。これは台湾の航空雑誌も認めている事である。彼等いわく<非常「簡便」>ただし、何の防護力も無い、とさりげなく小馬鹿にしているのであった。